6月13日〜6月19日のオーストリアのニュース



6月13日(月)

     国外ニュース

シュレーダーはブレアにEU財政問題で意見の変更を求める

今後のEUの財政に関するやりとりの中で、ドイツ首相ゲアハルト 
シュレーダーは、英国首相トニー ブレアに譲歩するように求め
た。とくに財政をめぐる対立では、英国の加盟料の割引が問題にな
っている。「私たちにはヨーロッパ全体の利益のために譲歩する準
備がある」とシュレーダーは昨日午後ベルリンでブレアと会談した
際に述べた。「そして私たちは譲歩しあうことをお互いに期待して
いる。予算に関しては公平な妥協」が必要である、ともシュレーダ
ーは付け加えた。英国政府は、たとえ他の24ヶ国が反対しても、
「英国の加盟金の割引」を維持する方針である。また英国は農業補
助金の減額を提案しているが、それは英国にはほとんど利益がない
が、フランスが最大の受給国であるためである。

     国内ニュース

社民党は独自の亡命裁判所案を呈示

社会民主党は亡命の申し込みをもっぱら取り扱う行政裁判所の設置
に賛成している。具体的には現在第二審を行なう独立連邦亡命部
が、権限を持ったまま行政裁判所に改組するようべきだ、と同党員
で元内相カスパー アイネムが「ザルツブルク通信」紙で述べた。
内務大臣リーセ プロコプ(国民党)は、亡命手続きの第二審を期
限つきで裁判官に任せる、との計画を立てているが、社会民主党は
これをあいかわらず拒否している。アイネムの考えによれば、この
法律は55ないし60人の本物の裁判官、つまり契約を解除されたり交
代させられることがない裁判官を擁するものになる。




6月14日(火)

     国外ニュース

アル カーイダは離反した戦闘員に死をもって報いると威嚇

急進派の指導者アブ ムサブ アル・ザルイカウィのイラクのアル
 カーイダ支部は昨日、組織から離反した者たちは政府の話し合い
の提案に関り合いをもつなら、死をもって報いられる、と威嚇し
た。イラク政府は日曜日に、詳細については言及しなかったもの
の、反乱勢力の指導者数人は話し合いを拒否していない、との声明
を出していた。未確認情報によれば、特に最近蜂起勢力の攻撃の舞
台となっているモースル市のスンニー派の急進派の主要人物がそれ
に含まれているとのことである。

     国内ニュース

自由党の負債額は予想より多い

自由党の負債は、今まで予想されていた3百万オイロ強よりもはっ
きり高額である模様である。同党の産業問題の専門家ゲアハルト 
バオアーは昨日のテレヴィ番組で自由党の負債額を、約550万オイ
ロと見積もった。この番組によれば、この数字は、まだ公表されて
いない調査報告書の中に見られるもので、これは税金の顧問によっ
て、同党主ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェに提出され
る。同党の銀行への負債は、「利息を抜きにした場合」350万オイ
ロであるが、それ以外に「偶発的な債権」もある、とバオアーは自
由党の活動から生じたものである、と指摘して述べた。




6月15日(水)

     国外ニュース

シュレーダーは信任投票の手続きを開始

ドイツ首相ゲアハルト シュレーダー(社会民主党)は、今日予告
通りに7月1日に計画されている信任投票実施にむけ正式に動きだ
す。彼はこの信任投票によって、国会議員選挙を9月の早期実施に
持ち込む方針である。そのために首相府の国務大臣ロルフ シュヴ
ァニッツが、午後の連邦議会の会議で、連邦議会の議員運営委員会
にこの手続きに関して報告することになっている。予定通り首相が
過半数の信任を受けなかった場合、連邦大統領ホルスト ケーラー
は21日以内に、連邦議会の解散に関する決定を下すことになる。
選挙は9月18日に行なわれる予定である。ドイツでは国会は、みず
から解散し、選挙を実施する権限を持っていない。選挙の早期実施
は、信任投票の否決ないしは連邦首相の辞任のときのみ実施され
る。

     国内ニュース

ファン デア ベレン「政権入りの意志はそれほど強くない」

緑の党の連邦代表アレクサンダー ファン デア ベレンは昨日放
送された番組で、「政権入りする意志は多くの人が考えているほ
ど、はっきり固まっているわけではない」と述べた。彼は、迎撃戦
闘機オイロファイター購入の中止と、大学授業料の撤廃が、連立政
権入りの条件ではない、と考えていたことで、党内からの批判を受
けていた。「政権綱領は、総合的に判断するものである。あちらも
こちらも両方ともたてることはできないからである」と彼は自分の
立場を救おうて述べた。彼は緑の党が落ちついているとは見ていな
いが、戦略的に重要な点については完全に一致している、と述べ
た。インタヴューでは失敗を犯したが、それは自分によってよい教
訓である、とも述べた。




6月16日(木)

     国外ニュース

米国は国連安保理の新規議席は最大で2つにする方針

米国政府は、ドイツ他国連安全保障理事会の議席を持つことを望ん
でいる国々すべてに、その議席を与えない方針である。新規に常時
議席を持つ国の数は2カ国となる、と米国外務省の政務次官ニコラ
ス バーンズは述べた。そのうち1カ国は日本である、とバーンズ
はワシントンで米国の立場を述べた。今まで日本とドイツのほか、
インドとブラジルが、国連最高の委員会で常時議席を持つべく運動
してきた。現在同委員会は15ヶ国体制である。新たに議席を持つ
ことを望んでいる国々は、常任国6カ国、非常任4カ国の増加を求
めている。これに対して米国は、非常任の3カ国増とあわせて19な
いし20カ国を越えることはないようにすることを求めている。ま
たバーンズは、拒否権は今までの常任5カ国米、英、仏、露、中か
ら拡大しないように努力する、と述べた。その理由として彼は国連
安保理が効率的に働かなくなる懸念があることを挙げた。

     国内ニュース

プレルは「微細粉塵防止法」を予告

アイセンシュタットで開かれている州環境報告会の会議で、環境大
臣ヨーセフ プレル(国民党)は昨日、全国を対象に「微細粉塵防
止法」を作る、と予告した。これは10月に連邦全土に統一の形
で、微細粉塵を防止するための対策を取ることができるようにする
ためのもである。微細粉塵問題を誰が担当するかの議論は早急の決
着をつけることができる、とも語った。今まで連邦と各州の間での
調整がうまくいかなかったが、9月中旬までにこの欠落部分が埋め
られる、10月には政治的な合意が得られると期待している、とも
プレルは述べた。




6月17日(金)

     国外ニュース

グアンタナモに米国は新たな収容所を建設

米国の大企業ハリバートンの子会社が、ペンタゴンから巨額の受注
を受け、キューバのグアンタナモに新たな収容施設の建設を行な
う。この収容所は3階建で、220人を収容するもので、2006年7月
までに準備が完了する。米国防省は木曜日公示の中で、(ハリバー
トンの子会社)ケロッグ・ブラウン・ルート社に対する委託は、総
額3千万ドルである、と発表した。野党民主党の上院議員フランク
 ローテンバーグは、ハリバートン社は過去に犯した過ちにもかか
わらず、政府との契約で利益を再び得ようとしている、と批判し
た。4月に同社は国防省との対立を解決したばかりであった。

     国内ニュース

憲法裁判所はケルンテン州のEM競技場の建設中止を認めず

クラーゲンフルトのEMサッカー競技場の建設を進める障害が、ま
た一つ取り除かれた。昨日憲法裁判所は、問題となっている建設禁
止に関する建設会社の抗告は、実施を遅らせる効力を持たない、と
発表した。




6月18日(土)

     国外ニュース

ETAは政治家に対する攻撃を中止する方針

バスク地方の地下組織ETAは昨日、スペインの政治家に対する攻撃
を中止する、との声明を出した。「政治的な方向への路線修正」の
ため、6月1日以降「スペインの政党に属する国会議員」に対する
すべての攻撃を中止している、と昨日午後バスク地方の新聞Gara
のインターネットサイト上で公開されたETAの声明の中で述べられ
ている。首相ホセ ルイス ロドリゲス サパテーロ率いる社会民
主党政権はこのところ、ETAとの対話を行なうべく努力をしてい
た。5月17日に国会で採択された決議の中で、同国政府には基本的
にはバスク問題の平和的な解決を目指し交渉をする準備がある、と
述べられていた。ただし政府は、ETAが武器を放棄することをその
条件としていた。ETAはほぼ40年にわたり、中央政府に反対し、
バスク地方の独立を支持して、暴力を用いて戦ってきた。その攻撃
では800人を越える死者を出していた。

     国内ニュース

緑の党のアンショーバーは法廷闘争はないと見ている

オーバーエスターライヒ州緑の党の代表で、州の閣僚を務めるルー
ディ アンショーバーは、連邦道東代表のアレクサンダー ファン
 デア ベレンが最近行なった大学授業料とオイロファイター機購
入問題での発言に関して、緑の党が法廷闘争を行なうことはない、
と見ている。ファン デア ベレンはあるインタヴューで、誤解を
招くような発言を行なったが、2日後にそれを修正したので、この
問題は解決済みだ、とアンショーバーは「オーバーエスターライヒ
通信」紙で述べた。緑の党が連邦政府入りすることについてアンシ
ョーバーは、連立合意をするためにはもちろん妥協が必要である
が、困難で積極的な交渉を行なう用意が緑の党にはある、と述べ
た。交渉の余地と戦略の詳細をあらかじめ言いふらすのは、政治的
には懸命ではないが、大学授業料を無料にすることとオイロファイ
ター機購入を拒否することは、選挙戦の中心的な目標とし続けなけ
ればならない、とも述べた。




6月19日(日)

     国外ニュース

EUと米国はイラク再建に関して協議

米国とEUは月曜日、ワシントンで開かれる首脳会談で、近東およ
びイラク情勢について協議をする。この会議は1日間の日程で行な
われ、今後ブリュッセルで開かれるイラク再建の国際支援国会議の
準備を行なう。この会議には、米国側からは大統領ジョージ W. ブ
ッシュが出席する。EUの代表は、ルクセンブルク首相でEU評議会
議長のジャン・クロード ユンカーと、EU委員会議長ジョゼ マ
ヌエル バローゾおよびEU外相ハヴィエル ソラナである。テロ
との戦い、国連改革、発展途上国支援も議題になる。一方、バグダ
ードでは攻撃が行なわれ、少なくとも23人が死亡した。犠牲者の
中には警官と治安部隊の兵士も含まれていた。

     国内ニュース

ランダオは難民政策を欧州の他国と同じにすることに賛成

ウィーンのカリタス所長ミヒャエル ランダオはオーストリア政府
に対し、オーストリアがEU評議会議長国を勤める2006年前半に
「難民政策の分野で首尾一貫した欧州化」を進めるように求めた。
つまり、ヨーロッパには、今見られるような人間の尊厳を傷つける
ような動きがあってはならない、と彼は日刊紙「クリール」で述べ
た。



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