9月4日〜10日のオーストリアのニュース



9月4日(月)

     国外ニュース

アナン「国連がイスラエルとヒズブッラーを仲介する」

国連事務総長コフィ アナンによれば、イスラエルと急進派イスラ
ーム教徒のヒズブッラーは、捕虜の交換をめぐる対立で、国連の仲
介を受け入れた。正式な協定は結ばれていないが、両者は国連が先
頭にたった交渉には賛成した、とアナンはサウジ・アラビアのジェ
ッダで述べた。そのために彼は仲介役を任命するが、その名前は公
表しない、この仲介役が「秘密裡に落ち着いて」両者との交渉を進
められるようにするためである、とアナンは述べた。シーア派のヒ
ズブッラーは7月12日にイスラエル兵2人を誘拐し、8人を殺害し
ていた。民兵側は、この2人を人質にとることで、レバノン人の逮
捕者をイスラエルの収容所から解放しようとした。

     国内ニュース

核をめぐる対立でEUの会合 イランは明日ウィーン入り

EU外務委員ハヴィエル ソラナとイランの主席交渉人アリ ラリ
ジャニは明日ウィーンで、イランの核計画に関する協議を行なう、
と昨日午後ウィーンの外国筋から情報が伝わった。この会談では、
イランの核計画に対する諸外国からの交渉の提案について、イラン
からの回答の個々の点が明確化されることになっている。会合の時
間と場所については両者が合意しているが、今後変更される可能性
もある、と国連とEUの外交官は述べている。ソラナの事務所で
は、ウィーンで会合を行なうことに関して、確認をしていない。
「それは観測である。会合の場所も時間も合意していない」とソラ
ナの広報はAPA通信に述べた。




9月5日(火)

     国外ニュース

トルコ国会はレバノン派兵に賛成

トルコ国会は火曜日、数百人の兵士を南レバノンに派遣することに
賛成した。これに関する動議は、賛成340、反対192で国会議員に
受け入れられた。トルコ兵が国連の南レバノン部隊に参加すること
は、イスラーム教徒が圧倒的に多い同国内で議論となっていた。

     国内ニュース

未来同盟は選挙ポスターに「自由主義」の言葉を使えない

未来同盟は、自由党との名称問題で仮処分の実施の延期を求める要
求を出していたが、ウィーン民事事件裁判所はこれを却下した。こ
れにより未来同盟は土曜日の深夜までに、屋外広告、パンフレッ
ト、ウェッブサイトから「自由主義者」という名前を取り去らなけ
ればならなくなる、と裁判所広報はAPA通信に述べた。未来同盟か
ら出されていた仮処分に反対する控訴に関して、今度はウィーン上
級地方裁判所が判断を下すことになる。未来同盟広報のウーウェ 
ショイヒは、すべてはまだ進行中であり、期限の土曜日深夜までに
修正を得られるようにする、と述べた。




9月6日(水)

     国外ニュース

イラクではテロで25人が処刑

イラクでは昨日テロ行為に対して有罪判決が言い渡されていた27
人の処刑が行なわれた。大部分はイラク出身のテロリストである、
と内務省の広報がAFP通信に発表した。彼らは、イラクの一般市民
を攻撃したため、死刑判決を受け、処刑命令はイラク副大統領が証
明していた、とのことである。昨年9月の時点で既に、殺人で有罪
判決を受けた犯罪者3人が処刑されていた。これは2003年4月にサ
ッダーム フセイン政権が倒壊して初めての処刑であった。イラク
政府は、米国が主導する政府が廃止していた死刑を再び導入してい
た。

     国内ニュース

グーセンバオアー「自由党を受け入れた少数政府はあり得ない」

国民評議会にむけて昨日夜に放送された社会民主党党首アルフレー
ト グーセンバオアーと自由党党首ハインツ・クリスティアン シ
ュトラーヒェのテレヴィ対決で、両党の意見が接近することは実質
的には見られなかった。シュトラーヒェは場合によっては選挙後に
少数政府に参加するとの提案を行なっていたが、グーセンバオアー
はこれを拒否した。シュトラーヒェはこの提案をみずから弱めた。
ただし両者は介護問題を中心として、内容的にはそれほど大きく意
見を異にしているわけではない。グーセンバオアーは、連立に関す
る観測は結局何も産み出さない、とだけ考えている。社会民主党の
側からすれば、少数政府を支持することは拒否する、というのは
「当たり前」で、怪しげな冒険に加わることはできない、とも語っ
た。




9月7日(木)

     国外ニュース

EUは液体の機内持ち込み禁止で合意できず

ロンドンのテロ攻撃が失敗に終わってから1カ月、EU諸国はあいか
わらず液体を飛行機の機内持ち込み手荷物にすることを禁止する措
置で、意見をまとめられていない。各国の航空安全の専門家は昨
日、監視の強化だけを決定した。また今後は搭乗前に、携帯用コン
ピューターも監視をしなければならない。この規定を既に実施して
いる国も多い。異論の出ている問題は、液体を機内持ち込み手荷物
にいてることを部分的あるいは全面的に禁止するかどうかである。
これに関してはさまざまな意見があった、とEU専門家会議のオー
ストリア代表ウォルフガング シュツナーは述べた。ドイツは液体
の持ち込み禁止を提案し、英国はこれを支持したが、EUの他の国
々では、そのような要求はあまり見られていない。EUの最終的な
決定は、欧州民間航空会議ECACと国際民間航空機関ICAOの技術
的な協議の後、下されることになっている、と委員会は発表した。

     国内ニュース

社民党党大会 グーセンバオアーは再選間近

国民評議会選挙を3週間後に控え、社会民主党党首アルフレート 
グーセンバオアーは、一般党員からの支持をあてにできる。リンツ
のデザイン センターでの定例党大会で、同党の首相候補である彼
は党首への3度目の再選に望む。選挙の連邦全体の候補者一覧と選
挙綱領が投票、可決されることになっている。2004年の時よりも
多くの人が賛成する見通しである。




9月8日(金)

     国外ニュース

ウィーンでイラン高官会議が行なわれる新たな証拠

EU外務委員ハヴィエル ソラナは、ヘルシンキで行なわれるEUと
韓国および中国との首脳会談への出席を取りやめた。外交官の間で
はこれは、ソラナはイランの核問題をめぐる交渉役アリ ラリジャ
ニと、土曜日にウィーンで行なわれる会談に出席することを意味し
ている、と受け止められている。インターネット上でフィンランド
語で公表された報道機関向けの発表では、ソラナは「直前に問題が
起き」ヘルシンキで予定されているの話し合いへの出席全てを取り
やめざるをえなくなった、と書かれている。ソラナの広報は、彼が
ラリジャニと会うことを認めたが、場所と精確な時間については知
らない、と述べた。オーストリア外務省は、両者の会談が土曜日に
ウィーンで行なわれることを、確認できていなかった。

     国内ニュース

世論調査「政権交代を望む声は2002年より少ない」

10月1日に行なわれる国民評議会選挙では、2002年の投票のとき
よりも、投票する政党を変える有権者は少ないかもしれない。この
ときには約170万人の有権者が、前回と選挙のときと票を入れる政
党を変えていた。全国で候補者を立てる候補者名簿が2つ増えたに
もかかわらず、世論調査は、前回の国民評議会選挙の時の投票先を
変えた人数記録は破られることない、と見ている。それにもかかわ
らず各政党は、いつも自分に投票してくれる固定投票者を当てにす
ることはできない。またある世論調査によれば25ないし30%の有
権者が、投票先をまだ決めていない。




9月9日(土)

     国外ニュース

近東問題でオルメルトはアッバスと会談の方針

土曜日にイスラエル首相エフド オルメルトは、パレスチナ大統領
マハムード アッバスと会談を行なう、と予告した。この会談で
は、和平を進める今後の過程について話し合いが行なわれる、とオ
ルメルトは英国首相トニー ブレアとの会談後に述べた。彼はアッ
バスとの会合の目的を、近東和平計画いわゆる路程表の実施を実現
するためである、と述べた。ブレアは日曜日には西ヨルダンランド
を訪問する計画である。また彼は日曜日にはベイルートに向け出発
する、とレバノンは発表した。オルメルトは、近東和平計画は、パ
レスチナ人との対話を進める上での土台であり、一歩一歩実現して
いかなければならないが、まず最初に武装パレスチナ人の武装解除
から始める、と述べた。またイスラエルにとっては誘拐されたイス
ラエル兵の解放が最優先事項である、とも語った。またオルメルト
は、急進派イスラーム教のヒズブッラーに対する武器輸出を阻止す
るために、国際部隊をレバノンとシリアの国境に駐留させることを
求めた。一方ブレアは、国連決議1701号が実施されるなら、この
地域の和平に向けて大きな一歩である、と述べた。

     国内ニュース

元ビラ社長シャレが未来同盟から立候補

元ビラ社長ファイト シャレが10月1日の国民評議会議員選挙に未
来同盟から立候補する。彼は党首ペーター ウェステンターラーに
続く候補者名簿第2位の地位を得た。ウェステンターラー(63歳)
は昨日、くら替えしてきた新規参入者であるシャレを社会民主党支
持の有権者だけでなく、現代的な中産階級に訴えかける「強力な味
方」と紹介した。シャレは40歳台にビラで積んだ経歴が豊かで、
雇用の創出に成功した、と述べた。シャレは未来同盟にとって、経
済と雇用を担当する人物である、と述べた。同党の候補者名簿の第
1位はウェステンターラー、第3位は、会派長ヘルバート シャイ
プナー、第4位の法務大臣カーリン ガスティンガーが女性最上
位、続いて社会福祉大臣ウルスラ ハオプナーである。




9月10日(日)

     国外ニュース

米国は9月11日を追悼

月曜日には米国は追悼式と全国で黙祷を行ない、2001年9月11日
のテロ攻撃を悼む。乗っ取られた飛行機2機のうちの最初の飛行機
が、ニューヨークの世界貿易センターに突っ込んだ時間である現地
時間の8時46分に、米国全土は静寂に包まれる。米大統領ジョージ
W. ブッシュと妻ローラは、攻撃を受けたニュー ヨーク、ワシン
トン、ペンシルヴァニアをすべて訪問し、追悼式に出席する。元米
大統領ビル クリントンと国防大臣ドナルド ラムズフェルドも追
悼式に出席する。よるにはブッシュはテレヴィで国民にむけ演説を
行なう。5年前の攻撃では、3千人近くの人々が死亡した。これに
合わせて米国のテレヴィ局ABCは、「9月11日への道」という高予
算のドラマを放送する。この番組を右派保守派の傾向をもち、「虚
構の歴史を描いている」と批判しているものもいる。クリントンは
この映画の放送中止に賛成している。またアル カーイダ首領のビ
ン ラーディン捜索に数億ドルと秘密情報部を投入することになっ
ている。

     国内ニュース

「真の自由主義」はどちらかで未来同盟と自由党は和解せず

分裂した第三陣営は、あいかわらず和解しない姿を見せている。日
曜日のテレヴィ番組「はっきりいえば」の議論の中で、1年半前の
分裂以来初めて、かつての仲間で現在は敵対してしている未来同盟
の州首相イエルク ハイダーと自由党の行政に対する不満を受け付
ける国民の弁護士エーワルト シュタッドラー、EU議会議員アンド
レアス メルツァーが公の場で対決した。両者は「真の自由主義
者」の代表を名乗る権利は自分にある、と主張している。シュタッ
ドラーは「第三陣営は自由党が代表している」と強調し、ハイダー
は「イデオロギーの育成機関」としての未来同盟決闘の際に、自由
主義を捨ててしまったので、第三陣営の後継者を名乗る権利はな
い、と述べた。メルツァーは未来同盟の分離を、「壊滅的な打撃」
の試みであったが、そこから自由党の「自浄作用」と「再発見」が
成し遂げられた、と述べた。ハイダーは、選挙局が未来同盟に「自
由主義者」という言葉を使うのを認めたのだから、未来同盟は正当
な権利をもって「自由主義」を名乗ることができる、未来同盟は現
在では脱イデオロギー化し、市民の大連立となっている、と主張し
た。




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