6月6日〜6月12日のオーストリアのニュース



6月6日(月)

     国外ニュース

EU蔵相会議はEU予算の解決を探る

EU蔵相会議は現在ルクセンブルクで2日間の会議を行なっており、
今後のEUの財政問題について解決を探っている。オーストリア、
ドイツなどの実質的な支払い国は、経済業績の1%を上限と見るよ
うに求めているが、委員会は1.24%を提案した。オーストリア蔵相
グラサー同様にドイツ蔵相アイヒェルは、ルクセンブルクの妥協案
である1.06%をめぐって話し合いを行なう用意がある、と表明し
た。一方オイロ使用主要国の蔵相は、イタリアからオイロ同盟が終
焉するとの観測が出ていることに怒りを表明し、これに関する議論
を行なうことを拒否した。

     国内ニュース

カンプルは連邦議会議長に意欲

第2次世界大戦後のナチの訴追と、ナチ時代の国防軍脱走兵に関す
る発言で、数週間前から激しい非難にさらされている連邦議会議員
ズィークフリート カンプルは昨日午後、7月1日に連邦議会議長
に就任するつもりだ、と強調した。これが状況によって阻止される
なら、自分はいかなる場合でも連邦議会に留まる、自分は常に民主
主義者であったし、一度たりともナチ時代を賞賛したことはない、
自分の表現の仕方が不適切ではあったが、と述べた。「憲法が修正
されないのであれば、私は連邦議会議長に立候補する」と自由党の
政治家である彼はラジオ番組で述べた。




6月8日(水)

     国外ニュース

新聞報道「ムラジッチは国連裁判所に出頭」

戦争犯罪者として行方が追求されている将軍ラトコ ムラジッチ
は、デン ハーグの国連裁判所に出頭することを話し合う秘密交渉
を行なっている模様である。ベオグラードの週間新聞「欧州」は昨
日、ボスニアのセルビア人の元将軍であるムラジッチは、セルビア
政府およびロシア秘密情報部と、彼の家族に対する経済的な支援に
ついて話し合い、10日以内に結果が出る可能性がある、と報じた。
セルビア政府はこの報道を「最初から最後まで誤っている」と否定
している。ムラジッチはセルビアに滞在している模様である。国連
戦争犯罪裁判所の主席控訴人カルラ デル ポンテは、ボスニアの
セルビア人指導者ラドヴァン クラジッチとその将軍ムラジッチが
まだ逮捕されていないのはセルビアとボスニア政府にとって不名誉
である、と述べた。ムラジッチは主として、大衆虐殺および人権に
対する犯罪の責任が問われている。

     国内ニュース

クラスニクは秋の選挙での勝利を確信

シュタイアーマルク州首相ワルトラオト クラスニク(国民党)
は、秋の選挙に関する世論調査では、国民党と社会民主党が接戦を
繰り広げると予想されているにもかかわらず、国民党がどう州議会
で最大勢力の座に留まることに自信をのぞかせた。彼女は「プレッ
セ」紙に、自分は全く勝利を疑っていない、と述べた。元州閣僚ゲ
アハルト ヒルシュマンが、クラスニクを「敵」ではなく「乗り越
えるべき相手」と評していた。OGMの世論調査によれば、国民党と
社会民主党の支持はそれぞれ39%と38%で拮抗している。




6月9日(木)

     国外ニュース

アフガニスタンのイタリア人人質が解放される

アフガニスタンで誘拐されたイタリア人クレメンティナ カントー
ニが解放された。32歳の彼女は昨日午後解放された、とアフガニ
スタン内務省はカブールでAFP通信に語った。イタリア政府は、
3週間前にアフガニスタンで誘拐されたカントーニの解放を確認し
た。彼女の家族にも解放が伝えられた、と自ら人質解放交渉に乗り
出していたイタリア秘密情報部SISMI部長ニコロ ポラリが述べ
た。人道支援団体CAREの隊員である彼女は元気で、SISMIの部員
1人とともにカブールの内務省にいる、とのことである。彼女は明
日にもイタリアに帰国する。イタリア外相ジャンフランコ フィー
ニは、彼女の解放を喜びとともに歓迎した。また数百人がミラノに
ある彼女の両親の家の前に集まった。

     国内ニュース

ハイダーはBZOeはうまく組織されているとの見方

ケルンテン州首相でオーストリア未来連合党首のイエルク ハイダ
ーは木曜午後、彼の党が設立後2ヶ月間苦闘しなければならない、
との見方を否定した。ハイダーは、世論調査では悪い結果が出てい
るにもかかわらず、木曜夜のテレヴィ番組で、オーストリア未来連
合は2006年に国民議会に議員を送りこむことに自信をのぞかせ
た。これより前政治学者フリッツ プラサーは、同党は現在最大で
3%の票を獲得する情勢で、国民議会の議席を現時点で得ることは
「まずあり得ないこと」であり、結党は多くの点でうまくいってい
ない、との意見を述べていた。




6月10日(金)

     国外ニュース

G8蔵相会談は負債の減免について協議

主要工業国7ヶ国とロシアいわゆるG8の蔵相はロンドンに集まり、
世界の最貧国の負債減免について議論する。英国蔵相ゴードン ブ
ラウンは昨日午後、合意が得られることに自信をのぞかせた。一方
米国政府は、英国政府とは第三世界の負債の減免計画について合意
した、と発表した。「ニュー ヨーク タイムズ」紙によれば、英
米の計画によれば、18ヶ国の総額167億ドルの負債を免除するこ
とになっている。負債の減免は7月上旬にスコットランドのグレニ
ーグルスで行なわれるG8首脳会談の議題にもなる。

     国内ニュース

グーセンバオアーは選挙後には首相に就任の意向

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは、次回の国民議
会選挙後には首相になることを前提としている。一方オーバーエス
ターライヒ州同党主エーリヒ ハイダーは、国民党と緑の党が連邦
政治では連立する可能性がある、と見ている。グーセンバオアーも
緑の党に警告している。「ウィーン新聞」で彼は、「緑の党が選ば
れれば、政府内で国民党が安定する危険性が生まれる。私はずっ
と、国民党と緑の党が接近していると耳にしている」と述べた。オ
ーバーエスターライヒ州同党主のハイダーは「シュタンダルト」紙
に、連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は、あらゆる
手段を講じて権力の座を守ろうとしている、社会民主党は、絶対多
数を取った場合にだけ、首相を出すことだできることになる、と述
べた。




6月11日(土)

     国外ニュース

米軍はイラクで空爆 蜂起勢力40人を殺害

米軍はイラク西部で蜂起勢力の一部がいると見られる地域を空爆
し、約40人を殺害した。米軍によれば、この攻撃は土曜日、シリ
アとの国境近くの都市カイム近くで行なわれた。急進派は路上にバ
リケードを築き、一般市民の往来を止めて、その車の検問を行なっ
ていた、この攻撃は4時間に渡って行なわれた、とのことである。
イラク西部では過去数日間で数回にわたって、食料品やその他の物
資を米軍に輸送していた運転手が殺害されていた。蜂起勢力はこの
地域でも多くのイラク兵を殺害していた。まあバグダードでは自殺
攻撃が行なわれ、少なくとも5人が死亡した。またシリア国境近く
のクアイム市近郊では、一般住民の服装をした16人の遺体が見つ
かった。目撃者の話によれば、遺体は目隠しをされ、後ろ手に縛ら
れて、2人は首を切り落とされていた、とのことである。

     国内ニュース

ブーセク「EU憲法の停止ボタンを押すべきである」

EU憲法の批准は、フランスとオランダでの国民投票で否決された
後当面中断すべきである、と元副首相エアハルト ブーセク(国民
党)は「クライネン新聞」のインタヴューで答えた。「停止ボタン
を押して、1階下におりて、今このニース条約を生かすにはどうす
ればよいのか、熟慮すべきである」と彼は述べた。ブーセクはこれ
によって、すべてのEU加盟国による批准を計画通り実施すること
を強く支持している連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民
党)から距離を取っている。一方国民議会議長アンドレアス クホ
ール(国民党)はブーセクの要請を拒否し、EU拡大を続行するの
に賛成である、と述べた。




6月12日(日)

     国外ニュース

2回目のEU蔵相特別会議も意見の接近は見られず

重要なEU首脳会談を数日後にひかえて行なわれた2回目のEU蔵相
会談は昨日行なわれたが、2008年から13年の間のEUの財政問題
をめぐる対立では、意見を近づけることはできなかった。すべて国
の代表は、金曜日にブリュッセルで開かれる首脳会談では合意に達
するように、との願望を表明したが、内容的には加盟各国が新たな
見解を表明することはなかった、とルクセンブルクで午後に行なわ
れた会合に参加した外交官は述べた。争点となっているのは、英国
の加盟金の割引問題である。ルクセンブルク首相ジャン・クロード
 ユンカーは予算の総額を8,710億オイロないし国内総生産の
1.06%に制限することを求めている。実質的な支払い国は、この大
きな出資に対して、この妥協を受け入れる方針を示した。

     国内ニュース

ファン デア ベレン「軍機の購入中止が連立の条件ではない」

迎撃戦闘機オイロファイターの購入計画取り消しと、大学の授業料
導入は、緑の党にとって政治的な目標ではあるが、連立政権を組む
ための条件ではない、と連邦緑の党代表ファン デア ベレンは述
べた。彼は、「選挙後に連立政権に加わるかどうかを言うのは簡単
ではない、私たちはすべてを取り消す、と言うかもしれない」のだ
から、極めて慎重でなければならない、とも語った。大学の授業料
導入に関しては、「3年後にすべてを修正するのであれば、馬鹿げ
たことである」と述べた。またオイロファイター機購入に関して
は、すべてを検討しなおさなければならない、と語った。



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