1月8日〜14日のオーストリアのニュース



1月8日(月)

     国外ニュース

ブッシュはイラク新戦略を間もなく発表

米大統領ジョージ W. ブッシュは、緊張感をもって見守られている
イラク新戦略を水曜日に発表する方針である。ブッシュは現地時間
の21時に、全土に中継されるテレヴィ演説で、米国市民に呼びか
けることになっている、と大統領府の発表として米国の報道放送局
CNNが報じている。ブッシュ演説が行なわれる前に、新たな戦略の
支柱部分は既に発表された。それによれば、米国政府は少なくとも
2万人の兵を追加派遣し、大規模な支援を行なって経済にてこ入れ
を行なう方針である。兵士は主として6百万人が住む首都バグダー
ドに派遣される。現在バグダードではすべての攻撃のうち3分の2
が起きている。ブッシュは首相ヌリ エル マリキ政府に対して、
少数派スンニー派を政治の場に引き入れるように求めている。今ま
で在イラク米国大使を務めていたザルマイ ハリルザドは、今後は
国連大使となる。ブッシュは代わりに、今まで在パキスタン大使で
あったライアン クロッカーをこの職に就ける、と大統領府広報は
発表した。

     国内ニュース

大連立政権の協定成立 組閣へ

大連立が合意に達したが、この後に幹部会議から承認を得なければ
ならない。いわゆる鍵を握る大臣はすべて国民党が握るのではない
かとの噂に、社会民主党内部では既に強い不満が生まれている。国
民党はおそらくカール・ハインツ グラサーを大蔵大臣兼副首相に
氏名した場合には、これに対抗できる人はおそらくいないものと見
られる。明日には閣僚名簿が公表されることになっている。この連
立合意が、報道機関を含めて、どのような反応を引き起こすのだろ
うか。そしてこの政府に何を期待してよいのだろうか?




1月9日(火)

     国外ニュース

イランは核兵器流出防止条約を堅持する方針

イラン政府は、今後核兵器流出防止条約を守る方針だ、と発表し
た。同国は国連の核監視組織である国際原発機構IAEAと協力のあ
り方を再検討するかもしれないが、この条約の署名国の輪から抜け
出すことはない、と主席交渉人アリ ラリジャニは述べた。国連安
全保障理事会の制裁を受けた後、イラン議会はIAEAとの協力関係
を再検討することを政府に義務づけていた。国連安保理はこの制裁
により、西側が核兵器を製造しようとしていると推測しているイラ
ンに、核計画を放棄するように迫る方針である。

     国内ニュース

世論調査では52%が国民党が自らの意向を押し通したと判断

オーストリア人の過半数が、連立協議では国民党が自らの意向を認
めさせた、と考えている。テレヴィ番組のために行なわれた500人
を対象とする世論調査では、国民党が社会民主党との連立交渉で、
自分たちの考えを押し通したと考えている人が52%で、社会民主党
がそうしたと見ている人はわずか16%であった。21%の人は、両者
が同じぐらい意向を認めさせた、と考えていた。11%が解答を寄せ
なかった。また49%の人は、新連立政権ではほとんど何も変わら
ず、ここ数年の政策がそのまま続行される、と見ている。そう考え
ない人は39%であった。12%がこの問に解答しなかった。大学授業
料導入ではなく、一学期ごとに60時間の社会活動を行なう計画に
ついて、62%の人が良い考えであると見ているが、23%の人は別の
案を考えるべきだと解答し、16%の人がこれを知らなかった。




1月10日(水)

     国外ニュース

ブッシュは2万1千5百人の兵士をイラクに増派する方針

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、約2万1千5百人の兵士をさら
にイラクに派遣する、と発表する方針である。これにより、イラク
が完全な無秩序状態に陥らないようにする努力を支援する、と大統
領に先立って、幹部の1人が述べた。海兵隊4千人がエル アンバ
ル州に、1万7千5百人が首都バグダードに派遣されることになって
いる。その他ブッシュは、10億ドルほどをイラク、市民社会、司
法制度、産業基盤の再建に支出する方針である、とのことである。
ブッシュは今後の戦略を、数時間後にテレヴィ演説で発表する、と
のことである。

     国内ニュース

デモが内閣の宣誓式に暗い影を投げかける

少なくとも6百ないし8百人のデモ隊が、閣僚の宣誓式が行なわれ
る午前中にバルハオス広場に集まる、と警察は予想している。最大
で350人ほどの警官が木曜日に動員され、このデモを監視する、と
ウィーン憲法保護およびテロ対策局のウェルナー アオテリッキー
は予告した。デモ隊側にも警官の姿が見られる。この抗議集会に
は、社会民主党の労働組合である警察労働組合も参加する。社会民
主党青年部の他、共産党も抗議の提案をしており、これは10時に
始まることになっている。




1月11日(木)

     国外ニュース

ブッシュは米軍で演説し イラク新戦略に理解を求める

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、国民にむけたイラク演説を行
なってから1日、米軍を前に演説し、異論も出ているイラクに平和
をもたらすための新たな戦略に理解を求めた。イラクの2006年
は、思っていたより困難であった、とジョージア州のフォート ベ
ニングで今日も繰り返した。彼は水曜日夜の演説で、イラクに2万
1千5百人の派遣を行なう、と予告していた。急進派イスラーム教
徒の脅威により、世界のこの地域で失敗することは、悲惨な事態を
招くことになる、と警告し、イラクからの撤退を現在行うのは誤り
である、とブッシュは述べた。また彼は誤りを犯したことを水曜日
に認めていた。

     国内ニュース

オイロファイター調査委員会「分割払いには異論」

迎撃戦闘機オイロファイター調査委員会は、10時間を越える証人
喚問を行なった後に終了した。会議の終わりに国防省の評価委員会
の元議長ウォルフガング カターが、経費とその利用価値の分析に
ついて、質問を受けた。費用の支払いの方法として、半年ごとの
18回にわたる分割払いでオイロファイターを購入することを優先
したと非難されているが、彼はこの批判は当たらない、と述べた。
最後の職権行為として、旧政府は初回の分割金を既に支払ってい
た。次回の事情聴取は来週水曜日に行なわれ、国防省のカール ホ
ーファーとエルウィン ワル、自由党のウィーン市議会議員ウォル
フガング ユングと未来同盟の会派長ギュンター バルネットが証
人となる。




1月12日(金)

     国外ニュース

中国とロシアはミャンマーに対する国連決議を拒否

中国とロシアは、米国が国連安全保障理事会に提案した、ミャンマ
ーに対する決議案を拒否した。この案は火曜日に提出されたもの
で、ミャンマーの情勢は悪化しており、この地域の平和と安全にと
って深刻な危機となっている、としている。同国に対しては、民主
化のための改革を実施し、すべての政治犯を釈放し、少数民族に対
する暴力を行使しないように求められている。ただしこの案は制裁
を含んではいない。昨年末にはすでに米国は決議案を提出してい
た。またこの中では軍事政府の人権侵害が公然と非難されている。
最も重要な事例は、同国のノーベル平和賞受賞者アウン サン ス
ー チーが、17年前からほぼ途切れることなく、軍事政権により
自宅に拘束されていることである。ミャンマーは1962年以来軍に
よって支配されている。

     国内ニュース

法務大臣ベルガーは外国人法は修正が必要と見る

社会民主党所属の法務大臣マリア ベルガーは、国民党と未来同盟
の連立かで決定された外国人法には、修正が必要だ、と考えてい
る。「この法律には、夫婦の国籍が異なる結婚など、私の意にそぐ
わない部分がある。私はもう修正が必要だと思っている」と「エス
ターライヒ」紙に彼女は述べた。同性同士の結婚を、財産権などに
関して普通の結婚と同じ扱いにする問題についても、彼女は積極的
に行動する方針である。「クリール」紙でベルガーはこの問題に関
して、国民党は後手を踏んでいる、と非難した。あるインタヴュー
の中で副首相ウィルヘルム モルテラー(国民党)は、この問題の
進展をおさえる、と述べている。




1月13日(土)

     国外ニュース

チャヴェス「アフマディネジャドは正当な戦いをしている」

ヴェネズエラ大統領フーゴ チャヴェスは、イラン大統領マハムー
ド アフマディネジャドを、「正当なことを求めている戦士」であ
る、と評した。アフマディネジャドとカラカスで明日会う予定であ
ったチャヴェスは、彼は「兄弟」であり「革命家」である、と述べ
た。チャヴェスは、反ユダヤ人発言をしたため問題視されているア
フマディネジャドを積極的に支援している。ヴェネズエラは、核兵
器流出防止のための協定をイランが破ったのではないか、との国際
原発機構の2005年9月の決議に反対した唯一の国であった。さら
にヴェネズエラはイスラエルの近東政策を厳しく批判している。ア
フマディネジャドは4日間にわたって中南米を訪問しており、この
4カ月で2度目のヴェネズエラ訪問である。

     国内ニュース

世論調査では国民党が社民党より優位に立つ

国民党は有権者の支持では社会民主党を上まわっている。「クリー
ル」紙のために「総合」研究所が行なった世論調査では、このよう
な結果が出た。それによれば今日選挙があれば37%が国民党に、
32%が社会民主党に投票する。10月1日の選挙では、社会民主党が
35%、国民党が34%の支持であった。首相自身も、大学の授業料導
入問題の解決や、大臣人事で抗議を受けたため、国民からは可もな
く不可もない評価を下されている。閣僚の中で誰に共感できるか、
との質問では、副首相ウィルヘルム モルテラー(国民党)が42%
で、連邦首相アルフレート グーセンバオアー(社会民主党)の
38%を上まわっている。ただし「総合」研究所は、この結果を過大
評価しないように注意をしている。社会民主党支持者の中には、不
満を持ち、自分たちの投票を公開しているものも多いので、現時点
では社会民主党が低い支持になっている可能性がある、と同研究所
の所員ベルトラム バルトは述べた。




1月14日(日)

     国外ニュース

米外相ライスはアッバス支援を強める

米国外相コンドリーザ ライスは、急進派イスラーム教徒ハマース
との勢力あらそいで、パレスチナ大統領マハムード アッバス支援
を強く打ち出した。同時に彼女は、米国が近東紛争により積極的に
関与して行く、と予告した。日曜日にアッバスと会談した彼女は、
パレスチナ治安部隊のために武器を提供し、人員育成を行なう長期
的な支援計画を呈示することを確認した。この会談でライスは、米
国は今後も近東和平計画に示されているように、今後も平和的な解
決を目指して行く、と述べた。アッバスは、ファタハとハマースか
らなる国を一つにまとめ上げるための穏健な政府を結成することに
賛成した。夜にはライスはアンマンで、ヨルダン国王アブドゥラ
2世と会談した。その席上国王は米国に対し、パレスチナ人の独立
国家を作るための交渉を再開するよう精力的に働きかけるように求
めた。

     国内ニュース

カリタスは政府の外国人統合計画を批判

ウィーンのカリタス会長ミヒャエル ランダオは、亡命と統合に関
する新政権の立場に全く満足していない。連立協定の中では「追
放」と「効率化」だけが取り上げられており、緊急事態にある人々
が存在していることを自覚しているようには思えない、と述べた。
彼は、先日提出されたさまざまな非政府組織の研究報告書の中で、
かなりの人が亡命制度の中では、政府の計画から実質的に無視され
たままになるのはなぜなのか、理解できない、この問題ではさらな
る対策が必要である、と述べた。彼は、カリタスにとっては残念な
ことではあるが、亡命と移民は治安対策の一環として、つまり内務
省の課題として扱われる、とも述べた。ランダオは、内相ギュンタ
ー プラター(国民党)との話し合いを早期に行なうことを求めて
いる。




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