3月3日〜3月9日のオーストリアのニュース



3月3日(月)

     国外ニュース

北朝鮮 米国の偵察機を迎撃

米国のテレヴィ報道によれば、北朝鮮の戦闘爆撃機が先週末、米国
の偵察機に対し約150メートルにまで接近した。少なくとも4機の
ミグ戦闘機が接近したが、その操縦士は攻撃的な行動は取らず、こ
の事件が起きたのは国際空域上であった、と報じられた。北朝鮮の
軍機が米国の偵察機を最後に迎撃しようとしたのは1969年で、そ
れ以来の出来事である。米国と北朝鮮は現在、北朝鮮の核計画をめ
ぐって対立している。

     国内ニュース

ゲーラー 授業時間の削減を予告

教育大臣エリサベト ゲーラー(国民党)は昨日の記者会見で、生
徒の必修授業の削減を行なう、と予告した。彼女は、週2時間程度
の削減が適切であると見ており、これによって父母会が繰り返し要
求している週5日制も容易になる、としている。国際的に比較し
て、オーストリアでは12歳から14歳の生徒は年に1,148時間の授
業を受け、工業国の中では最多である、第一段階として、経済協力
開発機構OECDの平均936時間に近づけるべきだ、と彼女は述べた。
一方、野党と教員労働組合はこの計画を疑問視している。




3月4日(火)

     国外ニュース

米国 北朝鮮にそなえさらに部隊を集結

北朝鮮との事件から2日、米国は西太平洋に追加部隊を派遣するよ
う命じた。既に西太平洋に駐留している軍の強化のための「予防的
な措置」である、と国防省報道官は発表した。北朝鮮の戦闘機が日
曜日に米国の偵察機を日本海上で迎え撃った事件の後、米国と北朝
鮮政府間の危機ははっきりと高まっている。

     国内ニュース

連邦国軍再編との報道

新聞報道によれば、連邦国軍は国会の今回の任期の間に、完全に再
編されることになっている。改革委員会が今年末までに、その基本
方針を練り上げ、遅くとも2006年に大規模な改革を実施する、と
のことである。それによれば再編の核心は、正規軍と在郷軍人の混
合、兵役期間を8ヶ月から6ヵ月に短縮すること、兵役を武器を持
つのと持たないものとの2種類にすること、兵舎の閉鎖、部隊の経
費の30%削減である。国民党の防衛問題の専門家ワルター ムーラ
オアーは、この問題について具体的には何の議論も行なわれていな
いが、兵役の短縮については、国境監視の仕事が国軍から警察に移
されるなら、党内での議論が行なわれる、と述べた。




3月5日(水)のオーストリアのニュース

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パウエル「イラクは禁止されていたミサイルを隠匿している」

米国は、イラクが禁止されていたアル・サムード・ミサイルの現状
を完全に公開しておらず、さらにミサイルを製造する意志がある、
と非難した。「最新の情報部からの情報によれば、イラクは禁止さ
れていたアル・サムード・ミサイルすべての状況を公開しておら
ず、またすべてを破壊する気もない」と米国外務大臣コリン パウ
エルは昨日戦略国際研究センターでの演説で述べた。その中で、サ
ッダーム フセインはさらにミサイルを製造する命令を出してお
り、同国政府には、平和的武装解除のためにはごくわずかの日数し
か残っていない、と述べた。

     国内ニュース

首相シュッセル 国会で政府声明

国民議会で木曜日、連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民
党)は政府声明を発表する。就任の宣誓から6日、第2次シュッセ
ル内閣の18人の閣僚全員が初めて国会の政府側の席につくことに
なる。討論は10時間の予定で、うち8時間は生中継される。政府声
明で首相は、国民党と自由党の連立政権の新たな課題への対処につ
いて説明する。その中心は、2段階で実施される税制改革、段階的
な早期受給年金の廃止、健康保険制度の財政面の安定措置などであ
る。野党社会民主党と緑の党が、これらの計画に手厳しい批判を行
なうことが予想される。




3月6日(木)

     国外ニュース

アラファト 首相にマームド アッバスを指名

公式の発表によれば、パレスチナ大統領ヤセル アラファトは、
PLOの要人マームド アッバスをパレスチナ首相に指名した。パレ
スチナ中央委員会と立法評議会は、日曜日からの一連の審議の中で
この指名を採決するために、必要な措置を取る、とパレスチナ議会
議長アーメド コライはロイター通信に語った。アッバスは、アブ
 マーセンとしても知られており、パレスチナ政界の改革派の代表
と目されており、アラファトの後継者として扱われている。アラフ
ァトは、パレスチナ政府の改革を開始せよとの国際的な圧力にさら
されている。

     国内ニュース

ハオプト 外来診療費を廃止の方針

副首相で社会福祉大臣ヘルバート ハオプト(自由党)は、5月
1日に外来診療費を廃止するとの計画を立てている。彼は新聞の中
で、来週火曜日にもこの案を閣議に示し、承認を得る予定である、
と述べた。「廃止は出来るだけ早い時点で行ないたい。現在の自己
負担の廃止と同時である必要はない」と彼は述べた。政府の計画で
は、外来診療費および診断書発行料の廃止が予定されているが、新
たな自己負担が導入されることになっている。その時期は明確にさ
れていない。




3月7日(金)

     国外ニュース

ユダヤ人入植地へ2度の襲撃で死者7名

金曜午後西ヨルダンランドでは、ほぼ同時に2件の襲撃事件が起こ
り、少なくともイスラエル人3人と、犯人のパレスチナ人4人全員
が死亡した。タルムードを学ぶ者の服装をした男2人が武装し、ヘ
ブロン近郊の入植地キルヤトに入り込み、発砲した、と同地の市長
がイスラエルのテレヴィ番組で語った。ある家族の3人が死亡し、
その他少なくとも8人が負傷した。イスラエル治安部隊がこの犯人
を射殺した。ハマスが犯行声明を出した。この事件の数分後、パレ
スチナ人2人がヘブロンの南東の入植地ナハル ネゴートに入り込
んだ。彼らも射殺された。

     国内ニュース

ティロール州自由党 新たな規約を決議

ティロール州自由党は、新たな党規約を金曜午後、賛成多数で承認
した。インスブルックで開催された特別党大会の参加者約2百人の
うち、反対したのは3人だけであった。同州同党主ウィリ ティル
クが示した提案に反対している主要人物は、この党大会に参加して
いなかった。新規約は、ティロール州自由党を財政的に独立させる
基盤を作るためのものである。




3月8日(土)

     国外ニュース

PLO中央評議会 アッバスの首相指名に賛成

パレスチナの2番目に重要な議会の委員会であるPLO中央評議会は、
土曜日午後、PLO事務長マハムド アッバスを自治政府の首相に任
命することに同意した。非公式の投票では、約百人の代表がパレス
チナ大統領ヤセル アラファトの提案に賛成し、反対は少数であっ
た、とPLOの代表が発表した。月曜日にはパレスチナ議会が、アラ
ファトのこの推薦と、新政府の権限について審議することになる。

     国内ニュース

ケルンテン州 地方議会および市長選挙

ケルンテン州の有権者約443,000人が日曜日、地方議会と市長選
挙に臨む。16歳から18歳の約14,000人にも初めて選挙権が与え
られた。昨年11月の国民議会選挙以来、州全体を対象とする投票
は初めてである。投票所は17時に閉められ、20時頃には全体の結
果がでると見られている。自由党が退潮するかがとくに緊張感をも
って見守られている。国民党は、自由党を州全体で上まわり、第2
党に復帰することを目標としている。社会民主党は今の第1党の位
置をさらに伸ばしたい、としている。




3月9日(日)

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サウジ・アラビア 米軍の駐留を否定

ここ数日間で多くの米国の兵士と軍用機がサウジ・アラビア国内に
駐留したとの報道が行なわれたが、サウジ・アラビアは改めて否定
した。同国北部の港アラルは、米兵が到着したためではなく、修理
のために閉鎖されたのである、と国防大臣イブン アブデラジス王
子は当初の報道を否定した。

     国内ニュース

プリンツホルン 蔵相の税制改革に関する発言を批判

国民議会議長トーマス プリンツホルン(自由党)は、先日行なわ
れた大蔵大臣カール・ハインツ グラサーの演説に対して、「政府
が最初から前言撤回を行ない、計画していた税制改革に信頼を寄せ
ないのであれば良い兆候とはいえない」と述べた。彼は、グラサー
には税制改革を行なう意志がないと理解しているが、政府は最初の
数日間示した態度からみると、政府はいずれにせよいくらかは行な
わなければならない税制改革を信頼していない、という懸念を持っ
ている、と述べた。



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