12月12日〜12月18日のオーストリアのニュース



12月12日(月)

     国外ニュース

ハリリの暗殺解明にシリアはあいかわらず協力せず

元レバノン首相ラフィク ハリリの暗殺に関する新たな報告書の中
で、ドイツ人国連特別調査官デトレフ メフリスは、シリアが捜査
に協力していない、と改めて非難した。「シリアは国連の調査団に
あいかわらず協力せず、時には調査を混乱させようとしている。レ
バノン人とシリア人の容疑者は19人である」と月曜日にベイルー
トのドイツ通信社の事務所に出された報告書の中では述べられてい
る。この報告書は国連事務総長コフィ アナンに日曜日に提出され
た。メフリスの報告書は火曜日に、国連安保理で審議される。土曜
日にはメフリスはシリアがこの事件に関与した意味について強調し
た。10月の最初の報告書で彼は、シリアの秘密情報部がハリリの
爆殺事件に関っていた、と述べていた。

     国内ニュース

裁判官と検察は連邦従業員法に反対

政府は裁判官と検察官を検討中の連邦従業員法の中に組み込む計画
を立てているが、裁判官と検察官はこれを厳しく拒否した。政治的
影響力から独立した司法を守るために、裁判官と検察官が独自の職
務上および組織上の権利を持つことは不可欠である、と今日発表さ
れた裁判官連合と公勤務労働組合に属する連邦裁判官および検察官
部局の共同発言の中では述べられている。




12月13日(火)

     国外ニュース

パキスタン人がギリシアで誘拐され尋問を受けたとの報道

ロンドンが7月にテロ攻撃を受けた直後に、ギリシアではパキスタ
ン人の移民7人が誘拐され、尋問を受けた、とテレヴィが報道し
た。彼らは逮捕命令な今間に逮捕され、目隠しをされたままどこか
に連れ去られ、そこで尋問を受けた、と弁護士フランギスコス ラ
ゴウシスがBBCに述べた。ギリシア警察はこの件に関与していな
い、と発表した。ギリシア治安当局はこの事件に関する情報をどこ
からも得ていない、と警察広報は発表した。外務大臣ペトロス モ
リヴィアティスは、この事件は知らない、と述べた。パキスタン人
7人のうち数人は最大7日間拘禁され、ロンドンで生活している家
族について尋問された、この事件は7月7日に起きた攻撃に関連し
ているものとみられる、と弁護士はAFP通信に述べた。この時には
4人の自殺攻撃犯が52人を巻き添えに死亡したが、犯人のうち3人
はパキスタン系英国人であった。

     国内ニュース

シュッセル「オーストリアのEU分担金はいずれにせよ増加する」

オーストリアのEUの分担金は、2007年から13年にかけての財政
期間には、いずれにせよ実質的に増加する、と連邦首相ウォルフガ
ング シュッセル(国民党)は見ている。「収入がどんな状態であ
れ、我々の支出は増加する」と火曜日の国民議会でのEU委員会で
述べた。加盟国が25カ国になったEUが、15ヶ国だった時代よりも
多くの経費を必要とする、ということである、とも述べた。EUは
拡大することによって、新規加盟国をEUが守るための財政的な義
務を負ったので、豊かな国であるオーストリアは「より多くの負担
をして」ギリシアやバルト諸国などと連帯をしていく、最終的には
この拡大から大きな利益が得られる、とシュッセルは語った。




12月14日(水)

     国外ニュース

イラクでは重要な国会議員選挙

大規模な治安措置の下、木曜日にはイラク人は最終的な国会議員を
選ぶ選挙を行なう。1,550万人の有権者が今年3度目となる選挙に
臨む。275議席を約7,700人の有権者が争う。国会議員が、今後4
年間の政府と大統領を決めることになっている。オーストリアを含
む国外在住のイラク人約8万人は選挙の2日前に既に投票を行なっ
た。政府は、国境と空港の閉鎖、夜間外出禁止、運転禁止などの厳
しい安全対策をとって、攻撃を防ごうとしている。選挙の数日前米
国大統領ジョージ W. ブッシュは、イラク戦争を行なうきっかけと
なった秘密情報部の情報の大部分は誤りであったことを認めた。

     国内ニュース

シュワルツェネッガー競技場の改称が認められる

カリフォルニアでスタンリー ウィリアムズの死刑が行なわれたこ
とを受け、グラーツでは「シュワルツェネッガー競技場」の名称が
帰られる可能性がある、と「クライン新聞」が報じた。カリフォル
ニア州知事アーノルド シュワルツェネッガーは、ウィリアムズの
恩赦を与えることを拒否した。グラーツ市議会は「偉大な息子」と
距離をとっており、名称変更に賛成する人が過半数を越えることに
なるかもしれない。国民党の市長シーグフリード ナーグルは、こ
の制裁の内容について何も知らない、と言っているが、緑の党が予
告していた改称の動議はグラーツ社会民主党と共産党が支持する可
能性もある。




12月15日(木)

     国外ニュース

オルハン パムク裁判がトルコで始まる

金曜日にはトルコで問題となっている作家オルハン パムクの裁判
が始まる。検察側は、今年のドイツ書籍販売業の平和賞を受賞した
53歳の彼があるインタヴューの中で、トルコでは30万人のクルド
人と百万人のアルメニア人が殺害された、と述べたとして、最長で
3年間の拘禁を要求する。パムクには新刑法301条「トルコの栄誉
の侮辱」が適用される。EUではこの裁判は、トルコのEU加盟交渉
をにらんで、過去数年間で採択されてきた民主的な改革が実施に移
されるかどうか試金石として見ている。欧州議会は、監視団の派遣
を予告している。

     国内ニュース

ニーダーエスターライヒ州送信施設課税法を廃止

ニーダーエスターライヒ州での携帯電話のアンテナを設置する柱に
対する税金は、過去のものとなった。6月に可決された電波送信施
設に対し税金を課す法律は、数ヶ月にわたる議論を経て、今日ニー
ダーエスターライヒ州議会によって廃止される。秋には州首相エル
ウィン プレル(国民党)が「携帯電話法」を決定した。この法律
では事業者は、希望があれば電波送信施設を設置し、共同で使用す
ることが義務づけられている。この法律の目標は、アンテナ設置の
柱の数の削減である。緑の党は、透明性に欠けると批判していた。
州議会では4党すべてが廃止に賛成するが、議員は激しい議論を繰
り広げた。




12月16日(金)

     国外ニュース

ブッシュは国民に対する演説でイラク政策を釈明

米大統領ジョージ W. ブッシュは土曜日に国民にむけて、イラクに
関する今後の行動について演説する方針である。彼の広報スコット
 マクレランによれば、ブッシュは「我々が何をなしとげたか、そ
してどこに向かって進んでいくのか」について話をする、と述べ
た。マクレランは、大統領選挙後のイラクで、米国は作戦活動によ
って「岐路となる時期」に差しかかっている、とも述べた。ブッシ
ュは大統領府で現地時間の21時に約20分間演説を行なう方針であ
る。ブッシュは2003年には国民にむけた演説の中で、イラクに関
して述べ、このときは米国が主導してイラクに攻め込む、と予告し
ていた。米国では、イラクに駐在する米軍の即時撤退を求める声が
ますます強まっている。大統領の人気は、イラクで暴力が続いてい
るため、過去数週間で記録的に低下した。

     国内ニュース

緑の党は先例裁判を起こし 非軍事役務従事者を支援する方針

緑の党は2001年から5年の間に非軍事役務を行ない、憲法裁判所
が受け取った食料費があまりにすかなったと判断した5万人に対し
て、返還請求を行なうように進め、模範となる凡例を作って彼らを
支援する方針である。同党はそのためにひな形となる文書の原稿を
既に起草した。非軍事役務問題の専門家テレシア ハイドルマイア
は、これを非軍事役務従事者が自分の権利を守れるようにするため
の「緊急措置」であるとわきまえている。万が一これ以外の事態が
起こった場合にも、非軍事役務従事者を支援していきたい、と彼女
は「シュタンダルト」紙に述べた。




12月17日(土)

     国外ニュース

ブッシュは盗聴の責任を認める

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、米国内部で秘密情報部である
国家安全保障局NSAが国内で行なった盗聴に責任があることを認め
た。テロ組織との戦いでは、この措置は米国市民を守るために必要
である、とブッシュは土曜日に強調した。毎週行なわれるラジオ演
説は今回異例の生中継で、放送局から直接に流されたが、その中で
ブッシュはこの盗聴を、米国防衛のために「欠かせない措置であっ
た」と述べた。またブッシュは議会に対して、「愛国的行為」であ
る反テロ法の有効期限を12月を越えて延長するように迫った。彼
は先日、この問題で米国議会で、自党内部からも支持を得られず、
手痛い敗北を喫していた。昨日になってようやく大統領府は、長年
数千人の米国人の盗聴を行なわせたことを発表し、これは少なくと
も適法かどうかぎりぎりのものである。軍の秘密情報部NSAがこれ
に関与することで、政府は通常の管理を行なう官庁を回避すること
ができた。

     国内ニュース

世論調査「自由党は首相問題で未来同盟を追い抜く」

自由党は首相問題でも未来同盟を追い抜いた。「プロフィル」誌の
世論調査によれば、もし直接首相選挙が行なわれるのであれば、オ
ーストリア人の4%が自由党党首ハインツ・クリスティアン シュ
トラーヒェを首相に選ぶ、との結果がでた。未来同盟党首イエルク
 ハイダーはこの質問で、わずか3%しか支持を得られなかった。
この調査で第一位だったのは、あいかわらず首相ウォルフガング 
シュッセル(国民党)の29%で、社会民主党のアルフレート グー
センバオアーが23%でこれに続いている。前回の世論調査と比べ
て、両者はそれぞれ1%ずつ減らした。緑の党党首アレクサンダー
 ファン デア ベレンは11%の支持であった。




12月18日(日)

     国外ニュース

シャロンは病院に運ばれる

報道によれば、イスラエル首相アリエル シャロンは病院に運びこ
まれた。その直前彼は身体の不調を訴えており、意識不明に陥って
いた、と日曜夜にテレヴィ局「チャンネル2」は報じていた。それ
によれば、シャロンは軽い脳卒中を起こした、とのことである。し
ばらく後の医師筋の情報では、シャロンは意識を回復した。彼のか
かりつけの医師は、シャロンは健康上の問題は抱えておらず、医師
に冗談を言い、釈放するように頼んだ、とのことである。労働党が
政権から離脱してから、彼の連立政権はばらばらになっている。彼
はその後右派保守派のリクード党を離れ、新党を結成した。選挙は
3月末に行なわれる。党内では選挙戦の準備がすでに盛り上がって
いる。

     国内ニュース

シュッセルはEU予算に関する妥協を擁護

連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は日曜日のテレヴ
ィ番組の中で、EU予算に関して妥協を行なったことを擁護し、EU
財政の新たな秩序を作るように求めている、と強調した。今後EU
にはオーストリア人1人が毎月9オイロずつ支払うことになるが、
それは彼が以前述べていたよりも1.5オイロ高くなる。他の党から
も彼はこれに関して若干の批判を受けざるを得ないが、未来同盟も
EU予算に関する妥協を批判している。



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