5月3日〜5月9日のオーストリアのニュース



5月3日(月)

     国外ニュース

アスナール テロの評価を間違えたことを認める

元スペイン首相ホセ マリア アスナールは、3月11日の攻撃の前
に、イスラームテロリストによる脅威を、政府は過小評価していた
ことを認めた。バスク地方の独立組織ETAとの戦いを過去数年間行
なっていた成果により、スペインに対する脅威を重視する必要がな
いと考えてしまった、と月曜日に出版された本の中で保守派のアス
ナールは述べている。17ページにわたる後書きの中で彼は、最近
の政治的な展開について述べている。アスナールは当初、191人の
死者、2千人を越える負傷者を出したマドリード攻撃の責任はETA
にあるものだと考えていた、イスラーム系の首謀者が関与している
兆候が見つかり始めた後も、彼はこの意見を変えなかった。これが
3月14日の国会議員選挙で保守的な国民党が敗北することにつなが
った。有権者は、この攻撃が行なわれた原因を、スペインがイラク
戦争を支持しているためである、と見た。アスナールはこの選挙に
は立候補していなかった。彼の本は、首相時代の決算にあたるもの
である。彼はこの本に「政権の座にあった8年ースペインに対する
個人的な視線」という題名をつけた。

     国内ニュース

ベームドルファー 成人の養子縁組の条件を強化する方針

法務大臣ディーター ベームドルファー(自由党)は、成人の養子
縁組をより難しいものにする方針である。新聞に対して彼は、この
措置によって外国人がオーストリア国籍を容易に取ることができる
養子縁組の売買と戦うことができるようにする、と述べた。一般民
法典をこの点に関して修正することは、火曜日の閣議で承認される
見込みだ、とも新聞は報じている。その他、閣議では相続法の改革
についても取り上げられる。




5月4日(火)

     国外ニュース

国際戦争犯罪法廷 セルビア・モンテネグロに抗告

デン ハーグの国連戦争犯罪法廷は、セルビア・モンテネグロに対
し、正式に協力が不十分であるとの抗告を行なった。同裁判所長官
セオドア メロンは昨日、セルビアモンテネグロ政府は、「極めて
重い怠慢」という罪を犯している、との声明を出した。メロンは、
国連安保理に対する抗告の中で、主席控訴人カーラ デル ポンテ
の、協力はほぼ全く行なわれていない、との非難を引用した。同法
廷が行方を追求している少なくとも20人のうちの多数が、セルビア
・モンテネグロの領土内で、自由に活動している。

     国内ニュース

国会 ナチスの犠牲者追悼

水曜日国会は、ナチ時代の犠牲者の追悼を行なう。国会内の歴史あ
る会議場で式典が行なわれ、ロマとスィンティの追悼が行われる。
現在世界各地で、1945年春のナチの強制収容所解放を記念する式
典が行なわれて利う。国民議会議長アンドレアス クホール(国民
党)と連邦議会議長ユルゲン ワイス(国民党)のほか、オースト
リアロマ文化協会会長ルドルフ サルケズィも、マオトハオセン強
制収容所が1945年に解放された記念日の演説を行なう。




5月5日(水)

     国外ニュース

グルジア大統領「アジャリア地域の指導者逃走」

圧力下に置かれていた自治区アジャリア地方の指導者は、職務を放
棄した。「アスラン アバシゼは逃走した」とグルジア大統領ミハ
イル サーカスシヴィリはテレヴィを通じて放送された記者会見で
確認した。これに先立ち、グルジア首相ズラブ シュワニアはアジ
ャリアの首都バトゥーミで歓声をあげる住民を前に、アスラン ア
バシゼは辞任した、と伝えていた。これより前彼は、ロシアの仲介
の元、3時間に渡ってアバシゼと交渉を行なっていた。AFP通信の
記者によれば、バトゥーミでは、辞任したこの地域の指導者は飛行
機にのり、この地域を立ち去った、と報じられている、とのことで
ある。この報道によれば、アバシゼは、バトゥーミでの会談を仲介
した元ロシア外務大臣イゴール イワノフと一緒であった、とのこ
とである。

     国内ニュース

国民議会 税制改革を可決

国民議会は木曜日、2004年税制改革を可決する。政府は、25億
3千万オイロの負債がでる、と予想している。そのうち11億オイロ
は新たな賃金および所得税の税率表から生じるもので、約10億オ
イロは法人税の減税によるものである。さらに企業はグループ課税
により減税を受け、農業用ディーゼルの税も減額され、教会への献
金に対する税の控除額は上げられる。収入を1人しか得ていない場
合の控除に対する児童扶養手当が導入され、通勤手当も増額され
る。




5月6日(木)

     国外ニュース

ブッシュ シャローンの計画支持を撤回

米国大統領ジョージ W. ブッシュは昨日、イスラエル政府がガザ地
区から撤退する計画を公式に支持するとの立場を撤回した。ヨルダ
ン国王アブドゥラと大統領府で会談した後、ブッシュはイスラエル
に対し、1967年の6日間戦争で占領し他地域から撤退するように
求めた。イスラエル首相アリエル シャローンの、ガザ地区からは
一方的に撤退するが、西ヨルダンランドの大規模な入植地はそのま
ま維持する、との計画は、日曜日に行なわれた彼のリクード党の投
票で否決された。ブッシュはアブドゥラとの共同記者会見で、これ
らの問題すべては国連の1967年と1973年の決議を背景として交
渉しなければならない、と述べた。国連安保理のこの決議では、イ
スラエルは1967年に占領した地域からの撤退が求められている。
米国はすでに結ばれた規定に固執してこの交渉を進めて行くことは
ない、とも述べた。

     国内ニュース

健康保険問題 医師会会長は「一人あたりの総額方式」を
話し合う方針

医師会は政府に対して、健康保険制度の今後の財政のあり方をめぐ
って、少なくとも議論を交わすよう求めた。ザルツブルク通信」に
よれば、医師会会長ライナー ブレッテンターラーは、「ドイツの
社会福祉の専門家ベルト リュールプの「一人あたりの総額方式」
の提案を検討した、と述べた。この案によれば、子供と年金受給者
を含むすべての被保険者は、毎年約2千オイロを、連帯している健
康保険組合に対して支払い、使用者側は、健康保険の払込金の半額
を直接に被雇用者に対して支払うことになる。この一人あたりの総
額方式では、手取り収入の1割を越えることがなく、親方国家が急
場をしのげることになる。ブレッテンターラーは、このやり方では
払込金の総額は増えるのに、負担が増大することはなく、むしろ軽
減される、と見ている。




5月7日(金)

     国外ニュース

ブッシュ パレスチナ国家の2005年までの建国を断念

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、パレスチナ人国家を来年中に
建国することはもはや不可能である、と見ている。この約束を満た
すことは困難になっている、とブッシュはエジプトの新聞「アル 
アハラム」で述べた。これにかわる新しい予定をブッシュは挙げな
かった。米国、EU、国連、ロシアが1年前に呈示した和平計画、い
わゆる路程表では、2005年までにパレスチナ人国家を建国するこ
とになっている。この計画の実現は、近東で暴力が続いているた
め、行き詰まっている。ブッシュは木曜日に40分間のインタヴュ
ーの中で、米国も近東も、厳しい時間を過ごしている、と述べた。
また彼は、米兵によるイラク人逮捕者の虐待に関して、再び謝罪し
た。逮捕者に対する侮辱的な扱いは、米国の近東での威信を汚すも
のである、と彼は認めた。

     国内ニュース

グーセンバオアー「年金改革には痛みが伴う」

「痛みのない年金改革はない」と社会民主党党首アルフレート グ
ーセンバオアーは新聞インタヴューで述べた。これほど公正さが重
要な役割を果たす政治の局面はない、とも述べた。、収支均衡や年
金制度の一本化によって、年金制度がより公正になるのであれば、
制度全体の財政的安定も向上するだろう、とも語った。政府が抱え
るもっとも大きな原罪の一つである、公務員の特権が維持されてい
るので、一般社会保健法に基づく保険の加入者は現在、年金制度に
関して転機が来ている、との印象を持っている、とも彼は述べた。
社会民主党が置かれている立場に関して、グーセンバオアーは、ヨ
ーセフ ブロウカルは党幹部の座を競う相手としては考えられな
い、と強調した。「私は今日党大会に出席し、2006年には私は社
会民主党の筆頭候補として選挙に出る権利を得るつもりである」と
述べた。




5月8日(土)

     国外ニュース

シラクとブレア EU憲法とイラク問題を審議

仏大統領ジャック シラクと英首相トニー ブレアは日曜日、パリ
でEU憲法とイラク情勢について話し合う。ブレアは英国では立案
中のEU憲法に関する国民投票を実施する、との決定を下したが、
とくにこれについて話し合われる模様である。シラクは、フランス
でも国民投票を実施するべきだとの国内からの圧力にさらされてい
る。世論調査によれば、英国人は国民投票でこの憲法を拒否するだ
ろう、との見通しが出ており、EU憲法の計画は緊急の事態になっ
ている。EU加盟各国首脳は3月に、この憲法を遅くとも6月に開か
れる次回のEU首脳会談までに採択する、と決定している。その後、
加盟国の国会ないしは住民投票で、その採択を決議しなければなら
ない。すべてのEU加盟国でこの憲法が採択されることが、EU全体
でこの憲法が効力を持つ前提である。ドイツはこれを理由として、
EU憲法に関する国民投票に強く反対した。オーストリアでは自由
党が、国民投票の実施を検討している。

     国内ニュース

マオトハオセン強制収容所で追悼式

オーストリアにある強制収容所マオトハオセンの収容者が59年前
に解放されたことを記念して、日曜日その記念施設で枚と施行令の
追悼式典が行なわれた。この式の演説に引き続いて、解放された収
容者の代表が言葉を述べた。主要演説は、オーストリア マオトハ
オセン収容所連合の会長ハンス マルサレクが行なうことになって
いる。その他には国際マオトハオセン委員会議長ワルター ベック
と、マオトハオセン フランス友好協会会長ミシェル ルソー・ラ
ンボーも演説を行なう。




5月9日(日)

     国外ニュース

イラクで政治家に対する攻撃 死者4人

イラク南部の州サマーワの副知事が日曜日、襲撃を受け死亡した。
彼の警護をしていた3人も死亡した。警察の発表によれば、ファリ
ス アズミと護衛3人はがバグダッドの南にあるヒラ市で射殺され
た。日本軍の兵士が駐留しているサマーワ州は、今までイラクでも
平静を保っている地域の一つであった。バグダッドのホテルに対す
る爆弾攻撃で、日曜日には英国兵とネパール兵6人が負傷した。ホ
テルの従業員によれば、爆発は外国人が多く訪れるこのホテルのバ
ーで起きた。それ以上の詳細については今のところ不明である。イ
ラクでは多くのネパール人が一般企業の警備の仕事をしている。

     国内ニュース

医療の仲介業をめぐる対立続く

「2005年1月1日には、医療衛生制度改革は発効する」と厚生大臣
ラオホ・カラットは明言した。医薬品関連法案の話し合いは終了
し、これは有効である、と述べた。病人が必要とするすべてのもの
を購入する医療の仲介業は、計画通り導入される。意志会議長ブレ
ッテンターラーは、これに厳しく抵抗する、と予告している。この
仲介業者は、独占的なものとなり、自営の医師に優先的に販売する
ことができるようになる、と述べた。医薬品会社の代表もガイスラ
ーもこれには驚いており、医薬品関連法案については何も知らな
い、と述べている。健康保険組合の会長ビットナーは、仲介業は憲
法違反だと思う、と述べた。



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