7月19日〜7月25日のドイツのニュース



7月19日(月)

アラファト 問題の治安担当部長を解任

(ラマラ)パレスチナ大統領ヤセル アラファトは、ガザ地区で続いている抗議に
応え、自分の親戚ムサ アラファトを治安担当部長に指名したことを取り消し、以
前同職についていたアブデル ラセク エル マジャイダを再び投入した。多くの
パレスチナ人が、2日前のムサ アラファトの指名を、自治区にまん延している近
親者びいきや汚職のもっともはっきりした現れの1つと見ている。一方首相アハメ
ド コレイは、辞任に固執している。ラマラで彼は、辞任の理由として、パレスチ
ナ人居住区で無法状態が続いていることを挙げた。彼は今、アラファトの文書によ
る会頭を待っている、と述べた。アラファトは、口頭でこの辞表を拒否していた。
ガザ市にある急進派パレスチナ人の指導者の家が、ミサイル攻撃を受け、少なくと
も3人が負傷した。

     その他のニュース

ヒズブッラー高官 ベイルートで攻撃を受け死亡

(ベイルート)急進派シーア派ヒズブッラー民兵の高位の軍事司令
官が、レバノンの首都ベイルートで攻撃を受け、死亡した。グハレ
ブ アラウィが家を出たところ、自動車爆弾が破裂した、とヒズブ
ッラーの広報は発表した。この攻撃の首謀者に関しては、これと矛
盾する情報がある。つい最近設立されたスンニー派原理主義組織
「ジュンド エル シャム」が、犯行声明を出した。その指導者
は、後にこの文書は誤りであり、この犯行には関与していなかっ
た、と述べた。ヒズブッラー代表のハッサン ナスララは、イスラ
エルの秘密情報部モサドが、この攻撃を行なった、と非難した。ヒ
ズブッラーの民兵は、20年以上に渡って、イスラエルが占領して
いる南レバノンで戦いを繰り広げ、2000年にイスラエル軍が撤退
して、占領は終了した。

シャローンのユダヤ人の移住要請 フランスで怒りを巻き起こす

(パリ)イスラエル首相シャローンは、フランスのユダヤ人に対し
てイスラエルへ向け出国するように呼びかけたが、フランスではこ
れが激しい抗議を巻き起こした。仏外務省は、反ユダヤ主義との非
難を退け、釈明を求めた。国防相アリヨ・マリは、フランスは人種
差別的および反ユダヤ的な犯罪行為に対して、極めて厳しい法的規
定を持つ国である、と述べた。一方イスラエル政府は、騒ぎをおさ
えようとしている。シャローンの発言は誤解された、彼はただ、フ
ランスのユダヤ人が世界のほかのユダヤ人すべてと同様にイスラエ
ルに入ることができる、と言おうとしただけだ、とイスラエル筋で
は言われている。フランスには約400万人のイスラーム教徒と、約
60万人のユダヤ人が住んでいる。

バグダードで爆発 死傷者多数

(バグダード)イラクの首都バグダードでは再び爆弾攻撃が行なわ
れた。さまざまな報道によれば、死者は7人から15人、負傷者は約
60人である。爆弾を積んだ自動車が、バグダード南部の警察署の
近くで強い勢いで爆発し、地面に2メートルの深さの穴ができた。
この攻撃にもかかわらずイラク移行政府の首相アラウィは、権力の
移譲を受けてから初めての国外訪問を行なった。彼はヨルダンで、
復興支援を要請した。ヨルダンのテロリスト、アブ ムサブ エル
 ザルカウィの組織は、アラウィの首に懸賞金をかけていた。イン
ターネットで公表された呼びかけには、アラウィを殺害したものに
は換算して約230万オイロを支払うとの約束がのっている。イラク
でザルカウィの支持者によって誘拐されたエジプト人トラック運転
手1人は解放された。




7月20日(火)

1944年7月20日のヒトラー暗殺計画の失敗の記念式

(ベルリン)1944年7月20日の60周年記念日に、ドイツはナチ体勢に対する抵抗
運動を、自由、権利、ヨーロッパ統一への道を広げたものとして賞賛した。ベルリ
ンで開かれた中央記念集会で、首相ゲアハルト シュレーダーは、失敗に終わった
アドルフ ヒトラーの暗殺を、新たなドイツの歴史の中でもっとも重要な日の1つ
である、と評した。クラオス グラーフ シェンク フォン シュタオフェンベル
クを中心とする抵抗運動に参加した人たちは、自分の国と人間性を野蛮な独裁制か
ら解放しようと望むのは、反逆行為ではない、ということを示した。この暗殺計画
に参加しようとしていた人の多くが死刑の処された場所であるベルリンのベンドラ
ー区では、国防軍の兵士510人が、ドイツに対し奉仕することを誓った。来賓とし
て演説したオランダ首相ヤン ペーター バルケネンデは、ヨーロッパの未来に向
けた抵抗運動の参加者の勇気を賞賛した。

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コレイ 当面首相職に留まる

(ラマラ)パレスチナ首相コレイは、辞任声明を出したものの当面
首相職に留まる。彼は、新政権が結成されるまでは職務を続行す
る、との声明を既に出している、とパレスチナ大統領アラファトと
危機対策会議を行なった閣僚数人が述べた。この席上コレイはアラ
ファトに、権限を内閣に譲り渡すように最終通告の形でに求めた。
コレイは土曜日に辞任声明を出したが、アラファトはこれを認めな
かった。EU外務委員ハヴィエル ソラナは、この危機により自治
当局の信頼が失われることがないようにと警告した。2日間に渡っ
てヨルダンを訪問したソラナはその最後に、コレイ内閣にはより大
きな権限が与えられる、と述べた。

仏・イスラエルの対立 さらに深まる

(パリ)首相シャローンが、フランスにいるユダヤ人に、フランス
から出国するように訴えたが、その後イスラエル政府は事態の沈静
化を図っている。シャローンの事務所は、彼がフランスのユダヤ人
に対してイスラエルへの移住を迫ったが、世界中のユダヤ人にも同
じように勧めている、両国間には危機的な状況はなく、単なる文化
的な誤解に過ぎない、と発表した。これより前フランス大統領シラ
クは、シャローンのパリ訪問計画を凍結していた。シャローンが発
言を明確にしない限り、フランス訪問は話題にならない、との声明
を大統領府は出した。

レバノンで戦闘 死者発生

(ベイルート)ヒズブッラーの指導者の暗殺から1日、シーア派民
兵とイスラエル軍の間で戦闘がおこり、3人が死亡した。ヒズブッ
ラーの戦闘員は、イスラエルとレバノンの国境地域の軍の歩哨を攻
撃した。イスラエルっ空軍は、民兵の拠点数箇所を濃く激し、その
際ヒズブッラーの1人が死亡した。その後イスラエルの戦闘機がレ
バノンの首都上空を飛んだ。レバノン政府は、イスラエルの空から
の攻撃に対して、国連安保理に苦情を申し立てる、と予告した。




7月21日(水)

パレスチナ議会 改革を求める

(ラマラ)パレスチナ指導部はここ10年間で最大の危機を迎えているが、パレス
チナ国会は大統領ヤセル アラファトに、首相アハメド コレイの辞表を受け入
れ、改革を進めるよう求めた。限定された権限しか持たない同国会は、多数の賛成
をえた決議で、改革を実施するための新政府の結成を求めた。国会はさらに、コレ
イ政権には、ガザ地区での暴力をともなう抗議行動を終わらせることはできない、
と批判した。週末には数千人のデモ隊がガザ地区で、腐敗していると見られている
各組織と治安対策当局の改革を求めていた。コレイ自身は、アラファトを批判する
1人であり、より多くの権限を与えるよう求めている。
イスラエルは、国連総会での決議にもかかわらず、隔離壁の建設を続ける方針であ
る。総会の決議には拘束力はない。

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イラクで殺害された米兵900人に

(バグダード)イラクの米軍および現地に治安部隊に対する攻撃
で、死者の発生が続いている。バグダード北部の道路では爆弾が破
裂し、米兵1人が死亡した。米国によれば、これが2003年3月の戦
争開始から、900人目の犠牲者である。このドゥルイヤ市の巡回に
対する攻撃では、その他に6人の米兵が負傷した。キルクークでは
爆弾が破裂し、イラク警官1人が死亡した、と軍広報は発表した。
ラマディでは爆薬を積んだ自動車が爆発し、少なくともイラク人
3人が死亡した。武装誘拐犯は新たに、外国人6人を人質とし、彼
らの雇い主であるクウェートの企業がイラクから引きあげないので
あれば、彼らを殺害する、と脅した。誘拐されたのはインド人3人、
ケニア人2人、エジプト人1人である。

イラク 隣国に秘密情報部の情報を求める

(カイロ)イラクの周辺各国が権力移譲後初めて会議を開き、イラ
ク移行政府は隣国に対し、機密情報の交換を求めた。これにより同
政府は主として、テロリストの進入と武器の密輸を阻止する方針で
ある。イラク外務大臣ホシアル ジバリはカイロで、目的を声明の
形で述べるだけではもはや十分ではない、政府は隣国がどんな支援
なら可能であるがはっきりした考えを持っている、とくに国境地域
の安全に関して、政府はより積極的にならなければならない、と述
べた。イラク政府は、主にシリアとイランがテロリストがイランに
入ってくるのを阻止していない、と批判した。一方外交官筋の情報
では、この会議ではシリアが、サッダーム体勢の崩壊後のイラクに
イスラエルが駐留することに関して、共通の態度を取るよう求めた
ため、対立が生じた。イラクとトルコはこれを拒否した。

工業連合 2005年の経済成長が2%になることを期待

(ベルリン)ドイツ工業団体連邦連合会の見通しによれば、ドイツ
の工業は来年の回復は速度を増す。ただし同連合会会長ロゴフスキ
ーはベルリンで、経済が上向きの傾向にあるのは確実ではない、ド
イツは構造上の未解決の問題を抱えているため、将来の世界的な景
気回復から、大きな利益を得ることはないだろう、と述べた。また
来年の経済成長は2%以上になる、と期待される、とも語った。ロ
ゴフスキーは今まで特に輸出に支えられていた景気回復が、低迷し
ている国内の需要によい影響を与える、との自信を述べた。同連合
は今年の経済成長予想を2.0%から1.5ないし1.7%へと下方修正し
た。また彼は、持続的成長のためにドイツはより多くの改革、たと
えば解雇通告からの保護や労働時間の延長を緩和することが必要
だ、とも述べた。




7月22日(木)

マネスマン訴訟 すべての被告人に無罪判決

(デュッセルドルフ)マネスマン社の買収の際に巨額の報償金が支払われたことを
めぐる大がかりな裁判で、ドイツ銀行総裁のヨーゼフ アッカーマンおよびその他
の被告5人に対して、無罪判決が言い渡された。デュッセルドルフ州裁判所は、重
大な背任容疑の証明はなされなかった、との判断を下した。しかし同法廷の見解で
は、ドイツ株式法違反ではあった。被告人に対して、最大3年までの拘留を、一部
は執行猶予なしで求めていた検察は、カールスルーエの連邦裁判所に上告を行なう
ことを検討している。アッカーマンのほかに、元マネスマン社の社長であったクラ
オス エッサーおよびもと金属産業労働組合会長クラオス ツヴィッケルも、無罪
判決を受けて法廷を去った。彼らに対しては、英国の携帯電話会社ヴォーダフォン
社が2000年にマネスマン社を買収した際に、株式の形で5,700万オイロの資産を
着服した、との容疑がかけられていた。

     その他のニュース

スーダンに対する圧力 強まる

(ロンドン)スーダン政府は、ダルフール地区での紛争で、ますま
す強い圧力にさらされている。英国首相ブレアは、スーダン南西部
の紛争地域に部隊を派遣する可能性を否定しなかった。ただし、現
在これは問題になっていはいない、とブレアはロンドンで開かれた
記者会見で述べた。米外相パウエルは、国際社会に対して、スーダ
ンに対しさらに圧力をかけるよう呼びかけた。これに対して、スー
ダン外相ムスタファ オスマン イスマイルは、米英は、イラクに
対するものと同じような圧力をかけている、との声明を出した。国
連の推計によれば、ダルフール紛争では約3万人が殺され、百万人
以上の黒人が、アラブ系の民兵および政府軍によって追放された。
教皇ヨハネ パウロ 2世は、ドイツ大司教パウル ヨセフ コル
デスを特使としてスーダンに派遣した。

シリー「アフリカ問題はアフリカで解決されねばならない」

(ベルリン)連邦内相シリーは、難民仮収容所をアフリカ大陸に建
設する、との自らの提案を擁護した。ドイツの新聞に寄せた文章の
中で彼は、連立与党社会民主党と緑の党の国会議員からの非人道的
であるとの非難に対し抗議して、ますます多くの人が、自らの命を
犠牲にしても、ヨーロッパに来ようとしている事態を無視すること
は誰にもできない、と述べている。アフリカの問題はアフリカで解
決されねばならず、海難事故にあって救助された難民は、例外なく
ヨーロッパの滞在権利を得られるとの期待を与えてはならない、と
述べた。一方イタリアは、先週カプ アナムル丸でシチリアに到着
したほぼすべての難民を国外退去にした。彼らの難民神政は拒否さ
れた。

フィッシャー カシミール紛争解決を支援

(イスラマバード)ドイツ外相フィッシャーはパキスタンとインド
に、ドイツがカシミール紛争解決を支援する、と約束した。パキス
タン大統領ムシャラフとの会談後、フィッシャーはイスラマバード
で、数十年前から続いているこの紛争を仲裁することは、ドイツに
とって利益である、と述べた。ムシャラフは、国連安保理でインド
が常任理事国になるのではないかとの懸念を表明した。先週フィッ
シャーとインド外相シンはニュー デリーで、両国は常任理事国入
りする努力をお互いに支援しあう、との声明を出していた。フィッ
シャーは、10日に渡るアジア訪問を終え、金曜日にはベルリンに
戻ってくる予定である。




7月23日(金)

ダイムラークライスラー社 支出削減を実施

(シュトゥットガルト)自動車製造企業ダイムラークライスラー社の、必要経費削
減をめぐる対立で、同社幹部は自らの削減目標を達成した。なかでもズィンデルフ
ィンゲンの中央工場での新型メルツェーデスCクラスの生産に関する人件費は、毎
年5億オイロ削減される、と同社社長ユルゲン シュレンプは、長時間に渡る交渉
の後シュトゥットガルトで発表した。代わりに同社は、ドイツ全国で2012年まで
同社の側から解雇を通告しない、と約束した。一律の賃金契約に手をつけることは
阻止した、と事業所全体委員会委員長エーリヒ クレムは強調した。彼は特に、問
題となっていた1時間ごとの5分間の休憩を維持し、再訓練時間を今までよりも労
働時間に組み入れることになる、と指摘した。その他シュレンプは、ダイムラーク
ライスラー社幹部は今後は毎年収入の10%を返上する、と予告した。

     その他のニュース

ダイムラークライスラー社の妥協に肯定的な評価

(シュトゥットガルト)ダイムラークライスラー社の経費削減の妥
協は、政界および労使双方から、ドイツの全産業の基準となるもの
だ、との評価を受けた。連邦首相シュレーダーは、この合意は理性
の勝利である、と述べた。キリスト教民主同盟党首メルケルは、こ
の措置は、被雇用者と経営側がドイツの雇用を確保することを重視
したものだ、と述べた。金属産業労組会長ペータースは、雇用が長
期的に守られたことはどんなに高く評価しても評価しすぎることは
ない、と述べた。金属産業使用者連合は、この決定は企業側にとっ
て極めて満足の行くものである、と強調した。

フォルクスヴァーゲン社 利益の警告を表明

(ヴォルフスブルク)フォルクスヴァーゲン社は、大幅な支出削減
計画を行なったにもかかわらず、目標の成果を上げられず、利益が
減少した。同社は、競争が激化し、景気が低迷する中、2004年に
は特別収入の他に19億オイロの営業収益だけがある、との予想で
ある。今まで同社社長ピシェッツリーダーは、25億オイロの収益
を予定していた。「前進のために」という名前で行なった支出削減
計画は、同社が赤字転落を避けるためのものであった。同社によれ
ば今まで、4億オイロの支出削減が行なわれていた。年末までに、
その額は10億オイロに上る予定である。

マネスマン社訴訟の無罪判決をうけ上告

(デュッセルドルフ)デュッセルドルフ検察は、マネスマン社訴訟
で無罪判決がでたことに対して、上告を行なう。これによって、カ
ールスルーエの連邦裁判所がこの裁判を担当することになる。デュ
ッセルドルフ州裁判所は木曜日に、元同社社長エサーとドイツ銀行
頭取アッカーマンを含む被告6人すべてに対して、マネスマン社の
ヴォーダフォン社への売却に関して巨額の支払いを受けたことに関
連して、背任ないしは幇助の容疑の裁判で無罪判決を下していた。
検察は被告に対して、数年の拘禁および執行猶予刑を求めていた。




7月24日(土)

フィッシャー EU憲法に関する国民投票に反対

(ベルリン)ドイツ外務大臣ヨシュカ フィッシャーは、EU憲法に関する国民投
票に反対である。この憲法は早く批准され、ドイツはできるだけ先駆けすべきであ
り、この問題では連邦首相ゲアハルト シュレーダーも同じ意見である、と彼はテ
レヴィ番組で述べた。ただし原則的にフィッシャーは、国民投票の実施を受け入れ
ており、野党が国民投票を実施することを望んでいるのであれば、連立与党は関連
法案を提出する、とも述べた。
社会民主党の連邦議会内の会派の執行部長ヴィルヘルム シュミットは、新聞に対
して、連立与党は既に国民投票案を準備しているが、EU憲法に関する投票はその
中には含まれていない、と述べていた。

     その他のニュース

アラウィ 人質事件でエジプトに毅然とした態度を求める

(ダマスカス)イラク首相アラウィは、イラクで誘拐したエジプト
人外交官に関して、エジプトが誘拐犯の要求に屈しないよう訴え
た。シリアの首都ダマスカスで開かれた記者会見でアラウィは、す
べての文明社会はテロ組織と戦わねばならない、と述べた。エジプ
ト外相アハメド アブル グハイトは入れより前に、誘拐犯に対し
て、この外交官の他、水曜日に誘拐したエジプト人トラック運転手
を解放するよう訴えていた。金曜日にはイラクでの一連の誘拐事件
が始まってから初めて、外国人外交官が誘拐されていた。カタール
のテレヴィ局アル ジャジーラは、エジプト大使館の高官が、覆面
をした男たちの前に座っている様子を写したヴィデオを放送し、人
質事件は、安全問題に関してイラクに助言を行なう、とのエジプト
の申し出に対する回答である、と述べていた。

ロシア イラクへの部隊派遣を再び拒否

(モスクワ)ロシアは部隊のイラク派遣を改めて拒否した。外相ラ
フロフは、イラク外相ゼバリとモスクワで会談し、ロシアは、イラ
クに対して貿易関係と負債の軽減に関して支援をする用意がある、
と述べた。ラフロフは、両国の伝統的に有効な関係をさらに拡大す
ることを約束した。ゼバリのモスクワ訪問は、イラク移行政権が先
月米国が指揮する部隊から権力を引き継いでから、イラクの閣僚と
しては初めての訪問である。ロシアはアフガニスタンの前例になら
って、イラクのために国際会議を行なおう、との提案を行なった
が、ゼバリはこれに対して、この会談のための扉は開いている、と
述べた。

アラファト 同国政府は危機にないとの判断

(ラマラ)パレスチナ大統領アラファトは、首相コレイに対する信
頼感を公に表明した。政府は危機にはない、とアラブ諸国の外交官
とラマラで会談した後、アラファトは述べた。コレイには、提案を
行なう権利があり、自分は彼がどのように決断しても彼を支持す
る、と述べた。コレイは、自分の内閣が治安部隊に対する指揮権を
持たないのであれば、辞任する、と述べていた。アラファトが公式
に自分の意見を述べるのは、1週間前にガザ地区で政治的な抗議行
動が始まってから初めてであった。ガザ地区南部では、覆面をした
武装勢力が派出所を襲撃し、放火した。その他アル・アクサ旅団の
約20人の戦闘員が現地知事の本部を一時的に占拠した。




7月25日(日)

イスラエル人数万人が ガザ地区からの撤退に反対する運動

(エルサレム)ガザ地区のユダヤ人入植地からイスラエルが撤退することに反対し
て、ユダヤ人入植者の抵抗が起こっている。約13万人が、90キロ以上に渡って人
間の鎖を作り、2005年9月末までにすべてのユダヤ人入植地の軍の歩哨から撤退
する計画に抗議した。この鎖はガザ地区北部からエルサレムの嘆きの壁真で続い
た。一方イスラエル秘密情報部と警察は、ユダヤ人急進派が、イスラエル人とパレ
スチナ人の間で新たな暴力を引き起こし、首相アリエル シャローンの撤退計画を
妨害するべく、イスラーム教のモスクにたいする攻撃が行われるのではないか、と
警告した。
急進派パレスチナ人によるガザ地区の入植地グシュ カティフに対するミサイル攻
撃が行なわれ、軍の情報によれば、4人が負傷した、とのことである。

     その他のニュース

イラクで警察と反乱勢力 激しい戦闘

(バグダード)イラク治安部隊は、バグダード近郊で反乱勢力と激
しい戦闘を行なった。米軍の手入れを支援すべく、国民軍と警察は
バァクーバ南部で榴弾とミサイルを使用して攻撃した、と米軍は発
表した。その際、反乱勢力の13人が死亡した。土曜日にはバグダ
ードの北部約180キロのバイジ市近郊で、米軍は爆弾攻撃を受けて
死亡、さらに1人が負傷した。

オーストラリア イラクからの撤退拒否

(キャンベラ、バグダード)急進派から新たに威嚇を受けたにもか
かわらず、オーストリアはイラクに駐留する兵士を早期に撤退させ
ることはない。オーストリア政府は、イスラームテロリストの圧力
に屈するつもりはない、と外相ダウナーは述べた。彼は、スペイン
とフィリピンが兵士を撤退させたことを批判した。これによって、
急進派には勇気が与えられた、と述べた。一方土曜日にインターネ
ットを通じて公表された声明の中で、アル カーイダのヨーロッパ
支部を名乗る組織が、オーストラリアとイタリアで爆弾攻撃を行な
う、と威嚇した。両国政府は、イラク戦争をはっきりと支持してい
た。

スーダン大統領 批判を退ける

(ハルツーム)スーダン大統領オマル エル バシャルは、国際社
会から自らの政府に向けられた批判を退けた。各国による一連の批
判の真の目的は、ダルフール地域の情勢の改善ではなく、イスラー
ムの勢力拡張の阻止である、と述べた。外相フィッシャーはこの非
難には根拠が全くない、と述べた。フィッシャーは、アフリカ連合
がスーダンの紛争解決では中心的な役割を果たすことに賛成してい
る。アフリカ連合議長アルファ オウマル コナレとの電話会談で
フィッシャーは、ドイツ政府とEUは、この紛争地域に人員を派遣
する際には全面的な支持を行なう、と約束した。EU加盟各国の外
相は月曜日、スーダン危機について話し合った。ダルフールでの暴
力沙汰は2003年当初から、少なくとも3万人の犠牲者を出してい
る。約百万人の黒人が国外追放されている。



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