10月20日〜10月26日のオーストリアのニュース



10月20日(月)

     国外ニュース

イスラエル ガザに対し一連の空爆

イスラエルのヘリコプターは月曜午後ガザ地区で、車両をミサイル
で攻撃し、その際少なくとも10人のパレスチナ人を殺害した。そ
の他に負傷者十数名が出ている、とパレスチナの救助部隊が発表し
た。この攻撃は、難民収容所エル ブレイにあった自動車に対する
ものであるが、車からは外れ、一発目のミサイルの着弾点にその後
2発のミサイルが命中した、と目撃者は報告している。午後には、
イスラエルは再びガザ市東部を攻撃した、との未確認情報もある。
これで1日のうちに5度目の攻撃となるが、この攻撃では犠牲者は
今のところ報告されていない。イスラエル軍の昨日の空爆では合わ
せて少なくとも13人が死亡した。

     国内ニュース

国防軍改革委員会 集合

国防軍改革委員会は明日午前、第1回会合を行なう。来年6月まで
にウィーン元市長ヘルムート ツィルクを議長とする同委員会は、
国防軍を21世紀の安全保障政策の要請に合致したものにするため
の基盤を作る仕事を行なうことになっている。同委員会には、国会
の各党、労使双方、利益代表者、文民、たとえばスキーの名選手カ
ール シュランツがスポーツ界を代表して参加している。ツィルク
は、何事も除外せずはっきりと議論することを条件としていた。安
全保障政策を紹介した後、彼は国防軍はそもそも望まれているのか
どうか、そしてどの国防軍が望まれているのか、という根本的な問
題から提起する方針である。この委員会は2004年6月8日に結論を
出すまでに、合わせて5回の会議を行なう予定であり、その中でも
作業班が議論を行なうことになっている。




10月21日(火)

     国外ニュース

イスラエルのラマラ派兵 モスクの前で戦闘

イスラエル軍は火曜日、西ヨルダンランドのパレスチナ人の住む町
ラマラに侵攻し、特に午後の祈祷を終えたばかりのモスクを包囲し
た。医療関係者の話では、投石を行なう若者との衝突で、兵士は少
なくとも12人に負傷をおわせ、うち1人は重傷である。パレスチナ
政府を代表して和平交渉役のサエブ エレカトは、近東紛争を激化
させる極めて危険な行為である、と述べた。軍はラマラ派遣を確認
したが、どの部隊が派遣されたのかは明言しなかった。軍事当局に
よれば、兵士はイスラエル人に対する襲撃に参加した暴力的パレス
チナ人の捜索にあたっていた。

     国内ニュース

労組 公務員の2.5%の賃上げを要求

政府と公勤務従事者の間の第1回集団契約交渉が火曜午後行なわれ
たが、予想通り合意には達しなかった。公務員の要求と、政府の提
案の間には大きな溝がある。労働組合側は2004年に2.5%の賃上げ
を要求している。大蔵政務次官アルフレート フィンツ(国民党)
は、この要求を全く受け入れられない、と述べた。彼は物価上昇に
見合う分の1.2%の一括支払いを呈示している。これは賃上げを意
味しない、と彼は認めている。ただし、合意することを条件に、
2004年1月1日の時点で支給を決定し、2月の時点で1年分全部を
支払うことができる、と強調した。




10月22日(水)

     国外ニュース

イラク支援国会議を前に期待低まる

イラク再建のための資金の総額がいくらになるかが、木曜と金曜に
マドリードで行われる支援国会議の中心議題である。一般的には、
この子くさい会議では米国が提案する巨額のほんの一部だけが合意
を受けると見込まれている。ドイツ、フランス、ロシアは追加の資
金を調達しない方針である、との情報がある。その他の資金提供を
行なう可能性がある国々も慎重な態度をとっている。ドイツは
2005年までに合わせて1億9,300万オイロを支出して、再建に参
加する方針であるが、この会議には開発省政務次官エーリヒ シュ
ターター(社会民主党)が出席するだけである。世界銀行と国連
は、2007年までに14の緊急分野だけに限っても、必要な費用は
300億オイロを越える、と見積もっている。

     国内ニュース

国民評議会 グラサーの株式保有に関する調査委員会設置を拒否

昨日の国民評議会の最後で、国民党と自由党は賛成多数で、野党が
提案していた、大蔵大臣カール・ハインツ グラサーの株式保有に
関する調査委員会設置を否決した。一方、社会民主党の会計検査員
公報ギュンター クロイターは、民営化に関する委託を究明する必
要性は、矛盾を解明する委員会へ十分な報告がなされるまでに至っ
ていない、と見ている。緑の党所属の国会議員ウェルナー コグラ
ーは、ただちにいくつかの調査委員会を設置する十分な証拠があ
る、との意見で、特にオイロファイター調達に関連している。




10月23日(木)

     国外ニュース

イラク支援国会議終了

マドリードで開かれているイラク再建のための国際支援会議は、金
曜日に終了する。参加各国は2日間の会議の最後で、イラク支援基
金の創設を決定する方針である。その他、今までに交わした約束の
総括が行われることになっている。EU外務委員クリス パッテン
は、支援国は合わせて約300億ドル(255億オイロ)の資金提供を
行なう、との考え方を示し、これは世界銀行が今後4年間にイラク
で必要とされると見積もっている額の、半分強である、と述べた。
主としてヨーロッパが米国の要求に応えなかった。ただしイラク戦
争批判や、安全面の確保ができないことをその理由としたのではな
い。この提案は今までもっぱら米国企業が行なっていた。米国はい
ろいろ約束しているにもかかわらず、自国企業の取り分を十分確保
できない、と考えているためである。

     国内ニュース

批判にもかかわらず 亡命法承認

昨日国民議会では、新亡命法をめぐる議論が行なわれ、予想されて
いた通りの激しい応酬が行なわれた。社会民主党と緑の党は、新政
府を憲法違反であると攻撃し、この法律を持つ国には誰も近寄らな
い、と述べた。これを意に介さず、国民党と自由党はこの法案を、
亡命希望者の数が増加していることを指摘して、この法律を承認し
た。難民の立場が悪化することはない、内務大臣シュトラサー(国
民党)は考えており、批判する側を懐柔することはできなかった。
非政府組織の代表者は彼と会談したが、疑惑は晴れなかった。




10月24日(金)

     国外ニュース

イラク再建のために330億ドル以上を支出

参加国筋の情報では、マドリードで開かれているイラク支援国会議
では、世界各国は330億ドル(280億オイロ)を越える資金提供を
約束した。しかしこの額には米国が既に確保している200億ドルが
加わることになる。米国意ついで大きな支援を約束したのは日本
で、50億ドルを提供する。アラブ首長国連邦は約2億1,500万ドル
を、韓国は2億ドル、カナダは2億3千万ドルを提供する。イタリア
は今後3年で2億3,200万ドルを約束した。スペインはこの期間に
3億ドル、英国は2005年までに4億4千万ドルほどである。国際通
貨基金は、42億4千万ドルの支出を今後3年間で約束した。世界銀
行からは今後5年間で最大50億ドルの信用供与を行なわれること
になってている。

     国内ニュース

自由党ケルンテン州党大会 選挙に向け始動

ケルンテン州自由党は、連邦同党新執行部代表のウルスラ ハオプ
ナーが出席する中、土曜日に第26回同州党大会を行なう。これは、
来年3月に行われる同州議会選挙に向けた態勢で行われる。イエル
ク ハイダーの演説が一番の注目を集めている。彼は、クニッテン
フェルト問題および自分の将来について話すことになっている。マ
ルティン シュトルッツとともに、ハイダーは再選にむけ立候補す
る方針である。彼は、単独で政権を担当する州首相として、国民党
と自由党の連立合意を取りまとめていなかった。シュトルッツによ
れば、党大会から、ケルンテン州住民に対し「ペーター アンズブ
ロズィとイエルクハイダーのどちらを州首相に選ぶかが重要であ
る」との意見を伝える、とのことである。新副首相フーバート ゴ
ルバッハは、国外にいるため欠席する。




10月26日(日)

     国外ニュース

EU外相会議 憲法案を審議

EU加盟各国の外務大臣は月曜日ブリュッセルに集まり、計画中の
憲法について改めて話し合う。議長を務めるイタリアは、特にEU
の今後の議長の選び方と、多数決による決定を進めることに関して
発言する方針である。この二つの問題はあいかわらず、EU加盟15
カ国と加盟予定国10カ国の間で、決着を見ていない。EU内部の加
盟国間の産業政策の調整問題も話し合われる予定である。この話し
合いで決着がつくとは予想されていない。10月中旬にブリュッセ
ルで行なわれたEU首脳会談では、加盟国の過半数がEU集会の提案
に従い、2年半ごとにEU評議会の議長を選ぶ制度を導入することに
賛成していた。ただし評議会の構成の多くの議長に関する規定はま
だ決まっていない。多数決による決定の問題では、あいかわらずス
ペインとポーランドが集会の提案に反対している。提案によれば、
それぞれの加盟国の住民の数が重視されることになっている。

     国内ニュース

健康保険「改革に向けた対話」 王宮で

政府は火曜日、7回目となる「改革にむけた対話」をウィーン王宮
で行なう。予算、行政改革、基盤整備、研究に続いて、今回は健康
保険改革が取り上げられる。政府、政党、労使、各州、社会保険組
合の代表約80人が4時間に渡って、それぞれの意見を交換する。政
府はこの対話を、広範な健康保険に関する議論のきっかけと見てい
る。第一歩としてこれに関して9月中旬の政府、野党、労使の円卓
会談が行なわれ、「改革に向けた対話」を行なうことで合意してい
た。健康保険改革に関する詳細は、来月の専門家会議で話しあわれ
る。野党、労働組合の幹部は今回の会議には参加せず、代理が出席
する。



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