9月1日〜9月7日のオーストリアのニュース



9月1日(月)

     国外ニュース

フランスの赤字4%

フランス大蔵省の予想によれば、同国は今年国内総生産の3%の赤
字の上限を越える。同省は2003年の国家財政の赤字を国内総生産
の4.0%と予測し、欧州委員会の指示によるものとしてこの数字を
あげた。フランスは昨年すでに3.1%の赤字を出し、オイロ使用地
域の安定化法案で定められた上限を越えていた。ドイツも今年この
上限を2年続けて越える。ドイツ大蔵省の情報によれば、国内総生
産の3.8%である、とのことである。独仏はオイロ使用地域の2大国
である。3年続くことになれば、巨額の罰金をEUに支払わなければ
ならない。

     国内ニュース

世代間規約 シャイプナーは家族の負担を減らす方針

自由党の会派長ヘルバート シャイプナーは、連立相手である国民
党に、子供を持つ家族の税金の軽減を行なうよう求めた。「これ以
上移民を受け入れることは私の選択肢の中にはない。移民受け入れ
案は既に誤りであることが判明している。国民党からこれに関する
意見を聞くのは確かに時期尚早である。社会福祉制度の財源を確保
するために移民が必要であるというのは、90年代当初までは左派
陣営のみの意見であった」と新聞に述べた。




9月2日(火)

     国外ニュース

米国 国連のイラクの委託を拡大の意向

米国はイラクでの国連の委託を拡大するために、新たな国連の決議
案を提出する方針である。米大統領ジョージ W. ブッシュは、大統
領府で外務大臣コリン パウエルと話し合った後、この決議案に署
名した、と火曜日匿名の政府高官がワシントンで語った。パウエル
は、ブッシュにこれを決定するように迫った、ということである。
この提案は数人の大臣と官庁が共同で作成したもので、今後国連に
提案されることになっている。米国政府は他国の政府とも数日中に
会談を開始する方針である。この提案の詳細については明らかにさ
れなかった。

     国内ニュース

EU委員会 遺伝子工学を使わない地域を設定することを禁止

オーバーエスターライヒ州は、州全体で遺伝子工学の技術を使うこ
とを禁止する宣言を提案しているが、EU委員会は、これを認めな
かった。この決定は激しい政治的な反応を引き起こした。オースト
リアは、環境問題が科学技術によって生じたことに関する新たな科
学的情報を呈示することも、遺伝子技術によって変化させられた植
物の利用によって国に固有な問題が生じたことも立証できていな
い、とEU委員会は火曜日午後に発表した。同州首相ヨーセフ ピ
ューリンガー(国民党)は、リートで開かれている国産農業見本市
の開会にあたって、同州の遺伝子技術法がEU委員会に拒否された
場合には、無効の抗告を行なう、と述べた。




9月3日(水)

     国外ニュース

パウエル「イラク決議は政府による計画を含む」

米国の計画によれば、イラクの移行新政府は、独立の政府を作るた
めの日程表を提案する。これは米国が国連安全保障理事会に提案す
る方針のイラク新決議案に含まれている、と米国外務大臣コリン 
パウエルはワシントンで述べた。この計画には、米国が指揮するイ
ラク国際部隊の統一司令部を設置することが含まれており、特に今
までの軍事支援に反対していた人たちの支持を得られるもとの期待
している、とも述べた。米国の財政当局の報告書も、いかに事態が
逼迫しているかを示している。米国はイラクの部隊をこれ以上長い
間維持できない。

     国内ニュース

14歳の暴行事件で法律的議論が行われる

政治および人権団体に叫び声が響いている。ウィーンの刑務所にい
る1人の少年が、同じ房にいる3人から数回にわたって激しい暴行
を受けた。彼に有利な証言として、14歳の彼は両親によってウィ
ーンに送られ、そこで商店に盗みに入ったところを取り押さえら
れ、即時拘禁され、後に未決勾留された。法務省の施設である刑務
所の中の新しい若者用施設の中で暴行が行なわれるのは特別な例で
はない、と非公開少年裁判所の元長官イエシオネクが注意するよう
に求めている。




9月4日(木)

     国外ニュース

EU各国外相 EU憲法とイラク問題を議論

EU各国の外相は金曜と土曜、北イタリアのガルダ湖畔のリヴァに
集まり、EU憲法の政府間会議のやり方と、イラク及び近東の危機
地域について話し合う。EU憲法の政府間会議は10月4日にローマ
で始まる。オーストリア政府は、他の小中規模の国と歩調を合わせ
て、EU集会の憲法案の修正するよう求めている。土曜日にはイラ
ク情勢と、米国が計画している国連新決議案について話し合う。米
国の新決議案は、米国が最高指令権を持った多国籍軍を含んでい
る。EU安全保障委員ソラナは、非公式会合で、最近行なった近東
訪問について報告する方針である。その中では急進派パレスチナ人
組織ハマスに対する、EUの姿勢が議論される。米国とイスラエル
は、EUに対し、ハマスをテロ組織の一覧表に乗せるように求めて
いる。

     国内ニュース

プラサー「政府は2006年まで持たない」

現在の情勢からは、もっとも好意的に見ても、国民党と自由党の連
立政権は、次回の選挙の期日である2006年まで持つと想像するこ
とはできない、と政治学者フリッツ プラサーは木曜日のテレヴィ
番組で述べた。国民党は、その損害が拡大するか、あるいは連邦首
相ウォルフガング シュッセル(国民党)が自分の威信がけがされ
ていると考えたら、自由党の横槍をこれ以上認めないだろう、との
意見をプラサーは述べた。




9月5日(金)

     国外ニュース

ブッシュ 日曜日に国民向けに演説

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、日曜日にテレヴィで全土の国
民に向けて、テロとの戦いに関する演説を行なう方針である。大統
領府はすべての大きなテレヴィ局に対し、この演説を中継するよう
要請した、と昨日CNNが報じた。ブッシュは米国人に対し、テロと
の戦いを世界各地でどれほど広範に進捗しているか、そして米国が
何を目指しているのかを伝えるつもりだ、と同局は政府高官の言葉
を引用している。大統領広報は、この演説はイラク情勢を中心とし
たものになるが、それは米国がテロとの戦いで難しい状態にあるか
らである、と述べた。

     国内ニュース

自由党ザルツブルク支部分裂

ザルツブルク州自由党内部では衝突が生じていることを明らかにな
った。同党の地方組織が分裂したのは5つめである。自由党の4人
の地方議員全員は「自由民主党」へ入党する意向である。この事件
の原因は、ザルツブルク同党の運営を、党首カール シュネルが非
民主的なやり方で行なったためである、と元同士部長フランツ ブ
ラントシュテッターは述べた。一方シュネルは、ヘンドルフでの事
件は、自由党の自浄作用の一環である、と述べた。




9月6日(土)

     国外ニュース

アナン 国連安保理改革に賛成

イラク問題に関する激しい議論が春に行なわれたことに対し、国連
事務総長コフィ アナンは、国連の最重要期間である安全保障理事
会の改革を行なう方針である。「国連の全ての組織が最適の活動を
しているかどうかには、私は自信がない」とアナンは英国の新聞に
述べた。彼は国連総会に今月中にも、安保理、総会、経済評議会に
関連する改革の考え方を提案する、と述べた。「私たちは、国際的
な和平および安全保障の枠組みを組織し、そしてそれを活動させる
にはどうすればよいか、考えなければならない」と述べた。

     国内ニュース

養護施設 国民弁護士団調査開始

国民弁護士団も、養護施設および高齢者施設の状況の調査を行なう
方針である。これは国民弁護士ペーター コステルカが昨日通信社
に予告したものである。ラインツ養護施設の具体的な事件から始め
て、ウィーンおよびその他の各州でも組織的な調査を開始したい、
と述べた。調査の目標は、事件は個人の手違いによるものなのか、
それとも制度上の欠陥によるものなのかを明らかにすることであ
る。コステルカは、国民弁護団はラインツの調査報告書を提出する
だけではなく、既に繰り返し苦情処理担当に申し入れを行なってき
た、とも述べた。




9月7日(日)

     国外ニュース

IAEA イランの核計画について討議

イランの核計画をめぐる対立は、今日ウィーンで始まる国際原発組
織の会議での中心議題となる。この委員会はおそらく、イランに核
計画をさらに透明にすることを求める決議を採択する方針である。
米国は素手により厳しい形の決議案を提案している。それによれ
ば、核兵器の流出を防止する条約に違反していることを強調してい
る。

     国内ニュース

亡命問題 キューベルル第1回の調査により長い時間をとる方針

カリタス会長フランツ キューベルルは、亡命の措置を決めるため
の調査の時間を、新たな亡命法法案に予定されている48ないし72
時間では不十分である、と考えている。6から8週間の時間的余裕
を与えるほうがよい、そしてこの時間があればすべての亡命希望者
に対して実際に決定を下せる、と彼は昨日のテレヴィ番組で述べ
た。



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