7月14日〜7月20日のドイツのニュース



7月14日(月)

金属産業労組幹部 8月下旬の選挙を提案

(フランクフルト アム マイン)金属産業労働組合は、8月30日および31日に
特別労働組合会議を開いて、首脳部の対立を解消する方針である。その際、新幹部
を選挙する方針である。フランクフルト アム マインの会議に出席した同労組会
長クラオス ツヴィッケルによれば、執行部の幹部がこれに合意した、とのことで
ある。首脳部が、来週この措置について決定することになっている。ドイツ東部で
の金属産業の酢とが失敗したことを受け、同労組副会長ユルゲン ペータースは批
判を受けている。ペータースはもともとは、10月の定期労組会議でツヴィッケル
の後任に選ばれる予定であった。一般党員は選挙の前倒し提案に関して、おおむね
前向きの意見を持っている。ただし幹部の1人クラオス フォルケールトは、人事
に関するこの代案には欠点がある、と批判した。

     その他のニュース

アイヒェルの減税の財源構想の発表 遅れる

(ベルリン)蔵相アイヒェルは、減税を早期実施した場合の財源に
関する核心部分を水曜日には提案しない模様である。この期日は、
首相シュレーダーが呈示していたものである。蔵相報道官ミュラー
は、細部がまだつめられていないが、アイヒェルが予告していた補
助金の削減、民営化、新たな国債の発行を合わせたものになる、と
述べた。ヘッセン州首相コッホ(キリスト教民主同盟)は新たな国
債発行は断固として拒否している。一方キリスト教社会同盟党首シ
ュトイバーは、同党は税制改革の早期実施を可能にし、実現に協力
する、と述べた。自由党党首ヴェスターヴェレは、今週中の閣議で
の決定を求めた。

シラク 通貨安定法の大幅な緩和を求める

(パリ)仏大統領シラクは、オイロ使用国にたいし、通貨安定法の
大幅な緩和を提案した。シラクはこの提言を革命記念日に行われる
恒例のテレヴィインタヴューで、各国蔵相は、安定をもたらし、経
済成長を妨げない解決策を探すべきである、と語った。独蔵相アイ
ヒェルとEU通貨委員ソルベスは、シラクの提案に反対した。通貨
安定法は、オイロ使用12カ国に対し、オイロ安定化のための大枠
を定めたものである。この法律では、毎年の新規の負債は国内総生
産の3%を越えてはならない、とされている。独仏は今年は経済情
勢が悪いためこの上限を2年続けて守ることができない見込みであ
る。

英国 アラファトとの接触を断たない方針

(ロンドン)イスラエル政府はパレスチナ大統領アラファトを孤立
化させることを望んでいるが、英国政府は、これに応じない方針で
ある。外相ストローは、イスラエル首相シャローンと会談し、英国
は民主的に選ばれた自治当局の指導者アラファトとも交渉をつづけ
るつもりである、との立場を明確にした、これはEUのアラファトに
対する方針に従うものである、と政府高官が発表した。出発前、シ
ャローンはヨーロッパ各国政府に対して、アラファトを相手にしな
いよう繰り返し呼びかけ、そうでなければパレスチナ首相アッバス
の力が弱まってしまう、と述べていた。




7月15日(火)

IWF ドイツの経済成長を低く予想

(ベルリン)国際通貨基金は、ドイツの経済成長を下方修正した。連邦大蔵省によ
れば、IWFは来年の経済予想を、4月の時点の1.9%から1.5%に下げた。また今年
の国内総生産は沈滞する、と予測している。連邦政府は今年は0.75%、来年は2%
の成長を予測している。ただし政府のこの見方は専門家の中では唯一のものであ
る。またIWFは、減税の第3段階を1年早めて2004年に実施するなどの、ドイツが
導入した改革を歓迎した。大蔵大臣ハンス アイヒェルは、減税の早期実施の財源
の多くを国債発行でまかなう方針である、と新聞は報じている。

     その他のニュース

州は公務員の手当削減を検討の模様

(ベルリン)いくつかの州は、公務員への支払いを、今まで以上に
切り詰める計画を立てている模様である。予算の危機に対処するた
め、公勤務従事者のクリスマス手当および休暇手当削減を早期に実
施する方針である、と新聞が報じた。政府の代表者は、バーデン・
ヴュルテンベルク州、ザクセン・アンハルト州、ニーダーザクセン
州、ノルトライン・ヴェストファーレン州がこの計画を立てている
ことを認めた。バーデン・ヴュルテンベルク州蔵相シュトラットハ
オスは、公務員は解雇されないので、この犠牲は支持を得られる、
と述べた。これらの各州はこれにより、連邦参議院で金曜に給与法
と共に可決された法律の付帯条件を使用することになる。ハノーフ
ァーでは警官数百人がこの手当削減に抗議している。

EU各国蔵相 トリシェを中央銀行総裁に指名

(ブリュッセル)EU加盟各国の蔵相は、フランスの発券銀行総裁
トリシェを正式に欧州中央銀行総裁に指名した。彼は60歳で、現
職のオランダ人ドュイセンベルクの任期が11月1日に切れた後、
8年間にわたって総裁を務める。彼の総裁就任は、6月に粉飾決算
の疑いでの刑事訴追で無実を勝ち取った後ようやく可能になった。
この指名はこの後、欧州議会とEU加盟各国首脳が支持することが
必要である。ドイツ大蔵政務次官コッホ・ヴェーザーは、この指名
を歓迎し、トリシェは中央銀行の人材として特別な能力を持ってい
る、と述べた。トリシェは、EUの通貨安定法案の緩和に反対する
発言を行なっていた。

フィッシャー ワシントン訪問

(ワシントン)独外相フィッシャーは、ニュー ヨークに短時間滞
在した後、イラク戦後初めてワシントンを訪問した。まず彼は上院
議員数人とイラクおよびアフガニスタンについて話しあった。水曜
日に彼は、米外相パウエルおよび安全保障の大統領顧問ライスと会
談する。その中心は、軍事介入で勝利を収めた後の、イラク情勢へ
の米国とその同盟国の対処の仕方である。米国は国際社会により負
担の削減をすることを目指している。イラクへドイツ軍を派遣させ
ることを米国が検討しているが、ドイツ政府は今のところこれを拒
否している。ドイツはイラク戦争に断固反対する国の一つであっ
た。




7月16日(水)

フィッシャー パウエルと会談

(ワシントン)ドイツ外務大臣ヨシュカ フィッシャーは、米国外相コリン パウ
エルと、イラクおよび近東情勢について話し合う。会談後フィッシャーは、ドイツ
はイラク再建のために人道的支援と産業面での支援を提供するが、軍事的に貢献す
る計画はない、と米国に伝えたとの声明を出した。会合を前に、両医者は平和のた
めの同盟を結成するよう呼びかけ、米国と欧州は平和を獲得できるようすべての力
を結集しなければならない、と述べていた。ドイツは米国との関係を欧州外の友好
国の中でもっとも重要なものであるので改善していくために、あらゆることを行
う、ともフィッシャーは述べた。彼はイラク戦終了後初めて米国を数日かけて訪問
している。

     その他のニュース

米軍機 バグダッドで地対空砲火を受ける

(バグダッド)イラク大統領サッダーム フセインの失脚後初め
て、米国軍機が迎撃ミサイルによる攻撃を受けた。地対空ミサイル
はバグダッド空港に着陸しようとしていた輸送機を狙ったが、目標
を外した、と米軍報道官は発表した。サッダーム フセインが権力
を得てから24年目の水曜日には、占領軍に対していくつかの攻撃
が新たに行なわれたと報じられ、これにより米兵1人、イラク人の
少女1人が死亡、米兵3人とイラク人5人が負傷した。米国中央司令
部は、バグダッドの北西で週末から行なっている手入れで、約450
人のサッダーム フセインの支持者と見られる人物を逮捕した、と
発表した。その中には、旧政府の元高官約40人も含まれている、
とのことである。

ドイツの反テロ派兵続行

(ベルリン)国防軍はアフリカに対する派兵を、反テロ作戦「不朽
の自由」の枠組みの中で、今までと同じ規模で続行する方針であ
る。秋までにアフリカの角のジブチにある基地を明け渡して、ケニ
アへの派兵を完全に終了する、とある新聞が報じたが、国防省はこ
の報道を否定し、ドイツ兵に対する補給施設を、今後どの規模のも
のにするかを現在検討している、と発表した。この新聞は、国防軍
筋の情報として、イラク戦争終了後は部隊は何もすることがない、
との言葉を引用していた。国防軍は、8百人以上の兵士を投入し、
世界各地で反テロの派兵に参加している。

サントーメ・プリンシペでの暴動 軍事政権権力を奪取

(サントーメ)西アフリカの島国サントーメ・プリンシペではクー
デタがおこり、軍部が権力を手に入れた。少佐ペレイラの指揮下に
ある反乱軍は、いわゆる国民救済政府を結成し、民主主義を尊重す
る、と予告している。外国に対しては、介入を行なわないよう警告
している、とポルトガルのラジオが報道している。首相ダス ネヴ
ェスと彼女の中道左派政権は、軍事政権の支配下に置かれている
が、負傷者は出ていない、とのことである。暴動を起こした一派は
大統領デ メネツェスがナイジェリアに出国した機会を利用した。
デ メネツェスは、同国に戻りたい、と発表した。今回の事件の背
後には、社会情勢が悪化していることと、最近発見された石油をめ
ぐる権力争いがあるものとみられている。




7月17日(木)

フィッシャー 独米関係を高く評価

(ワシントン)ドイツ外務大臣ヨシュカ フィッシャーは、イラク戦後初めて、独
米関係が「新たな開明性」を獲得した、と見ている。独米関係は、強力で極めて良
好な土台の上になりたっている、とフィッシャーは米国副大統領ディック チェー
ニーとのワシントンで会談した後述べた。首相ゲアハルト シュレーダーと大統領
ジョージ W. ブッシュが会談を行なう可能性については、チェーニーとは話し合わ
なかった、とも述べた。これに先立ち、フィッシャーは米外務大臣コリン・パウエ
ルと会談し、イラク再建に関して人道的および産業面での支援を行なう、と約束し
た。同時に彼は、ドイツはイラクの情勢安定化のために国連の役割をより強めてい
くべきだ、との願いを伝えた。また部隊のイラク派遣問題に関しては、何の約束も
しなかった。

     その他のニュース

米将軍アビザイド イラクではゲリラ戦が行なわれていると発言

(ワシントン)米軍は、イラクで続く米兵を狙った攻撃は、古典的
なゲリラ戦である、とみている。小規模のかなりよく整備された組
織が、米兵を対戦車ミサイル、機関銃などの武器で適当に攻撃して
いる、と米近東最高司令官アビザイドは述べた。彼は、イラクの元
権力者サッダーム フセインもイスラーム系テロリストも、米軍を
国外に追い出すことはできない、と強調した。新聞報道によれば、
米国防省は諸国からの支援が不足しているため、イラクに約1万人
の州兵を派遣する計画である。そのほか、国連のイラク新決議が検
討されている。これは、国連の委託を拡大して、イラクの安定にさ
らに多くの国々が参加させるためのものである。

カナダ カブールの多国籍旅団の指揮権を引き継ぐ

(カブール)ドイツ国防軍は、アフガニスタンの多国籍旅団の指揮
権を、カナダに譲った。カブールの「キャンプ ウェアハウス」の
軍施設で行なわれた式典で、軍は1年半の平和のための派兵の間に
殺害された、14人のドイツ兵も含め、死者の追悼を行なった。将
軍フレーアスは、全員が無傷でドイツに帰国できないのは痛ましい
ことだ、と述べた。国際アフガニスタン保護部隊の下に置かれてい
るこの旅団には、カブールにいるドイツ兵約2,400人のうち、約
1,800人が属している。一方、アフガニスタン大統領カルザイは、
大集会ローヤ ジルガの開催を指示した。この大集会では、秋まで
に新憲法を決定することになっている。これによれば、集会の代議
員500人は選挙で選び、残り50人はカルザイが決める。

サハラ砂漠の旅行者の誘拐犯 解放の条件を提示

(アルジェ)ドイツ、スイス、オランダからサハラを訪れていた旅
行者15人を誘拐した犯人には、解放の準備がある、とアルジェリ
アでは報じられている。多くの情報を持つ新聞「エル ヴァタン」
は、アルジェリアの治安維持の専門家の言葉として、軍部は旅行者
の解放の際に犯人が国外脱出するのを妨害しない、と提案してい
る、と伝えている。急進派イスラーム組織に属しているとされる犯
人は、手書きの手紙でこれに応じる姿勢を見せている、とのことで
ある。ただし、彼らはその他に安全面での保証を行なうよう求めて
いる、とも報じられている。ドイツ人10人、スイス人4人、オラン
ダ人1人からなる旅行者は、2月から3月にかけて誘拐された。




7月18日(金)

税制改革計画に厳しい批判

(ニュルンベルク)バイエルン州首相エドムント シュトイバーは、キリスト教社
会同盟の党大会の冒頭で、連邦政府が計画している税制改革に関して厳しい批判を
行なった。また、バイエルン州議会選挙を2カ月後に控えてニュルンベルクで開か
れた党大会では、選挙戦は激しい曲面に入った、とも述べられた。シュトイバー
は、キリスト教社会同盟は、バイエルン州の住民の利益を考えて改革を妨害するこ
とはしないが、弱い政府の後押しをして多数を取らせることはない、と強調した。
キリスト教民主同盟党首アンゲラ メルケルは、キリスト教社会同盟を支持するこ
とを約束した。彼女は首相シュレーダーに対して、新たな財源案を呈示するように
求めた。
計画中の減税案は、連立相手の緑の党でも異論を呼んでいる。ノルトライン・ヴェ
ストファーレン州建設大臣ミヒャエル フェスパーは、まともな財源が今のところ
提案されていない、とこき下ろした。

     その他のニュース

金属産業労組会長 混乱を呼ぶ

(フランクフルト アム マイン)3週間前から続いている金属産
業労組の危機で、同労組会長ツヴィッケルは、さらなる混乱を招く
心配をしている。幹部の人事をめぐる議論に関する記者会見が行わ
れるかどうか、緊迫感をもって見守られていたが、ツヴィッケルは
近々行なうことはないとし、その理由として未解決の幹部の問題に
関して、さらに話し合いが必要だ、とだけ述べた。本来は、ツヴィ
ッケルは個人的な声明を発表する予定であった。その中で、彼は新
たな後継候補を発表するものとみられていた。新聞報道によれば、
彼は幹部内部の危機を解決するために身を引く方針であった。記者
会見をめぐる紛糾を、同労組は困惑をもって受け止めている。あい
かわらず、副会長ペータースがツヴィッケルの後任として名乗りを
上げているが、彼に対しては異論もあるが、彼の対立候補を誰にす
るかに関して意見の一致は見ていない。

ハルツ計画により93万人分の短時間労働

(ベルリン)4月に議決されたハルツ改革により、ドイツの労働市
場には新たに93万の新たな短時間郎党が生まれた。この数字は連
邦社会福祉大臣シュミットがベルリンで発表したものである。政府
が予想していた約30万人分の雇用をはるかに越える数字である、
とも述べた。連邦鉱業従事者保険組合によれば、失業ないしはいわ
ゆる失業予備軍から、約73万人が短時間労働につくことになる。
その中には今まで給料を得られる仕事についていなかった主婦など
も含まれている、とのことである。

イラク行政官 来年春の選挙は可能との見通し

(バグダッド)米国文民行政官ブレーマーは、イラクでは来年春に
民主的な選挙が行なえる、と語った。選挙の期日は、イラクの行政
審議会が新憲法を完成させ、それが発効する日程によって最終的に
決まる、と彼は述べた。米国秘密情報部は、木曜日に公表された録
音の中で発言したのは、失脚したイラクの権力者サッダーム フセ
インである可能性が高い、と発表した。またイラクで起きた爆発
で、車で爆発物の上を通過した米兵1人が死亡した、と米軍は発表
した。これで今までに死亡した米兵の数は148人となった。米国防
副大臣ウルフォウィッツは、数日間の予定でバグダッド入りした。




7月19日(土)

英国の専門家自殺 政権の危機高まる

(ロンドン)英国では、政府の顧問で生物兵器の専門家デイヴィッド ケリーが自
殺をし、政権の危機が高まった。首相トニー ブレア率いる労働党の国会議員は、
ブレアに辞任を求めた。これより前警察は、ケリーの遺体は金曜日に発見された
が、彼は動脈を切って出血多量で死亡した、と発表した。アジア訪問中のブレア
は、調査を行なうと述べた。ケリーは59歳で、政府の顧問を務めていたが、許可
なくBBCの記者に話したことを認めてイラク戦争開始の理由をめぐる紛糾に巻き込
まれていた。放送局BBCは、イラクの大量殺戮兵器に関する秘密情報部の情報を誇
張した件で、英国政府を避難する文書を公表していたケリーは下院の公聴会で、こ
の文書の情報源が自分であるとの非難を否定した。

     その他のニュース

米国 新イラク軍の人材集めを開始

(バグダッド)米軍は新イラク軍の新兵募集を開始した。首都バグ
ダッドだけで、百人のイラク人が応募したが、その多くは以前部隊
に属していた。登録をすませた候補者は選抜を受ける。2年後には
当面軽武装だけをした4万人規模のイラク軍になる予定である。一
方バグダッドのほかナジャフ、バスラでは数千人が占領軍に対する
抗議活動を行なった。まだデモ隊は、シーア派のムクタダ エル 
サドルとの連帯を表明した。サドルは金曜日の祈祷で、抵抗を呼び
かけていた。彼は、1999年にサッダーム体制の指示で暗殺され、
尊敬を集めていた大アーヤトッラーであるモハマド サデク エル 
サドルの息子である。

フランス イラク査察の再開に賛成

(パリ)フランスは国連によるイラク武器査察の再開に乗り出す方
針である。国連武器査察団が活動再開してようやく、イラクの武器
保有が解明される、と同国防相アリオ・マリは述べた。また彼女
は、フランスは国連の委託なしでは、イラクの情勢安定のために兵
士を派遣することはない、現在のイラク決議には部隊の派遣は全く
含まれていない、とも述べた。国連事務総長アナンは、イラク人に
完全な国家の主権を返還するために、明確な予定を作ることに賛成
し、イラク国民に民主化を外から押しつけることはできない、と述
べた。

国防軍 兵士8百人をアフガニスタンから引き揚げ

(ベルリン)国防軍は、国際アフガニスタン平和部隊に参加してい
る兵士の数を減らす。9月末までに現在カブールに約2,300人いる
兵士のうち800人を引き上げる、と新聞が報道しているが、国防省
はこれを確認した。減員の理由は、多国籍旅団の指揮権を木曜日に
カナダに引き渡したことと、8月にはアフガニスタン和平部隊の指
揮権をNATOに引き渡す予定であるためでる、としている。アフガ
ニスタン北東部では、遠隔捜査の爆弾により米兵3人が死亡した。




7月20日(日)

ブレア 「ケリー危機」による辞任を否定

(ロンドン)英国首相トニー ブレアは、政府顧問デイヴィッド ケリーの自殺に
より、ますます国内から強い圧力を受けている。放送局BBCは、生物兵器の専門家
であった彼が、同局が報じた、イラクの大量殺戮兵器に関する秘密情報部の情報を
誇張したのは政府である、との報道の主な情報源であった、と伝えている。この推
測がこれ以上広がるのを避けるため、彼の家族の要求に応じて同局は、ケリーが果
たした役割を発表する、と発表した。ブレアはケリーの死に関連して辞任を求めて
いる野党の要求を拒否した。また彼は国会の特別会議を行なうことや、アジア訪問
を中止することを拒否した。そんなことをすれば議論を不必要に加熱するだけで、
何の解明にもつながらない、とのブレアの声明がロンドンで公表された。

     その他のニュース

アナン 米軍のイラクからの撤退の予定表を作るよう求める

(ニュー ヨーク)国連事務総長アナンは、米英軍のイラクからの
段階的撤退に関するはっきりした予定表を作るよう求めた。さらに
彼は安保理に対する情勢報告書の中で、再び国連の役割を強化する
ことに賛成だ、と述べた。イラクでは米国の占領に対する抗議活動
が再び行なわれた。ナジャフでは約1万人が、住民の宗教的指導者
の家の占拠に反対してデモを行なった。反米集会では、デモ隊は米
兵に投石した。シーア派の指導者モクタダ エル サドルは、金曜
日の祈祷で、米占領軍を厳しく批判し、反乱を起こすよう呼びかけ
ていた。

米国 イラク北部のPKK党員に武力を行使すると威嚇

(アンカラ)米国は禁止されているクルド労働党PKKの戦闘員に、
イラク北部から立ち去るように求めた。この戦闘員が退去の準備を
しないのであれば、武力を行使する、と在トルコ米大使ピアソンは
トルコの新聞に述べた。トルコの脅威がイラクの地で拡大すること
を米国は許容しない、とも付け加えた。1999年に同党の指導者ア
ブドゥラ エカランが逮捕されてから、同党の戦闘員数千人はトル
コからイラク北部に撤退していた。

シャローンとアッバス 捕虜と撤兵について話し合う

(エルサレム)イスラエル首相シャローンとパレスチナ首相アッバ
スは、国際近東和平計画の実施に関する会談を再開した。3週間前
に交渉が中断してから初めてとなる今回の会談の中心争点は、パレ
スチナ側が出している数千人のパレスチナ人捕虜のイスラエル刑務
所からの釈放と、パレスチナ人居住区からのイスラエル軍のさらな
る撤退である。アッバスは会議前に、イスラエルが解放する方針の
捕虜の名前の一覧をシャローンが公表することを期待しており、そ
うしなければ、シャローンが和平計画の実施を遅らせることだけに
関心を抱いていることを示すものだ、とテレヴィ局アル・ジャジー
ラに述べた。



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