4月26日〜5月2日のドイツのニュース



4月26日(月)

アヴェンティス社買収をめぐる争い 3カ月かけて決着

(パリ)アヴェンティス社の買収をめぐる争いに決着がついた。フランス政府から
の強い圧力と、提案が明確に改善されたため、ドイツとフランスの製薬会社である
同社は、競争相手であるサノフィ・シンテラボ社と合併することで合意し、同業種
で世界第3位の企業となった。サノフィ・シンテラボ社は500億オイロ以上を支払
い、新会社サノフィ・アヴェンティスの51%を保有し、パリに本拠を置き、ジャン
・フランソワ デュエックを社長とする。
デュエックは、新会社は大きく成長する見込みで、フランクフルトの拠点のアヴェ
ンティス社の9千人の従業員を維持する、と強調した。ドイツ政府は、フランクフ
ルトの拠点が強化されると見ている、と述べた。EU委員会は、一定の条件づきで
この買収を認めた。

     その他のニュース

EU トルコ系キプロス人を支援

(ルクセンブルク)EU各国の外相は、トルコ系キプロス人が、今
回統一は失敗に終わったものの、将来EUに加盟するという見込み
を持ち続ける意向である。外相たちは、「元気づけるための意志表
示として」、具体的に便宜を図ることが必要だと述べ、トルコ系キ
プロス人の孤立を終わらせ、同島北部に経済的に力をたくわえさせ
る措置を進めて行く、と述べた。貿易面での便宜のほかに、キプロ
スの南北両方がEUに加盟した場合にのみ予定されていた、約2億
6千万オイロの財政支援を行なうことになった。ドイツ外相フィッ
シャーは、EUに賛成する投票を行なったトルコ系住民を裏切って
はならない、と述べた。人材と物資の輸送の手続きを簡素化するた
めの詳細事項は、水曜日までにEU委員会とEU大使が練り上げるこ
とになっている。

首相 トルコの態度を賞賛

(ケルン)連邦首相シュレーダーは、トルコがEU加盟に向けて前
進していることを確認し、キプロス問題でトルコが取った態度を賞
賛した。この問題で理性的な解決が成立しなかったのは、トルコ人
が原因でもトルコ政府が原因でもなかった、とシュレーダーは中部
ドイツラジオで述べた。EU加盟に関する交渉を開始するには、さ
らに人権の尊重、少数派の保護、宗教の自由、国の決定を下す際に
軍部の圧力を排除することが重要である、とも述べた。シュレーダ
ーとトルコ首相エルドアンは、火曜日にケルンで行われる新たなト
ルコ・ドイツ商工業会議の記念式典に参加する。ドイツはトルコの
もっとも重要な貿易の取引先である。

ファルージャ周辺でもっとも激しい戦闘

(バグダッド)イラクの都市ファルージャ周辺で激しい戦闘が行な
われており、同地では停戦に対する望みが小さくなった。通信員に
よれば、ここ3週間でもっとも激しい戦闘が行なわれている。スン
ニ派の蜂起勢力8人と米兵1人が死亡した、とのことである。占領
軍は、戦闘両ヘリコプターを投入した。米国政府の情報によれば、
ファルージャに対する大攻勢は延期された。米軍は、同市には約
2千人のイスラーム系反乱勢力がいる、と見ている。首都バグダッ
ドでは、武器と弾薬の捜索を行なっていた米兵2人が死亡した。彼
らが捜索していた化学物質の貯蔵所が爆発したものである。また南
部のディワニーヤでは、スペイン兵が蜂起勢力の5人を殺害、数人
を逮捕した。スペイン兵は、撤退すると予告したにもかかわらず、
ここ数日間何回も攻撃を受けていた。




4月27日(火)

経済研究所 経済成長を下方修正

(ベルリン)ドイツの工業は、いままでの予想よりいくぶん遅い歩みである、と主
要なドイツの経済研究所は見込んでいる。経済研究所の春の予想では、今年と来年
の経済成長をそれぞれ1.5%と見ている。秋の時点では今年の経済成長予想は1.7%
であった。特に多くの改革の対策と高い失業率が、世界的な好景気にドイツが乗り
遅れている原因である、とされている。連邦政府は、専門家によるこの経済成長の
評価は正しいと見ている。連邦首相ゲアハルト シュレーダーは、小数点以下の数
字について争うべきではなく、重要なのは経済の傾向が改善に向かっている、と言
う点である、と述べた。

     その他のニュース

中国 ハーナウの核工場購入を断念する模様

(ベルリン)中国は、問題となっているハーナウのプルトニウム工
場の買収を断念する方針のようだ。中国企業は、ドイツの交渉相手
との協議を中断し、首相温は来週のドイツ訪問の際には、この問題
を取り上げない、と中国外務省は発表した。これに対し独外相フィ
ッシャーは、独政府は交渉を断ったわけではない、と述べた。緑の
党代表ビューティコファーとベーアは、中国外務省のこの声明を歓
迎した。社会民主党と緑の党の連立与党の中では、この輸出の許可
をめぐって対立が生じている。首相シュレーダーは輸出は正当なも
のであるとして支持していたのに対し、緑の党は反対の決定を下し
ていた。

ドイツ・トルコ間の商業会議開幕

(ケルン)独首相シュレーダーは、トルコのEU加盟をドイツは全
面的に支援する、と約束した。ドイツ・トルコ共同商工会議がドイ
ツで開かれるにあたって、シュレーダーは、トルコ首相エルドアン
の改革路線を評価した。同時に彼はEU各国に対し、加盟交渉の開
始を決定するよう訴えた。ドイツはトルコにとってもっとも重要な
貿易相手国である。共同商工会議開催により、中小企業の経済交流
が進むことになる。新たな雇用が生まれることも期待されている。
今までドイツには約6万のトルコの事業所が存在している。

CDU/CSU 年金に対する課税を阻止しない方針

(ベルリン)キリスト教民主、社会同盟は、年金に対する課税を行
なう法案に反対する態度を放棄する方針である。両党はいわゆる高
齢者所得法に連邦議会では反対する方針であるが、連邦参議院で
は、大きな障害を乗り越える手助けをする、と同会派の執行部長カ
オダーは述べた。政府の政策には反対であるが、連邦憲法裁判所の
基準値を満たす形で、課税は実施されなければならない、とも彼は
述べた。緑の党は、これはまやかしの駆け引きである、としてい
る。自由民主党もこれを批判している。この法律によって、年金受
給者は将来受給の際に課税されるが、老齢年金の加入料は無税にさ
れるよう、定められる。



4月28日(水)

ファルージャの支配をめぐって流血の争い

(バグダッド)イラクの都市ファルージャの支配をめぐる戦いで、米軍は再びスン
ニ派の蜂起勢力に対し、航空機と火器を使用した。目撃者によれば、米国の戦闘用
飛行機が少なくとも3つの街区にある目標地点を攻撃した。ファルージャ上空には
黒い煙が雲になって立ち上った。同市南部からは、数時間にわたって戦闘が行なわ
れている音が聞こえてきた。弾薬を積んだトラック2台に対して米軍が攻撃するこ
とで、火曜日に戦闘が始まっていた。米大統領ジョージ W. ブッシュは、スンニ派
の蜂起勢力に厳しく対処する、と予告した。国連特別使節ラクダル ブラヒミは、
国連安保理に対し、5月末までに移行政府の閣僚を指名するように求めた。

     その他のニュース

タイ南部で戦闘 最大120人が死亡

(バンコク)タイ南部で、イスラーム系分離派が蜂起し、流血の末
鎮圧されたが、最大で120人の死者がでた。軍の情報によれば、パ
ッタニー市近くのモスクに対する攻撃だけで、反乱勢力の30人以
上が死亡した。多くは若者であるこの蜂起勢力は、多くの警察施設
を攻撃していた。首相タクシンは、警察と軍の損害はわずかであっ
た、攻撃側は軽い武装しかしていなかった、と述べた。こうした襲
撃や攻撃は1月から再発していた。一方イスラームが優勢な隣国マ
レーシアは、この事件のため、タイとの国境地域の安全対策を強化
した。マレーシアの国境地域の村落は、タイの反乱勢力に逃亡先を
提供している、との非難を受けているが、マレーシア政府はこれを
否定した。

外務省 タイへの旅行に対する警告

(ベルリン)タイの騒乱を鑑みて、ドイツ外務省は、タイ南部への
旅行を中止するよう緊急に求めた。それによれば、特にナラティワ
ット、パッタニー、ヤラー、ソンクラー、サトゥンが危険である。
コー サムイやプーケット島などの人気のある観光地を訪れる際に
は注意をするよう勧告されている。合わせて、タイ全体は東南アジ
ア地域同様に、テロリストの攻撃を受ける可能性が高まっている、
とも外務省は発表した。

東欧の反ユダヤ主義に対して警告

(ベルリン)米外相パウエルは、民主主義国家に対して、反ユダヤ
主義の傾向に対して断固とした措置を取るよう呼びかけた。ユダヤ
人に対する敵意は、過去の事件ではなく、現在も続いている、と欧
州安全および協力組織の会議に参加しているパウエルは述べた。こ
れに先立ちドイツユダヤ人中央評議会議長シュピーゲルは、EU拡
大によって反ユダヤ勢力が拡大しないようにと警告し、東ヨーロッ
パには伝統的にユダヤ人に対するさまざまな敵意が存在したが、そ
れは今まで秘密にされてきた、と述べた。この会議の冒頭で、連邦
大統領ラオは、イスラエルの近東政策に関連する議論で、ユダヤ人
に対する隠れた憎しみがあらわになることがないように警告した。
ベルリンで開かれているこの会議は、ユダヤ人に対する敵意と戦う
ための措置に合意が得られるよう、行なわれる。約60カ国から
500人を越える人が参加している。




4月29日(木)

亡命をめぐる対立で合意

3年以上に渡って対立を続けていたが、EU加盟各国の内務大臣は、亡命の手続きに
関する基準で合意した。ドイツ内務大臣オットー シリーは、特に安全であると分
類されている国からの違法な亡命希望者が入ってくる場合、現在ドイツが行なって
いるのと同じようなやり方で、EU加盟国すべては亡命希望者に対して国境のとこ
ろで入国を拒否することができる、と述べた。彼はこの合意を重要な一歩である、
と評した。
この合意は原則に関する意義を持っているが、それはこの合意によって、EUは亡
命手続きに関する決定の仕方を、全加盟国の一致によるものから、多数決に移行し
たからである。これにより、EU加盟国は、どの国が安全であると分類している線
引きの変更を、拒否権を行使して阻止することができなくなる。

     その他のニュース

欧州安保協力機構の反ユダヤ主義に対する行動計画

欧州安保協力機構加盟国は、反ユダヤ主義との戦いのための具体的
な措置で合意した。2日間に渡って開かれていた同機構の会議の最
後に出されたベルリン宣言で、加盟55カ国の代表者たちは、その
民族的な出自や宗教的な確信を理由とした、個人に対するいかなる
形態の不寛容、誹謗、暴力とも戦わなければならない、と強調し
た。この行動計画には、主として学校での活動、立法措置、反ユダ
ヤ的暴力の同機構全体で通報しあう制度等が含まれている。独外相
フィッシャーは、この計画を早急に実施するように求めた。ドイツ
首相シュレーダーは、会議の参加者の歓迎会で、反ユダヤ主義と戦
う勇気を市民が持つように訴えた。

イラクでの攻撃 死者20人以上

イラクの蜂起勢力の攻撃で、木曜には少なくとも21人が死亡した。
中でもバグダッドでは子供2人が、銃撃戦の流れ弾を受けて死亡し
た。バグダッドの南では、米兵8人が爆弾攻撃で死亡した。モスル
市では反乱勢力の攻撃で、イラク人警官7人と一般市民1人が死亡
した。スンニ派の抵抗の拠点となっているファルージャ市から撤退
する、と米軍は予告したが、新たな戦闘がおこった。通信員の報告
によれば、同市の北部から銃撃戦と爆発の音が聞こえた。米軍は、
「ファルージャ保護部隊」が同市の支配を引き継ぎ、米兵はファル
ージャ外部にある基地へと撤退する、と発表した。

イスラエル大統領 ドイツ訪問

連邦政府は再び近東和平に努力する方針である。連邦首相シュレー
ダーは、イスラエル大統領カツアフのベルリン訪問を受け、近東問
題の平和的かつ公正な解決に参加して行くことが、ドイツ外国の中
心的な要素である、と述べた。連邦大統領ラオは、カツアフに対
し、ドイツはイスラエルをさらに支援して行くと約束した。午後に
はカツアフはベルリンのイツハク・ラビン通りの命名式を行なっ
た。この通りは、1995年にテル アヴィヴで暗殺された首相ラビ
ンを記念するものである。




4月30日(金)

ラオ大統領「ポーランド人とドイツ人にとって新たな時代の始まり」

(ワルシャワ)EUの東方拡大は、ヨーロッパ大陸の恣意的な分割を終わらせるも
のである、と連邦大統領ヨハネス ラオは述べた。ドイツ人とポーランド人の隣人
関係が新しい時代に入る、とラオはポーランド議会の両院で述べた。ドイツの大統
領がポーランド議会で演説するのは初めてである。ポーランドのEU加盟は温情に
よるものではなく、歴史的必然である、とも述べた。またラオは両国政府に対し
て、両国ではほとんど楽観的な見方がでていない点に関連して、経済圏を共通化し
たことの利点を強調するように要請した。さらにヨーロッパが一つになって場合に
のみ、米国に対して政治的重要性を獲得することになる、とも述べた。

     その他のニュース

連邦議会 EU拡大を評価 トルコ加盟問題では亀裂

(ベルリン)連邦首相シュレーダーは、EU拡大を歴史的使命の遂
行である、と評した。東欧と南欧の10カ国の加盟は、統一政策の
不変の前進である、と連邦議会で彼は述べた。またシュレーダー
は、政府声明の中で緊急に、賃金の安いEU新加盟国との競争が起
きる、と注意を促した。野党党首メルケルは、ドイツ統一を念頭に
置いて、これは分割を乗り越えるための2つめの大きな進展であ
る、と述べた。一方キリスト教民主、社会同盟の政治家たちは、ト
ルコの加盟は、ヨーロッパ人の統合能力を越えたものである、と警
告した。すでに新規加盟国であるポーランド、チェコ、ハンガリ
ー、スロヴェニア、スロヴァキアとバルト諸国、地中海のキプロス
とマルタの各地では、加盟の祭典や象徴的意義を持つ活動が始まっ
ている。

米大統領ブッシュ イラクの捕虜の虐待を非難

(ワシントン)米大統領ブッシュは、米兵によるイラク人捕虜の虐
待に怒りをあらわにした。しかしこの虐待は米国民の本性を反映し
たものではない、とも付け加えた。米国の放送局は、裸のイラク人
捕虜が、頭巾状のもので頭を覆われている姿を放送した。彼らは、
米国の見張りから、撮影中のカメラの前で虐待を受けた。この撮影
は2003年末にアブ ゴレイブで起きた事件で、ここは当時元独裁
者サッダーム フセイン時代にはイラクでもっとも残酷な拘留所で
あった。英国首相ブレアは、虐待の光景に愕然としていた。アムネ
スティ インターナショナルは、衝撃を受けてはいるが、予想外で
はない、との声明を出した。

米軍 反乱勢力の拠点ファルージャから撤退

(ファルージャ)イラクの米軍は、数週間前から包囲していた反乱
勢力の拠点ファルージャから、全面的に撤退を開始した。この撤退
を行なう間に同市近郊では、米海兵隊の2人が死亡した。自殺攻撃
によるものと見られている。人口30万人を数えるスンニ派の町で
ある同市の支配は、保護軍に委ねられ、この部隊は失脚した権力者
サッダーム フセインの元将軍が指揮をとる。中央司令部長の将軍
アビザイドは、撤退後も米兵はファルージャで自由かつ危険にさら
されず、活動することが可能でなければならない、米兵は今後も、
同市にたてこもっているイスラーム反乱勢力と見られる人物に対し
て、厳しい措置を取る、と述べた。




5月1日(土)

拡大したEU 早期に憲法を持つ方針

(ダブリン)25カ国体制へと拡大した欧州連合は、できるだけ早く、憲法を作る
方針である。EU評議会議長を務めるアイルランド首相バーティ アハーンが、こ
れをダブリンで発表し、その期日を次回のEU首脳会談が行われる6月とした。アイ
ルランドの首都ダブリンでは、EU拡大の中央式典が行なわれた。アハーン、欧州
議会議長パット コックス、EU評議会議長ロマーノ プロディは共に、10の新規
加盟国を歓迎した。引き続き加盟国すべての元首および首相が出席する中、これま
での加盟国と新規加盟国に加えてEUの旗がアイルランド大統領の官邸に掲げられ
た。
EU加盟国すべての数十万人が、コンサート、国民の式典、花火などでEU拡大を祝
った。ドイツでは連邦首相ゲアハルト シュレーダーが、チェコおよびポーランド
との国境地域での式典で、この拡大でヨーロッパ大陸の分割は最終的に克服され
た、と述べた。

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サウジ・アラビアで攻撃 死者発生

(リヤド)サウジ・アラビアの紅海の港町ジャンブで攻撃があり、
少なくとも外国人6人と現地人吸う人が死亡した。内務省の情報に
よれば、死者には米国人3人、英国人2人、オーストラリア人1人が
含まれている。外務省の譲歩運によれば、今までのところドイツ人
が巻き込まれたことを示す証拠はない、とのことである。攻撃を行
なった3人は、治安部隊との銃撃戦で死亡した、とのことである。
この攻撃は、米国の企業エクソン モービル社とサウジ・アラビア
のサビック社が経営している企業石油精製所の操業中に行なわれ
た。

ブレア 英兵によるイラクでの拷問を非難

(ダブリン)英国首相ブレアは、英兵によるイラク人捕虜の侮辱お
よび虐待と見られる行為を、全く容認できないと非難した。もしこ
の虐待事件が本当だとしたら、これはおそらく例外的なものである
が、それでもこれを容認できないことには代わりがない、とEU拡
大の式典でダブリン訪問中のブレアは述べた。英国国防省は、この
非難を受けている事件の調査を行なう、と予告した。英国の新聞
は、縛られて目隠しをされたイラク人捕虜がひどく虐待されている
ところに、英兵がいる写真を公表した。この写真からはその他に、
兵士が半裸の捕虜を銃床で殴りつけ、頭を踏みつけている様子も見
て取れる。イラクの米兵に対しても、虐待を非難する声が上がって
いた。

ファルージャの住民 米軍の撤退を祝う

(バグダッド)ファルージャの住民は、約1カ月にわたる包囲を解
いて、米軍が撤退したことを祝った。多くの人が道に繰り出し、い
くつかの場所ではイラクの旗が掲げられた。米海兵隊は金曜日に、
スンニ派の抵抗の拠点ファルージャにある基地をイラクの兵士に譲
り渡し始めていた。4月1日以降にイラクで死亡した兵士の数は
140人になった。戦争開始以来、これほど多くの米兵が1カ月で死
亡したのことはなかった。米大統領ブッシュは、戦勝宣言から1年
で、イラクの安定化は進んでいる、と述べた。また、2003年5月
1日の時点でにすでに、なお多くのやらねばならないことがあると
強調していた、とも語った。




5月2日(日)

リクード党の投票と並行して暴力事件発生

(エルサレム)ガザ地区に対する攻撃が行なわれ、死者が発生してから数時間、イ
スラエルの戦闘用ヘリコプターがガザ市の目標地点を攻撃した。目撃者によれば、
イスラーム急進派ハマスが使用しているビルに命中しし、数人が負傷した、とのこ
とである。前日のユダヤ人入植地に対する襲撃事件では、パレスチナ人急進派は、
ガザ地区で妊婦とその子供4人を射殺していた。エルサレムでは首相アリエル シ
ャローン率いる保守的なリクード党が、シャローンが提案しているガザ地区からの
撤退計画に関して投票を行なった。会議の開始前、シャローンは改めて、賛成票を
投じるよう訴えた。彼の提案はガザ地区の全ての入植地を放棄し、西ヨルダンラン
ドのほとんどの入植地を拡大する、という計画である。世論調査によれば、約
20万人のリクード党員の過半数がこの計画に反対している。

     その他のニュース

アムネスティ インターナショナル 虐待の調査を要求

(ロンドン)アムネスティ インターナショナルは、米英兵による
イラク人捕虜の虐待の上表が公表されたことを受けて、中立の立場
から調査を行なうように求めた。明らかになった事件は少数ではな
く、あるやり方にしたがったと見られる虐待の情報が他にも多数あ
る、と同組織は声明の中で述べた。この間、発表された英兵による
イラク人捕虜の虐待が本当であるかどうか疑う声が強くなってき
た。BBCは軍部の情報として、公表された写真に写っている多くの
詳細は、現実とは一致しない、と伝えている。

イラクの米人人質 逃亡に成功

(バグダッド)米軍に雇われている米国人文民が、3週間以上にわ
たって人質になっていたが、イラク人の誘拐犯から逃げ出した。軍
広報キミットは、この男はその後ティクリット近郊で米兵に拾われ
た、と述べた。彼は4月9日にバグダッドの西で、護衛つき輸送部
隊が蜂起勢力に襲われた後、人質にされた。同国西部および北部に
ある米軍基地に対する攻撃が複数行なわれ、日曜日には少なくとも
7人が死亡した。

ポーランド EU加盟後新たな政府を持つ

(ワルシャワ)ポーランドは、新政府結成によって、EU加盟国と
しての出発を切った。同国がEUに加盟してわずか1日、首相ミレル
は予告通り辞任した。彼の後継者としては、元蔵相ベルカが指名さ
れた。彼は51歳で、最近までイラクで活動し、米国文民行政官ブ
レマーのもとで国外からの支援と産業再建の調整役を務めていた。
ミレルは3月下旬にすでに辞任を発表していた。その理由として彼
は、彼の政権が世論調査で低い評価しか得られなかったことと、そ
の方針に支援が得られなかったことを挙げた。しかしミレルは、
5月1日のポーランドのEU加盟まで辞任を延期することを望んでい
た。新首相は2週間以内に国会で信任投票を受けなければならな
い。



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