3月29日〜4月4日のオーストリアのニュース



3月29日(月)

     国外ニュース

NATOに7カ国が加盟

ワシントンで昨日開かれた式典で、元東側に属していた7カ国が正
式にNATOに加盟した。ルーマニア、ブルガリア、スロヴァキア、
スロヴェニア、エストニア、ラトビア、リトアニアの首相は、米国
外務大臣コリン パウエルが執り行った式典で、加盟証明書を受け
取った。「ここに集まった7カ国の首相およびその国民に対し私は、
歴史上最大でもっとも成果を挙げた軍事同盟加盟を歓迎します」と
パウエルは述べた。今回の拡大は、自由で安全なヨーロッパをバル
ト三国から黒海まで広げることを目指す上で「歴史的な進展であ
る」と述べた。

     国内ニュース

EU 環境評点導入の訴えを起こす方針

EUは今日の会議で、オーストリア政府が環境評点の規則を年頭か
ら実施していないことを理由として、オーストリアに対する条約違
反手続きを取る、と新聞が報じている。この措置を取った理由は、
これを実施しないと、EUそのものが処罰の対象となる危険性が生
じる、と交通問題担当の委員ロヨラ デ パラシオの周囲から聞こ
えている。オーストリアが譲歩せず、法的な争いに持ち込むのであ
れば、環境評点を再び導入しなければならなくなる、とも言われて
いる。




3月30日(火)

     国外ニュース

英国内での「大がかりな」攻撃 阻止

英国内で8人のテロ容疑者が逮捕されたことで、「大規模な」攻撃
が回避された可能性がある、と昨日警察は発表した。ロンドンで手
入れが行なわれ、500キロの化学肥料が押収された。これをトラッ
クに乗せ、ロンドンの代表的な建物に対する攻撃が行われる可能性
があった、とロンドン警察筋は発表した。攻撃目標としてはウェス
トミンスターの国会議事堂あるいはダウニング通りの首相トニー 
ブレアの官邸が考えられるが、その他ディスコ、パブ、商店街等で
爆弾が使われる可能性もあった、とのことである。

     国内ニュース

排気ガスの排出取り引きをめぐる駆け引き 大臣間に移行

排気ガスと排出取り引きをめぐる話し合いは最終局面を迎えた。昨
日午後環境大臣ヨーセフ プレルと産業大臣マルティン バルテン
シュタインは、今後許される大気汚染の規模について、直接話し合
った。ベーラー・ウデホルムのような国内の企業は最近、投資の中
止やその他の徹底的な対策を取らざるをえなくなる。一方環境保護
団体は、割当量が多すぎる、と批判している。いずれにせよ期限は
迫っており、今日加盟国はいわゆる割り当て計画をEUに提出しなけ
ればならない。今までこの気候保全措置に関して、米国とロシアは
京都議定書を阻止することで、「悪役」となっていた。しかしヨー
ロッパがましなわけではない。水曜日にはEU加盟各国は、二酸化炭
素削減計画を提出するが、その提出期限前日の時点でまだ1997年
から公表されていた義務を守っている国はない。




3月31日(水)

     国外ニュース

フランス新内閣呈示

フランス首相ジャン・ピエール ラファランは、地方選挙でブルジ
ョア陣営が大敗を喫したのを受け、水曜午後、改造内閣を呈示し
た。内務大臣ニコラス サルコジは今後は「特別大臣」として、財
政、産業省を率いる。EU委員ミシェル バルニエは外務大臣に就
任し、パリに戻る。今まで外務大臣を務めていたドミニク ド ヴ
ィルパンは内務大臣を引き継ぐ。バルニエの外相就任がもっとも重
要な登用である。

     国内ニュース

ウィーンの健康保険契約締結 失敗

オーストリアの健康保険制度に大事件が発生した。健康保険組合の
主要連合は、すでに話し合いがついていたウィーン地区の健康保険
組合とウィーン医師会議の間の契約に賛成しなかった。これは水曜
午後、オーストリア医師会議の裏舞台での会話で明らかになったこ
とである。ウィーン医師会議議長ワルター ドルナーはAPA通信に
対して、「私たちは抵抗するつもりだ」と述べた。




4月1日(木)

     国外ニュース

ライス 4月8日に9月11日問題の委員会で質問を受ける

米国の安全保障問題担当の顧問コンドリーツァ ライスは4月8日
に、2001年9月11日のテロ攻撃を調査する委員会で尋問を受ける、
と米国の報道放送局CNNは同委員会の広報の言葉として報道した。
ライスは来週木曜日に、全体委員会で宣誓をして発言し、質疑応答
を行なう、発言は公式のもので、米国のテレヴィ局が全体を中継す
る、とのことである。ライスはこれまで、同委員会で宣誓をして発
言することを拒否していた。

     国内ニュース

EStAG社元幹部ヒルシュマン 調査委員会に出席

EStAG社事件がきっかけとなってシュタイアーマルク州国民党内
部では、政治的な「内戦」が起きているが、この問題の政治的責任
の解明に関連して、金曜日には3人の解任された幹部が、同州議会
の調査委員会で発言を行なう。特に関心を集めているのが2003年
4月に同社の持株会社の幹部会で交替した国民党所属の政治家でこ
の事件が明るみに出るきっかけを作ったゲアハルト ヒルシュマン
の発言である。彼のほかに元役員フーバート イエネラルとウェル
ナー ハインツルも10人の委員からなる同委員会で尋問を受け
る。すでに木曜日には州首相ワルトラオト クラスニク(国民党)
以下4人の同州の主要政治家が、同委員会で発言を行なっていた。
彼らは、EStAG社の経済的な問題については何も知らなかった、
と述べていた。




4月2日(金)

     国外ニュース

スロヴァキア 大統領選挙と新選挙の国民投票

スロヴァキアでは土曜日、新たな大統領の選挙が行われる。同時に
住民は、国会の早期化遺産に関する国民投票も行なう。世論調査に
よれば、11人の大統領候補のうち、もっとも有力な候補は現外務
大臣エドゥアルト クカンである。元首相ウラジミール メチアル
は賛否両論あり、世論調査では若干クカンの後塵を拝しており、4
月中旬に行われる決選投票は、この両者の間で行われる可能性があ
る。国民投票は、2002年の選挙で選ばれた国会の早期解散を行な
うかどうかをめぐるものである。国民投票成立に必要な50%の投票
率が達成できるかどうか、疑問である。国民の一部が早期か遺産を
求めているのは、政府がすすめている産業および税制改革に不満足
であるためである。この投票の結果は日曜午前中にもでる予定であ
る。

     国内ニュース

グラサー EUの実質支払いを節約する方針を堅持

大蔵大臣カール・ハインツ グラサーは、EUの次期財政年度にEU
の実質支払いを節約する方針を堅持している。昨年のEU憲法制定
首脳会談が失敗に終わったのを受け、オーストリアはさらに5カ国
を実質支払い国とすることに賛成し、EUの経費の負担を凍結する
よう求めた。2007年から2013年のEU予算に関する各国大蔵大臣
間の第1回協議を前にグラサーは、昨日アイルランドのパンチズタ
ウンで開かれた非公式外相会議に出席し、オーストリアは、経費の
支出を経済の業績の1%に凍結するよう求める、と強調した。EU委
員会は1.14%への増額を提案しており、これはEU拡大に必要な支
出である、としている。




4月3日(土)

     国外ニュース

スロヴァキア大統領選 メチアル優位に

スロヴァキアの大統領選挙の第1回投票では、民族主義者として知
られている元首相ヴィトル メチアルが予想外に首位に立ってい
る、との暫定集計がでた。土曜日夜の選挙委員会の情報では、メチ
アルが投票の33.7%を獲得した。この情報は52の選挙区のうち31
の集計によるものである。世論調査では優位に立っていた外務大臣
エドゥアルト クカンはわずか20.3%の得票で、第3位である。
23.6%の得票で第2位に立ったのは、これも予想外のイヴァン ガ
スパロヴィチである。彼は以前はメチアルと密接なつながりを持っ
ていた。スロヴァキアはEUの新規加盟国の1つである。民族主義の
メチアルとその強引な政治手法は、チェコとの分離後の同国を、
90年代中盤以降首相を務めた期間中、孤立化を進める原因となっ
た。メチアルは選挙戦中特に、自分は変わった、と主張していた。
大統領候補のうち誰も50%以上の支持を受けなかった場合、2人の
候補者をめぐる決選投票が2週間後の土曜日に行われる。

     国内ニュース

EStAG社疑獄 クラスニクはパイアールの辞任を予告

シュタイアーマルク州の産業および大蔵大臣ヘルバート パイアー
ル(国民党)は、同州の電力持株会社EStAG社の所有権者代表を
務めているが、激しい非難を受けて、まもなく辞任する見込みであ
る。土曜日の発表によれば、同州首相で同州国民党党首ワルトラ
オト クラスニクとの会談で、パイアールはこの決定に至ったとの
ことである。APA通信によれば、日曜日に記者会見が設定されてお
り、その中で2人は詳しい状況を述べる方針である。今まで発表さ
れているところでは、パイアールはいわゆるEStAG社疑獄の全面解
明が終わるまでは、現職に留まる方針だ、とのことである。




4月4日(日)

     国外ニュース

ルワンダ大統領 大衆殺戮時に国際社会が無策だったと非難

ルワンダ大統領ポール カガメは、10年前に同国で大衆殺戮が起
きた際、国際社会はそれをわざと阻止しなかった、と非難した。
「ルワンダの百万人もの生命が、何者かによってほとんど無価値で
あると見なされうる、というのはいったいどういうことなのか。そ
れは戦略的な思考から行なわれたか、国の安全確保を理由として行
なわれたのか」と彼は1994年の大虐殺10周年の会議の冒頭で述べ
た。彼は、当時の有力国家の行動が人種差別的な理由によるもので
はなかったことだけを望んでいる、とも述べた。急進派フツ族の残
虐行為で、国際ルワンダ法廷の推計によれば、3カ月で約80万人の
ツチ族と、同じ数のフツ族が殺害された。

     国内ニュース

国境通過の反対派 3日に渡る高速道路封鎖を開始

オーストリアの高速道路では、今後3日間大規模な交通妨害が行わ
れる予定である。復活祭前の聖週間(受難週)の始まりにあたっ
て、ティロール、ザルツブルク、ケルンテン、ニーダーエスターラ
イヒの各州の国境通過の反対派は、月曜から数時間に渡って高速道
路を封鎖し、国境通過の主要路線の交通を麻痺させる方針である。
彼らはこの措置によって、トラックの通行による負担増に抗議する
方針である。この行動は水曜まで続くことになっている。ティロー
ル州だけでもこの3日間に合わせて4つの行動が計画されている。
月曜午後にはクラマサッハとウィーシンクの間でインタール高速道
路(A12)が封鎖され、火曜日にはフェルンパス通り(B179)と
ローフェラー通り(B178)が、水曜日にはA12がフォンプとワテ
ンス間で再び封鎖される。



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