1月3日〜1月9日のオーストリアのニュース



1月3日(月)

     津波関連のニュース

シュッセルはオーストリア人犠牲者は400人ほどと予想

連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は、アジア南部で
行方不明になっているオーストリア人のうち400人ほどが死亡して
いる、との見通しを語った。彼は昨日のテレヴィ番組の中では、死
者の数が多数に登ることを認めようとはしなかった。死亡したと推
定される人の数を具体的に述べたくない理由として、希望を奪って
しまうからだ、と述べた。その他彼は、12月に辞任した国民党所
属の内務大臣エルンスト シュトラサーが、今回の災害の支援の
「調整」を担当する、と予告した。どのような権限をシュトラサー
が持つことになるかは未定であるが、ある官庁に属するが、当面大
臣としての給与を得ているため、給与は得られない、とシュッセル
は述べた。シュッセルによればシュトラサーは支援活動の広報を行
なうことになる。

     国外ニュース

イラクでは治安部隊に対する攻撃が続き 死者22人

イラクでは新治安部隊に対する一連の攻撃が昨日行なわれ、少なく
とも22人が死亡した。警察の情報によれば、暫定首相イヤド ア
ラウィのバグダードの党本部近くで、自殺攻撃犯が爆死し、5人が
死亡、25人が負傷した。一方イラクの急進派はインターネット
で、米国に愛するテロ攻撃を行なう、と威嚇した。このバグダード
での攻撃で、国民軍、警官、通行人が犠牲になった、と警察広報は
発表した。厳戒体制がとられたアラウィの「イラク国民合意」の本
部では、被害を受けた人はいなかった、とのことである。

     国内ニュース

社民党幹部は学習到達度調査と今後の活動を協議

社会民主党幹部は、南シュタイアーマルクのワイン製造地ガムリッ
ツでの非公開会議を、今日終了する。この会議の主要議題は、教育
問題になる。社会民主党は、学習到達度調査PISAの結果が悪かっ
たことに鑑みて、オーストリアの学校制度をどのようにすれば立ち
直らせることができるのかを検討する方針である。その他幹部会の
中では、国会の議員団が春にどのような活動をするかを話し合う。
この会議の1日目には党首アルフレート グーセンバオアーは、民
主化案を提案した。この提案は主として、16歳からの選挙権と、
ヨーロッパ全体を対象にした国民投票の導入が目標として掲げられ
ている。非軍事役務も取り上げられた。同党は6+3(6カ月間の義
務期間と3カ月間の自由意志による期間)を主張している。夜には
懇親会を行なった。カーリング協議会の後、「ワインの女王」レギ
ーナ1世とともに夕食会が行なわれた。




1月4日(火)

     津波関連のニュース

津波の犠牲者のためにEUは3分間の黙祷を行なう

水曜正午に、EU全加盟国で3分間の黙祷が行なわれ、津波災害の犠
牲者の追悼を行なう。半旗が掲げられる。オーストリア放送のラジ
オとテレヴィ番組でも無音の時間が流される。オーストリア鉄道は
大きな鉄道の駅および列車の中で黙祷を実施することを放送する。
EU加盟25カ国のうちデンマークだけはこの黙祷に参加しない。デ
ンマークは既に日曜日に2分間の黙祷を行なったからである。

     国外ニュース

ブッシュとアラウィはイラク選挙の日程を堅持の方針

米国大統領ジョージ W. ブッシュとイラク暫定首相イヤド アラウ
ィは、イラクで予定されている選挙の期日1月30日を堅持する方針
である。両者は電話で会談したが、その中では延期は話題にならな
かった、と米大統領府広報スコット マクラランは昨日ワシントン
で述べた。彼はバグダード知事アリ アル・ハイダリの暗殺をもっ
とも強い調子で非難した。米国外務相広報のアダム イーレリは、
ハイダリは「忠実で愛国的なイラク人」であって、彼の市はイラク
国民にとって「悲劇的な損失である」と述べた。首都バグダード知
事の彼は、襲撃の犠牲となった。その少し前には自動車爆弾が6人
を殺害していた。月曜日だけで、30人以上が攻撃を受けて死亡し、
その中には米国が育成した国軍兵士も多く含まれている。アラウィ
自身は攻撃をかろうじて免れた。犯人は暴力とテロにより無秩序状
態を作り出し、予定通りの1月30日の選挙実施を阻止する方針であ
る。

     国内ニュース

プラターは基礎兵役者を客として扱う方針

国防大臣ギュンター プラター(国民党)は、兵士の育成にあたっ
て「全く新しい道」を行く方針である。水曜日の「ティロール新
聞」で彼は、「あり方の完全な変更」を行なう、と予告した。「我
々は、国軍に対する関心を呼び起こし、基礎兵役者を客として扱わ
なければならない。若者が数年間にわたって国軍に在籍する気を起
こさせることが目標である。私はこの問題について経済界とも話し
あいを行なった。この方針は十分受け入れられている」とプラター
は述べた。




1月5日(水)

     津波関係のニュース

ジャカルタで洪水災害の第1回犠牲者支援国会議

インドネシアの首都ジャカルタで今日、アジアでの自然災害の犠牲
者に対する第1回支援国会議が行なわれる。この会議の主催者で
「地震および洪水の後のASEAN指導者特別会議」の主人役はイン
ドネシア政府である。中心となる議題は、支援活動の調整、被災地
域の長期的再建計画、今後のインド洋での地震の早期警戒態勢の整
備である。

     国外ニュース

チリの元独裁者ピノチェトは形式的に自宅拘留

元地理の独裁者アウグスト ピノチェトは水曜日彼に対する刑事裁
判の中で自宅拘留にあった。これは裁判官グスマンが命じたもの
で、89歳のピノチェトに対し、彼の独裁時代(1973-1990)の間の
コンドル作戦に関連した暗殺および誘拐の容疑で裁判を行なってい
る。ピノチェトは、最高裁判所からの訴えに対する異議を申し立て
ていたが、これが却下され、サンティアゴの北西130キロのロス 
ボルドスの自宅を今後離れることができなくなる。

     国内ニュース

主治医の新たな義務により医師は「完全な混乱」状態にある

1月1日から開業医は、義務的主任医師の治療に関する同意を得るべ
く配慮しなければならなくなっている。医師会はこれを大いなる官
僚主義的浪費である、と批判している。




1月6日(木)

     津波関連のニュース

今なお540人のオーストリア人が行方不明

行方不明になったオーストリア人の数は、水曜日以降51人減少し
て、540人となった、と外務省の緊急対策班の広報アストリト ハ
ルツは発表した。今までのところ公式には10人のオーストリア人の
死亡が確認されている。彼女によれば、行方不明者の減少には3つ
の原因がある。行方不明者が発生している地域のオーストリア人の
報告が遅れていること、またオーストリアに帰国している人が報告
するのに数日を要していること、さらに刑事警察の捜査協力を得
て、行方不明者の名簿の訂正が行なわれていることの3つである。
アジア南部の洪水の犠牲者の数は、国連によれば20万人を越える
可能性がある。

     国外ニュース

イラクで米兵7人が攻撃を受けて死亡

イラクの首都バグダードで攻撃が発生し、米兵7人が死亡した。装
甲車に載って路上にいたとき、近くにあった爆弾が破裂し、乗組員
全員が死亡した、と米軍広報は木曜日に発表した。またイラクで誘
拐されていたフランス人記者2人が解放されて2週間、フランス人
女性記者1人が行方を消した。パリの新聞「リベルタシオン」は木
曜日、水曜日の朝からこの記者と彼女のイラク人通訳から連絡がな
い、と報道した。彼らが誘拐されたかどうかは不明である。

     国内ニュース

主治医の新たな義務に関する批判を厚生大臣は退ける

厚生大臣マリーア ラオホ・カラット(国民党)は水曜日、医師会
からの主治医の新規定に対する激しい批判にたいして「意外であ
る」と述べた。この規定は患者の負担を減らすもので、この導入は
「唐突でも無計画でも」なかった、医師会の代表は最初からこの新
たな計画に加わっていた、と述べた。さらに、主治医の義務は1年
前に既に国民議会で議決され、その実施が議論されていた、とも述
べた。




1月7日(金)

     津波関連のニュース

UNICEFは子供の人身売買が行なわれていることを確認

国連児童支援UNICEFは昨日、南アジアでの洪水によって両親をな
くした、あるいは両親と離れ離れになった子供が人身売買の対象と
なった最初の事例を確認した。インドネシアのスマトラ島の北部
で、4歳の少年がバンダ アチェ市からやってきた夫婦に連れ去ら
れた、とUNICEFのインドネシア児童支援部部長ビルギテ ルンド
・ヘンリクセンが述べた。バンダ アチェは、12月26日の津波
でもっとも激しく破壊された地域の1つである。インド洋岸の13
カ国では合わせて153,000人以上が死亡した。

     国外ニュース

国連は国連軍内部の性的問題に驚愕

国連事務次長ジャン・マリー・ゲーノは、紛争地域の国連軍の性行
動を憂慮し、厳しい対処を行なう、と予告した。この問題は、国連
のヴェストについた「黒い染み」であり、国連に対する信頼を破壊
する、とゲーノは昨日ニュー ヨークで述べた。数時間前に公表さ
れた国連の文書は、コンゴの国連平和監視団は、18歳以下の少女
と性交し、代金を支払った事例が少なくとも19件あったことを認
めている。

     国内ニュース

緑の党はエネルギー税で賃金付帯費用を下げる方針

緑の党は今年包括的な経済計画を提出する方針である。緑の党の予
算の専門家ウェルナー コークラーは、エネルギー税を値上げする
べく努力する、と「ディ プレッセ」紙にのべた。これにより、賃
金付帯費用の値下げの財源とする、総額で80億ないし100億オイ
ロが動く可能性がある、と彼は述べた。ただしどのエネルギー税を
重点的に値上げするかについては、彼は言及しなかった。




1月8日(土)

     津波関連のニュース

いまだ404人のオーストリア人と連絡が取れず

外務省の緊急対策班は、津波災害に見舞われたアジア南部および東
南部の各国ではあいかわらず404人のオーストリア人と連絡が取れ
ていない、と発表した。前日はその数は488人であった。タイとス
リ ランカの被害の中心地では、257人と連絡が取れていないが、
前日はその数は313人であった。今までに確認された死者の数は
10人である。外務省の緊急対策に対して非難の声が強まっている
が、外務大臣ウルスラ プラスニク(国民党)はこれを昨日再び根
拠がないと否定した。

     国外ニュース

イラクでは米軍の誤爆で14人が死亡

土曜日の午前中米軍機は誤って、イラク北部の村モスールの南にあ
るアイタの家を爆撃した。昨日午後米軍はこれを発表した。米軍に
よればこの誤爆で5人が死亡した。完全に破壊されたこの家の持ち
主は、死者14人、負傷者5人である、と述べた。サラヘディン州の
米国のイラク治安本部の代表者は自分の名前を名乗らず、女性4人
と子供3人を含め死者は13人で、犠牲者はすべて同じ家の家族であ
ったと、と述べた。モスール市から約50キロの地点では過去数週
間、蜂起勢力と米軍の激しい戦闘が起こっていた。

     国内ニュース

グラサーのモルディヴ休暇に対する非難続く

大蔵大臣カール・ハインツ グラサーが、津波災害の期間中に、モ
ルディヴで休暇をとっていたことをめぐって、さらに非難の声が上
がっている。報道雑誌「プロフィル」によれば、彼はエコノミー・
クラスの航空券の料金しか支払わなかったのに、AUAの経営者の話
によれば、高額のビジネス・クラスの席に座ることが認められてい
た、とのことである。




1月9日(日)

     津波関連のニュース

パリクラブは負債の支払い猶予に賛成

パリクラブに参加している債権国は、アジア南部の津波の被災国に
対する負債の支払い猶予を行なう用意がある、とフランス大蔵大臣
エルヴェ ゲマールは発表した。「我々フランスは、負債の支払い
猶予を提案するつもりである」と日曜日のラジオ局のインタヴュー
でゲマールは述べた。「パリクラブに参加している国々はこれを受
け入れている。我々はここ数日間各国と協議してきた」とものべ
た。ただし詳細については言及しなかった。今のところオーストラ
リアがこの提案に慎重な態度をとっている。豪州政府の見方によれ
ば、このような支払い猶予は、洪水の後で極めて貧しい国に属する
ことになる国々にとって、有利ではなくなる。海底地震による津波
はインド洋に面しているほとんどすべての国々に影響を与えた。こ
うした国々は約2,720億ドルの国外負債を抱えており、インドネシ
アだけで480億ドルである。この津波でもっとも大きな影響を受け
たのはインドネシア、スリランカ、インド、タイ、モルディヴであ
る。

     国外ニュース

イラク各地で再び攻撃

1月30日に予定されているイラク国会議員選挙まであと3週間を切
ったが、各地で暴力沙汰が劇的に増加している。日曜日には蜂起勢
力が、車に乗っていたイラク北部のサマラの警察署長を射殺した。
首都バグダードの南50キロにあるユスフィーヤでは、イラク軍の
監視所のところで自爆攻撃犯が、車の中で爆死し、警察の発表では
少なくとも11人が死亡、23人が負傷した。またバグダードでは、
巡回中の米兵1人が爆発物で死亡した、と米軍司令部が発表した。
同国の治安情勢が悪化しているため、英国はさらに650人の兵士を
派遣する方針である、と報じられている。一方イラクのスンニー派
は、国会議員選挙に参加しないようにとの呼びかけを取りやめる条
件を発表した。その条件は米国が、多国籍軍の撤退の計画を呈示す
ることである。選挙の延期を求めているスンニー派は少数派で、イ
ラクの国民の3分の2はシーア派である。

     国内ニュース

国民党は正式に新年の活動を開始

国民党は月曜日、新年の政治日程に正式に入り、国内外の要人との
議論を開始する。今年の同党の標語「未来の国」を掲げて、連邦首
相ウォルフガング シュッセルとその閣僚がグラーツのクンストハ
オスに集まる。首相と議論するのはクロアチア首相イヴォ サナデ
ィール、元副首相スサネ リース・パサー(自由党)、デザイン家
具チェーンのインテリオ社社長ジャネット カート、バルカンで活
動するイエズス会の支援活動のゲオルグ スポルシルと分子生物学
者ヨーセフ ペニンガーである。この催しは、3月から各州で行な
われる一連の議論の冒頭を飾るものである。午後には国民党は連邦
同党幹部会との会議を行なう。ここでは東南アジアの津波災害につ
いて話し合われる。



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