４月２日〜８日のオーストリアのニュース
４月２日（月）
国外ニュース
英国兵士の逮捕問題でイランは訴訟を断念か
イランで逮捕された英国人野問題で、昨日始めてイラン政府高官
が、兵士15人の釈放の用意がある、との方向を示した。裁判を起
こす真正な理由が見つからない、とイラン国民治安評議会議長アリ
ラリジャニは述べた。英国のテレヴィ局のインタヴューの中で彼
は、これらの英国兵士が3月23日にイランの高権が及ぶ水域に入っ
たが、これは単に誤って入り込んだ可能性がある、と述べた。彼ら
が逮捕された時にイランの領土内にいたかどうか解明するための委
員会を設置する可能性もあるが、騒ぎたてるのはいずれにせよ誰の
ためにもならない、とも語った。彼は同国の核計画に関して国連と
話し合う責任者でもあり、西側では重要人物と目されている。
国内ニュース
ライトルは子女手当の支給で収入に上限を置くことに反対
経済会議議長クリストフ ライトル（国民党）は、子女手当の支給
にあたっては、収入面での制限を撤廃することに賛成である。「職
業と家族が該当すれば、すべて有効である」と彼は「シュタンダル
ト」紙に述べた。彼のこの発言は副首相ウィルヘルム モルテラー
（国民党）の、上限を設定するのが「正しい方式」であると述べた
のと反している。国民党経済連合の会長でもあるライトルは、「手
当を支払わないと、それが障害になる可能性がある」とも述べた。
オーストリア労働者職員同盟女性部長ゲルトルーデ ブリネクも、
以前同様収入の上限を完全に廃止することに賛成している。
４月３日（火）
国外ニュース
米国代表が北朝鮮訪問
米国代表部高官は、今度の日曜日に北朝鮮を訪問する。大統領府広
報代理ダナ ペリーノが昨日急遽この発表を行なった。今回の訪問
は北朝鮮の招待によって可能になったもので、米国の高官が大統領
府のはっきりした賛成を得て行なう訪問は、かなり久しぶりであ
る。「個人的で、党派を越える米国代表」は、民主党の知事ビル
リチャードソンと退役軍人省元長官アンソニー プリンチピ（共和
党）が団長を務める。公式には朝鮮戦争で死亡した米兵の遺体の送
還が議題であるが、2月13日に北京で行なわれたいわゆる6カ国協
議での合意が、今回の訪問の背景にある。この会談では北朝鮮の核
施設を60日以内に停止し、運転停止の計画を策定することになっ
ていた。その後多くの交渉が行なわれたが、ほとんど成果を挙げて
いなかった。
国内ニュース
グーセンバオアーはバローゾとブリュッセルで会談
3月にEU首脳会談が行なわれた後初めて、連邦首相アルフレート
グーセンバオアー（社会民主党）は、ブリュッセルのEU委員会を
水曜日に訪問する。委員会議長ジョゼ マヌエル バローゾとの会
談でグーセンバオアーは、現在起きているオーストリアにとって重
要な問題について話し合う。医学部入学を希望する外国人学生の割
合の制限や、政府が立てている気候安定のための戦略に備えたオー
ストリアを通過する交通の問題などである。グーセンバオアーはバ
ローゾにすでに、3月1日にウィーンで行なわれた基本的権利局開
設の際に面会し、大学入学に関する対立でオーストリアの態度に対
する理解を求めていた。バローゾはその時、EU委員会は柔軟性の
精神に則り、ヨーロッパという原則を遵守して、解決模索に協力す
る、と述べていた。トラックの通行料を5ツェント値上げする問題
については、EUは今まで、半額ならば実施可能である、との方針
を示していた。その他EUの社会福祉の面と雇用を産み出す戦略に
ついても話し合うことになっている。
４月４日（水）
国外ニュース
EU、米、露は反テロの戦いを促進
米国、ロシア、EUは、テロとの戦いでの協力関係を改善する方針
である。「過去数年のテロ攻撃からは、世界のさまざまな地域の紛
争も、直接我々に影響を及ぼす可能性があることがわかる」と昨日
ドイツ内務大臣ヴォルフガング ショイブレは、国内の安全を担当
する大臣がベルリンに集まって行なった会議後に述べた。テロ行為
と組織犯罪は、世界的な傾向で、この3極すべてにとって同じよう
に関係している、とも述べた。米国国土防衛大臣マイケル チャー
トフは、国家や治安を担当する部局をも自らの組織に組み込んでい
るようだ、と強調した。ロシア大統領の顧問ヴィクトル イワノフ
は、安全のために攻撃に備えた緊急の基盤を整備することに賛成し
た。
国内ニュース
同性愛者への公証人の結婚証明書発行をめぐり国民党内部の対立
同性愛者が置かれている法的状況の改善が、間もなく行なわれる可
能性がある。ただし、国民党内部でこれに合意が成立する場合に限
られるが。国民党事務長ハネス ミセントホーンは昨日、APA通信
に対して、これに関連する同性愛者および異性愛者に対する公証人
の証明書発行は、党の方針として確定したものではない、と述べ
た。これより前彼はテレヴィ番組の中で、居住権および相続権等で
いかなる差別も生じないようにするために、公証人の証明書発行を
国民党が支持するかどうかは、まだ検討中である、と述べていた。
オーストリア労働者職員同盟会長ウェルナー アーモンは、その直
後にこれを厳しく批判した。
４月５日（木）
国外ニュース
EUは米国にすべてのEU市民の入国査証を不要にするよう迫る
EUは米国に対し、すべてのEU市民が入国査証なしで米国に入国で
きるようにするよう、改めて求めた。ベルリンで開かれている各国
内務大臣と法務大臣の会合で、ドイツ内務大臣ヴォルフガング シ
ョイブレは、EU議長団の代表として昨日、この問題を早期に解決
するように促した。EU加盟27ヶ国のうち12カ国に対して、米国は
入国査証を義務化している。それに対して米国市民は、EUに立ち
入る際には、旅券を呈示するだけでよい。米国国内安全省長官マイ
ケル チャートフは、まず米国議会がこの問題に着手しなければな
らない、と指摘した。米国は、EUの旅券が統一されていないため
に、入国査証の不要化が困難になっている、と述べている。この会
合には、ドイツ法相ブリギッテ ツィプリース、米国副法相ケネス
ワインシュタインとEU委員会副議長フランコ フラティニも参
加している。
国内ニュース
イスラーム組織「報道戦線」の背後にオーストリア人がいる？
報道雑誌「シュピーゲル」の報道によれば、ドイツ連邦検事はイラ
クで誘拐された2人のドイツ人に関連して、インターネットサイト
「世界イスラーム報道戦線GIMF」の捜査を開始し、少なくともこ
の組織にはオーストリアが関与している、と見ている。この組織
は、テロリスト組織の支援を受けている疑いがある、と昨日発行の
同誌は報じている。それによれば、この組織は先週、ドイツ人2人
の映像が、アラビア語のサイトで公開された直後に、インターネッ
ト上に置いていた。
４月６日（金）
国外ニュース
イラク政府は英国軍の3月上旬の行動を批判
イラク政府は、同国南部のバスラ市で起きた事件を詳しく調査し、
ここに駐留している英国人の行動に対する批判の根拠を見いだし
た。「我々は国際部隊に対して、イラク国民に謝罪をするように求
める」と首相ヌリ エル マリキの事務所は昨日発表した。3月
4日の行動では、イラクの裁判官の指示が無視され、英国部隊は権
限を越える活動を行ない、イラクの主権を侵害した、と述べた。英
国はこのとき、逮捕者37人を解放し虐待の証拠を見つけ、テロの
容疑者を逮捕した、と発表していた。このときの出動はイラク秘密
情報部の建物に対するものであった。この際には、秘密情報部員は
記者たちを建物の中に案内し、収容房を見せた後であった。イラク
警察の情報によれば、米国兵がこの出動には加わっていた、とのこ
とである。
国内ニュース
シュミートの顧問は教員選抜を厳しくすると予告
「シュタンダルト」紙の土曜版で、教育大臣クラオディア シュミ
ート（社会民主党）の顧問を務める教育学者ギュンター ハイダー
は、教員養成に関する自分の計画を呈示し、将来は誰もが教員にな
れるわけではない、と述べた。「私は、教員に最適な人物を探し、
教員になることを希望する人すべてが教員になれるのではない方式
に賛成である。この分野で教育に必要な技能と考え方を持っている
人だけが、教員になるべきだ」との言葉が引用されている。現在既
に学生は最初の1年間、実習期間が義務づけられており、遅くとも
その後、教員養成担当者に、「自分が子供たちへの対処に向いてい
ない場合には申し出ることになっている。経験を積んだ教員は、こ
の仕事にあまり向いていない人に気がつくものだ」とも述べた。
４月７日（土）
国外ニュース
ウクライナではユシュチェンコは議会解散に固執
数日前から反対派の抗議行動が続く中、ウクライナ大統領ヴィクト
ル ユシュチェンコは、国会の解散の決定をくつがえさない方針で
ある。「私の決定は適法かつ憲法にかなうものであって、撤回はし
ない」と彼は昨日のテレヴィ演説で述べた。彼は騒乱や不安定を起
こさないことを約束し、同国軍は自分の指示を遂行する、とも語っ
た。ユシュチェンコは、自分と敵対する親ロシアの首相ヴィクトル
ヤヌコーヴィチを念頭に置いて、国会解散と選挙の5月実施命令
は、「専制君主」に向けられたものだ、これはやむをえない行動
で、ヤヌコーヴィチの支持者は国会で憲法を侵害し、新西側の国会
議員を自分たちの陣営に引き入れようとした、とも述べた。来週に
はキエフの憲法裁判所が、この命令の適法性をめぐって判断を出す
ことになっている。
国内ニュース
専門家は労組の年金訴訟勝利する可能性は少ないことを認める
オーストリア労働組合連合の年金受給者のうち、事業所年金の代わ
りに、労働組合連合の分割払いを受け取ることを拒否し、裁判に訴
えている人たちが、勝利を得る見込みはわずかである、と専門家ア
ンドレアス クレテカは述べた。「事業所年金法は、その企業の経
済状態がきわめて悪化し、事業の維持が危険になった場合には、事
業所年金受給者が取り消しを求める可能性を含んでいる」とウィー
ン大学民法研究所教授である彼はテレヴィ番組で述べた。労組側
は、資金不足に陥っていることを証明できれば、法律によってこの
措置が認められる、とも語った。
４月８日（日）
国外ニュース
潜伏中のサッダームの元将校がインタヴューに答える
元イラク権力者サッダーム フセイン周辺の指導者のうち、全力を
挙げて行方を追求されている男たちが昨日、アラブ系のテレヴィ局
アル ジャジーラのインタヴューに、姿を表わした。元共和国親衛
隊の参謀本部長サイフェディン フライフ ハッサン タハ アル
ラウィは、そのインタヴューの中で、米軍はバグダード空港をめ
ぐる戦闘で中性子爆弾および黄燐焼夷弾を使用した、と述べた。こ
のインタヴュー中彼の顔はほとんど確認できなかった。らうぃはサ
ッダームが2003年4月9日に失脚した後、地下に潜伏し、発言を行
うのは初めてであった。
国内ニュース
自由党の党学会をめぐる対立はさらに激しさを増す
自由党党学会をめぐる対立は、あいかわらず解消されていない。エ
ーワルト シュタットラーが、自由党から脱退した後も、この学会
の会長に留まるか、それとも自由党の国民の弁護士ヒルマール カ
ーバスが新会長に就任するかが問題となっている。仲裁裁判所がこ
の問題を決着させることになっている。この対立は、国民党党首ハ
インツ クリスティアン シュトラーヒェが、カーバスを新会長に
指名したことを受け、シュタットラーが自分は会長職にいることを
総会で確認されている、と述べたために生じている。