１１月１７日〜１１月２３日のドイツのニュース
１１月１７日（月）
社民党党大会 シュレーダー党首続投を確認
（ボッフム）連邦首相ゲアハルト シュレーダーは、今後2年間社会民主党党首の
座に留まる。ボッフムで開かれている同党連邦党大会は、80.8%の賛成でシュレー
ダーの任期延長を確定した。2年前のニュルンベルクの党大会より、7.8%支持が減
少した。同党事務長オーラフ ショルツは、52.6%の賛成で再選され、おきゅうを
すえられた形になった。シュレーダーの代理を務める5人の選挙では、産業大臣ヴ
ォルフガング クレメントが56.7%の賛成で、最低の結果であった。最高の支持を
集めたのは連邦議会議長ヴォルフガング ティールゼで、90.1%であった。バーデ
ン・ビュルテンベルク州同州党首のウーテ フォークトとラインラント・プファル
ツ州首相クルト ベックは、それぞれ70.5%と82.6%の賛成を得て、初めて副党首
に就任した。シュレーダーはこの選出に先立ち、基本方針演説の中で、自分の改革
路線への支持を訴えた。党左派は、社会福祉の方針転換で、対案が出されていな
い、と非難した。
その他のニュース
CSU 年金計画提案
（ミュンヘン）キリスト教社会同盟は月曜日、法定年金保険の安定
化のための計画を提案した。この計画には主として、子供を持つ家
族に対し、子供1人あたり50オイロを毎月年金加入料の補助として
提供することを含んでいる。さらに子供のいる家族は、子供1人当
たり約130オイロの養育のための「子供年金」を今後は受け取るこ
とになる。必要な総額120億オイロは、子供の以内被雇用者の高め
の加入料と引き下げられた寡婦年金から支出されることになる。キ
リスト教民主同盟の党員は、これを厳しく批判している。キリスト
教民主同盟の主要な女性たちの立場を述べた文書の中で、この計画
は子供を持たない傾向を強める、と述べた。女性連盟会長ベーマー
は、養育費は加入料の支払いだけでなく、税金面でも優遇するよう
に求めた。米兵 さらにイラクで殺害される
（バグダッド）米軍が地下組織の戦闘員と見られる人物に対する攻
勢を強めているにもかかわらず、イラクでは米兵を狙った攻撃が続
いている。バグダッド近郊では、兵士2人が死亡した。これより以
前米軍はサッダーム フセインの故郷ティクリットと首都バグダッ
ドで、戦闘員と見られる人物に対し再び大規模な攻勢をかけてい
た。兵士数百人が、戦車、砲、ヘリコプターを使用して攻撃を行な
った、と軍は発表した。バグダッドでは軍はスンニ派の住む一角ア
サミジャーに侵攻した。個々は反乱勢力の拠点と見られている。目
撃者の話では、住宅区域全体が封鎖され、多くの武器が押収され、
逮捕も行なわれた。イラク北部の都市キルクークでは、クルド人イ
スラーム運動を代表する統治評議会の1人が、爆薬で重傷を負っ
た。フィッシャー 米国の対イラク新政策を歓迎
（ワシントン）独外相フィッシャーは、米国がイラク政府に対する
権力の移譲を早めるための新たな計画を提出したことを、「正しい
方向への一歩である」と評価した。フィッシャーは米外相パウエル
とのワシントンでの会談後、これはドイツ側がずっと勧めていたこ
とに合致している、国連を巻き込むことによって、より堅固な土台
の上で移行計画が実施できるのであれば、それを利用すべきであ
る、と述べた。パウエルは、ブレマーが指揮する米国の文民行政府
は、国連の協力に関心を持っている、と述べた。
１１月１８日（火）
社民党外交政策の基軸方針「平和」に
（ボッフム）社会民主党は党の外交政策として「平和の確保」を最高の原則として
据えたが、同時にテロとの戦いに軍事力を行使することは正当なものとした。ボッ
フムで開かれている連邦同党党大会の参加者は、賛成通で新たな方針を確定した。
それにあたっては、危機防止対策、国連の権限強化およびヨーロッパの外交政策の
強化、貧困との戦い、人間的な顔をした経済の世界規模化、武器流出防止が重要な
ものとなる。党大会は、連邦政府がイラク戦争に反対していることを、大きな拍手
で改めて支持した。米国の独断専行に対する直接的な批判は行なわなかったが、同
党は国際条約の制度や国連のみが軍事力を行使する態勢を弱体化させるような一方
的な措置を否定した。
その他のニュース
ブッシュ訪問でロンドンは安全態勢強化
（ロンドン）もっとも厳しい安全対策が取られるなか、米大統領ブ
ッシュは3日間の日程で英国訪問を開始した。政治会談の中心は、
イラクの困難な情勢である。戦争反対派は抗議のデモに参加するよ
う呼びかけた。一方米外相パウエルは、イラクの文民政府へ権力を
移すことが成果を挙げている、と述べた。EU各国の外相との会談
後パウエルはブリュッセルで、占領部隊は旧体制の支持者に対して
攻勢を強めている、と述べ、欧州に再建のための支援を強化するよ
う訴えた。独外相フィッシャーは、イラクの平和確保は米国および
欧州にとって大きな成果を挙げている、との見方を示した。両者は
共通の解決策を必要としている、と米国訪問3日めとなるこの日米
国の放送で彼は述べた。米軍 イラクで激しい空爆
（バグダッド）米軍はイラクで、戦争が公式に終了して以来、最大
の空爆を行なった模様である。戦闘機とヘリコプターがー、バグダ
ッドの北50キロのバクバ近郊と、首都の北100キロのサマラ近く
で、反乱軍勢力の基地と見られる場所に対して出撃した、とのこと
である。夕刻にはバグダッドでも再び爆発と銃撃の音が聞こえた。
米国防省の情報によれば、イラクでは、米兵より多くの現地の治安
確保部隊が任務についており、その数は13万人以上に上っている。警察 イスタンブールの爆弾犯の身元を確認
（アンカラ）テロ組織アル カイダが、トルコのイスタンブールに
ある2箇所のシナゴーグを爆弾で攻撃した事件を起こした疑いが強
まっている。国際テロ組織であるアル カイダとつながりがあるト
ルコのイスラーム系の人物2人が、自殺攻撃犯と特定され、またさ
らに2人がその支援を行なった、とトルコの新聞が報じた。この4
人はすべて、アル カイダと関連のあるイスラーム地下組織に属し
ており、アフガニスタン、イラン、パキスタンで訓練を受けてい
た、とのことである。厳重な警戒態勢のもと、イスタンブールでは
合わせて25人の攻撃の犠牲者のうち6人が埋葬された。
１１月１９日（水）
社民党党大会 シュレーダーの改革方針を支持
（ボッフム）社会民主党は、連邦首相ゲアハルト シュレーダーの改革の方針を支
持し、2010年改革計画に基づいて今後の改革を進めていくための基盤を決議した。
ボッフムで開かれていた党大会が閉会するにあたり、参加者約500人は基軸方針を
承認した。この方針によれば、巨額の遺産に対する税金を値上げし、職業教育の場
の増加、国民保険の創設することになる。その他、年金の早期受給制度を中止する
ことによって、生涯労働時間を増加することも含んでいる。シュレーダーは今回の
党大会派生かを挙げた、と評した。締めくくりの言葉の中で彼は、いくつかの問題
に賛成を得るのはは容易ではなかった、とを認めた。また彼は、現在は困難な改革
の過程の始まりであって、終わりではない、と警告した。
その他のニュース
EUの求める国家財政の赤字をめぐる履行義務をめぐり対立
（ベルリン）追加履行義務をめぐるEU委員会とドイツ連邦政府の
主導権争いは、まだ続いている。通貨委員ソルベスが最近求めた要
求に応えるための計画は現在のところ立てられていない、と連邦大
蔵相は発表した。連邦政府は、欧州各国の蔵相はこの委員会の提案
を拒否するだろう、との見方をとっている。EU当局は火曜日、EU
閣僚理事会に、ドイツに対する履行義務を強化するよう勧告するこ
とを決めていた。これは、ドイツが2005年から再びオイロ安定化
法案を遵守し、国家財政の赤字を国内総生産の3%以下におさえる
ことを達成するためのものである。ドイツとEUが対立しているた
め、キリスト教民主、社会同盟は連邦議会の予算委員会の特別会議
を行なうよう提案していた。ブッシュ ロンドンで基調演説を行なう
（ロンドン）米大統領ブッシュは、4日間の英国の公式訪問の冒頭
で、イラク戦争は、軍事的に必要な作戦であった、と擁護した。英
閣僚とその他の来賓を前に行なった基調演説の中で彼は、米国の外
交政策を説明した。民主主義を守るためには、時には暴力を行使す
ることが必要であることが、この政策の支柱となっており、これは
ヒトラーのドイツとの対決からの教訓である、とも述べた。ブッシ
ュはまた、近東紛争に関しても発言し、イスラエルに対して、問題
になっている西ヨルダンランドの隔離柵の建設を中止するよう訴え
た。ブッシュはその前、バッキンガム宮殿で女王エリザベス2世の
出迎えを受けた。隔離された場所から数百人がブッシュ訪問に抗議
を行なった。大規模な警官隊が、群集を追い散らした。安保理 近東の行程表を確認
（ニュー ヨーク）国連安保理はイスラエルとパレスチナに対し、
諸外国の提案した和平計画の要求を守るよう再び求めた。理事国
15カ国は、和平計画が停滞していることに鑑み、いわゆる行程表
を支持することを確認する決議を、全会一致で採択した。この計画
は、パレスチナ人が2005年までに、独自の独立国家を建国するこ
とを内容としている。その他、武装パレスチナ組織の武装解除と、
イスラエルがパレスチナ人居住地域から撤退することも含んでい
る。いわゆる近東4極、米、露、EU、国連は、この和平計画を4月
に提案していた。
１１月２０日（木）
イスタンブールで再び攻撃 死者多数
トルコの首都イスタンブールでは、この1週間で2度目となるイスラームのテロリ
ストが流血の惨事を引き起こした。トルコ内務大臣アブドゥルカディル アクスに
よれば、新たな攻撃で、少なくとも27人が死亡し、その中には英国の総領事も含
まれており、その他に約450人が負傷した。ほぼ同時に英国投資銀行のトルコ本部
前と、英国総領事官前で、2台の自動車爆弾が爆発した。テロ組織アル カイダと
トルコの急進派組織がこれらの攻撃の犯行声明を出した。土曜日にはイスタンブー
ルのシナゴーグに対する自殺攻撃を行なった2人の犯人により、25人が殺害されて
いた。
一方イスタンブール株式取引所は、近業日の株の売買を中止する、と発表した。株
の取り引きは攻撃直後に、急速に値を下げたため中断されていた。
その他のニュース
シュレーダー「反テロの戦いは勝利を収めていない」
イスタンブールでの犯罪的攻撃は、国際テロ組織との戦いが勝利を
収めていないことの証しである、と独首相シュレーダーは述べた。
反テロの戦いは決意をもって、続行されねばならない、とニュー
ヨークに到着した時点で彼は述べた。それより前に彼は、イスタン
ブール攻撃を厳しく非難し、これは同盟国トルコと英国に対する攻
撃であるばかりでなく、民主主義、自由、人権などの基本的な価値
に対する攻撃でもある、と述べた。シュレーダーは米国を2日加に
渡って訪問し、両国の経済関係の拡大のための活動を行なうことに
なっている。彼は特に主要企業の幹部とも会談し、アメリカ現代ド
イツ研究所で経済政策に関する演説を行なう。ニュー ヨークで彼
はユダヤ人組織の代表とも会談する方針であった。ブッシュとブレア テロリストとの戦いを予告
イスタンブール攻撃の後、米大統領ブッシュと英首相ブレアは、一
枚岩になってテロとの戦いを行なう、と強調した。ロンドンで開か
れた共同記者会見で2人は、テロリストに動揺させられることはな
い、と述べた。ブレアは、イラクが反テロの戦いの「主要な戦場」
である、と述べた。ブッシュも再びイラク戦沿うの必要性を擁護
し、イラクが民主化されない限り、米国とその同盟国がイラクを立
ち去ることはない、と述べた。ロンドンの中心部では約10万人が米
英のイラク政策に反対してデモを行なった。抗議の行進は、国会と
首相府の横を通り、トラファルガー広場まで行なわれた。イラクで攻撃の波 途切れず
イラクでは一連の攻撃が途切れず続いている。西イラクの町ラマデ
ィ近くでは、米兵1人が殺害され、2人が負傷した。何者かが、ト
ラックが通りかかった時に爆弾に火をつけた。それより前に同市で
は、イラク人2人が爆弾の爆発で死亡していた。同国北部の油田都
市キルクークでは、クルド愛国同盟の事務所前で、自殺攻撃犯が自
動車爆弾を爆発させ、病院の情報では、少なくとも4人を道づれに
死亡し、重傷者を含め約40人が負傷した。クルド人政党の党首タ
ラバニが、現在米国が設置したイラク行政評議会の議長を務めてい
る。バグダッドでは何者かが車からヨルダン大使館を銃撃し、イラ
ク人の護衛1人が殺害された。
１１月２１日（金）
イスタンブールでのテロ攻撃で初めての逮捕
（イスタンブール）先日イスタンブールでのテロ攻撃後、トルコでは捜査が進んで
いる。外務大臣アブドゥラ ギュルは、英国外務大臣ジャック ストローと臨んだ
記者会見で、容疑者数人を逮捕した、と発表した。現地報道機関の発表によれば、
逮捕されたのはトルコの急進派で、おそらく武器と爆薬の補給を担当していた者で
ある。木曜日の英国総領事館および銀行前での自殺攻撃事件では、27人が死亡、
400人以上が負傷していた。英国と米国は、さらに攻撃がある可能性がある、と警
告していた。
イスタンブールの西側諸国の領事館前では安全確保対策が急激に強化されている。
ドイツ領事館の入国査証の発行所は当面閉鎖された。
その他のニュース
バグダッドの石油省とホテルに対しミサイル攻撃
（バグダッド）イラクの首都バグダッドでは、地下組織の戦闘員
が、石油省と主として外国人が滞在しているホテル2つに攻撃を行
なった。少なくとも米国の民間人1人が重傷を負った、とのことで
ある。ミサイルは、ロバが引いた荷車から発射された。攻撃を受け
たホテル「パレスタイン」と「シェラトン」には、多くの報道関係
者、外国企業の従業員、秘密情報部員が滞在していた。2台の荷車
には合わせて20基を越えるミサイルが載せられており、イタリア
およびトルコ大使館の近くで押収された。その他金曜夕刻には、バ
グダッド南部で攻撃があった、と報告されている。酒類を販売して
いた市場で爆弾が破裂し、4人が死亡したとのことである。「エルサレムの日」にイスラエルに対する大規模なデモ
（テヘラン）イランの首都テヘランでは、数十万人がパレスチナ人
との連帯を表明した。デモ隊は、大学のある一角を通り、イスラエ
ルと英米を批判する言葉を唱えた。この集会には大統領ハタミ、国
会議長カルビ他主要な政治家も参加していた。アヤトラ ルホラ
ホメイニが、ラマダン中の最終金曜日にパレスチナ人とのこの連帯
を示す日を導入していた。。一方イラクのシーア派の拠点ナジャフ
およびキルクークでは、数千人の信徒が、いわゆる「エルサレムの
日」の呼びかけに応えた。ブッシュ 英国訪問を終了
（ロンドン）英首相ブレアは、米国に帰国する大統領ブッシュに、
英国が米国を完全に支持することを今一度約束した。米国との軍事
同盟には見返りを求めていない、とブレアは北イングランドのセッ
ジフィールドで述べた。1,300人の警官に護衛されたブッシュ夫妻
は、4日間にわたる訪問の最後にブレアの選挙区を訪問していた。
米英のイラク政策に反対する10万人以上がロンドンではデモを行
なったが、前膣には70人を越える逮捕者が出た。
１１月２２日（土）
グルジア野党 議会に押し寄せ、非常事態宣言
（トビリシ）大きな混乱の中グルジアの野党が首都トビリシの国会に押し寄せ、大
統領エデュアルド シュワルナゼはやむを得ず逃走した。シュワルナゼは武力によ
るクーデタの試みであり、非常事態を宣言した。兵士と警官は国会に押し寄せた人
たちにほとんど抵抗しなかった。デモ隊は国会議員による組閣会議に入り込み、野
党党首ニノ ブルジャナゼ（元国会議長）は、自分がグルジア暫定大統領を務め
る、と宣言した。彼女は軍に対し、政権争いに介入しないように、と警告した。
75歳のシュワルナゼは警備隊に付き添われて、国会から出ていった。夜には大統領
府も民主派によって占拠された。25,000人を越える野党の支持者は、トビリシで
デモし、シュワルナゼの選挙での不正を非難し、改めて彼の辞任と選挙を要求し
た。
その他のニュース
米露政府 グルジアに対話を求める
（モスクワ、ワシントン）グルジアの権力争いが激しさを増してい
る中、露大統領プーチンは他の旧ソ連の共和国と協議し、意向を打
診するため、外相イワノフをトビリシに派遣する。ウクライナ大統
領クチマは、独立国家共同体GUSの名前で、違憲の手段を用いて権
力奪取することは、民主国家では認められない、との宣言を出し
た。また独立国家共同体に属する12の共和国は、グルジアで仲裁
を行なう準備がある、とも述べた。米国外務省も、大統領シュワル
ナゼと野党の指導者に対し、暴力の行使を止め、交渉を始めるよう
求めた。シュワルナゼはプーチンおよび米外相パウエルと電話で話
しあっていた。イラク 攻撃で警官死亡、民間機攻撃を受ける
（バグダッド）イラクの首都バグダッドの北部のいくつかの町で、
2件の自殺攻撃が発生し、少なくとも18人が死亡、多数が負傷し
た。カン バニ サアドとバクバで起きた攻撃の犠牲者の多くは、
イラクの警官である、と当局は発表した。さらに警官1人が夜モス
ルで射殺された。ドイツ郵便の小包を運ぶDHLの輸送機は、バグダ
ッドの飛行場を離陸後、ミサイルで攻撃され主翼が燃えたため、緊
急着陸した。負傷者はいなかった。DHL機は、13万人の米国とそ
の同盟国の兵士の野戦郵便と支援物資を運んでいる。攻撃が行われ
る前に、米国秘密情報部は、断食月ラマダン終了と同時に攻撃が激
しさを増す可能性がある、との警告を出していた。トルコでテロの犠牲者追悼
（アンカラ）トルコのいくつかの都市で、イスタンブールで起きた
テロ攻撃の犠牲者の追悼と沈黙の行進が行なわれた。首相エルドア
ンによれば、この自殺攻撃はトルコのテロリストによって行なわれ
たものである。英国人とユダヤ人を狙ったこの攻撃では合わせて
50人以上が死亡し、約7百人が負傷した。アル カイダと関係のあ
るイスラーム急進派組織が犯行声明を出していた。右派急進派と見
られる人物が逮捕されたことで、アンカラのドイツ大使館に対する
攻撃が未然に防止された、とトルコのテレヴィが報道したことに関
して、ベルリンの外務省は論評をしなかった。
１１月２３日（日）
グルジア シュワルナゼ退任
（トビリシ）グルジア大統領エデュアルト シュワルナゼは、野党からの攻撃を数
週間にわたってうけた後、辞任した。この決定を彼は国営テレヴィで発表した。大
統領代理には国会議長ニノ ブルジャナゼが指名された。シュワルナゼは、飛行機
で目的地を発表しないまま同国を離れた、とのことである。彼は辞任前、仲介役を
務めるロシア外務大臣イゴール イワノフおよびグルジアの野党の代表とトビリシ
の郊外で会談していた。イワノフはその後、仲介は終了した、と宣言していた。ト
ビリシでデモを行なっていた数万人は、辞任後歓声をあげた。彼らは、90年代に
はシュワルナゼを支持していたが、産業政策の失敗は彼にある、としている。この
紛争の原因は、国会議員選挙での不正であった。
その他のニュース
イラクでまた攻撃 死者発生
（バグダッド）イラクでは反乱勢力とイスラーム系の狂信者たち
が、イスラームの断食月ラマダンの終了を前に、再びテロと恐怖を
まきちらしている。日曜日には何者かがイラク北部の都市モスルで
米兵2人を殺害した。アラブ系のテレヴィ局は、反乱勢力側は、車
の流れの中にいたトラックに攻撃を行なった、と報じた。またバグ
ダッド北部では爆発がおこり、米兵1人が死亡した。さらにイラク
北部のキルクークでは何者かが、厳重に警備されていた現地の石油
会社の余暇用施設に3発の榴弾を打ち込み、米国市民3人が負傷し
た。モスルでは、石油会社の警護にあたっていた警察隊の隊長が殺
害された、とアラブ系の報道機関では報じられた。連邦労働施設長に対する批判
（ベルリン）連邦労働施設長ゲルスターは、浪費をしているとの非
難にさらされている。同施設と報道対策会社WPMとの契約が82万
オイロであるためである。さらにゲルスターは、2002年からの広
報予算が、2億5千万以上と倍増したが、これは同施設が負担する
ものである。この事情に関して新聞が報道している。同施設の広報
は、この新聞が挙げた820,000オイロという数字を正しいものと
認め、このような業務を一手に行なう場合には「適切な金額」であ
る、とも述べた。批判は主としてドイツ労働組合連合とキリスト教
民主、社会同盟からでている。キリスト教社会同盟副党首ゼーホー
ファーは、この告発の裏づけが取れた場合には、人事面で責任を取
るよう求めた。クロアチア 国会議員選挙
（ザグレブ）クロアチアは国会議員選挙を行なった。世論調査によ
れば、首相ラチャンの社会民主党が率いるる政権連合が敗北する可
能性が高い。クロアチア民主連合を中心とする野党右派連合が優位
に立っていると見られている。同党は2000年1月の国会議員選挙
まで10年に渡って、最近死去した大統領ツジマンの元で、政権を
担当していた。選挙戦の争点は、準備中のクロアチアのEU加盟で
あった。両勢力ともクロアチアが2007年にEUに入ることを望んで
いる。選挙は、有権者430万人以上、55の政党と50の候補者一覧
の間で争われていた。国会の定員は140議席である。