2月14日〜2月20日のドイツのニュース



2月14日(月)

レバノン元首相が襲撃を受け死亡

(ベイルート)元レバノン首相ラフィク ハリリが、ベイルートで起きた爆弾によ
る攻撃の犠牲となった。公式発表によれば、彼のほかに9人が死亡し、約百人が負
傷した。負傷者の中には元経済大臣バッセル フライハンが含まれている。今まで
名前が知られていなかったイスラーム教徒急進派が、この攻撃を行なったことを認
めた。アラブ系の放送局アル ジャジーラで放送されたヴィデオでは、ハリリが殺
害されたのは、彼がサウジアラビア首脳部を支持しているためである、と述べられ
ている。ハリリは約20年サウジ・アラビアで生活し、経営者として巨額の財をな
していた。
彼は1992年から2004年まで、断続的にレバノン首相を務めていた。最近彼はシ
リアがレバノンの政治に対して影響を強めていることにますます強く反対し、親シ
リア派の大統領エミール ラフードと対立していた。

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フィッシャーはヴィザ問題で政治的責任をとる

(ベルリン)入国査証の大規模な不正使用問題で、連邦外相フィッ
シャーは、過失があったことを認め、政治的な責任をとった。また
彼は、コール政権下の前任政権にも同じ責任がある、と述べた。現
在問題になっている旅券と旅行代理店裁判は、すでにコール政権下
で起きていたもので、入国管理人の犯罪は社会民主党と緑の党の政
権下で始まったものではない、とフィッシャーはベルリンで語っ
た。また彼は、入国査証調査委員会で発言する用意がある、とも強
調した。連邦首相シュレーダーと緑の党の幹部は、外相フィッシャ
ーを支持している。キリスト教社会同盟党首シュトイバーはフィッ
シャーに辞任を求めている。

イラクの次期政権で閣僚の椅子をめぐる争い

(バグダード)イラクの国会議員選挙ではシーア派が勝利を収めた
が、次期政権の閣僚人事をめぐる争いが始まった。首相の座につく
可能性が大きいのは、現大蔵大臣アデル アブデル メフディ、元
副大統領イブラヒム ジャアファリ、原子物理学者フセイン エル
 シャフラスタニの3人である。企業の経営者アフメド チャラビ
も名乗りをあげた。自分は首相候補となっている、と米国のテレヴ
ィ局CNNで彼は述べた。彼はサッダーム フセイン体制下で、国外
に追放となったイラク人を代表する1人で、米国の支持を受けてい
た。しかし現在彼は米国の秘密情報をイランに伝えたとされて、冷
遇されている。

近東では緊張緩和の兆しがさらに見られる

(エルサレム)近東での大規模な緊張緩和の兆しはさらに強まって
いる。ラジオ報道によれば、イスラエル軍は火曜日に西ヨルダンラ
ンドのジェリコ市の監督権を移譲する、とのことである。さらにイ
スラエル内閣は日曜日の会議ですでに、ガザ地区からの撤退計画の
最終的な実施について採決を行なう、と首相シャローンが議会で予
告した。この計画には、ガザ地区すべてのユダヤ人入植地および、
西ヨルダンランドの4つの入植地からの撤退が含まれている。好意
の新たな現れとして、イスラエルはパレスチナ人急進派15人の遺
体を自治当局に渡した。大統領アッバスは新聞のインタヴューの中
で、イスラエル人とパレスチナ人は、数十年にわたる紛争の終結ま
でさほど離れてはいない、との見通しを述べた。




2月15日(火)から17日(木)お休みです。




2月18日(金)

シリーは集会の権利で合意する方針

(ベルリン)連邦内務大臣オットー シリーは、連立与党の各会派と野党キリスト
教民主、社会同盟に、集会を行なう権利をめぐる対立でお互いに歩み寄るよう呼び
かけた。両者は、共に民主主義の責任を果たすように、意見を接近させなければな
らない、とシリーは述べた。連邦議会で行なわれた集会の権利をめぐる議論の中
で、右派急進勢力が今後、ブランデンブルク門などの歴史的な遺産のところで示威
行為をするのをどうのようにすれば阻止できるか、ということが問題になってい
る。社会民主党と緑の党は新たな法律を作って、右派急進勢力の歴史的な場所での
示威行為を禁止しようとしている。一方キリスト教民主、社会同盟は連邦議会周辺
の政治活動禁止区域を拡大して、ブランデンブルク門やホロコースト記念施設を示
威行為禁止区域に含めることを提案していた。

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バグダードで一連の攻撃 死者少なくとも25人

(バグダード)イラクの首都バグダードでは、シーア派に対する一
連の爆弾攻撃があり、少なくとも25人が死亡した。同市南部のア
ル・カディマインモスクで起きた自殺攻撃だけで、17人の信徒が
死亡した。同市西部のモスクでは、2人の犯人が3人を巻き添えに
爆死した。シーア派の住む一画スクラでは流弾が爆発し、喫茶店の
客3人が死亡した。これらの攻撃はシーア派のアシューラ祭が最高
潮を迎える前日に起きた。イラク西部の反乱勢力の本拠地ラマディ
ではインドネシア人のテレヴィ記者2人が行方不明になっている。
目撃者の話によれば、火曜日に軍服を着て武装した者たちが、記者
とカメラマンが乗った車を停止させ、2人を誘拐した、とのことで
ある。

ブッシュはヨーロッパとより密接な協力をする方針

(ワシントン)米国大統領ブッシュは、まもなく行なわれる訪問
で、ヨーロッパとの関係を新たな基盤の上に築く方針である。そこ
で彼はイランおよびシリアとの接し方などの問題について、ヨーロ
ッパ各国とより密接な協力を行なうことを望んでいる、欧州と米国
は過去の意見の違いを捨て去らなければならない、とワシントンで
述べた。ブッシュのヨーロッパ訪問は日曜日に始まる。月曜日と火
曜日にはブリュッセルで、EUと米国の首脳会談が開かれる。独政
府の発表によれば、マインツでは首相シュレーダーとの会談、独お
よび米兵との交流、若い世代の指導層との議論、グーテンベルク博
物館訪問などが予定されている。引き続きブッシュはヴィースバー
デンの米軍基地を訪問する予定である。木曜日にはヨーロッパ訪問
の最後に、スロヴァキアを訪れる。

ソラナは武器輸出禁止措置解除を擁護

(ベルリン)EU外務委員ソラナは、対中国の武器禁輸措置を解除
しようというEUの意図を擁護した。彼はドイッチェ ヴェレのイ
ンタヴューで、これは中国により多くの武器を販売することではな
く、政治的な姿勢の表明である、と述べた。中国指導部には新たな
世代が座っており、EUは彼らと新たな関係を始めたいと思ってい
るが、両者の関係にこの制裁措置が暗雲を投げかけかねない、と彼
は述べた。また彼は、EUと米国がこの問題に関して、合意に達す
ることができる、との楽観的な見通しを述べた。米国政府は武器禁
輸措置の解除計画を批判し、その理由として中国では人権侵害が続
いていることを挙げた。EUによる制裁は1989年に北京での民主化
運動が血をもって弾圧された後、決定された。




2月19日(土)

EUは入国査証問題を調査

(ブリュッセル、ベルリン)ドイツの旅行者用入国査証の大量不正発行問題で、欧
州委員会も活動を開始した。法務委員フランコ フラティニの広報は、同委員会が
ドイツの入国査証委託のあり方が、EU法に違反している可能性を調査している、
と述べた。外務省は、中国でも9月に導入された旅行代理店による手続きで悪用が
発生したことを危惧している。この事件では、シェンゲン条約加盟国へ団体旅行を
する人は、自分自身で発行機関に出向く必要がなく、入国査証は国家が信任した旅
行代理店によって発行される。それ以降数週間で15,000件のドイツのヴィザが発
行された、と外務省政務次官ユルゲン クロボクの作成した文書には書かれてい
る、と「ディ ヴェルト」紙は報じている。

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ブッシュは同盟国と一体となることを誓う

(ワシントン、ベルリン)米国大統領ブッシュは、5日間の欧州旅
行への出発を直後に控えて、欧米の同盟関係を堅固なものにするこ
とを誓った。米国とヨーロッパは自由世界の支柱である、と毎週恒
例のラジオ演説でブッシュは述べた。また彼は同盟国に対し、イラ
クの選挙、パレスチナ地域、ウクライナで開かれた歴史的な機会を
逸することがないように、と呼びかけた。ドイツのテレヴィ局のイ
ンタヴューの中でブッシュは、独首相シュレーダーのNATO改革計
画に関して、懐疑的な意見を述べていたが、話し合いを行なう用意
はある、とも語った。シュレーダーは、すべての重要案件について
話し合う、とのブッシュの発言を歓迎した。ブッシュの欧州訪問は
日曜日に始まり、ブリュッセル、ドイツ、スロヴァキアを訪問す
る。

イラクでは死者40名以上

(バグダード)イラクでは複数の攻撃が起こり、40人以上が死亡
し、百人以上が負傷した。バグダードで起きたバスに対する自殺攻
撃だけで、19人が死亡した、とイラク政府代表は発表した。厳重
な安全確保対策がとられたイラクの巡礼者の町ケルベラでシーア派
数十万人が祝うアシューラ祭に、この攻撃は暗い影を落とした。軍
と警察は、ケルベラ周囲の道路を封鎖し、昨年起きたような流血の
事態の再現を阻止しようとしている。昨年は約180人が死亡した。
イラクの国境は火曜日まで閉鎖されている。

約50万人がローマでデモに参加

(ローマ)複数の報道によれば、イタリアの首都ローマでは50万
近くの人が参加して、イラクで誘拐された記者スグレナの解放を求
めるデモが行なわれた。元EU委員会議長プロディ他イタリア野党
の主要な政治家もこの集会に参加した。ローマの新聞「宣言」とハ
ンブルクの週間新聞「ディ ツァイト」のために働いていた56歳
の女性記者スグレナは、2週間前にイラクの誘拐犯の手に落ちた。
彼女の運命はあいかわらず不明である。イタリア政府は、このデモ
はスグレナの解放要求を、軍の撤退要求と結びつけている、と批判
した。国会は数日前に約3千人のイタリア兵のイラク駐留延長に賛
成したばかりであった。




2月20日(日)

シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州で社民・緑の党は過半数を失う

(キール)シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州議会選挙で、社会民主党と緑の党
の連立政権は過半数を失った。最新の集計予想によれば、同州の最大勢力は、今ま
で野党であったキリスト教民主同盟で、40.2%の票を集め、2000年の前回選挙度
比べて、5%票を伸ばしたことになる。州首相ハイデ ズィモニス率いる社会民主
党は5%近く減らして、38.3%の支持、緑の党は6.5%であった。6.8%が自由民主党
に投票した。デンマーク系の少数派の政党「南シュレースヴィヒ有権者連合」は
3.5%で、同党は5%条項の制限を受けない。
この予測が確定すれば、キリスト教民主同盟と自由民主党は、1議席とぎりぎりな
がら州議会の過半数を獲得する。
投票率は約67%で、2000年の前回選挙よりもはっきり下がった。

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CDU筆頭候補カルステンセン勝利宣言

(ベルリン、キール)シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州キリス
ト教民主同盟の筆頭候補カルステンセンは、州議会選挙での勝利を
宣言した。社会民主党と緑の党の連立は選択されなかった、と彼は
キールで述べた。キリスト教民主同盟党首メルケルは、「めざまし
い成果」である、と述べた。同州自由民主党の筆頭候補クービッキ
は、キリスト教民主同盟との連立で新たな州政府を結成することに
自信をのぞかせた。社会民主党は選挙結果に失望を表わした。同党
首ミュンテフェリングは、同党が選挙目標を達成できなかったこと
を認めた。緑の党党首ビューティコファーも、現州政府の希望はか
なえられなかった、と述べた。「南シュレースヴィヒ有権者連合」
党首スポーレンドンクは、同党が今後どの政治勢力を支持するか明
言しようとはしなかった。選挙前の時点では、同連合は社会民主党
と緑の党の少数派政権を許容する事態も考えられる、との考えを示
していた。

ガザ撤退計画と分離壁建設が承認

(エルサレム)イスラエル内閣は、ガザ地区からの完全な撤退と西
ヨルダンランドの4ヶ所の入植地の蜂起を決定した。大臣17人が首
相シャローンの撤退計画に賛成、5人が反対した。首相代理ぺレス
は、パレスチナ人が自分の土地であると主張している場所にあるユ
ダヤ人入植地の解散に賛成したのは初めてであるという点で、これ
は歴史的な決定である、と述べた。2回目の投票で同政府は、西ヨ
ルダンランドの隔離壁の新たな建設にも賛成した。これによってイ
スラエルはエルサレムの南の地域で、西ヨルダンランドの約6%を
併合することになる。最高裁判所は、最初の計画をパレスチナ人に
対して深刻な影響を与えるとして、却下していた。当初の計画が実
施されれば、パレスチナ人居住区の最大16%の占拠という結果にな
っていた。

スペインの国民投票は低い投票率

(マドリッド)スペインではヨーロッパ憲法に関する国民投票が行
なわれた。投票所はまもなく湿られる。賛成が明確に多数であると
見られている。大きな政治勢力は与党社会党、野党保守党を含めて
すべて賛成するように訴えていた。ただしスペイン内務省によれ
ば、有権者のおよそ3分の1だけが投票を行なった。国民が賛成し
た後、EU憲法はスペイン国会の批准を受けなければならない。ス
ペインのほか9カ国が憲法の条案に関する国民投票を行なう方針で
ある。ドイツを含むそれ以外の国では、国会の議決だけで十分であ
る。この憲法が発効するには、EU加盟25カ国すべてで批准されね
ばならない。



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