12月18日〜24日のオーストリアのニュース



12月18日(月)

     国外ニュース

停戦にもかかわらずファタハ隊員がガザ帯状地帯で殺害

ファタハの隊員の情報によれば、停戦が成立したにもかかわらず、
パレスチナ大統領マハムード アッバスが率いる穏健派の組織であ
るファタハの支持者1人が殺害された。それによれば、沿岸地域の
北部で攻撃が行なわれ、このほかにファタハの3人が負傷した。フ
ァタハの代表者は、政権を持つハマースの支持者が、難民収容所ジ
ャバリヤを攻撃した、と述べた。治安部隊筋の情報では、日曜日に
停戦に合意がされたばかりであるが、ガザではこの事件より前に、
ハマースとファタハの間で銃撃戦が起きていた。

     国内ニュース

連立交渉は基本保障で意見が一致か?

ザルツブルク州社会福祉大臣エルウィン ブーヒンガー(社会民主
党)は、経済大臣マルティン バルテンシュタイン(国民党)との
交渉の後、基本保障問題では、月曜日夜に「広範な内容面での一
致」を見た、と報告した。それによれば問題となっている失業給付
金、緊急支援金の問題では、一月の最低加入料726オイロの導入は
行なわれない。ブーヒンガーによれば、この問題では改善がなされ
る、とのことである。ただし彼は財源をどうするのかはまだ決まっ
ていない、と指摘した。失業給付金問題では、手取りの保証金の割
合を55%から60%に、緊急支援金に関しては配偶者の収入による免
除の上限が撤廃される。一方バルテンシュタインの事務所は、ブー
ヒンガーがまた合意をしたと「不正かつ性急な」発言をすると、交
渉の役に立たない、と発表した。




12月19日(火)

     国外ニュース

ファタハとハマースは新たな停戦で合意

ガザで流血の戦闘があったことを受け、対立するパレスチナ人組織
ハマースとファタハは火曜日夜、双方の武装した戦闘員を引き揚げ
ることで合意した。大統領マハムード アッバスはこの停戦合意が
22時から有効である、とした。パレスチナ治安筋の情報では、今
回の新たな停戦合意はエジプトの仲介で成立した。先日停戦が合意
したにも関らず、両者間での暴力は激化していた。アッバスは敵対
する両者に向けて、和解を呼びかけていた。一方ハマースの首相イ
スマイル ハニーヤは、選挙を拒否し、米国が彼の政権の追い落と
しを試みている、と非難した。

     国内ニュース

トゥンペル・グーゲレル「エルスナーとは話し合っていない」

国立銀行元副総裁ゲルトルーデ トゥンペル・グーゲレルは火曜
日、労働と経済銀行の調査に介入した、との非難を退けた。労働と
経済銀行頭取ヘルムート エルスナーは、2000年末に、銀行の調
査を担当していた副総裁が、国立銀行の労働と経済銀行に関する監
査報告書について話し合う、と予告していた、と労働と経済銀行の
理事会長クリスティアン ビュットナーは述べていた。トゥンペル
・グーゲレルは、銀行調査委員会でこれを否定し、そのような会談
は行なわれなかった、と述べた。この問題に関しては社会民主党と
自由党が激しい応酬を行なった。




12月20日(水)

     国外ニュース

ロシア政府「ポロニウムは核施設からなくなっていない」

ロシア政府代表は、元スパイのアレクサンダー リトヴィネンコの
毒殺事件で使用された放射性物質ポロニウムが、国が保有するもの
であった可能性はない、と述べた。ロシアの核施設の調査の結果、
ポロニウムが消えた可能性はない、とロシアの核施設の監督を担当
するロスネヒナゾルの長官コンスタンティン プリコフスキは述べ
た。大統領プーチンを批判していたリトヴィネンコは、11月23日
にロンドンでポロニウムを盛られて死亡していた。彼は死の床で、
この毒殺事件はプーチンが引き起こした、と述べていた。ロシア政
府はこの非難を否定した。

     国内ニュース

アーヴィング判決にたくさんの批判

ホロコーストを否定するデイヴィッド アーヴィングに対する判決
に対して、多くの批判がとくにイスラエルから起きている。「テヘ
ランでホロコーストはなかったとする会議が行なわれてわずか1週
間、オーストリアではホロコーストを否定するアーヴィングは自由
の身になった。彼は3年の拘禁刑の期間のうち、わずか1年だけで
釈放される」とイスラエルのテレヴィ局は、アーヴィングの釈放を
前に水曜夜に報じ、「オーストリアはイランの側についているの
か?」と論評した。さらに同局は、「イランで私たちが見たよう
に、ますます減少する実体験者の報告や、文書や映像、正義や公正
が、アーヴィングやアフマディネジャドらを納得させることはない
のだ」とも伝えた。




12月21日(木)

     国外ニュース

イラクでの大量殺戮容疑で米国海兵隊員が起訴される

イラクの村落ハディタで一般市民24人が殺害されたとされる事件
から1年以上たち、米国の放送局CNNによれば、米国の兵士1人が
13件の殺害容疑で起訴された。その報道によれば、検察は海兵隊
員フランク ウテリッチを訴えた。目撃者の話によれば2005年11
月19日に、バグダードの北西200キロにある村落で、数人の海兵
隊員が、一般市民を血の海に浸し、女性や子供も死亡した。この事
件の前には、道端に隠されていた爆発物は、米兵1人を殺してい
た。

     国内ニュース

ホロコーストを否定するアーヴィングは国外退去に

英国人でホロコーストはなかったと主張するデイヴィッド アーヴ
ィングは、木曜午後にオーストリアから国外退去となった。彼を乗
せた飛行機は19時に、ウィーン空港からロンドンに向けて出発し
た。彼に対しては無期限のオーストリア滞在禁止命令が出されてい
る。彼は水曜日に拘禁刑から釈放され、その直後に収容所に入れら
れていた。ウィーン上級地方裁判所は、前日アーヴィングの控訴に
応じて、3年の拘禁刑の3分の2を免除していた。彼は2006年2月
にナチ的な活動を行なったという容疑で、ウィーンの陪審裁判所で
自由を奪う刑罰が言い渡されていた。アーヴィングは既に13カ月
以上未決勾留で過ごしており、これとあわせて完全な拘留1年に換
算された。




12月22日(金)

     国外ニュース

独CSUのスパイ疑惑でシュトイバーの親友が辞任

スパイ疑惑で追い込まれていたバイエルン州首相エドムント シュ
トイバーは、クリスマス直前に、解任を行なった。党の主要な女性
政治家が数日前から、シュトイバーは彼女の私生活を嗅ぎ回らせて
いた、と非難していた。昨日キリスト教社会同盟党首シュトイバー
の事務所長で、親友が職を退いた。これによってシュトイバーをめ
ぐる疑惑に、決着がついたかどうかははっきりしていない。

     国内ニュース

ラオホ・カラットは喫煙禁止計画を擁護

厚生大臣マリーア ラオホ・カラット(国民党)は昨日午後、分離
された空間を除いて、飲食店での喫煙を全面的に禁止する計画を擁
護し、食事を楽しむ人たちと協力しなければ対策を取ることはでき
ない、と強調した。未来同盟党首ペーター ウェステンターラー
は、テレヴィ番組の中でこれを批判し、このような法律は国会で成
立させないつもりである、と述べた。ラオホ・カラットは、誰もこ
れで被害を受けることはない、と確約した。




12月23日(土)

     国外ニュース

オルメルトはアッバスに対して譲歩する用意

突然行なわれたイスラエル首相エフド オルメルトとパレスチナ大
統領マハムード アッバスの会談では、いくつかの譲歩が行なわれ
た。アッバスの信任が厚いサエブ エレカトの情報によれば、オル
メルトはアッバスに対し、現在イスラエルが凍結しているパレスチ
ナ人の税金1億ドルを引き渡す、と約束した。この資金は人道的な
目的に使われることになる、とのことである。その他両者は、和平
の過程を前進させることで合意した。オルメルトとアッバスは、そ
れぞれを今後の「真の交渉相手」として協力する、と会談後にオル
メルトは述べた。ただし、パレスチナ側はイスラエルにいるパレス
チナ人逮捕者を釈放するように求めたが、オルメルトはイスラエル
がそうする前に、武装パレスチナ人によって誘拐された兵士シャリ
ットの解放が先である、と述べた。

     国内ニュース

自由党には11月から会派の資金を手に入れる

自由党は11月の時点から国会の会派の資金を手に入れる。国民評議
会議長バルバラ プラマー(社会民主党)は、11月および12月分
の支払いを行なうように申し入れている、と昨日の通達の中で述べ
た。自由党は憲法裁判所に対して、この2カ月間の40万5千オイロ
の支払いを請求する訴訟を起こすために、問い合わせを行なってい
た。国会はもともと、会派の財源は3カ月ごとに発生するので、自
由党には2007年になってからこの要求をする権限が生ずるという
立場である。新国民評議会は既に10月30日に成立していた。プラ
マーは数週間前に、会計検査院長官ヨーセフ モーザーに、解釈上
の余地を検討するように申し入れていた。今回公表された会計検査
院の態度表明で、自由党に対する資金の2カ月分の支払いが提案さ
れている。




12月24日(日)

     国外ニュース

首相「エティオピアはイスラーム教徒と戦争状態」

首相メレス ゼナウィによれば、エティオピアは隣国ソマリアのイ
スラーム教徒民兵と戦闘状態にある。「エティオピア軍は、急進派
と反エティオピア勢力の攻撃を迎え撃ち、自国の主権を守るため
に、戦闘に入らざるをえない」とゼナウィはテレヴィで述べた。数
時間前にはエティオピアは、ソマリアの民兵に対する空爆を行なっ
ていた。政府は「イスラーム教徒の正義評議会」および外国のテロ
組織に対して攻勢をかけている、と広報は発表した。ソマリアでエ
ティオピア軍が活動し、政府軍とイスラーム教徒の間の紛争にエテ
ィオピア政府が介入することを認めたのは、初めてのことである。
目撃者の話では、数週間前からエティオピア兵はソマリアに派遣さ
れている。紛争が拡大する懸念が持たれている。エティオピアを敵
視しているエリトリアは、友好関係にあるイスラーム教徒の支援を
急ぐかもしれない。

     国内ニュース

グーセンバオアーとプレルは政権樹立を楽観視

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは、日曜日のテレ
ヴィ番組「闇に光を」の中で、大連立政権を成立させられると自信
をのぞかせた。環境大臣ヨーセフ プレル(国民党)も、数日前よ
りもさらに楽観視できる、との意見を持っている。また連邦大統領
ハインツ フィッシャーも、社会民主党と国民党が大連立で合意す
るだろうと述べ、その理由として多くの善意があり、それに向けて
合理的な判断が行なわれることを挙げた。




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