3月21日〜3月27日のドイツのニュース



3月21日(月)

シュレーダーはオイロ安定新法を歓迎

(ブリュッセル)ドイツはいわゆるオイロ安定法改正をめぐる対立で、大幅に自ら
の主張を押し通し、新たな負債を3%に制限する規定に新たに違反する場合にも、
今までより寛大な措置が期待できるようになる。ドイツ首相ゲアハルト シュレー
ダーは、EU加盟各国の蔵相が合意に達したことを歓迎した。これによりオイロ使用
国すべてが今年から、EUの罰則をすぐに受けることなく、より多くの国債を発行で
きるようになる。そのほか国家財政を再び修正する時間的な猶予が与えられること
になる。各国蔵相は12時間に渡る交渉の末、この法律の基本的な規則を揺るがすこ
とはないが、今後はさほど厳格に適用しなくすることに合意した。ドイツの要請に
応えて、国家財政の赤字の評価をする際には今後は一定の要因を考慮することにな
っている。ドイツに関して言えば、同国東部のための支出とEUに対する実質的な
支出が、この要因に該当する。

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経済界と野党はオイロ安定法の緩和を批判

(ベルリン)EU蔵相がEU安定および経済成長法の緩和に関する合
意をしたことに対し、経済界と野党は激しく批判した。ドイツ商工
会議所会長ブラウンは、この緩和措置はEUが一つにまとまる上で
明らかな後退である、と述べた。使用者団体の会長フントは、新た
な基準の解釈は恣意的に行なわれることを懸念している。この法律
の生みの親の1人である元蔵相ヴァイゲルは、平静を確保するため
にとられた妥協ではあるが、まずい措置である、と述べた。自由民
主党党首ヴェスターヴェレは、EU内部で「弱い通貨」に向けた方
向転換が起きている、と語った。

アナンは迅速な国連改革を要請

(ニュー ヨーク)国連事務総長アナンは、加盟各国に対し、国連
改革を速やかに軌道に載せるように訴えた。これ以上宣言や約束を
行なう代わりに、今は行動が必要である、とニュー ヨークでの総
会で彼は述べた。この総会にかれは改革案を正式に提案する。国連
加盟国は、9月中旬にニュー ヨークで予定されている首脳会談前
に、安保理拡大に関して投票を行なう予定である、と彼は付け加え
た。ドイツは安保理に常時に椅子を確保する努力を行なっている
が、アナンの計画はこれを後押しするものである。ブラジル、イン
ド、日本とともに、ドイツはこの提案を支持した一方米国はこれに
異論を表明した。

イスラエルはトゥルカレムをパレスチナ人に移譲

(テル アヴィヴ)イスラエルは西ヨルダンランドのトゥルカレム
市の管轄権をパレスチナ側に移譲し始めた。この決定は、2回の交
渉が行なわれ、最後の安全保障上の問題が解決されたため、下され
た。イスラエルは5つの都市を返還する予定であるが、トゥルカレ
ムはジェリコに続いて2版めの都市となる。パレスチナ指導部は、
イスラエル政府の西ヨルダンランドにある入植地の拡大計画を、平
和にとって脅威である、と批判した。これは交渉の扉を閉ざすもの
である、とパレスチナ側主席交渉役エレカトはラマラで述べた。イ
スラエル国防省によれば、入植地マレ アドゥミム、グシュ、エツ
ィオン、アリエルでは数千軒の新たな住居が立つことになってい
る。西ヨルダンランドのこの地域は、パレスチナ人にとっていずれ
にせよ失われた地である、と首相シャローンの事務所は発表した。




3月22日(火)

EU首脳会談は欧州の経済政策について協議

(ブリュッセル)EU加盟各国首脳は、ベルギーの首都ブリュッセルで、ヨーロッ
パ経済の競争力強化をめぐって話し合いを行なう。今回の首脳会談の主題は、EU
内部の市場の自由化になる。問題となっている第3次産業に関する方針が、主に検
討される。ルクセンブルク首相でEU評議会議長ジャン・クロード ユンカーは首
脳会談開幕を前に、改めてこの案の修正を支持した。EUの第3次産業市場が開放さ
れた場合、社会福祉の不当切り詰めが行なわれてはならない、とも述べた。EU委
員会議長ホセ マヌエル バローゾは、妥協する用意がある、と述べた。特に東欧
のEU加盟国は、現在の第3次産業の方針によって利益が約束されているため、この
柔軟化に反対している。ドイツとフランスは、現在の方針を拒否している。首脳会
談の参加国は、オイロ安定法の改革を予想通り承認した。

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首相府は入国査証をめぐる問題を認識していた

(ベルリン)政府の公式発表によれば、首相府は外相フィッシャー
と内相シリーの間で入国査証発行政策をめぐる反目について早い時
点から知っていた。両大臣は2000年3月に毎週恒例の閣議の前
に、同月に出された入国査証に関する政令をめぐる対立を解消する
よう求めていた、とのことである。同時に、連邦首相シュレーダー
にはこれは知られされていなかった、と強調した。

検察はCDU所属の元閣僚カンターに罰金刑を課す方針

(ヴィースバーデン)ヘッセン州キリスト教民主同盟の財政疑惑に
関する裁判で、検察は元連邦内相カンターに72,000オイロの罰金
刑を要求した。ヴィースバーデンの州裁判所では検察は、彼には自
分の政党を犠牲にする背任を行なった責任があることが証明され
た、と見ている。一緒に訴えられていた元同党の財政顧問ヴァイラ
オホには36,000オイロの罰金刑が求刑された。両者は1983年末
にあわせて2,100万マルクを外国に持ち出し、それを党には隠して
いた。この資金は後に主にユダヤ人の遺産として偽装されて返還さ
れていた。

診療代に関する初めての判断

(デュッセルドルフ)診療料金の支払いを拒否している人は、当面
財政的な責任を取ることを恐れなくてもすむ。連邦全体で初めてと
なる、支払いが遅れている患者に対する裁判で、デュッセルドルフ
の社会地方裁判所は、10オイロの定額料金の取り立てを行なうの
は健康保険医連合側であって、患者は督促料も郵便料金も支払う必
要はない、との決定を下した。診察料金に対する憲法上の異議を同
法廷は認めたかった。医師側の代表はこの判決を厳しく批判した。




3月23日(水)

EU首脳会談閉幕

(ブリュッセル)ドイツ首相ゲアハルト シュレーダーは、ベルギーの首都ブリュ
ッセルで開かれていたEU首脳会談が下した決定に満足した、と表明した。問題と
なっていた第3次産業に関する基本方針は、この分野の市場の開放が、賃金および
社会福祉の不当な切り下げにつながることがないように、練り直さなければならな
い、とも述べた。EU委員会が今まで出していた案には、企業はEU内の外国で自国
の規則にしたがって、第3次産業を営むことができる、という規定が含まれてい
た。この他、EU加盟25ヶ国の首脳は2日間にわたる首脳会談の終わりに2010年ま
でに経済成長に関する共通の計画を決定した。研究、発展、教育および交通分野で
投資を行うことによって、2010年までに6百万人に新たな仕事を作り出し、常に
3%の経済成長を達成することを目指している。さらにオイロ安定法の柔軟化も決
定された。

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第3次産業に関する基本方針の修正を歓迎

(ベルリン)ドイツの労働組合は、第3次産業での基本方針の完全
な修正を行なうとの決定を歓迎した。欧州委員会は、今や新たな出
発を覚悟しなければならない、とドイツ労働組合連盟会長ゾマーは
ベルリンで語った。社会福祉の基準が価値あるものとみなされる場
合にのみ、真の欧州共同体が生まれることが可能である、とも述べ
た。ver.di会長のブシルスキーも、社会福祉の組織と購買者の権利
にとって測り知れないほどの危険を産み出す可能性があるため、こ
の方針の修正は不可欠である、と述べた。ドイツ手工業者中央連合
会会長ケンツラーは、給料、社会福祉、品質の面と法的規則での不
当な切り詰めが取り除かれる場合にのみ、公正な競争は可能であ
り、連邦首相シュレーダーは努力して、ドイツの中流階級およびそ
の雇用に関して不利益が生じるのを阻止した、と述べた。

キルギス情勢は悪化の可能性

(ビシケク)キルギスの野党勢力が国会議員選挙の結果に対して抗
議を続けているため、情勢は悪化する恐れがある。同国指導部は、
緊急の場合にはこの抗議活動を暴力をもって終結させる、と予告し
た。新内相に就任した首都警察長官ドゥシェバエフは就任の数時間
後、法律は政府に銃器を試用する権限を与えている、と発表した。
いくつかの抗議集会は、大規模な警官の投入によって解散させら
れ、多くのデモ参加者が逮捕された。キルギスの野党は、大統領ア
カイエフが国会議員選挙が自分に有利になるように歪曲し、10月
の大統領選挙に向けて自分を支持する者によい立場を保証しようと
した、との非難を続けている。

イラクの反乱勢力80人以上が殺害

(バグダード)イラクではティクリートの西で戦闘が行なわれ、
80人以上の蜂起勢力が殺害された。同国政府は、米兵とイラク軍
は、タルタル湖岸の蜂起勢力の訓練拠点を制圧しようとして、戦闘
になった、と発表した。死亡した蜂起勢力の中には多くの外国人傭
兵も含まれている。イラク兵数人も戦闘で死亡した。一方、イラク
の新政府はゆっくりと形を整えている。シーア派とクルド人の代表
者の間の交渉担当者の話によれば、数週間にわたる交渉の結果、い
くつかの職の分配をめぐっておおむね合意が得られた、とのことで
ある。この成果は土曜日に発表される模様である。クルド人の政治
家ジャラル タラバニが大統領候補として指名される見通しであ
る。




3月24日(木)

キルギス国会は暫定大統領を選ぶ

(ビシュケク)ロシアの通信社の報道によれば、キルギス国会は特別会議で、野党
の元国会議員イシェンバイ カディルベコフを暫定大統領に選出した。また報道に
よれば、これにより前に元大統領アスカル アカイエフは辞任し、国外に逃亡し
た。首相ニコライ タナーイエフも職を辞した、との報道もある。野党の指導者ク
ルマンベク バキイエフが、移行政府の組閣を委託された。これより前、デモ隊は
首都ビシュケクの政府の本拠に押し寄せ、占拠していた。医師の話によれば、この
騒乱で少なくとも30人が負傷した、とのことである。野党の政治家は国営テレヴ
ィで、内務大臣と国防大臣は野党とともに働く、と発表した。

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旧東独秘密警察はコールの関する情報を10年以上収集

(ベルリン)旧東独の秘密警察は、元首相コールに関する資料を
10年以上にわたり集め、数千ページを保存していた。このことが
秘密警察文書館が数年間にわたる法廷闘争の末、幾人かの報道関係
者と研究者に公開したコールに関する文書から判明した。同館長ビ
ルトラーはベルリンで、この文書によって、主としてどのようにし
て国家保安省が西独の政策を研究していたかを解明することができ
るようになるが、西側の政治的な出来事に関する情報を望んでいた
人は失望するだろう、と述べた。キリスト教民主同盟の不正献金疑
惑に関する情報はなく、資料の大半は新聞記事からの抜粋であり、
他のやり方でも見ることができるもので、個人の関係に関する情報
はこの文書からは削除されている、と語った。

シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州では大連立に向け協議開始へ

(キール)シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州のキリスト教民主
同盟と社会民主党は、相手の意向を打診する話し合いの後、大連立
に関する交渉を受け入れることに賛成である、と述べた。両党の党
首カールステンとメラーは、2度目となる話し合いをキールで行な
い、具体的な交渉を開始するように党幹部に勧告した。来襲水曜日
に両党は党大会を開き、4月27日の州議会までに、大連立を取りま
とめるかどうか決定を下す方針である。州首相ズィモーニスが先週
州議会で、社会民主党と緑の党の連立与党および南シュレースヴィ
ヒ有権者連合からなる多数派で再選を認めさせることに4回続けて
失敗したのを受け、キリスト教民主同盟と社会民主党は水曜日に大
連立に関して相手の意向を探る会議を行なっていた。

集会の権利の制限が発効

(ベルリン)連邦議会と連邦参議院が強化した集会法と刑法が発効
する。連邦大統領府は、連邦大統領ケーラーが法律の修正に署名し
た、と発表した。これにより新たな法律は、国家民主党が戦争終了
60周年にブランデンブルク門やベルリンのホロコースト記念施設
に向けて行進を予定している5月8日には、この法律が適用できる
ようになる。より厳しくなった法律は、原則的にはネオナチの示威
行進に向けられたものである。今後はナチの犠牲者の尊厳が犯され
る場合には、歴史的な意義を持つ施設での集会は禁止できる。




3月25日(金)

キルギスの首都ビシュケクで新たな暴動

(ビシュケク)キルギスの指導部が失脚してから1日、首都ビシュケクでは新た
に暴動が起きた。若者を中心として数千人のキルギス人は、暴力を行使して商店、
銀行、公の建物に進入を試みた。警官は、暴徒を追い払うために空に向けて発砲し
た。昨夜の暴動に対する反応として、新首脳部は暴徒に厳しい罰をもって対処す
る、と威嚇した。それより前、野党は移行政府を結成し、6月に大統領選挙を行な
うと予告した。憲法によれば、現首相クルマンベク バキイエフが大統領の職務を
暫定的に行なうことになる。元大統領アスカル アカイエフは15年間権力の座に
ついていたが、国外に逃亡した、との噂である。

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EUはキルギスに平静を保つように呼びかけ

(ビシュケク)EUはキルギスの住民に、平静を保ち、暴力を行使
しないように訴えた。権力交代後、キルギス人は責任を自覚した態
度をとって、法律と秩序が容易に再建できるようにすべきだ、と
EU外務委員ソラナは述べた。欧州安保協力機構は、政府転覆のあ
とに暴動が起きたのは残念だとのべ、情勢を早期に正常化するよう
に求めた。米外相ライスは早期に選挙を行なうことに賛成だ、と述
べた。米政府と独外務省はキルギスへの旅行を行なわないように求
めた。

フィッシャーはダルフール地区での暴力に対策をとるよう求める

(ベルリン)スーダン南部への和平部隊派遣の決定を受け、独外相
フィッシャーは国連安保理に、ダルフール地区での暴力を抑えるた
めに対策を立てるように呼びかけた。同国西部の劇的な情勢を見る
と、国連はここでも責任を果たさなければならない、と彼は述べ
た。ダルフール地区で続く人権侵害をこのまま放置することは許さ
れない、ともフィッシャーは語った。安保理は前夜、政府とスーダ
ン南部の反乱勢力の間での停戦を1万人規模の軍で監視することを
決議していた。ドイツはこの作戦に50人の軍の監視官を派遣して
参加する予定である。スーダン西部の紛争地域ダルフールでは国連
部隊は活動しないことになっている。

米国もイスラエルの入植地拡大計画を批判

(ワシントン)EUと国連に続いて米国未、イスラエル政府がパレ
スチナ人の住む西ヨルダンランドに、入植地を拡大する計画を中止
するように訴えた。この計画は米国の政策と対立し、パレスチナ側
との和平過程を阻害する、と外相ライスは「ロス アンジェルス 
タイムズ」紙に述べた。今週始めに、イスラエルは新たに3,500人
が住む入植地を西ヨルダンランドに設置する計画を発表していた。
この建設によって、ユダヤ人入植地マアレ アドゥミムはアラブ系
の住民が住むエルサレム東部とつながることになり、イスラエルが
エルサレム全体を支配する権限を持つという主張に根拠を持たせる
ことにするものと見られる。




3月26日(土)

キルギス国会は6月25日の大統領選を布告

(ビシュケク)中央アジアのキルギス共和国で政権交代が起きたのを受け、国会は
大統領選挙を時期を早めて6月25日に実施することを確定した。この選挙には、暫
定大統領に指名されている野党の元指導者クルマンベク バキイエフも立候補する
方針である。彼は同国の各政党間に和解を呼びかけ、1991年以降旧ソ連の独立国
共和国となった同国発展のために、元大統領アスカル アカイエフが大きな貢献を
したことを思い起こさせた。一方アカイエフはロシアに亡命を申し入れている、と
ロシア政府は発表した。
キルギスの首都ビシュケクでは、夜間には再び暴動が起きたが、その後情勢は落ち
着いた。警察が暴徒対策をとり、少なくとも3人が死亡した。

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キルギス大使「西側よりの新方針を打ち出すことはない」

(ベルリン)在独キルギス大使サリグロフは、政権交代後に同国が
新たな方向性を早期に打ち出す事はない、と予想している。新政府
が方針を決めるには時間が必要であり、この点でキルギスの今後の
成り行きは、グルジアやウクライナの革命とは異なっている、と彼
は「日曜日のターゲスシュピーゲル」紙に述べた。また彼は、ロシ
アとの関係は伝統的に良好であった、と指摘した。また彼は、キル
ギスから逃亡した大統領アカイエフを、同国の改革を軌道に乗せた
民主主義者である、として擁護した。

台湾で反分離法に対し大規模な抗議

(台北)台湾では数十万人が、中国の反分離法に対して平和的な抗
議を行なった。3月14日に可決されたこの法律により、台湾が正式
に独立を宣言した場合、中華人民共和国は台湾に軍事攻撃をする権
限を持った。デモ隊は反分離法が10条から成ることを象徴的に示
すため、台北の大統領府へ向けて10箇所から行進した。参加者の
中には大統領陳も含まれていた。この行進の主催者は、彼が属する
民主党で、台湾の独立のために努力している。中国は1949年の中
国の内戦終了時点から、台湾を離反した州と見なしている。

粉塵量が高い数値を示した責任をめぐる対立

(フランクフルト アム マイン)健康に害がある粉塵が空気中に
大量にあることを示す数値が発表されたため、連邦、州、市町村が
責任問題で対立している。連邦環境相トリティンは、州と市町村が
関連するEUの方針を実施するにあたって、実行力がなかった、と
非難した。それに対し各市は主な責任は州にある、としている。年
頭に発効したEUの方針は、1立方メートルあたり50マイクログラ
ムの粉塵が、年間最大35日観測されることを認めている。ドイツ
の都市としては初めて、ミュンヘンが木曜にこの上限に達した。バ
イエルン州政府は、今まで自家用車やトラックの通行禁止を特定の
地域で課すことを拒否している。




3月27日(日)

教皇は黙ったまま伝統の復活祭の祝福を与える

(ローマ)重い病にかかっている教皇ヨハネ パウロ2世は、復活祭の日曜日に十
字を切って、教皇庁の自分の部屋の窓から、ローマおよびあまねく世界に祝福を与
えた。84歳の彼は、復活祭のミサの終わりに、聖ペテロ広場の信徒に姿を見せ
た。大きな努力を払いながら、ローマ・カトリック教会の長は話をしようとした
が、うまくいかなかった。強硬にのみ与えることが許されている伝統の祝福は、復
活祭の最高の山場である。過去にはヨハネ パウロ2世は、60を越える言語で信徒
たちにあいさつしていた。
枢機卿アンゲロ ソダーノが代理で読み上げた信書の中で、教皇は世界各地で続い
ている暴力を悲しみ、近東およびアフリカの和平を呼びかけた。

     その他のニュース

教会は復活祭に生命の保護を訴える

(ベルリン)ドイツの両教会は復活祭を機に、命を守り、積極的な
安楽死を行なわないよう訴えた。米国の昏睡状態の病人シャイヴォ
の運命を目にして、プロテスタント教会評議会議長フーバー監督と
ドイツカトリック司教会議議長レーマン枢機卿はそれぞれの説教の
中で、積極的な安楽死を厳しく拒否した。キリスト者はイエスの復
活で、死の克服を祝うのである、とフーバーはベルリン大聖堂で述
べた。最初であれ最後であれ、生命に対して恣意的に決定を下すこ
とは人間には許されていない、それは神からの貴重な贈り物であ
る、とも述べた。枢機卿レーマンはマインツ大聖堂で、安楽死に共
感するのは魅力ある考え方であるが、真の共感は苦痛を受け、死に
瀕している人の道を最後まで一緒に歩むことである、と述べた。

シャイヴォの両親の最新の控訴も棄却される

(ワシントン)米国の昏睡状態の患者シャイヴォの両親は、娘の死
をめぐる争いの中で、実質的にすべての法的手段を使いつくした。
フロリダ州の最高裁判所でも、彼らは娘に人工的に栄養を強制的に
与える緊急動議を出していたが、失敗に終わった。両親はただちに
支援者に、ホスピス前で無言デモを終わらせ、復活祭をそれぞれの
家族とともに祝うよう呼びかけた。41歳のシャイヴォは既に1990
年から昏睡状態にある。彼女の夫は、妻はこのような状態で命を長
らえることを拒否していた、と述べていた。彼は両親の抵抗に対
し、人工的な栄養補給を終わらせる判決を勝ち取っていた。

イスラエルはカルキリヤの移譲を延期

(エルサレム)エルサレムは西ヨルダンランドの3つめの都市の、
パレスチナ自治当局への移譲を延期する。イスラエルのラジオ局の
報道によれば、国防相モファズはその理由として、自治当局が今ま
でに移譲したジェリコとトゥルカレムで、武装組織の武装解除を行
なうという約束を守っていないことを挙げた。3番目にはカルキリ
ヤが移譲されることになっていた。モファズはすでに先週、カルキ
リヤ、ベツレヘム、ラマラの移譲は、パレスチナ側が義務を果たさ
なければ実施しない可能性がある、と述べていた。西ヨルダンラン
ドのパレスチナ人の住む都市からイスラエルが撤退することは、2
月に両者が宣言した停戦の最重要項目の1つである。



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