10月16日〜22日のドイツのニュース



10月16日(月)

スリ ランカで襲撃事件 犠牲者発生

(コロンボ)スリ ランカ北部では、軍の輸送車両に対して自殺攻撃が行なれ、
90人を越える海軍の兵士と一般市民が死亡した。軍の発表によれば、百人を越え
る負傷者が出、そのうちの多くは重傷である。犯人はハバラナ市近くで、爆弾を積
んだ自動車で輸送車団に突入した。この攻撃はタミル人反乱勢力のものたされてい
る。海軍の兵士は、スリ ランカ北部の港町トリンコマリーへ向かう途中であっ
た。

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バグダードでは2件の攻撃で死者は少なくとも20人

(バグダード)イラクの首都バグダードでは二重の攻撃が行なわ
れ、少なくとも20人が死亡した。バグダードの北東のシーア派が
主として住む一角で、2つの自動車爆弾が破裂した。警察の発表に
よれば、最初の爆弾は葬儀が行なわれていた家の前で、次の爆弾は
ほぼ同じ頃人通りの多い市場で破裂した、とのことである。これよ
り前にはバグダードの南東にあるスワイラで爆弾攻撃があり、少な
くとも10人が死亡していた。

米国は北朝鮮危機で積極的な外交を開始

(東京)北朝鮮が核兵器の実験を行なったと発表してから1週間、
米国はアジアで積極的な外交を行ない、国連安保理が決定した制裁
措置の実施を確実に行なう方針である。米外相代理で北朝鮮特使ヒ
ルは数日間にわたるアジア訪問の冒頭東京で、世界各国に対して決
議を断固実施するように呼びかけた。木曜日には米国、韓国、日本
の外相がソウルに集まり、核をめぐる対立を協議する。米国外相ラ
イスもこの会合には出席する予定である。一方米国の調査によっ
て、北朝鮮が先週実際に地下で各実験を行なったことが確認された
が、これはかなり小規模な実験であった、とのことである。

カツアヴは国会の会議出席を中止

(エルサレム)性的嫌がらせ容疑を持たれているイスラエル大統領
カツアヴは、国会クネセトへの出席を取りやめた。彼の兄弟リオル
はイスラエル ラジオに、大統領は国会の威厳を損なわないよう
に、外出しないつもりだ、と述べた。普通であれば大統領が、国会
の新たな会期の開始を宣言するところである。警察は日曜日には数
ヶ月にわたる捜査の結果、カツアヴに対して性的嫌がらせ容疑での
訴訟を起こすように勧告していた。




10月17日(火)

北朝鮮は間もなく2度目の核実験を行なうか?

(ソウル)さまざまな秘密諜報機関の監察結果によれば、世界各国から制裁措置が
科されているにもかかわらず、北朝鮮は引き続き核兵器実験を行なうと決定を下し
た。米国、ロシア、そして中国も東アジアの同国に対して、核兵器実験を行なわな
いように警告した。2度目の実験は、戦闘行為と見なす、と米国外務大臣代理クリ
ストファー ヒルはソウルで述べた。北朝鮮首脳部は、自分たちは国連安全保障理
事会の制裁措置を宣戦布告と見なす、と繰り返した。米国外務大臣コンドリーザ 
ライスは、日本、韓国、中国、ロシアの各政府との会談に向かっている最中であ
る。

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ブッシュは異論もあるテロ法案を発効させる

(ワシントン)米国大統領ブッシュは、一つの法律を発効させた。
この法律は、テロの容疑者の取り扱いで広い範囲の全権を自分に与
え、異論も出ている手法に、確実な法的基礎を付与するものであ
る。この法律には、米国の逮捕者収容所グアンタナモのテロの容疑
者に、特別軍事法定で有罪判決を言い渡すことが含まれている。そ
の際入所者は、拘留条件に対して異議を唱える権限を持たない。ま
たこの法律は秘密情報部CIAに、秘密裡に収容所を持つことを許し
ている。厳しい尋問の手法も認められるが、「残酷かつ通常ではな
い」手法は禁止されている。

インドとパキスタンの間で再び和平交渉

(ニュー デリー)インド西部の経済の中心都市ボンベイで186人
の死者を出した一連の攻撃から4カ月、核保有国であるインドとパ
キスタンは、和平交渉を再開した。ニュー デリーでインド外務省
は、パキスタン政府代表が11月中旬にニュー デリーに来る予定
である、と発表した。インドは、この爆弾攻撃の責任はパキスタン
にもある、としており、交渉を中断していた。主たる対立点である
カシミール問題では、今のところ高尚で突破口を見いだせていな
い。

ポーランド野党は国会解散に失敗

(ワルシャワ)ポーランド議会は、野党が求めた解散を否決し、こ
れによってヤロスワフ カチンスキの右派政権の留任が可能となっ
た。首相カチンスキは議決より前、1カ月前に解任したレッペルと
彼の農民党を再び内閣に加えることで、政権続投のための条件を作
り出していた。セイム(国会)解散に反対したのは243人、野党の
解散提案に賛成したのは182人、22人が保留であった。これによ
って必要な3分の2の賛成には、はるかに及ばなかった。




10月18日(水)

精鋭部隊がアフガニスタンでクルナツと「接触」

(ベルリン)暫定的な調査によれば、国防軍の精鋭兵が、アフガニスタンにある米
国の捕虜収容所で、トルコ系ドイツ人ムラート クルナツと面会したが、彼は虐待
を受けてはいなかった。国防省事務次官クリスティアン シュミットは、彼が虐待
を受けているとの疑いを示す根拠はない、この件に関しては事件が起きた時点で、
国防省に情報がもたらされたが、この情報は政界の首脳には伝えられなかった、と
述べた。連邦議会の国防委員会は、調査委員会としてこの事件を取りあつかう権限
を留保している。

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連邦裁判所はカンター判決の一部を破棄

(カールスルーエ)ヘッセン州キリスト教民主同盟の裏金事件で訴
えられている同州同党の元党首カンターに対する裁判は、一部が新
たに検討される。連邦裁判所は、彼に対する執行猶予つきに18カ
月の拘留との有罪判決を一部破棄し、この裁判をヴィースバーデン
州裁判所に差し戻した。連邦元内相であるカンターは、換算して
1,060万オイロの不正な資金をスイスに、さらにリヒテンシュタイ
ンに移動させた事件に責任がある、とされていた。この資金は主と
して選挙戦の財源にあてられていた。

米国は北朝鮮との対立を落ち着かせるのに賛成

(東京)米国は、北朝鮮との対立を沈静化させる努力を行なってい
る。ただし外相ライスは、東アジアとロシア訪問の冒頭に東京で、
北朝鮮に対する国連制裁を断固実施する用に訴えた。しかし彼女は
同時に、米国政府はこの紛争を激化させることに関心はない、とも
述べた。ライスは東京でまず外相麻生と会談した。その席上彼女
は、米国が日本を防衛する、と強調した。日本には米兵5万人が駐
留している。2番目の訪問国韓国でも、同様の声明を発表するもの
とみられる。

安保理はエリトリアが緩衝地域から撤退することを要求

(ニュー ヨーク)国連安保理はエリトリアに対して、ただちにエ
チオピアとの国境地帯から撤退するように要求した。兵士約1千
5百人と15台の戦車で、非武装地帯に入りこんだのは、2000年
6月の停戦に違反している、と国連安保理の声明の中で述べられて
いる。エリトリアは合意を守り、国連の活動の妨害を即時止めなけ
ればならない、とも述べられている。




10月19日(木)

連邦憲法裁判所はベルリン市の財政訴訟を却下

(カールスルーエ)600億オイロ以上の負債を抱えるベルリンは、連邦からこれ以
上の資金を得ることはできない。連邦憲法裁判所は、極端な財政の緊急事態を訴
え、追加の債務免除の支援を求める首都ベルリンの訴えを退けた。ベルリン市は、
その財政危機を自力で解決できる可能性がかなり高い、と同裁判所は述べた。
連邦政府とその他の州の多くは、この判決に安堵している。各州首相は、バート 
ピルモントで開かれた会合で、連邦と州の財政上の関係に関する新たな秩序を提案
するべく、作業をすすめる、と発表した。

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経済研究所は政府の改革の速度を批判

(ベルリン)ドイツの六大経済研究所は、連邦政府の改革の速度は
あまりに遅すぎる、と批判した。経済界からの追い風を、健康保険
制度、労働市場、税制の大規模な改革に役立てていない、とこれら
の研究所の秋の判断で述べられている。その他には、連邦蔵相シュ
タインブリュックは、支出削減をさらに強化しなければならない、
とも述べている。社会民主党の政治家は、この批判を退けた。経済
研究所は、経済成長予想を今年の2.3%から、2007年には1.4%に
下がる、と予想している。

ベンキュー社の職員2千人が職を失う

(ミュンヒェン)破産した携帯電話製造のベンキュー社は、職員
3千人のうちほぼ2千人が職場を失う。ミュンヒェンで開かれた職
員集会の後、破産管財人プラーガーは、厳しい支出削減を行うこと
によってのみ会社全体が維持できる、と述べた。バイエルン州とノ
ルトライン・ヴェストファーレン州の労働大臣は、以前の所有者で
あるズィーメンス社と台湾のベンキュー社に対して、解雇される職
員を受け入れる会社により多くの資金を捻出するように求めた。し
かしズィーメンス社は、既に約束している3千5百万オイロの支援
金の増額を拒否した。

米国は北朝鮮との交渉の可能性を残す

(ソウル)北朝鮮の核計画をめぐる紛争で、米国外相ライスは、外
交的な解決に関心を持っている、と強調した。米国は、事態を悪化
させるようなことは何も行なうつもりはない、と韓国外相で次期国
連事務総長潘とソウルで会談した後に述べた。また彼女は、北朝鮮
政府により厳しい措置を課すように、韓国に圧力をかけることもな
い、と述べた。北朝鮮では大統領金は、この危機に関する話し合い
を行なうためにやってきた中国の高官を出迎えた。中国は共産主義
の北朝鮮の最も重要な同盟国である。




10月20日(金)

EUはプーチンへの要求で足並みを揃える

(ラハティ)EUはロシアに対して、エネルギー政策上の信頼性を高めるように求
め、人権問題を改善するように主張した。EU加盟各国の首脳はフィンランドで行
なわれた会合で、この2つの問題をロシア大統領ウラジミール プーチンとの会談
の主要な議題とすることで合意した。プーチンは共に夕食を取るために、この会議
に向かっていた。EUは既に、消費する石油およびガスの4分の1をロシアから購入
しており、今後はこの割合がさらに高くなる可能性がある。ドイツはロシアのガス
の最大の買い手であり、他の国よりもロシアからの輸送に大きく依存している。

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政府は経済成長は持続すると予測

(ベルリン)連邦政府は、ドイツの経済成長は持続する、と見てい
る。今後数年間、景気は平均して1.8%上昇する、と経済大臣グロ
スはベルリンで述べた。今年の経済成長は2.3%を見込んでおり、
来年は付加価値税の増税のため1.4%の上昇と見ている。この数字
は、主要経済研究所の予測にぴったり同調するものである。

州の負債に対する規則の強化をめぐる議論

(ベルリン)カールスルーエの憲法裁判所が、ベルリンの財政状況
に対する判断を下したため、各州の負債に関する規則を強化するこ
とをめぐって、激しい議論が起きた。連邦政府は、連邦法によって
過大な負債を負えなくすることを提案しているが、これは各州が一
致して反対している。この提案は連邦の権限を逸脱しており、これ
を実施することになれば憲法違反となる、とバート ピルモントで
2日間にわたって会議を行なっている16州の首相の声明の中で述べ
られている。

ショイブレは反テロのための情報蓄積に理解を求める

(ベルリン)連邦内相ショイブレは連邦議会で、計画中の反テロ法
の拡充計画と、テロ対策の情報保管所の導入に賛成するように求め
た。この政策は、国民の安全のためにどうしても必要なものであ
り、情報の共有が重要である、とショイブレは述べた。野党は、警
察および秘密情報部の権限が不明確になる可能性がある、との異議
を述べ、賛成する条件として、抜本的な修正を行なうことを挙げ
た。




10月21日(土)

労組連合は大規模デモで政府に方針転換を求める

(シュトゥットガルト)ドイツの5つの大都市では約20万人が、連邦政府の改革の
方針に反対して、デモを行なった。ドイツ労働組合連合が中心となって組織した抗
議活動のうち、最大の集会はシュトゥットガルトで行なわれた。労働組合連合は連
邦首相アンゲラ メルケルが率いる大連立政府は、社会的に不公平な政策を取って
いると非難し、健康、年金、税制の各分野で方針を転換するように求めている。シ
ュトゥットガルトで同連合会長ミヒャエル ゾマーは、社会の中層部分からの警告
を無視しないように、と注意し、これを無視したために前政権は政治的に失敗した
のだ、と述べた。

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ロシアは北朝鮮に対する制裁強化を拒否

(モスクワ)米国外相ライスの訪問を受けたロシア首脳部は、北朝
鮮との核対立で、共産主義の同国に対してより厳しい罰則と制裁を
課すことを拒否した。外相ラヴロフはライスとの会談を前に、米国
と北朝鮮が柔軟な態度を取るように求めた。同時に彼の広報は、ロ
シアは国連安保理が北朝鮮に対して課した制裁は、厳格に実施する
つもりだ、と強調した。ライスは、ロシア大統領プーチンとも北朝
鮮に対する共通戦略について話し合った。ライスはモスクワでは、
殺害されたロシア人記者ポリトコフスカヤの息子や同僚数人とも会
談した。

イラクの市場で攻撃 死者多数

(バグダード)イラクの都市マハムディヤで榴弾による攻撃が行な
われ、多数の人が死亡した。国営テレヴィによれば、30人が死亡
した。一方イラク治安部隊筋の情報では、何者かが12発の擲弾筒
を同市の市場に向けて発射し、少なくとも16人が死亡した、との
ことである。これより前にバグダードでは、バスを狙った自殺攻撃
が行なわれ、4人が死亡していた。アンバル州の蜂起勢力との交戦
では、米兵3人が死亡した。

ブッシュは将軍たちとイラクについて協議

(ワシントン)米大統領ブッシュは、数人の将軍をイラク情勢につ
いて協議した。詳細については発表されなかった。政府の代表者た
ちはこの会合を前に、ブッシュがイラクでの戦略を修正する計画で
ある、との情報を打ち消していた。またこれより前毎週恒例のラジ
オ演説でブッシュは、米国はイラクの蜂起勢力との戦いを断固続け
ていく、と強調していた。また彼は、活動が終了するまでは、米国
は兵士を戦場から引き揚げない、目標が勝利であることは変わりが
ない、とも述べていた。イラクでは今月だけで、米兵75人が死亡
している。




10月22日(日)

米英はイラク問題の方策を探る

(ワシントン)イラクでの暴力沙汰が激化していることを受け、米国と英国は新た
な戦略を模索している。「ニュー ヨーク タイムズ」紙によれば、米国政府はイ
ラクに対し、諸宗教組織相互の暴力を抑え込み、民兵の武装解除を行なうためのひ
な形となる予定を呈示する方針である。この計画は首相ヌリ エル マリキ二年末
までに提案することになっている、と官僚の言葉として報じている。また米軍の撤
退は計画されていない、とも報道されている。一方英国の「ガーディアン」紙によ
れば、米英の協議では、部隊の一時的増強およびイラクの連邦州への分割を含め、
8つの対策が議論される、とのことである。

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タリバーンの指導者がNATOを脅す

(カブール)アフガニスタンのタリバーンの反政府勢力の指導者ム
ッラー オマルは、断食月ラマダンの後の期間に、NATO軍に対し
て新たな襲撃をかける、と威嚇した。また地下に潜入しているタリ
バーンの首脳である彼は、国際保護部隊ISAFの撤退を要求した。
通信社にあてた声明の中でオマルは、かつてのソ連の占領軍兵士同
様、米兵も追い出すことができる、と自信をのぞかせた。アフガニ
スタン南部では、蜂起勢力がNATOの輸送部隊を襲った。同盟軍の
発表によれば、サブル州での戦闘では、反乱勢力と見られる15人
が殺害された。NATOの兵士2人が負傷した。

スーダンは国連特使プロンクの国外追放を命令

(ハルツーム)スーダン政府は国連特使プロンクを国外追放にし
た。プロンクは同国から退去するまで72時間の猶予を持っている、
と外務省は発表した。彼は紛争地域ダルフールのスーダン軍が撤退
すべきであると発言したため、金曜日に同国政府は彼を批判してい
た。軍はプロンクが、間違った情報を捜査して、軍に「神経戦」を
挑んでいる、と非難していた。国連とスーダンは数ヶ月前から、
2003年以来政府に近い立場の民兵と反乱勢力が戦闘を繰り広げて
いるダルフール地区への国連軍兵士派遣をめぐって、対立してい
る。プロンクの国外追放を批判する声は、英国からの他、スーダン
南部の自治政府からも起きている。

再びランペドゥサ島に440人ほどの難民が上陸

(ローマ)イタリアの沿岸警備隊は、地中海の島ランペドゥサ沖合
いで、再び4百人以上の不法移民を乗せた船を拿捕した。この船の
状態は悪く、携帯電話で彼らは救助を求めていた、と当局は発表し
た。難民はリビアから船に乗ったものと見られている。数時間後に
は静かな海で、36人を乗せた2隻目の船がシチリアと北アフリカの
間にある島に到着していた。




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