６月５日〜１１日のドイツのニュース
６月５日（月）
バグダードでは少なくとも50人が誘拐される
（バグダード）イラクの首都バグダードでは、約50人の一般市民が誘拐された。
イラク内務省の情報によれば、警察官の服装をした男たちが、市内のバス停に押し
寄せ、運転手、乗客、労働者、職員らを自動車に引きずり込み、どこかへと連れ去
った。この事件の原因に関しては、さまざまな情報がある。武器密輸犯らしきもの
への攻撃であるとする報道もあれば、誘拐であるとの報道もある。
バグダードの北バラドでは、米軍が手入れを行ない、行方を追求していたテロ組織
アル カーイダの軍事面での指導者を射殺した。この男はサマラ市で軍事面の指導
者をしていたフセイン アリ ムザビルであると見られている。
その他のニュース
ソラナはパレスチナ人にさらなる資金提供を約束
（ラマラ）EUはパレスチナ人を2006年も支援する、と外務委員ソ
ラナは述べた。彼はラマラでパレスチナ大統領アッバスと会合し、
EUはパレスチナ人を見捨てない、と約束した。ただしこの資金は
ハマース政府を通さない形で支払われることになる、とソラナは強
調した。ハマースは今までのところ、イスラエルの存在権を承認す
ることを拒否している。ガザ帯状地帯では新たな暴力
（ガザ市）ハマース組織の武装した支持者は、ガザ帯状地帯のパレ
スチナ系のテレヴィ局の事務所を襲い、報道関係者を襲撃した。そ
の際にテレヴィ機器とコンピューターが破壊された、と放送局長は
伝えている。この攻撃は、この放送局がパレスチナ大統領アッバス
のファタハ運動を優先的に扱ったために起きたものである、とも彼
は述べた。一方ハマースの広報は、ハマースがこの事件に関ったこ
とを否定している。ガザ帯状地帯ではこの他に、パレスチナ人の何
者かがハマースの隊員を攻撃し、5人が死亡した。ハマースが1月
の国会議員選挙で、それまで優位であったファタハを破って勝利を
おさめてから、対立する両党の間では暴動や戦闘が繰り返し起きて
いる。イスラーム教徒がモガディシュを掌握した模様
（モガディシュ）数週間にわたる戦闘の末、イスラーム教徒の民兵
がソマリアの首都モガディシュを占領した、との情報がある。シャ
リア裁判所の長シャイク シャリフ シャイク アハメドは、英国
の放送局BBCに対して、交戦の終了を予告し、首都の平和と安善の
回復が目標である、と述べた。彼の「イスラーム裁判所の民兵」
は、土曜日に戦略的に重要な都市バラードを制圧していた。イスラ
ーム民兵は、厳格なシャリア（イスラーム法）の志向に賛成してい
る聖職者を支援している。ソマリアは1991年以来、機能する政府
をもっておらず、敵対する部族の民兵に支配されている。米国は、
ソマリアに武装イスラーム教徒が隠れているのではないか、と懸念
していた。
６月６日（火）
イランは核をめぐる対立解決のための提案を検討する方針
（テヘラン）イランは核に関する対立で譲歩するために、国連安全保障理事会で拒
否権を持つ五大国とドイツからの新たな妥協案を、検討する方針である。主席交渉
人アリ ラリジャニは、EU外務委員ハヴィエル ソラナがテヘランで伝えた提案
は「前進」ではあるが、はっきりさせる必要がある「二義性」を持っている、と述
べた。この提案の核心部分は、イランがウランの濃縮を中止するように、経済的に
魅力ある提案を行なうと同時に、制裁を科すとの威嚇をも含むものになっている。
イラン首脳部は、今までウラン濃縮を断念することを拒否してきた。イランは民間
の研究を隠れ蓑に、核兵器を開発している、との疑いを西側は抱いている。
その他のニュース
メルケルとシラクはイランからの前向きの回答を期待
（ラインスベルク）ドイツ首相メルケルとフランス大統領シラク
は、イランの核計画に関する対立で、イラン政府が国際的な提案に
同意するように強く訴えた。ブランデンブルク州のラインスベルク
でシラクと会談した後メルケルは、外交的解決ができれば大きな利
益が生じる、と述べた。今回の両者の非公式会談ではその他に、
EU憲法についても話し合われた。彼らは、EU憲法は再検討の時期
を過ぎたら、早期に再び議題に乗せるべきである、との意向であ
る。遅くともフランスがEU議長を務める2008年末には、改善の提
案を検討するべきである、とシラクは述べた。アッバスはハマースに対する最終回答期限を延長
（ラマラ）パレスチナ大統領アッバスは、ハマースがイスラエルの
間接的な承認を行なうまでに、より長い時間を与えることを容認し
た。彼は急進派イスラームのハマース運動に、イスラエルとの2カ
国態勢による解決を含む文書に賛成するために、さらに3日間の猶
予を与えた、とあるPLO高官は述べた。ハマースが今後も拒否の姿
勢を貫くのであれば、アッバスは今週末までに、この問題に関する
国民投票の実施期日を正式に発表する、とも述べた。本来アッバス
はハマース政府が、これに関する書類に賛成する期限として、火曜
日を期限として設定していた。今のところハマースはイスラエルを
いかなる形であれ、承認することを拒否している。イラク首相は逮捕者を釈放する方針
（バグダード）国内の対立を解消する努力を進めているイラク首相
アル・マリキは、2千5百人の逮捕者の釈放を予告した。釈放され
る人々は誤って逮捕されたり、はっきりした理由なく逮捕された人
たちである、と述べた。失脚した大統領サッダーム フセインの支
持者とテロリストは除外される、とアル・マリキは述べた。バグダ
ードの治安情勢を改善するため、政府は首都の住民を武装解除す
る、と予告した。
６月７日（水）
特別捜査員「ヨーロッパ各国政府はCIAの秘密飛行を隠蔽」
（パリ）CIAが違法に被拘禁者を飛行機で移動させていた事件に関する欧州評議会
の報告書は、ドイツ当局に不利になるものであった。ドイツは、テロとの戦いを進
めるCIAの被拘禁者の違法な輸送の出発地点となっていたが、これは黙認されてい
たか、あるいは軽率にも見過ごされていた、とパリで発表された欧州評議会捜査員
ディック マーティの報告書には記されている。具体的な証拠はないが、今後の調
査が必要であることを証明するに足る証拠はあり、このほかにヨーロッパの13カ
国が、米国の秘密情報部に協力ないしは、その活動を黙認していた、とも述べられ
ている。また、ポーランドとルーマニアでは秘密の収容所が存在している容疑も固
まった、とされている。複数の政府はこの非難を退けている。
その他のニュース
ソラナはイランとの今後の対話が実現可能と判断
（ベルリン）EU外務委員ソラナは、イランとの核をめぐる対立で
譲歩を引き出すために今後話し合いが行なわれる可能性は十分あ
る、と見ている。ベルリンの新聞「ターゲスシュピーゲル」紙のイ
ンタヴューでソラナは、国際社会との交渉を行なうことでイランが
原子力の民間利用、技術開発を行なうことができるようになり、そ
れによって経済を刺激することになるが、その前提条件はイランが
ウランの濃縮を中止することである、と述べた。ソラナはベルリン
で独首相メルケルと会談した。彼女はイラン首脳部に、話し合いが
行なわれるようになった場合には、他の国々が柔軟な姿勢を取るこ
とを約束した。ドイツ連邦政府は、ロシア政府と同様、イランが6
月末までに包括的な対処案に返答する、と見ている。ソラナ「EUのコンゴ派兵は将来の手本となりうる」
（ポツダム）EU外務委員ソラナは、間近に迫ったコンゴ派兵は、
EUの今後の安全保障および防衛政策上の課題を解決するための手
本である、と評した。コンゴ民主共和国で数十年ぶりに行なわれる
自由選挙の安全を確保するために、約2千人の兵士を動員する作戦
が成功すると確信している、と彼は述べた。ドイツ国防軍統合幕僚
長シュナイダーハンは「南ドイツ新聞」で、この任務を予定の4カ
月を延長することは許されない、と述べた。連邦議会の決定を受
け、780人のドイツ兵がコンゴでのEUの作戦に参加する。現地で
は7月30日に国会議員および大統領選挙が行なわれることになって
いる。イスラーム教徒はジョウハル市に侵攻
（モガディシュ）ソマリアではイスラーム教徒民兵が、ジョウハル
市の敵対勢力の拠点に迫っている。目撃者によれば、重装備の約
5百人の戦闘員が進軍している、とのことである。敵対勢力も、今
後の戦闘の準備を進めている。首都モガディシュでは、イスラーム
教の主要な聖職者シャイク ヌル バルドは、いわゆる不信心者に
対する戦争に参加するように呼びかけ、この戦闘はソマリアがイス
ラーム国家になるまで続けなければならない、と述べた。3カ月間
にわたる戦闘の末、イスラーム民兵は月曜日にモガディシュの支配
権を手に入れた、と発表していた。
６月８日（木）
テロの指導者ザルカウィはイラクで死亡
（バグダード）世界各地でもっとを力を入れて行方を追求されていたテロの指導者
の一人、アブ ムサブ エル ザルカウィが死亡した。テロ組織網アル カーイダ
のイラクでの頭目である彼は、米軍がバァクーバ近郊で行なった空爆で死亡した、
とイラク首相ヌリ アル マリキは発表した。この軍事作戦で39歳のザルカウィ
とともに死亡したのは、彼に同調する7人であった。彼のテロ組織はインターネッ
ト上でザルカウィの死亡を確認し、同時に今後暴力行為を続行する、と予告した。
ヨルダン生まれのザルカウィは、2003年中旬からイラクで多くの攻撃を組織し
て数百人の死者を出し、米国人人質2人をみずから斬首した、とされている。米国
は彼の逮捕に2千5百万ドルの賞金をかけていた。
バグダードでの連続爆弾攻撃で、木曜日には少なくとも31人が死亡した。
その他のニュース
ブッシュ「エル ザルカウィ殺害はテロとの戦いでの勝利である」
（ワシントン）米国大統領ブッシュは、重要なテロリストエル ザ
ルカウィの殺害は、世界各地で進められているテロとの戦いにおけ
る勝利であり、テロ組織網アル カーイダに対する重大な一撃であ
る、と評した。ただし暗殺者エル ザルカウィの死亡は、イラクの
テロの終わりを意味しない、とブッシュはワシントンで述べた。一
方国連事務総長アナンは、テロの指導者の市で安堵した、エル ザ
ルカウィは恐るべき犯罪に責任がある、と述べた。独首相メルケル
は、ザルカウィが今後は人間を軽視した攻撃の黒幕ではなくなる、
というのはよい知らせである、と述べた。原発機構「イランはウラン濃縮の新たな段階に入る」
（ウィーン）国際原発機構の報告書によれば、過去数週間でイラン
はウラン濃縮を前進させた。イラン政府はそれに必要な遠心分離機
の設置を押し進めている、とウィーンの同機構は独自の情報源に基
づきいくつかの通信社に対して提出した報告書の中で述べている。
これより前にイラン大統領アフマディネジャドは、同国の核計画に
関する新たな会談に応じる用意がある、と表明していた。彼は、イ
ランが核技術を持つ正当な権利に関して、妥協をすることは断固拒
否した。国連安保理で拒否権を持つ五大国とドイツの新たな交渉の
提案に関して、アフマディネジャドは言及しなかった。この提案
は、イランがウランの濃縮を断念するよう促すものである。NATOは同時に複数の派兵を行なうことを可能にする方針
（ブリュッセル）NATO加盟26カ国の国防省は、21世紀に課せら
れた課題をよりうまく対処するべく、新たな戦略を決定した。
NATOは今後は大きな戦争の準備を進める必要はない、と同機構広
報アパスライはブリュッセルで述べた。新たな計画は、NATOが今
後最大で6万人の兵士を同時に2箇所に派遣するか、3万人程度の比
較的小規模の任務6件を同時に進めることができるようにするもの
である、とも述べた。
６月９日（金）
サッカーW杯開幕 ドイツ対コスタ リカは4対2
（ミュンヒェン）第18回サッカー世界選手権の開幕試合で、ドイツ代表はコスタ
リカに4対2で勝利した。代表監督ユルゲン クリンスマンが率いるドイツの得
点を挙げたのは、フィリップ ラームとミロスラフ クローゼ（2点）およびトル
ステン フリングスであった。コスタ リカの2点は、パウロ ワンチョペがあ
げた。夜に行なわれるグループAの第2試合は、ゲルゼンキルヒェンでポーランド
とエクアドルが対戦する。
ドイツ大統領ホルスト ケーラーは、ミュンヒェンの競技場でのさまざまな出し物
の後、サッカーの世界選手権を正式に開会宣言を行なった。ドイツの元首である彼
は、世界選手権の標語は「世界を友人としてお客とする」であることを指摘し、サ
ッカーが各国民を結びつけるように、と表明した。
ドイツの多くの都市には同時に、愛好家数十万人が国内外からサッカーの祭典に集
まって来ている。
その他のニュース
イラク首相は安定化計画を提案
（バグダード）イラク首相アル マリキは、テロリストの要人エル
ザルカウィが米国の軍事行動で殺害されたことを受け、同国を安
定させるために3項目の計画を提案した。英国の「タイムズ」紙へ
の寄稿の中でマリキは、同国政府は産業基盤の復興、民族対立の和
解、治安の改善に力を集中するつもりである、と述べている。その
ほかザルカウィの死はこの過程にはずみをつけるだろう、とも述べ
た。ハマースは住民投票に反対する態度を続ける
（ガザ市）急進派イスラームのハマースが主導するパレスチナ政府
は、大統領アッバスに対し、近東に2つの国家を置くことで対立を
解決する方針に関する国民投票を断念するように、と訴えた。首相
ハニヤは、アッバスにあてた書簡の中で、国民投票を行なう法的な
基盤はなく、国民投票の代わりにパレスチナ人のさまざまな組織を
あげた国民的な対話が必要である、と述べた。ファタハ運動の長で
もあるアッバスは、国民投票を利用して、ハマース政府との権力争
いに決着を着ける方針である。国民投票の期日として、7月31日が
あげられている。ハマースは、イスラエルの存在権を承認すること
を拒否している。ガザ帯状地帯ではイスラエル軍が一連の攻撃を行なう
（ガザ市）ガザ帯状地帯ではイスラエル軍が攻撃を行ない、パレス
チナ側の情報によれば、金曜日には少なくとも9人のパレスチナ人
が死亡した。その中には、ガザの海岸で大砲の射撃をあびた家族6
人も含まれている。パレスチナ側によれば、死者の中には子供3人
も含まれている。イスラエル軍は、この事件の調査を命令した。広
報は、罪のない一般市民の死に哀悼の意を表した。パレスチナ大統
領アッバスは、これは流血の大量殺戮である、と述べた。イスラエ
ル軍の連続攻撃は、木曜夜の急進派組織民族抵抗委員会の拠点攻撃
で始まった。この攻撃では、同組織の指揮官でハマース政府の安全
保障の責任者であるサムハダナが殺害された。
６月１０日（土）
サッカーW杯 イングランド1 : パラグアイ0
スウェーデン0 : トリニダード トバゴ0
(サッカー世界選手権）パラグアイのオウンゴールによる1点だけで、イングラン
ドはフランクフルト アム マインでの初戦に1対0で勝利した。グループBの第
2試合はドルトムントで行なわれ、スウェーデンはトリニダード トバゴと予想外
に0対0の結果に終わった。
韓国戦を3日後に控え、トーゴのドイツ人ヘッドコーチはタオルを投げこんだ。
ケルン出身の68歳のオットー プフィスターは、即時解雇通知を受け取ったと発
表し、アルゴイのティームの拠点を立ち去った。プフィスターは解雇の理由とし
て、トーゴサッカー連盟が、報奨金をめぐる対立を解決する用意がないことを理由
に、選手たちがストライキを行なっていることをあげた。
その他のニュース
アッバスはパレスチナ人の住民投票の期限を7月26日に設定
（ラマラ）パレスチナ大統領アッバスは、近東紛争を2つの国家並
立によって解決することをめぐる住民投票の期日として、7月26日
を設定した。これ関連する通達を、自治当局がラマラで発表した。
住民投票の焦点は、パレスチナ人が1967年の国境を望むかどうか
である。この問題の立て方は、イスラエルを事実上承認することを
含んでいる。この住民投票でアッバスは、イスラエルの存在権を否
定する急進派イスラームのハマースが組閣したパレスチナ政府との
権力争いに決着を着ける方針である。首相ハニヤは既に住民投票へ
参加しないように呼びかけた。イランは核対立を巡り独自の提案を検討
（テヘラン）イランは核計画をめぐる対立で、国連安保理で拒否権
を持つ五大国とドイツの交渉のための協定の対案を作っている。代
理人の報告によれば、外相モッタキは、イラン政府の修正案と対案
を真剣に検討できるように、外交官を行き来させることを望んでお
り、イランは交渉の協定の検討を開始した、と述べた。ただし正式
な回答がいつだされるかについては、モッタキは言及しなかった。
五大国とドイツはイランが核をめぐる活動を中止するのであれば、
経済的な優遇措置を提供する、と述べていた。W杯開催地ゲルゼンキルヒェンで極右に反対するデモ
（ゲルゼンキルヒェン）サッカーの世界選手権の試合ガを行なわれ
るゲルゼンキルヒェンでは、約5千人が右翼急進派と外国人に対す
る憎しみに抗議した。極右の国家民主党NPDの支持者2百人弱が示
威行進を行なったことをきっかけに、ルール地帯の都市であるゲル
ゼンキルヒェンをデモ隊が通り抜けた。市中心部で行なわれた抗議
集会で、連邦議会議長ラマートは住民に、右翼急進派の台頭に反対
する気運を盛り上げよう、と呼びかけた。また彼は、サッカーの世
界選手権の場で、ドイツが友好的で世界に開かれた国であることを
示したい、とも強調した。副首相ミュンテフェリングは、右翼急進
派はサッカー世界選手権を外国人に対する敵意の種をまくために悪
用しようとしている、と非難した。
６月１１日（日）
サッカーW杯 メキシコ3 : イラン1
（サッカー世界選手権）メキシコはサッカー世界選手権グループDの初戦をニュル
ンベルクで戦い、3対1で勝利した。メキシコの得点はブラヴォ（2点）とジーニャ
があげた。イランの得点はゴルモハマディによるものである。またオランダも問題
なく初戦を飾った。ライプツィヒで行なわれたグループCの初戦で、セルビア・モ
ンテネグロ代表を1対0で破った。
その他のニュース
ニュルンベルクではイランの政治に反対する集会
（ニュルンベルク）サッカー世界選手権のイラン代表の初戦に合わ
せて、大統領アフマディネジャドに対する抗議が、具体的な形をと
った。対メキシコ戦では観客席にはイラン副大統領アリアバディが
いたが、この試合が始まる少し前、約1千2百人がテヘランの権力
者に対する抗議をニュルンベルクの市中心部で行なった。バイエル
ン州内相ベックシュタイン（キリスト教社会同盟）は、アフマディ
ネジャドは犯罪者であって、ドイツでは歓迎されていない、イスラ
エルを否定するつもりの男を拒否する点では、民主主義者は結束し
ている、と述べた。緑の党党首ロートは、イラン大統領を非難し、
ホロコーストの犠牲者を嘲笑した、と述べた。テヘランからの情報
によれば、アフマディネジャドはイラン代表が準々決勝に進出した
場合、世界選手権を訪問することを検討している、とのことであ
る。ブッシュはグアンタナモでの自殺事件を憂慮
（ワシントン）米大統領ブッシュは、キューバのグアンタナモの拘
留者収容所で3人が自殺したことを憂慮している、と広報スノウが
述べた。この事件を担当する部局は調査を開始した、ともスノウは
述べた。同州養女の司令官ハリスによれば、3人の被拘禁者の内2
人はサウジ・アラビア人、1人はイエメン人で、独房の中で首つり
自殺をしたが、この自殺は絶望による行動ではなく、米国に対する
戦闘行為である、とのことである。サウジアラビア内務省は、これ
らの被拘禁者が虐待を受けた疑いがある、と述べた。問題となって
いるグアンタナモ収容所には現在、460人を越えるテロの容疑者が
拘留されているが、その多くは何年も前から正式に起訴されること
もないまま拘留が続いている。独政府はグアンタナモに対する態度を思い起こさせる
（ベルリン）ドイツ政府は、米国が拘留者収容所グアンタナモの自
殺事件の状況を解明することを期待している、と広報は述べた。ド
イツ政府のグアンタナモ収容所に対する態度は既に発表されてい
る、とも付け加えた。独首相メルケルは今年初めに既に、問題とな
っている同収容所を閉鎖するように求めていた。ドイツ以外の政府
や人権擁護団体も、この点に関して米国に訴えを行なっていた。英兵とイラクの反乱勢力が交戦
（バグダード）イラク南部の都市アマラでは、英兵と蜂起勢力の間
で交戦が起き、少なくとも反乱勢力の5人が死亡した。英兵1人が負
傷した、とイラク警察は発表した。ファッルージャとキルクークで
は、武装兵が数件の襲撃事件を起こし、少なくとも5人を射殺し
た。イラクのテロ組織アル カーイダはインターネット上で、新た
に連続攻撃を行なう、と脅迫した。指揮官アブ ムサブ エル ザ
ルカウィの死後も、同組織は強力である、と宣言の中で述べてい
た。