6月19日〜25日のオーストリアのニュース



6月19日(月)

     国外ニュース

米兵3人がイラクでの殺人容疑で告訴

イラクの米兵3人が、イラク人の殺人および殺人未遂容疑で訴えら
れた。この裁判は、サラヘディン州のタル・タル運河近くの米軍の
拠点近くで、5月9日にイラク人3人を殺害したことに関連して、行
なわれている、と米軍は文書による声明の中で述べた。この兵士た
ちには、活動中に軍の規則のいくつかに違反した容疑が持たれてい
る。殺人、殺人未遂、共謀、および司法活動の妨害が問われてい
る。訴訟に先立って、軍の調査委員会の捜査が行なわれた。過去数
週間、イラクでの米兵による暴力的な干渉が報じられていた。現
在、イラク西部の都市ハディタでのイラク人一般市民24人の死に
関連して、軍が調査を行なっている。海兵隊員が、11月の意図的
に市民を殺害したのではないか、との容疑が持たれている。他にも
イラク人1人が4月にハマンディヤ市で、米兵に射殺された事件が
ある。

     国内ニュース

首相はEU評議会議長としての成果を自賛

連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)と副首相フーバー
ト ゴルバッハ(未来同盟)は昨日、特例として午後に行なわれた
閣議の後、オーストリアが務めたEU議長としての成果を賞賛し
た。先週ブリュッセルで行なわれたEU評議会では、予定のすべて
を完全に実施した、とシュッセルは述べた。現EU評議会議長であ
る彼は、EU加盟に必要な能力に関するEU委員会の報告書にも言及
した。彼はEU首脳会談には、EU加盟に必要な能力に関する4番目
の基準をもって出席したが、これは拒否された。シュッセルは、こ
の問題は新しい問題ではなく、既に成立している3つのコペンハー
ゲン基準に含まれている、と述べた。またEU憲法に関して彼は、
「ヨーロッパ計画」は確定した、「憲法の実質」は維持されてい
る、と述べた。副首相ゴルバッハは、運転免許証と近距離交通に関
する基本方針ができたことを、成果としてあげた。




6月20日(火)

     国外ニュース

ザルカウィの後継者は米兵を殺害したとの噂

イラクでは昨日、行方不明になっていた米兵2人の遺体が発見され
た。これらの兵士は、バグダードの南で襲撃された後、残酷な手法
で虐待を受け殺害された、とイラク国防省の高官がロイター通信に
昨日述べた。インターネット上で公表された犯行声明では、イラク
のアル カーイダの新たな指揮官が、この米兵2人の喉をみずから
かき切った、とされている。この声明は再び激しい暴力が起きた日
の日付になっている。この声明が真正のものであるかどうかは確認
が取れていない。ただしこの組織は月曜日に既にインターネット上
で、行方不明の米兵2人の死を発表し、その後に詳細を公表する、
と予告していた。

     国内ニュース

国民評議会は自由党の国民発議を協議

EUと米国の首脳会談の影になっているが、国民評議会は水曜日か
ら総会の週を始める。重要議題はないが、EUを批判する自由党の
国民発議「オーストリアは自由を保つ」に関する審議が行なわれ
る。この国民発議は3月に約25万8千人が署名した。9時からの議
事の冒頭の時事問題の協議では社会民主党の動議で、教育問題が取
り上げられる。社会民主党のほか国民党も、学校の生徒の定員を引
き下げる動議を提出する方針である。その他、学校の最終学年の学
期ごとの成績表の廃止を含む、規制緩和法が議題に上がっている。
また労働と経済銀行に関する総会の緊急動議も、未来同盟と自由党
の会派から大蔵大臣カール・ハインツ グラサーあてに提出され
る。




6月21日(水)

     国外ニュース

オルメルトとアッバスはヨルダンで会談

イスラエル首相エフド オルメルトとパレスチナ大統領マハムード
 アッバスは、就任以来初めて木曜日に話し合いを行なう。ヨルダ
ン国王アブドゥラ2世の招待に応じて、両者はヨルダンの山間の都
市ペトラで朝食を共に取る方針である。イスラエル側からは、この
会談に対する事前の期待は高くない。オルメルトは、ヨルダン国王
が会談を行なうように求めたことに対して、これは象徴的な価値を
持つだけである、と述べていた。具体的な議題は決まっていない。
アッバスとオルメルトは過去に数回会っているが、就任して以降は
会談は行なわれていない。ペトラではノーベル賞受賞者たちの要人
の会議も行なわれる。

     国内ニュース

高等教育の専門家「授業料は障害にはならない」

授業料は、社会的な障害として機能しなかったし、学生数減少をも
たらすものでもない、今まで数回にわたって懸念されていたがこれ
はあてはまらない。高等教育の研究家クラーゲンフルト大学のハン
ス ペヒャールは昨日ウィーンで行なわれた「授業料導入から5年
の総決算」の公開討論会でこのように述べた。彼は、オーストリア
での授業料導入は、単なる資金調達行為であった、という点で経済
学者グドルン ビフルと同じ意見である。2001年の冬学期に授業
料が導入されて以来、新入生の数は短期間だけ減少したものの、そ
の後2000年よりも10%増加している、とも述べた。




6月22日(木)

     国外ニュース

チェーニー「北朝鮮に対する空爆はない」

米国は、北朝鮮で計画が進んでいるミサイルの試験を、空爆を行な
って阻止するという計画を検討しない、と副大統領ディック チェ
ーニーは述べた。この問題には「より穏やかに」対処する、と彼は
米国のテレヴィ局CNNに昨日述べた。元米国国防大臣ウィリアム 
ペリーから出されていた要請を、彼はこれで拒否したことになる。
ペリーは「ワシントン ポスト」紙への寄稿の中で、北朝鮮がミサ
イルを発射台から取り外さないのであれば、空から攻撃して破壊す
るように勧告していた。一方大統領ジョージ W. ブッシュは、ウィ
ーンでのEUとの首脳会談では、ミサイルの試験問題に関して発言す
るようにとの北朝鮮政府の要請を拒否し、ミサイルの試験の準備を
中止するように求めていた。

     国内ニュース

村落名標問題で国民党と未来同盟は独自の動議を国会に提出

二カ国語による村落名標の設置問題で、連立政府は共通の発議の提
案を行なうことで最初には合意できなかった。両会派は昨日午後、
国民評議会に憲法に対する独自の動議を提出した。国民党側の動議
は、憲法裁判所が設定した基準に従い、少数派が1割以上いる市町
村および、15%の少数派がいる村落には、二カ国語による村落名標
を設置しなければならない、との内容である。未来同盟側は、割合
を設定すること自体を拒否している。ただしこの問題は連立維持に
とっては、何ら問題ではないようである。国民党会派長ウィルヘル
ム モルテラーは、夏休み前にもこの問題に決着がつく、と自信を
のぞかせた。




6月23日(金)

     国外ニュース

アル カーイダ副首領ザワヒリはザルカウィの復讐を予告

アル カーイダの副首領アイマン エル ザワヒリはヴィデオの中
で、イラクのアル カーイダの首領アブ ムサブ エル ザルカウ
ィの死に報復する、と予告した。カラチの衛星放送局アル・ジャジ
ーラはこのヴィデオを放送し、そのなかでザルカウィの写真を前に
ザワヒリは、「ブッシュよ、神の手助けによる報復を受けないま
ま、我々のうち何者をも殺すことはできないのだ」と述べた。また
彼は、イラク大統領ヌリ エル マリキとバグダード駐在米国大使
サルマイ カリルサードを激しく非難した。彼らはザルカウィの殺
害を発表していた。

     国内ニュース

ウェステンターラーが全会一致で未来同盟党首に選出

ペーター ウェステンターラーは昨日午後、ザルツブルクで開かれ
た未来同盟の連邦集会で、全会一致で同等の党首に選ばれた。彼は
378票のうち377票を得た。一票は無効票であった。投票権を持っ
ていたのは398人であった。一年あまり党首の座を譲り渡すイエル
ク ハイダーから、ウェステンターラーは国民評議会選挙への途中
で、党首のネクタイを受け取ることになった。彼の代理人に選ばれ
たのは、ハイダーの元代理を務めていた法務大臣カーリン ガステ
ィンガー、ハイケ トラマー、自由党議員団長ヘルバート シャイ
プナー、およびハイダーの広報シュテファン ペッツナーである。




6月24日(土)

     国外ニュース

米国はグアンタナモのサウジ・アラビア人収容者を釈放

米国は昨日、キューバのグアンタナモ捕虜収容所入れていた14人
のサウジ・アラビア人を釈放し、故郷に戻った、と国防省が発表し
た。これにより、釈放あるいは引き渡しが検討される収容者はあと
120人ほどで、彼らの扱いについては本国との間で現在交渉が行な
われている、とも述べた。米国は既に350人の捕虜を、問題の収容
所から釈放し、それぞれの母国へと送り返した。2001年9月11日
の攻撃の後、テロの容疑者として約450人の捕虜が今なおこの収容
所にいる。一方サウジ・アラビア政府は、テロ組織アル カーイダ
の国内組織と繋がりを持った43人の容疑者の逮捕を発表した。こ
の中には4人の外国人が含まれている。首都リヤドでは銃撃戦後、
2日の男が逮捕された。この銃撃戦ではアル カーイダと見られる
6人と警官1人が殺害された。

     国内ニュース

シュトラーヒェは自由党の反外国人選挙戦を開始

自由党党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェは昨日、自
由党の反外国人の選挙戦を開始した。リンツで開かれた特別党大会
で、彼は党員に対し、自由党の反外国人の方針に忠誠を誓わせた。
シュトラーヒェは「国会で第4番目の勢力」と決着を着け、移民の
中止、憎悪を広める者の国外追放、学校でのヒジャーブ禁止を大声
で訴えた。これより前に党大会の参加者は全会一致で、秋の選挙の
筆頭候補にシュトラーヒェを選んでいた。




6月25日(日)

     国外ニュース

アンタルヤで爆発 死者4名 うち2人は観光客

トルコの保養地帯アンタルヤで昨日爆発があり、少なくとも4人が
死亡した。そのうち1人はノルウェー人、もう1人はウクライナ人
であった。テレヴィ局CNNトルコによれば、マナヴガト瀑布近くで
爆発が起こり、25人が負傷した。当局の広報は、ガスコンテナが
爆発したもので、爆発物があるかどうか専門家が調査をしている、
と述べた。マナヴガト瀑布は、アンタルヤ市の東百キロにあり、外
国人観光客の間で極めて人気の高い観光地である。イスラーム教徒
とクルド分離派は過去数年にわたって、トルコの経済に打撃を与え
るため、観光拠点を繰り返し襲撃していた。

     国内ニュース

フィンランド大統領ハロネンがオーストリア訪問

フィンランド大統領タルヤ ハロネンは、EU評議会議長に数日後
に就任するにあたって、現在の議長国であるオーストリアを月曜日
に公式訪問する。社会民主党員である彼女は、まず連邦大統領ハイ
ンツ フィッシャーの出迎えをウィーンで受け、午後には連邦首相
ウォルフガング シュッセル(国民党)と会談する。会談の中心は
おそらく、EU問題である。ハロネンは、批准の作業を続けたらEU
憲法が成立しない危険を回避できるかどうか、疑問に思っている。
フィンランドは、秋にこの憲法を批准する16番目の国となる方針
である。トルコのEU加盟問題に関して彼女は、この問題をオース
トリアほど劇的なものと見ていない、と「クリール」紙に述べた。
在ウィーンのフィンランド大使キルスティ カウピは大統領の訪問
を前に、オーストリアの議長が成功したことを賞賛し、その功績の
上でフィンランド政府は積み上げを行なうことができる、と述べ
た。




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