8月28日〜9月3日のオーストリアのニュース



8月28日(月)

     国外ニュース

メキシコの選挙結果をめぐる抗告は却下

メキシコの選挙裁判所は、7月2日に行なわれた大統領選挙で、保
守派フェリぺ カルデロンの勝利は、不正が行なわれたという非難
によっては揺るがない、と判断している。裁判官7人は昨日全員一
致で、左派の候補者アンドレス マヌエル ロペス オブラドルが
起こしていた選挙の不正に関する240の抗告のほとんどを退けた。
ただし彼らはカルデロンが勝者である、とはっきり宣告はしなかっ
た。ただし正当な抗告があれば、選挙結果を副次的に修正する、と
同裁判所は発表した。これによりカルデロンお勝利はほぼ確実と見
なされた。公式の集計結果によれば、ロペス オブラドルは今回の
選挙で24万4千票つまり0.58%分少なかった。貧しい人々を中心と
する彼の支持者は、4千1百万票の投票用紙の完全な数えなおしを
求めた。選挙委員会は、一部だけの再集計の決定を下していた。
EUの選挙監視員は、今回の選挙はおおむね公正に行なわれた、と評
価していた。ロペスは、抗告の棄却を受けても路上での抗議活動を
続ける、と予告した。

     国内ニュース

投票用紙の三番目の場所に関する報道を相対化

次回の国民評議会の投票用紙の三番目の場所は、自由党にも未来同
盟にも与えない、と専門家が勧告したと報じられているが、選挙リ
ンツの憲法裁判所の裁判官ヨハネス ヘンクストシュレーガーはこ
の報道を否定も肯定もしなかった。彼の判断によれば、未来同盟が
三番目の場所を得る可能性があるが、連邦選挙局内部で、これに反
対する論拠が提出された場合には、三番目の場所は空欄にして解決
を図ることになる、と「プレッセ」紙に彼は述べた。連邦選挙局は
水曜日に、未来同盟と自由党のどちらに問題となっている投票用紙
の三番目の場所を与えるか、決定を下すことになっている。




8月29日(火)

     国外ニュース

イスラエルはレバノン封鎖には当面正当性があると主張

イスラエルは国際部隊が国連の委託を受けて、ヒズブッラーに対す
る武器の供給を中断させた後、レバノンの封鎖を中止する、と同国
外相ツィピ リヴニは述べた。国連事務総長コフィ アナンはレバ
ノン南部を訪問し、同国の封鎖は国連決議1701号に違反している
として、その中止を求めた。アナンによれば、レバノンの陸海空路
の封鎖は、レバノンを「いやしめるもので、レバノンの主権と整合
しない。」これに対してイスラエルは、イランによるレバノンのヒ
ズブッラーの再武装を阻止するために、国連安保理の新決議を要請
した。彼女はコペンハーゲンでの記者会見でその理由として、イラ
ンはヒズブッラーに「1日で」武器を供与できる、ということを挙
げた。また彼女は、ヒズブッラーに対して科されている武器禁輸を
強化し、レバノンとシリアの国境を国際部隊が監視させることに賛
成し、レバノン政府は、単独では国境の安全を確保できない、と指
摘した。ただし国境監視はレバノン政府によって拒否されている。
またリヴニはこれより前ベルリンを訪問し、シーア派の民兵に対す
る武器禁輸を「あらゆる手段を使って」行なうように求めた。

     国内ニュース

フェアツェトニッチュは労組を相手取って80万オイロの訴訟

オーストリア労働組合連合元会長フリッツ フェアツェトニッチュ
は、労働組合に対し80万オイロを求める訴訟を起こした。彼の後
任であるルードルフ フンツトルファーは「クリール」紙に、「我
々は(フェアツェトニッチュの)無期限の解職が正当に行なわれた
と考えているため」これを支払う意志はない、と述べた。フンツト
ルファーは、現在行なわれている裁判であるため、その理由は述べ
なかった。フェアツェトニッチュは労働組合連合に対して、同連合
が4月30日までで雇用関係を解消した後、裁判を起こしていた。問
題となっている労働と経済銀行の事業で、フェアツェトニッチュの
行動が、この解任を決定づけるものであった可能性がある。この裁
判は国民評議会選挙の後に行なわれる予定である。




8月30日(水)

     国外ニュース

国連の期限が切れる イランはウラン濃縮を再開

国連のイランの核計画中止の期限が切れるのを翌日にひかえ、イラ
ン政府が譲歩する兆しはない。国際原発機構に近い立場の外交官は
昨日、イランは既に先週からウラン濃縮を再開した、と報告してい
る。そのためイランは国連の要請に従わなかった、と国際原発機構
が明日確認するのは確実と見られている。これにより国連安保理は
イランに対して制裁を課す可能性がある。米国の情報によれば、常
時議席を持つ5ヶ国とドイツの代表は来週始めに会合を開く方針で
ある。

     国内ニュース

緑の党は集中した選挙戦を開始

社会民主党と未来同盟に続いて、緑の党も木曜午前中に集中した選
挙戦を開始する。「サターン タワー」で連邦同党首アレクサンダ
ー ファン デア ベレンと副党首エーファ グラウィシュニヒ
は、正式な選挙戦の冒頭で、教育、エネルギー、女性の各分野で方
針転換の必要性を改めて訴えることにしている。連立に関する発言
では、環境政党である同党は、国民党と社会民主党の間であいかわ
らず綱渡りをしているが、最近グラウィシュニヒは、社会民主党が
第2党になった場合には、協力を考えるとの意見を述べた。国民党
が緑の党とのテレヴィ対決では、首相ウォルフガング シュッセル
を送らず、政党に属さない大蔵大臣カール・ハインツ グラサーを
送ることに関して、緑の党が批難した。グラウィシュニヒは、この
侮辱に怒りをあらわにした。




8月31日(木)

     国外ニュース

米国はイラン制裁の早期実施を要求

イランとの核をめぐる対立は新たな段階に入る。国連が設定してい
た最終期限が切れたため、制裁をめぐる集中的な審議が始まった。
中でも米国は大規模な対処を要求した。米国は外交的な解決を維持
するつもりである、と米国大統領ジョージ W. ブッシュは述べた。
ただし、国連安保理がこれに応えるまでにはなお数週間かかる可能
性がある。特に中国とロシアは、精細には慎重な姿勢を示した。こ
れより前イランはあいかわらず、ウラン濃縮を国連が要求している
ように昨日までに中止することに対して、妥協の姿勢を示さなかっ
た。イランは、国連安保理の要請を蒸すし、ウラン濃縮を続けてい
る、と国際原発機構が昨日提出した声明の中では述べられている。
国連の期限が切れる直前、イランは核対立をめぐって断固たる態度
をとると強調した。イランは平和的な原子力発電を決して断念しな
い、と大統領マハムード アフマディネジャドは国営ラジオで述べ
た。

     国内ニュース

バカリー裁判で穏やかな判決 プロコプは最高刑の改訂を計画

収容された不法在留者バカリー J. を殴打し、負傷させた4人の警
官に対して緩やかな判決が出たことに対して批判の声が上がってい
るが、内務大臣リーゼ プロコプ(国民党)は、これに対する刑罰
の一覧表を改訂するのに賛成である、と述べた。ただし彼女は、バ
カリー事件に関して正式に謝罪することは拒否し、「彼は薬物に関
する重罪で罰せられたのは間違いないことである」が、この警官の
行動は否定されねばならない、とも発言した。バカリーが結審後国
外追放になるかどうかは、検討しなければならない、とプロコプは
述べた。




9月1日(金)

     国外ニュース

米国防省「イラクでは7月だけで1千8百人が死亡」

米国政府は、イラクの暴力が最近激化しているのは残念であると述
べたが、これが内戦につながることはないと見ている。昨日公表さ
れた報告書で米国防省は議会に対して、6月には1千6百人、7月に
は1千8百人の一般市民が暗殺集団やテロリストの犠牲となった、
と報告した。9割の事例では一般市民は冷酷にも処刑の形で殺さ
れ、過去3カ月の一般市民の犠牲者の数は51%増加し、攻撃回数も
15%増えている、と報告書には記されている。米国防省は3ヶ月お
きに報告書を議会に提出しなければならない。派閥間の暴力が増え
ているため、安定、再建、民主主義への移行に悪影響が出ている、
と認めている。

     国内ニュース

社民党のグーセンバオアーは現蔵相グラサー抜きでの大連立の意向

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは、大連立を組む
場合には、現大蔵大臣カール・ハインツ グラサーを入閣させない
方針である。「彼は富裕層がさらに豊かになり、中流階級から税金
をとった責任者」であり、今後もそれを続ける方針なので、政権構
想には適さない、と社会民主党の筆頭候補である彼は述べた。同様
にグーセンバオアーは教育大臣エリサベト ゲーラー(国民党)の
入閣を拒否している。「彼女が教育大臣に留任すると予告するので
あれば、この選挙戦では最大の脅しである」と語った。




9月2日(土)

     最新ニュース

ウィーンの停電は大部分回復

ウィーン西部と北部の停電は、約3時間で大部分が復旧した、とウ
ィーン電力の送電担当者が土曜夜に、APA通信の質問に答えた。完
全な電力の復旧のために作業が今なお続けられている。停電の原
因は送電線の不良であって、「複雑な故障」である、とのことで
ある。14、15、16、18、19区の一部で、土曜日よる21時45分か
ら1時頃まで、大規模な停電が起きた、との発表であった。

     国外ニュース

イランは国連の南レバノンでの活動を支持

イラン政府は国連に対し、国連軍UNIFILの南レバノンでの活動を
支援する、と約束した。国連事務総長コフィ アナンとの会談後イ
ラン外相マヌシェフル モッタキはテヘランで、イランは国連安全
保障理事会の決議1701号を支持する、と述べた。この決議に基づ
いて、イランが支援していたヒズブッラーとイスラエルの戦闘は中
止された。またモッタキは、国連軍の活動を拡大することはないよ
うに、と警告した。そのようなことをすれば、「緊張がうまれるこ
とになる」と彼は述べた。またアナンの話し合いの中では、国連が
設定した最終期限が過ぎた後の、イランの核計画も取り上げられ
た。アナンは「建設的で前向きな」話し合いであった、と述べたが
その内容については言及しなかった。彼は以前はイランに対する制
裁を即時課すことに反対していた。EUも同様にイランに時間を与
える方針である。

     国内ニュース

自由党はウェルスで選挙戦を開始

国民評議会に国会議員を送りこんでいる5つの政党のうち最後に自
由党は、正式に集中した選挙戦を日曜日に開始する。ウェルスの見
本市が終了したのに合わせて、同党はテントを張って選挙戦の出陣
式を行なった。このテントには3千人の聴衆が収用できるものであ
った。ケルンテン州の「ジョン・オッティ・バンド」が雰囲気を盛
り上げ、オーバーエスターライヒ州自由党党首ルッツ ヴァインツ
ィンガーが歓迎の言葉を述べた。連邦時湯桶を代表してハインツ・
クリスティアン シュトラーヒェだけが演説を行なった。1月にす
でに、自由党はウェルスを恒例の新年の会合の場所として選んでい
た。




9月3日(日)

     国外ニュース

トルコでは再び攻撃 死者2人 負傷者14人

昨日トルコの南東部にある茶畑で爆弾による攻撃が行なわれ、2人
が死亡、14人が負傷した。遠隔操作装置がつけられた爆薬が、封
筒に仕込まれていた。警官が中身を調査しようと近づいたところ、
爆発が起きた。この攻撃はヴァン州のチャタク市で起きた。当局
は、クルド人反乱組織PKKがこの爆破を引き越した、としている。
1週間前にイスタンブルでは一連の爆弾攻撃があり、観光客が訪れ
るマルマリスとアンタルヤで、外国人観光客を含め3人が死亡、約
百人が負傷していた。クルド人急進派が、この攻撃を行なったこと
を認めていた。

     国内ニュース

労組同盟は組合員の意見聴取を開始

オーストリア労働組合連合は、切迫した課題である労働組合改革に
関する組合員の意見の聞き取りを昨日開始した。会長ルードルフ 
フンツトルファーは、全組合員の2割ほどにあたる25万人が参加し
てくれる、と見ている。正式に質問用紙で意見の聴取が始まるのは
月曜日である。同労組組合員およびその他の関心を持つ人たちは、
10月18日までに労働組合の重要な問題に対する自分の意見を表明
することになっている。同労組連合が特に関心を持っているのは、
組合員が団体労働協約、支援の提供、あるいは追加社会保険などの
うち、どんな分野を重視しているか、という点である。おそらくも
っとも大きな関心を集めるのは、改革の進め方に関するものであ
る。全組合員による投票を望むかどうか、女性と若者を組織の執行
部に迎えいれるかどうか、政党の枠を越えて力を集めることが期待
されているかどうかが確認される。




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