5月23日〜5月29日のオーストリアのニュース



5月23日(月)

     国外ニュース

カルザイ「米兵による収容者虐待は特殊事例」

アフガニスタン大統領ハミド カルザイは、同国での米兵による逮
捕者の虐待は「特殊な事例」である、と評し、米国との友好関係は
壊れていない、と強調した。「この虐待はアメリカ全体に及ぶもの
ではない。これはアメリカではない。このようなことは至る所で起
こっている」とカルザイは昨日大統領ジョージ W. ブッシュと会談
した後の大統領府での共同記者会見で述べた。ブッシュ側はカルザ
イは「強力な指導者」である、と評価し、両国関係は「協力と協議
に基づくものである」と述べた。量大統領の会談は、最近のアフガ
ニスタン人逮捕者のカブール近郊のバグラム軍事基地を中心とした
虐待報道の中行なわれた。同地では2002年末に、2人の収容者が虐
待死させられており、軍の調査官がこの事件の解明の努力を行なわ
なかった。カルザイは、ブッシュの会談の前には、この事件に憤慨
している、と述べていた。

     国内ニュース

トラック通行料問題にEU議会は賛成の方向へ

欧州議会は、EUの通行料をめぐる新たな方針に賛成する方向であ
る。1カ月前に行なわれたEU交通大臣評議会での妥協後、欧州議会
の交通委員会の議長パオロ コスタは、ウィーンでのある国際会議
に出席していた月曜日、「最終的には我々は妥協することになる」
と述べた。コスタはせいぜい「若干の修正」、たとえば通行料金表
を時間と地域に応じたものにし、ブレナー峠のような山岳地域でだ
けではなく、人口密集地域でも今までも通行料が取られていた場合
には追加料金を課せるようにするだけで済むことを期待している。
全体的に見ると、議会や評議会では意見の違いはそれほど大きくな
い、とも述べた。




5月24日(火)

     国外ニュース

テメリン原発は増設される可能性がある

問題となっている南ボヘミアの原子力発電所テメリンを拡張する可
能性を秘めた計画が、とチェコ工業省の今後の戦略に含まれてい
る、とプラハでは報じられている。チェコ国内の今後の電力需要を
満たすために、国境近くにある同原発の現在の2基から4基への増
設は、いくつかの案のうちの1つである、と工業副大臣マルティン
 ペシーナは述べた。テメリンにある現在の1千メガワットの発電
所2基とは異なり、この場合には1,500メガワットの反応炉2基の
建設が必要になり、計画期間としては5年が必要である、とも語っ
た。

     国内ニュース

ゴルバッハの転職はみずから望んだもの

副首相フーバート ゴルバッハ(オーストリア未来連合)は、近い
将来に私企業への転身を予告しているが、その雇い主のところで働
く決断は自ら行なったものである。企業体シルヴレッタ ノーヴァ
を経営するフォアアルルベルク州の観光業者ワルター クラオスは
昨日の番組で、自分はゴルバッハに、自分の会社の経営責任者とし
て考慮すべき人物を知らないか、尋ねただけだ、と述べた。しかし
ゴルバッハはすぐにはみずから名乗りを上げなかったが、この職が
自分自身に向いたものであるかどうか十分考えなければならない、
と言ったことを述べた、ということである。これに対して野党から
だけではなく、自らの党からも大きな批判が出ている。




5月25日(水)

     国外ニュース

米大統領府「アムネスティの報告はばかばかしい」

国際アムネスティは米国による人権侵害を非難したが、米国政府は
この非難を退けた。「この非難はばかばかしく、全く根拠を欠いて
いる」と大統領府広報スコット マクレランは昨日発表した。米国
は人権を擁護する上で主導的な立場を果たし、アフガニスタンとイ
ラクで5千万人の人々を救済する義務を負っており、「私たちは世
界各地で自由と民主主義を前進させるために働いてきたので、人々
が法に守られ、少数派と女性が権利を手に入れることができるよう
になった」とマクレランは述べた。国際アムネスティ側は、「新た
な世界秩序は危険なものである」と警告した。「政府は人権を守
り、拡大していくとの約束を反故にした。自由と攻勢という標語を
掲げてはいるが、不安をまきちらす政策が押し進められている」と
国際アムネスティ・オーストリアの事務長ハインツ パツエルは述
べた。

     国内ニュース

国防軍司令部問題で各州はザルツブルクを支持

昨日ザルツブルク州の要望に対する追い風を、昨日同州首相ガービ
 ブルクシュタラー(社会民主党)はブルゲンラントで開かれてい
る州首相会議で感じている。国防軍の部隊の司令部はザルツブルク
州に引き続き置くべきである、との決議が出された。閉鎖される兵
舎の非公式な一覧表には、ブルゲンラント州の兵舎が含まれてい
る。国防大臣ギュンター プラター(国民党)によれば、公式の一
覧表は存在しない、とのことである。




5月26日(木)

     国外ニュース

ブッシュ「イスラエルは入植地拡大を中止すべき」

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、異例のはっきりした語調で、
イスラエルが西ヨルダンランドで不正に作ったイスラエルの拠点を
廃止するとともに、イスラエルの入植地の拡大を中止するように要
請した。ブッシュはパレスチナ大統領マハムード アッバスと昨日
ワシントンで会談し、早急に平和な独立したパレスチナ国家を建国
することは、イスラエルにとって利益である、と強調した。ブッシ
ュはこの国家建設に5千万ドルの支援を行なう、と約束した。一方
アッバスは、イスラエルの入植者に関する「深い懸念」を述べた。
入植地の拡大だけでなく、西ヨルダンランドの分離壁の建設も中止
しなければならない、とも語った。

     国内ニュース

プレル「ドイツの不幸はオーストリアにとって警告である」

ニーダーエスターライヒ州首相エルウィン プレル(国民党)は、
ドイツで起きた問題を喜ぶ理由はオーストリアにはない、と見てい
る。「ドイツの社会民主党と緑の党の連立政権に起きた不幸は、オ
ーストリアにとっても大きな警告である」とプレルは「クリール」
紙のインタヴューで述べた。オーストリア経済は、ドイツの極めて
密接に絡み合っている、と語った。しかし彼は、国民党がとってい
る、ドイツの社会民主党・緑の党の連立政権とオーストリアが一線
を画す戦略を擁護した。「オーストリア社会民主党の論調に説得力
を奪うために」このことを強調しておかなければならない、と述べ
た。オーストリア緑の党に対しては、ドイツ社会民主党よりのオー
ストリア社会民主党よりも「はるかに独自」の存在である、と語っ
た。




5月27日(金)

     国外ニュース

アル カーイダの指導者ザルカウィは健康を回復したとの噂

イラクのアル カーイダの指導者アブ ムサブ エル ザルカウィ
は、インターネット上で公表した声明によれば、負傷をしたものの
健康を回復したことを喜んでいる。「我々の長の健康状態は良好
で、自らジハードを行なっている。彼は時間に関するまで作戦の詳
細を監視しており、この声明もそれに基づいて準備された」と急進
派組織の広報が昨日発表した声明の中では述べられている。数日前
ようやく同組織はインターネット上で、ザルカウィが負傷したとの
発表を行なっていた。イラク内相バジャン ジャボルは、ザルカウ
ィが負傷したことを木曜日に確認していた。5月上旬に既に未確認
ながらザルカウィが戦闘で負傷し、バグダード西方にあるラマディ
市の病院で治療を受けた、との報道がなされていた。

     国内ニュース

数学の学習到達度調査をより大規模な形で実施

学習到達度調査PISAで悪い結果が出たことを受け、火曜日には規
模を拡大した形でテストが行なわれる。一般校等学校と本課程校
80校の4年生6,700人がこの調査に参加する。まず、数学の知識が
問われ、その他の京かでの調査が続いて行なわれることになってい
る。「この規模での調査は今まで行なわれてこなかった」と教育大
臣エリサベト ゲーラー(国民党)は「クローネン新聞」で述べ
た。彼女は、「これは生徒と教師双方を監督するもので、全体は教
育の質の改善に役立つ」とも語った。




5月28日(土)

     国外ニュース

レバノンでは国会選挙始まる

首都ベイルートでの投票が行なわれ、レバノンで30年ぶりのの自
由な国会議員選挙が始まる。あわせて約3百万任のレバノン人が、
128人の国会議員を選ぶ。シリアの占領軍が同国から歴史的な撤退
を行なってから4週間もたたないうちに、シリアに批判的な野党
は、宗教的な路線では運動が分裂しているものの、勝利を収める兆
しがある。特に2月中旬に暗殺されたスンニー派の元首相ラフィク
 ハリリの息子サアド ハリリに取っては好機である。EUを代表
して120人が監視をする中、今後3回の週末を利用して、他の地域
でも投票が行なわれる。

     国内ニュース

ハンスト中の人に強制栄養補給をすることに反対する動き

外国人に関する新しい警察法のなかでは、ハンガーストライキ中の
国外追放収監者に強制的に栄養補給することが予定されている。数
週間前からこの措置は批判が巻き起こっている。批判的な人たち
は、ハンターストライキを行なっている亡命希望者に胃の中にチュ
ーブを入れて栄養を補給するのは人権に反している、と見ている。




5月29日(日)

     国外ニュース

CDU/CSUはメルケルを首相候補に選出する方針

月曜日にベルリンで行なわれるキリスト教民主同盟とキリスト教社
会同盟の共同幹部会議で、キリスト教民主同盟党首アンゲラ メル
ケルが共同の首相候補に選出されるもようである。これにより彼女
が、9月に予定されている連邦議会選挙での、現ドイツ首相ゲアハ
ルト シュレーダーの対立候補になる。共同記者会見でメルケルと
キリスト教社会同盟党首エドムント シュトイバーは、それ以外の
行動についても言及する方針である。一方民主社会党(旧東ドイツ
の共産党)と左派の「社会的公正を求める有権者の選択WASG」の
主要な政治家はベルリンで、どのような協力が可能かについて話し
合いを行なった。WASG側は計画されている連邦議会選挙前に両党
が合併することに賛成しているのに対し、民主社会党は主として時
間的な理由から、これを拒否している。

     国内ニュース

連邦大統領フィッシャーはメキシコを正式訪問

連邦大統領ハインツ フィッシャーは、4日間にわたるメキシコ正
式訪問の中で、月曜日には大統領ヴィセンテ フォックスと会談す
る。その後彼はメキシコ シティの市長アンドレス マヌエル ロ
ペス オルバドルとの会談も予定されている。さらにフィッシャー
は、オーストリアのヒトラー体制下のドイツに1938年に併合され
たことにメキシコが抗議したことを記念して、オーストリアが建て
た記念碑を訪問する。フィッシャーには外務大臣ウルスラ プラス
ニク(国民党)と産業大臣マルティン バルテンシュタイン(国民
党)が同行している。またフィッシャーは火曜日には両国の経済公
開討論会にも参加する。またメキシコ シティの現代美術館で行な
われる「オーストリア現代芸術エスル コレクション展」の開会式
にも出席する。



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