7月17日〜23日のオーストリアのニュース



7月17日(月)

     国外ニュース

米国「反テロの戦いは人権に抵触しない」

米国は国連人権委員会に、反テロの戦いでの行動を担当する能力の
多くを認めなかった。テロの問題は、大部分が国連人権協定の適用
範囲外にある、と米国外務省代表マーク レイゴンはジュネーヴで
の同委員会で述べた。これは主として米国の領土には該当せず、戦
時国際法を侵害するものであって、人権は侵害しない、米国は緊迫
した問題については「国際社会に対して開かれた姿勢で」責任を果
たしていく、と述べた。国連人権委員会の何人かの委員はこれに反
論し、米軍、民間人、委託を受けた企業の米国外での行動は、この
委員会が担当することができる、と述べた。また他国でのテロの容
疑者を秘密裡に輸送することは、人間を人権侵害の犠牲者にする可
能性がある、とも述べた。

     国内ニュース

ホルンガーハー事件「ガイガーに対する攻撃は弁護の一部」

ウィーン警察庁長官ローラント ホルンガーハーをめぐる事件に新
たな進展があった。彼の弁護士によれば、彼に対する新たな告発
は、容疑者である刑事警察長官エルンスト ガイガーの弁護戦略の
一部である。この事件で一定の役割を果たした記者は、ガイガーと
親しい関係にある、と弁護士は述べた。




7月18日(火)

     国外ニュース

国連の拒否権を持つ大国はイラン決議を協議

国連安全保障理事会で拒否権を持つ大国とドイツは、イランの核計
画に関する決議案に関する協議を開始した。この中ではイラン政府
は外国的および経済的な制裁を受ける、と威嚇されている。その他
この文書中では、イランはウラン濃縮の中止を改めて要求されてい
る。また昨日の外交筋の情報では、イラン政府はアラクの重水炉型
原子炉の建設を中止することが求められている。

     国内ニュース

ノルトライン・ヴェストファーレン州選挙 各党事務長による応酬

火曜日午後国民党、社会民主党、未来同盟、緑の党、自由党の事務
長および連邦執行部長が、選挙戦を迎えるにあたって前哨戦を行な
った。大蔵大臣カール・ハインツ グラサーが最近ヨットで休暇を
過ごした件で混乱が生じていることを受け、国民党事務長ラインホ
ールト ローパトカは、社会民主党は長期にわたってグラサーの信
頼を否定するだろう、と非難した。社会民主党連邦事務長ノルバー
ト ダラボスは、一般大衆をだましてきたグラサーの態度は「いか
がわしい」と述べた。緑の党の連邦執行部長ミヒャエラ スブルニ
ーはダラボスに同調し、グラサーは真実でないことを述べ、反対が
証明されると事実を認めた、と述べた。未来同盟広報ウーヴェ シ
ョイヒは、グラサーはこの問題を自分で解決するだろう、と語っ
た。自由党事務長ハーラルト ヴィリムスキは、国民党と社会民主
党は共にこの事件に関っている、と指摘した。




7月19日(水)

     国外ニュース

ポーランド国会はカチンスキを承認

ヤロスワフ カチンスキを首相とする保守的なポーランド新政府
は、水曜午後ワルシャワの国会で承認を受けた。信任投票では240
人の国会議員が連立政権に賛成し、205人が反対した。ヤロスワフ
 カチンスキは「正義と公正PiS」党の党首で、先週ポーランド大
統領で双子の兄弟であるレフ カチンスキの前で宣誓を行なってい
た。これより前元首相カジミエシュ マルチンキエヴィチは辞任し
ていた。新政府を国会が承認するのは確実と見られていた。保守政
府は過半数を大幅に越える議席を持っているためである。

     国内ニュース

コリネクは村落名標問題を「悲喜劇」と見る

憲法裁判所長官カール コリネクは、村落名標問題を、「滑稽な要
素を持つ悲喜劇だ」と評した。「シュタンダルト」紙で彼は、二カ
国語による村落名標はケルンテン州で、本来なら93箇所で設置さ
れているべきなのに、現在16箇所で設置されていないことを指摘
した。また彼は、ケルンテン州首相イエルク ハイダー(未来同
盟)は、2箇所には二カ国語による村落名標を設置するが、それ以
外の場所では設置しない、と言うのであれば、政府の命令を守るつ
もりがないことになる、とも述べた。




7月20日(木)

     国外ニュース

米国「イラン人が北朝鮮のミサイル試験の場に参加」

北朝鮮が最近行なったミサイルの試験の時には、イランから1人な
いしは複数の代表が立ち会っていた、と米国政府代表が発表した。
外務大臣代理クリス ヒルはワシントンの上院の公聴会で木曜日
にこれに関する質問に答えて、「はい、私はそのように理解してい
ます」と答え、不安をかき立てる関係であると述べた。これは米国
政府が初めて公式にイランの関与を認めたものである。この試験は
世界各地で抗議を生み、国連は北朝鮮のミサイルおよび核計画に対
する制裁を検討していた。イランの主席交渉役アリ ラリジャニは
国営イラン放送で、同国は発電のためにこの技術を利用する、と述
べた。また彼は、西側からの提案をイランはまだ検討中であり、ウ
ラン濃縮をめぐる対立でさらに話し合いを行なうことに関心があ
る、外交的な解決をはばむために米国はあらゆる手段を取ってい
る、とも付け加えた。

     国内ニュース

オーストリア鉄道幹部は経営陣の政治活動禁止を命令

オーストリア鉄道持株会社の幹部は、同社の経営陣に対して「政治
活動の禁止」を命じた。同社経営陣は、2006年9月1日から、オー
ストリア鉄道の役員および第1種および第2種の報告を行なう経営陣
は、政治家との催し物に参加してはならないと決定した、その中に
は専門的な議論も含まれる、との内容の内部文書をAPA通信が公表
した。例外になるのは、同社の活動に注目を集めるために同社が利
用できる物だけである、とのことである。その理由として、オース
トリア鉄道が政治にもてあそばれることを許してはならない、これ
は現在行なわれている選挙戦にもあてはまる、と述べられている。




7月21日(金)

     国外ニュース

フランスとサウジアラビア間で武器輸出

フランスとサウジアラビアは金曜日、数十億オイロ野価格の武器協
定に署名した。一つめの契約は戦闘用ヘリコプターのサウジアラビ
アへの輸出に関するもので、大統領ジャック シラクとサウジアラ
ビア国防相で王子スルタン ベン アブデル アジスが署名した。
二つ目の契約は、大型飛行機の輸出に関するもので、これにはフラ
ンス国防大臣ミシェル アリヨ・マリが署名した。フランス側から
は6月の時点では、この二つの契約は30億ないし40億オイロの契
約である、との情報が出ていた。両国はラファール戦闘機、ルクレ
ール戦車、潜水艦の輸出に関する交渉を続ける方針である。

     国内ニュース

グーセンバオアーは国内の不法移民に恩赦を行なう方針

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは、既にオースト
リアに滞在している不法移民を合法化する方針である。「ウィーン
新聞」のインタヴューでグーセンバオアーは、「政府は今まで一度
も犯罪を犯した人たちを国外退去させる状況になかった。だから数
十万人の人々を国外に追放できるという幻想をまだ信じている」と
述べた。この問題に対する彼の回答は、不法移民を止め、「合法的
な移民を整備することであって、問題があることを否定するのでは
なく、融合を押し進めることである。もちろん今ここにいる人々を
合法化するほうがよい。この方が労働市場と治安のためによい」と
述べた。




7月22日(土)

     国外ニュース

新聞報道「スイスは国際イラン会議を計画」

イランの核計画をめぐる対立で、スイス外務省はイラン政府の意向
を受け、国際会議をジュネーヴで行なう準備を進めている、と「新
チューリヒ新聞日曜版」紙は報じている。中立国スイスは、イラン
から提案を行なうように要請を受けた、と政府筋の情報として同紙
は伝えている。スイス外務政務次官ミヒャエル アムビュールは火
曜日にテヘランで、イラン外相マヌーチェフル モッタキと会談し
ていた。この会議では日本、スペイン、パキスタンなどさらに多く
の国が交渉に加わることになっている。同紙によればスイス外相ミ
シュリン カルミ・レはすでに木曜日に、同国政府に提案について
説明し、今後は関係各国との協議を行なう、とのことである。

     国内ニュース

村落名標問題でスロヴェニア人代表はスロヴェニアを批判

ケルンテン州スロヴェニア陣評議会議長代理カレル スモレは、ス
ロヴェニア政府を批判し、村落名標をめぐる対立で民族組織を裏切
った、と述べた。彼はオーストリア政府とスロヴェニア政府の間で
暗黙の協定があるのではないか、と推測している。スロヴェニアは
オーストリア政府が提案した村落名標問題の解決を支持する代わり
に、クロアチアとの国境をめぐる対立でオーストリアから支援を受
けているのではないか、と信じている、とリブリャナの日刊紙「ド
ネフニク」に述べた。また彼はスロヴェニア外相ディミトリ ルー
ペルが、この問題の憲法に則った解決の影響力を過小評価してい
る、と批判した。




7月23日(日)

     国外ニュース

シャロンの病状は急激に悪化

イスラエル元首相アリエル シャローンの健康状態は、明確に悪化
した。彼は1月から昏睡状態にある。彼は2度にわたり大量の脳内
出血を伴う激しい卒中発作を起こし、数回の手術後も意識が回復す
ることはなかった。週末にかけて腎臓の機能が低下している、とテ
ル アヴィヴのテル・ハショメル病院の広報が述べた。診察によれ
ば、脳の組織の状態も悪化している、とのことである。「シャロン
が昏睡からさめる可能性はだんだん減っている」と担当する医師が
述べた、とテレヴィ局が報じている。2日前からシャロンの息子達
が枕元に座っている。ただし、シャロンの協力者2人は、彼の声明
に直接の危機が迫っているわけではない、と語った。

     国内ニュース

グーセンバオアーは選挙戦の徒歩旅行に出る

社会民主党党首グーセンバオアーは昨日、選挙目的で行なわれる夏
の旅にでた。最初の目的地は、ニーダーエスターライヒ州のカオム
ベルクで、最後の目的地は8月3日のフォアアルルベルクの海抜3千
メートルのシェーサプラナである。ほぼ2週間にわたって彼は186
キロを徒歩旅行する。彼はこの旅行を楽しみにしており、休養を取
りつつ、オーストリアの後継を楽しむつもりだ、と述べた。最初の
行程には20人の党員と報道関係者が同行した。クラムヘーエで休
憩した際に、グーセンバオアーは現地の社会民主党の代表団から、
冷たい飲み物でもてなされた。ただし現地では対立政党が、連邦首
相ウォルフガング シュッセル(国民党)の広告や、「アカの上役
がより金持ちになる」との横断幕を掲げた。




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