10月9日〜15日のオーストリアのニュース



10月9日(月)

     国外ニュース

ポーランド「ガスはロシア・ウクライナの業者から来ていない」

ポーランドのガス供給会社PGNiGは現在、ロシア・ウクライナの輸
送業者RosUkrEnergoから、中央アジア産の天然ガスを受け取って
いない。アジアからポーランド東部のドロツドヴィクツェのポンプ
場を経由して行なわれる輸送は、先週予告なしで中止された、と
PGNiG社広報は発表した、とPAP通信社は報じている。
RosUkrEnergo社は、ロシアの国営企業ガスプロムに半分管理さ
れ、ポーランドのガス輸入の19%を輸出している。両者は目下、年
末に切れる輸送契約の延長をめぐって話し合いを行なっている。ポ
ーランドの報道機関はRosUkrEnergoは、輸送中止をちらつかせる
ことで交渉に影響力を行使しようとしている、と見ている。

     国内ニュース

国民党幹部は連立交渉への障害を取り除く

国民党は火曜午後に幹部会を行ない、社会民主党との連立交渉への
道をおそらく平坦にする。さまざまな疑問もあるが、国民党は選挙
で勝利した社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーの会談
への招待に耳を閉ざすことはおそらくないだろう、と見られてい
る。また同党幹部は、交渉団を任命し、その団長には党首で選挙で
敗れたウォルフガング シュッセルを臆可能性が高い。ただし誰が
交渉団に加わるかは、あらかじめ分かってはいない。社会民主党の
側は、先週既に交渉団を決めており、グーセンバオアーの他、同党
所属の州首相、連邦執行部のヨーセフ カープと女性部長バルバラ
 プラマー、労働組合会派長ウィルヘルム ハーバーツェトルが交
渉にあたる。またウィーン社会民主党党首で市長のミヒャエル ホ
イプルは、大連立以外の可能性はない、と述べた。




10月10日(火)

     国外ニュース

プーチン「ポリトコフスカヤ殺害事件は許さない」

ロシア大統領ウラディミール プーチンは、政府に批判的な記者ア
ナ ポリトコフスカヤ殺害を厳しく非難した。「ペテルスブルク対
話」に引き続いてドレスデンでの会談後に、ドイツ首相アンゲラ 
メルケル(キリスト教民主同盟)と臨んだの共同インタヴューで
は、「この犯罪を犯したものを許すことは決してない」と述べた。
ポリトコフスカヤは、西側ほどロシアの国民には広く知られていな
かったが、この恐るべき犯罪は「彼女の出版したものよりも、ロシ
アにとってはるかにひどいものである、とプーチンは述べた。現在
ロシアは「政治的調和、寛容、対話能力を増すために集中的な努力
を行なっている。全体主義を脱却して、近代的な民主主義への道を
進んでいる」とプーチンは語った。モスクワでは2千5百人がポリ
トコフスカヤと別れを告げた。追悼式には多くの記者、外交官、フ
ァンが集まって、国境を越えて調査報告を発表した彼女に別れを告
げた。

     国内ニュース

ウェステンターラーは乱闘ではなく談笑していたと弁明

昨夜のテレヴィ番組で未来同盟党首ペーター ウェステンターラー
は、同党が法務大臣カーリン ガスティンガーの広報を務めるクリ
ストフ ペヒンガーに対する攻撃を行なった事件に関して、発言の
意志を示した。ウェステンターラーは、この非難は当たっていな
い、と述べた。この店では陽気に異論を唱えることもなく話し合っ
ていただけであって、殴り合いはしておらず、15人の目撃者が一
致してこれを認めていた、ペヒンガーが公に述べたこととは全く反
対である、と語った。汚い言葉でののしった、との発言も彼は否定
した。いずれにせよ自分を守るために、この非難に対して法的措置
を取るつもりだ、とも語った。




10月11日(水)

     国外ニュース

ブッシュは核実験で同盟国との協力を強める方針

世界各国から非難を受けている北朝鮮の核実験をうけ、米国大統領
ジョージ W. ブッシュは、この地域の同盟国との軍事協力関係を強
化する方針である。「これには、北朝鮮の攻撃から防衛するため
の、ミサイル迎撃での協力も含まれる」と昨日の大統領府での記者
会見でブッシュは述べた。北朝鮮の共産主義体制派、米国が北朝鮮
への圧力を強めるのであれば、「宣戦布告」と捉える、と威嚇して
いた。ブッシュは、米国は今後も外交的な解決を図る義務を負って
おり、以前と同じくそのために努力するが、米国の利益と友好国を
北朝鮮の脅威から守るために、あらゆる選択肢を行使する可能性が
ある、と強調した。

     国内ニュース

労働組合連合の財政の健全化は2年以内に可能か

オーストリア労働組合連合会長ルードルフ フンツトルファーは、
同連合は今後2年で財政の健全化をすることが可能である、と確信
している。「我々はこの経済的な課題を克服し、解決するつもりで
ある。オーストリア労働組合連合は24カ月後には健全になってい
る、と心から確信している」とフンツトルファーは2005年の同連
合の決算書で自信をのぞかせた。彼は不動産の売却、厳しい支出削
減を行なうことで、同連合の未来を確実なものとする方針で、その
中心は労働と経済銀行BAWAGの売却である。さまざまな作業班が
いて、一連の対策を練りあげており、事業所中央協議会との交渉を
行なった後、これを実施に移す、とも述べた。損失の実質総額は
3,850万オイロである。




10月12日(木)

     国外ニュース

イスラエルはガザ帯状地帯に進軍 死者8人

目撃者の話によれば、イスラエル兵が昨日ガザ帯状地帯に進攻し、
8人のパレスチナ人を殺害した。報復として急進派イスラーム教の
ハマースは、1カ月ぶりにガザ帯状地帯からイスラエルに向けて6
発のミサイルを発射した。このミサイル攻撃による犠牲者はいなか
った。死亡したパレスチナ人の中には、急進派3人が含まれていた
ほか、通りかかった2人も死亡した、とのことである。イスラエル
軍は兵士1人が誘拐された後、ガザ帯状地帯への攻勢を開始してお
り、今までに230人のパレスチナ人を殺害したが、うち半分は一般
市民であった。

     国内ニュース

シュッセル「改革は一切撤回しない」

新連邦政府結成に向け、社会民主党と国民党が話し合いを開始する
前の昨夜、連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は、国
民党の断固たる方針を強調した。国民党がここ数年実施してきた改
革を撤回すると期待するのは無駄である、と同党の交渉の代表であ
る彼はテレヴィ番組で述べた。社会民主党は、国民党と自由党が進
めてきた年金改革の一部を撤回するように求めていた。迎撃戦闘機
オイロファイター購入、基礎生活保障、総合学校の問題に関しても
妥協しない、と述べた。一方今まで農業大臣を務めていたヨーセフ
 プレルは、党首に就任するとの観測を否定し、自分は副首相にも
党首にもならない、と述べた。




10月13日(金)

     国外ニュース

潘基文が国連新事務総長に指名

国連総会は昨日、韓国外務大臣潘基文を発生による賛成で、国連新
事務総長に任命した。彼は62歳で、現職のコフィ アナンにかわ
って2007年1月1日から10年間の任期で、事務総長を引き継ぐ。
国連安全保障理事会の15カ国は月曜日に、全会一致で潘を後任に
することで合意していた。総会での採決は形式的なものとみなされ
ていた。人選に関する不文律に従い、今回はアジアが事務総長をお
さえることになっていた。潘は対外的には穏健かつ外交的な人物と
見られている。ただし、ビロードの手袋の中は鉄の手がある、と評
する人もいる。彼の任期中の課題は、国連改革と国連の行動力を高
め、効果的にすることである。

     国内ニュース

殴打事件はウェステンターラーにとって不利

未来同盟党首ウェステンターラーにとって、「殴打事件」が不利益
になるのは、刑法上の裁判沙汰になるためだけではない。未来同盟
内部での彼の立場も傷つくように思われる。選挙の夜の出来事の話
が彼にまとわりついても、国会の未来同盟の会派長に就任できるだ
ろうか、という問に同党の広報ショイヒは、主任で切るが、各州で
はこの人事に必ずしも全員が賛成しているわけではない、と述べ
た。




10月14日(土)

     国外ニュース

イスラエル大統領カツアフは起訴されるか

イスラエル首相モシェ カツアフに対する性的嫌がらせ容疑での捜
査終了後、警察は控訴の提起を勧告する、と報じられている。警察
は捜査結果を今日、検事長に提出し、検事長は起訴するかどうかを
決定する、と報じられている。警察広報は、警察が大統領に対する
訴訟を勧告するかどうかについては、否定も肯定もしなかった。報
道によれば、警察は捜査結果の中で、カツアフが性的嫌がらせをし
たとされる5人の女性の発言を取りあげている。発覚のきっかけに
なったのは、カツアフと以前一緒に働いていた女性の告発であっ
た。警察から事情聴取を受けたカツアフは、この容疑を否定してい
る。実際に裁判が起こされれば、彼はおそらく辞任せざるをえない
と見られる。

     国内ニュース

プレルはフィッシャーには積極的な姿勢がないと非難

ニーダーエスターライヒ州首相エルウィン プレル(国民党)は、
国民党と社会民主党が、迎撃戦闘機オイロファイター購入問題で緊
迫しているのに、連邦大統領ハインツ フィッシャーには積極的に
関っていない、と非難した。彼はフィッシャーが態度を明らかにす
るように求めた。連立問題を協議する国民党側の交渉団にも属して
いるプレルは、「オーストリア」紙のインタヴューの中で、フィッ
シャーはオイロファイター契約に関して責任があるのに、態度を明
らかにする用意がない、というのは驚きである、と述べた。




10月15日(日)

     国外ニュース

イスラエル警察は大統領カツアヴ告訴を勧告

性的嫌がらせ容疑を数ヶ月間に渡って調査したイスラエル警察は、
大統領モシェ カツアヴを訴えるように勧告した。これに関する決
定は、検事総長メニ マススが下す。カツアヴは強姦容疑で法廷に
立つことになる、と捜査陣は昨日発表した。彼の在職中の軽犯罪、
詐欺と違法な盗聴の容疑での訴訟に対しては根拠がある、とされて
いる。警察活動の妨害および目撃者に対する嫌がらせを行なった、
という容疑の今後の捜査はまだ完了していない、とのことである。
この裁判が起こされることになれば、イスラエルの有力政治家が法
定で責任を問われる最も深刻な容疑となる。また裁判が行なわれれ
ば、彼はおそらく辞任するだろう。

     国内ニュース

カープにとっては国民党からの公式の謝罪要求には問題がない

社会民主党会派長ヨーセフ カープは、厚生大臣マリア ラオホ・
カラット(国民党)の夫アルフォンス メンスドルフ・プイイと対
立しているが、若いの道を探っている。国民党から連立協議開始に
あたって求められている公式の謝罪要求は、カープにとっては何の
問題もないと見られている。連邦首相ウォルフガング シュッセル
(国民党)が金曜日にこれに関する要求を行なったが、カープは数
日前には既に弁護士と契約を結んでおり、「問題解決に役立つな
ら、謝罪声明を行なう」と述べた。弁護士との次回の面会は月曜
で、早くも文言の提案が行なわれることになっている。カープは選
挙前の記者会見で、迎撃戦闘機オイロファイター売却の労働と経済
銀行による事前融資で、メンスドルフ・プイイが手数料を受け取っ
ていたかどうかを問題にしていた。「これは不正ではない。私は彼
の行為を法律違反であると非難したことはない」と述べていた。




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