4月24日〜30日のオーストリアのニュース



4月24日(月)

     国外ニュース

CNN「ブッシュを支持する人はかつてないほど少ない」

世論調査によれば、米国大統領ジョージ W. ブッシュに対する国民
の支持は、かつてないほど低い。テレヴィ局CNNが昨日発表したと
ころによれば、米国人のわずか32%だけがブッシュの職務遂行に満
足している。一方60%が彼の大統領としての仕事ぶりに満足してい
ない、と述べている。国会議員選挙を数ヶ月後に控え、ブッシュに
対する世論の支持は、長期間にわたって40%を割り込んでおり、こ
れは共和党が選挙で勝利する可能性が低いことを示している。特に
イラク戦争を大衆が嫌がっていることと、当初ブッシュ政権がハリ
ケーンのカトリーナの被害に対してとった対策が怒りを招いたた
め、2004年に再選された大統領の支持を下げている。またガソリ
ン代の値上りも不満を引き起こすのではないか、と懸念されてい
る。次期大統領選挙は2008年に行なわれる。ブッシュは既に2期
目であり、憲法の規定によって三選はできなくなっている。

     国内ニュース

FSGは議長人事とBAWAG問題を議論

社会民主党労働組合会派FSGは、激しい議論を巻き起こしている議
長人事問題に取り組んでいる。現議長ルードルフ ニュルンベルガ
ーの後継者が誰になるかだけでなく、労働と経済銀行BAWAG疑惑
に関連した危機管理のやり方をめぐって議論が起きるかもしれな
い。数人の労働組合幹部が、同銀行の完全な売却で妥協する気はな
い、と述べているとの情報がある。議長の席をめぐって、火曜日に
も後継者が見つかるかどうかは不明である。もともと有力であると
見られていた鉄道の会長ウィルヘルム ハーバーツェトルは、この
争いから身をひいた。これにより同会派の会長の争いは最大の勢力
を持つ個人企業労働組合GPAと金属産業労組の争いとなる。GPA会
長のウォルフガング カツィアンを選ぶか、金属産業労組のエーリ
ヒ フォークラーを選ぶかで、この会派の方針は全く変わることに
なる。




4月25日(火)

     国外ニュース

チェルノブイリ原子炉の大事故20周年

世界各地で水曜日、チェルノブイリ原子力発電所の原子炉の大事故
を思い出す20周年の催しが行なわれる。ウクライナの首都キエフ
では、国会がチェルノブイリ特別会議を行ない、ベラルーシの首都
では野党が毎年行なっている追悼行進に参加するよう呼びかけた。
チェルノブイリでは20年前、第4区の反応炉が爆発し、放射性物質
が大量に放出された。オーストリアを含めヨーロッパほぼ全土で、
放射性物質の値が上昇したのが観測された。死者の数は集計により
1万人から10万人である。新生児の中の奇形児は、今日でもなお放
射線の影響を受けたものとして記録されている。破壊された反応炉
は、西側の支援を受けて、コンクリートの石棺の中に封じ込まれた
が、亀裂が入っている。

     国内ニュース

ガスティンガーは国民党あるいは社民党への入党を否定

法務大臣カーリン ガスティンガー(未来同盟)は、同党の筆頭候
補になる可能性も、数回にわたって報道された国民党あるいは社会
民主党への入党も否定した。火曜夜のテレヴィ番組で彼女は、ケル
ンテン州首相イエルク ハイダーが提案している2カ国語での村落
名標設置に関する国民投票に関して疑念を呈し、感情的な議論を止
めて、多数派と少数派の住民相互の合意を取りつけるように期待し
ている、と述べた。国民党の法務問題の専門家マリーア フェクタ
ーは、義父母に対しても子供を扶養するように要求するなら、問題
が生じる可能性がある、と述べているが、これに対してガスティン
ガーは「やりたくないことは何か悪いことであると捉えがちだ、と
いうことが問題なのだ」と批判した。




4月26日(水)

     国外ニュース

ライスとラムズフェルドはバグダード情勢の進展に満足

米国外務大臣コンドリーザ ライスと国防大臣ドナルド ラムズフ
ェルドは、特全イラクを訪問し、組閣が進んでいることに満足であ
る、と述べた。ライスはシーア派のマリキ、クルド人の代表ジャラ
ル タラバニ、スンニー派の国会議長マハムード エル マシャン
ディとバグダードの厳戒体制が敷かれている地域で会談し、次期首
相ヌリ(以前の名前はジャワド) エル マリキは、「自分の役割
と新政府の役割を理解していると明言し」、自分はマリキからいい
印象を得た、と述べた。米国は国民が一つになった政府を作らなけ
ればならないと考えているが、マキリはこの見解を共有している、
とも述べた。ラムズフェルドは、イラク政府の責任ある立場に立つ
人たちは、「イラク国民から何が期待されているかを精確に理解し
ている」と述べた。話し合いは自分を「とても勇気づけた」とも述
べた。イラク民兵の武装解除については、ライスとラムズフェルド
は長期的な課題である、と捉えている。閣僚名簿は2週間に提出す
る、とマキリは予告した。

     国内ニュース

ナチの再活動容疑でグーデヌスは1年間の活動に制限

自由党の元連邦議会議員ジョン グーデヌスは昨日、ナチ再活動容
疑で1年間の条件つき有罪判決を受けた。彼はガス室の存在を否認
していた。陪審員は、グーデヌスがナチ禁止法に違反した件で有罪
である、と判断した。この判決は確定しておらず、彼の弁護士は無
効であるとして上告する、と発表した。




4月27日(木)

     国外ニュース

IAEAは重要なイラン報告書を提出

国際原発機構は金曜日、イランの核計画に関する報告書を提出す
る。外交筋の情報によれば、同機構会長モハメド エルバラダイは
その中で、イランはウラン濃縮を中止するようにとの要請に応えな
かった、との結論を述べている。ソフィアで開かれているNATO外
相会談に出席している米国外務大臣コンドリーザ ライスは木曜日
にすでに、国連安全保障理事会に対し、行動を起こすように求め、
さもなければ安保理の信頼性が失われる可能性がある、との見方を
示した。イランはおそらく国際社会の要請を受け入れず、核計画を
続行することを決断したようだ、とも述べた。3月末に安保理は、
イランがウラン濃縮の作業を中止するために、時間的猶予を与えて
いたが、この期限は今日切れる。中国とロシアは、イランに制裁を
課すと述べても圧力をかけたことにはならないのではないか、と見
ている。

     国内ニュース

国民党はウィーン ノイシュタットで会派の非公開会議を行なう

国民党は金曜日、ウィーンのノイシュタットで会派の非公開会議を
行なう。連邦首相ウォルフガング シュッセルと会派長ウィルヘル
ム モルテラーが、出席者に対し、秋の国民評議会選挙に向けて結
束を求める。内容的には昨日提出された、中小企業の負担軽減策
と、エネルギー問題が中津んとなる。その他労働と経済銀行
BAWAG疑惑も議題に上がるものと見られる。




4月28日(金)

     国外ニュース

プローディはイタリア上院で初めての失敗

イタリア次期首相ロマーノ プローディは、上院での初めての採決
で早くも、手痛い反撃を受けなければならなかった。国会の第二院
で金曜日夜の人事を決める会議で3度の投票を行なったが、上院議
長の名誉ある職の候補者のために、必要な絶対多数の賛成を集める
ことができなかった。今後土曜日に4回めで最後となる投票で、決
着が計られる。その際には単純多数が確保できればよいので、プロ
ーディが立てた候補者フランコ マリーニが当選する確率が高くな
る。ただしこの投票の失敗は問題を大きくする。プローディの中道
左派連合は、ぎりぎりの議会の過半数を持つに過ぎないためであ
る。

     国内ニュース

シュッセルは連立に関する観測を述べない方針

連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は、秋に行なわれ
る国民評議会選挙後に、どのような連立が可能であるかについての
見通しを述べることには意味がない、と見ている。また選挙の期日
についても、選挙戦が既に始まっている雰囲気になっているリンツ
での国民党の非公開会議で、彼は何も情報を示さなかった。国民党
と緑の党がオーバーエスターライヒ州で協力しているのが、連邦政
治での連立の先例になるかどうかについて、シュッセルは、得票数
が確定しない時点で、それについて何らかの見通しを述べることに
は意味がない、と述べた。次回の選挙では、いくつの政党が議席を
獲得するかについても全くわからず、前回の4党が6党になる可能
性もある、とも語った。




4月30日(日)のオーストリアのニュース

     国外ニュース

ライス「イランのやっているのは遊戯である」

イラン核当局の副大臣モハマド サイディは、将来核施設の予告な
しでの査察を再び認める、と提案したが、米国外務大臣コンドリー
ザ ライスはこの提案を「真剣に受け止められない」として退け
た。イランが行なっているのは「遊戯」である、と米国の放送局
ABCのインタヴューで彼女は述べた。イランがもしこれを真剣に考
えているのであれば、「準備を調えて、ウラン濃縮を中止し、
IAEAの決議と国連安保理の声明に従う」べきである、と語った。
サイディは国営テレヴィで、核をめぐる対立が国連安保理から国際
原発機構に差し戻されるのであれば、イランの核施設の全面的な査
察を再び行なえるようにする、と発表していた。

     国内ニュース

各党が5月1日には労働のために行進

ウィーンは「労働の日」に街中が赤色で埋めつくされる。労働と経
済銀行BAWAG事件によって打撃を受けた社会民主党とオーストリ
ア労働組合連合は、毎年恒例のウィーンでの5月1日の行進で、強
い旗印を掲げる。国民党と自由党は、リンツで労働に万歳を唱え
る。未来連合はヴィラッハで5月祭を行なう。同党所属の大臣ウル
スラ ハオプナーとカーリン ガスティンガーは、子供たちと一緒
にシェーンブルンの動物公園を散歩する。緑の党はいつも通り4月
30日を失業者の日として祝った。




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