８月６日〜１２日のオーストリアのニュース
８月６日（月）
国外ニュース
カルザイとブッシュは人質事件で妥協をしない
米国大統領ジョージ W. ブッシュとアフガニスタン大統領ハミド
カルザイは、人質事件では譲歩しない姿勢を示した。彼らには妥協
する用意はない、誘拐犯を励ますようなことは行なわない、とキャ
ンプ デイヴィッドでの2日にわたる会談後、ブッシュの広報は声
明を発表した。5年前に権力の座から追い落とされてから、最も激
しい戦闘を国際軍と繰り広げている急進派イスラーム教徒のタリバ
ーンが、21名の韓国人を人質としている。ドイツ人技師1人も少な
くともタリバーンとつながりがあるとされる誘拐犯の手の中にあ
る。
国内ニュース
内相プラターは「日中の点灯」に反対
内務大臣ギュンター プラター（国民党）は、「日中の点灯」を再
び廃止する方針である。これは月曜日に、国民党の夏の行事「オー
ストリアを経験しよう」の中で、述べたものである。この規定は
「何の意味もない」とプラターは述べた。2005年9月に法律で、
自動車は常時点灯することが法律で義務づけられたが、これには繰
り返し批判が巻き起こっている。当時未来同盟所属の閣僚であった
フーバート ゴルバッハが導入した時に、これを支持した国民党
は、現在では反対に回っている、とプラターは述べた。
８月７日（火）
国外ニュース
ハニーヤには首相の椅子を断念する用意がある
パレスチナ人内部の対立で、急進派イスラーム教徒ハマースのイス
マイル ハニーヤは、首相から退陣する用意がある、と述べた。
「この地位を投げ出せば、国民の対話が行なえるのであれば、私た
ちにはその代償を支払う用意がある」と2006年に選ばれ、8週間
前にパレス治安大統領マハムード アッバスによって解任された首
相は、昨日ガザで開かれた記者会見で述べた。アッバスは、ハマー
スが6月中旬に、ガザ帯状地帯の権限を、暴力を用いて奪い取った
後、ハニーヤが主導した国を一つにまとめ上げる政府を解任する、
と宣言していた。ハマースはこの措置を受け入れなかったが、イス
ラエルと国際社会によって孤立化が強められている。またハニーヤ
は、現在ハマースとファタハが行なっている戦闘は、一時的なもの
にすぎない、とも述べた。今回の発言は、穏健派のアッバスが、将
来の2カ国並立による解決をイスラエルとの間で結ぶ交渉を始める
ことを背景に、行なわれたものである。
国内ニュース
夏の閣僚評議会で社会福祉年が始まる
毎週恒例の閣僚の会議は、夏休みに入っている。夏休み中には1回
だけ、連立政府は伝統にのっとり夏の閣僚評議会を行なう。それが
きょうにあたる。議題はさまざまであるが、何らかの大きな決定が
見通しはない。内部の人にだけ興味があることとしては、大蔵大臣
ウィルヘルム モルテラー（国民党）は、4度目の挑戦で、新「国
家予算法」をなんとか通過させる方針である。これにより、各省庁
が予算をより柔軟に使用できるようになる包括的予算が導入され、
予算の立案が容易になる。閣僚評議会と並行して、モルテラーは社
会福祉大臣エルウィン ブーヒンガー（社会民主党）と、自由意志
に基づく社会福祉年の財源について、合意をする方針である。
８月８日（水）
国外ニュース
ロシアからのミサイルでグルジアが国連安保理に呼びかけ
グルジアは、領土内へミサイルが命中した件で、国連安全保障理事
会の会議を開くように要請した。この事件は、国連の緊急会議で検
証されねばならない、と外相ゲラ ベジュアシヴィリがトビリシで
述べた。「私たちか国連安保理の緊急会議を開くように提案する」
とも語った。グルジアには月曜日に、ミサイルが打ちこまれてい
た。グルジア政府の情報によれば、このミサイルはロシア軍機から
発射されたものである。ロシア政府は、トビリシの西約60キロに
ある、グルジアから離脱した親ロシアの南オセチアで起きたこの事
件には、ロシアは全く関与していない、と述べていた。グルジア
は、ロシア軍機がグルジアノック雨域を侵犯し、ミサイルを発射し
た証拠を持っている、との情報もある。欧州安全協力気候OSZE
は、グルジアでの活動で、空域侵犯を確認したと発表したが、何機
のそしてどんな種類の飛行機であったか、そしてミサイル発射につ
いては発表できない、としている。
国内ニュース
自由党は未来同盟との国会で共同議員団の提案を検討
自由党と未来同盟の間では、再び新たな動きがある。未来同盟が協
力に関して新たに提案を行ない、国会議員団を共同で結成し、ケル
ンテン州で選挙綱領作成について説明したと、自由党が述べている
のがそのきっかけである。それにあたっては、連邦党首ペーター
ウェステンターラーの解任さえ取り上げられている、との噂であ
る。未来同盟はきわめて強い調子でこれを否定している。ケルンテ
ン州自由党党首で、国民評議会議員カールハインツ クレメント
は、今日APA通信に、7月14日にペルトシャッハの「ウェルター湖
畔での星空の夕べ」で、初めてケルンテン州未来同盟党首ハイダー
の候補を務めるシュテファン ペッツナーが、次回の州議会選挙
で、両党による共同綱領を作成に関する提案が行なわれた、と述べ
た。同州社会民主党党首ガービー シャオニヒの州首相就任を阻止
し、イエルク ハイダーを州首相に留めるために、あらゆることを
行わなければならない、とペッツナーはその際に述べた、とのこと
である。
８月９日（木）
国外ニュース
ブッシュ「グアンタナモの閉鎖は困難」
問題を抱えるキューバのグアンタナモ湾にある米国捕虜収容所の閉
鎖には、複雑な問題が絡んでいる、と米国大統領ジョージ W. ブッ
シュは述べた。収容された人の出身国は、必ずしも全ての事例で捕
虜の返還を望んでおらず、「多数の人々は自分たちのまん中に人殺
しがいることを望んでいないが、収容者の多くは殺人者である」と
ブッシュは昨日ワシントンで述べた。米国防省は、14人の捕虜を
いわゆる敵対的戦闘員と宣言し、その他の6人を故郷に送り返す、
と予告した。ブッシュは、米国の目標はこの収容所の閉鎖である
が、捕虜の受け入れを拒んでいる国があるため、これが遅れてい
る、当初のもくろみほど、容易ではなかった、と述べた。
国内ニュース
フレットル「労働と経済銀行は重要な投資家であった」
労働と経済銀行裁判の16回目の公判日に、投資銀行家ウォルフガ
ング フレットルが、改めて注意を喚起した。最初に巨額の損失を
出した後に、2億5千万ドルの新たな投資を行なったが、これには
同行の独自の投資であった、とフレットルは昨日述べた。これによ
り同行は、「できるだけ早急に」損失を取り戻そうとしたのであっ
て、自分の会社は管理会社としてそれに関与していただけであっ
た、労働と経済銀行が「きわめて重要な投資家であった」と述べ
た。ただしこれは同行の経営陣とは異なる見方である。
８月１０日（金）
国外ニュース
グルジアはミサイル問題でプーチンと会談の用意がある
ロシアがグルジアの領土に向けミサイルを発射した、とされる事件
をめぐる対立で、グルジア大統領ミハイル サーカシヴィリは、ロ
シア大統領ウラディミール プーチンとの会談を行なう用意があ
る。「建設的な会談」によって、「これらの問題すべてが解決でき
るかもしれない」とサーカシヴィリは述べた。また彼は、グルジア
軍は「いかなる挑発にも応じる」用意があるが、その目標は、責任
ある行動を選択することである、と強調した。グルジア政府は、月
曜日にロシア軍機がグルジアの領土に向けてミサイルを発射したと
して、ロシア政府を非難している。ロシア側はこれに対する関与を
否定している。この事件はトビリシの西約60キロ、親ロシア地域
の南オセチアとの国境のすぐそばで起きた、とされている。
国内ニュース
ハイダー「未来同盟は今後地域政党として活動可能である」
ケルンテン州首相イエルク ハイダー（未来同盟）は、未来同盟
は、ケルンテン州の地域政党として将来がある、と「エスターライ
ヒ」紙に述べた。またハイダーは、連邦政治の水準で未来同盟を保
ち続けることは、自分にとってはあいかわらず期待をもつに値する
ことである、とも述べた。「キリスト教社会同盟を見本にするこ
と」は社会同盟にとって「関心事」であり、「そうなれば未来を開
く可能性もあり、我々はウィーンの国会で、会派を持つことにな
る。そうなればケルンテン州にとっても大きな意義を」持ち、自由
党との同盟が不要になるだろう、とも述べた。「独自の地域政党と
なれば、我々は政治面でより活動的になれる」とも語った。
８月１１日（土）
国外ニュース
タリバーンは韓国人人質2名を釈放
アフガニスタンの急進派イスラーム教徒のタリバーンは、昨日21
名の韓国人人質のうち2名を釈放した、と発表した。釈放されたの
は病気の2人の女性である、とタリバーンの広報カーリ ユシフ
アフマディがドイツ通信dpaに電話で述べた。中立の立場から、こ
の情報の確認は今のところとれていない。これより前韓国とタリバ
ーンの間で直接対話が行なわれ、今回の人質事件が終わる可能性が
膨らんでいた。7月19日に、あわせて23名の韓国人が誘拐され、
2人の男性人質がその後、誘拐範囲よって射殺されていた。
国内ニュース
国民党は社会民主党と緑の党の協力に怒る
思いがけない出来事が、めったに起きない出来事に発展した。社会
民主党所属の首相グーセンバオアーが、緑の党のアンドレアス ワ
ーブルを気候保護委員に任命してから1日、社会民主党の文化大臣
シュミートは、緑の党のウォルフガング ツィングルに、ウィーン
近代美術館の監督を依頼した。国民党に対して、この人事決定は影
響力を及ぼしている。党首モルテラーには、2人の「よそ者」に対
し、悪意のある長話で意趣返しをするなどの不満の声が届いてい
る。
８月１２日（日）
国外ニュース
コソヴォ三極は同州の分割を排除しない
コソヴォ三極は、同州のアルバニア人地区とセルビア人地区の分割
を、コンゴは排除しない。EU、米国、ロシアの代表からなる交渉
団には、セルビア人とコソヴォ人が賛成できる合意なら、実施に移
す用意がある、とEUの交渉役ヴォルフガング イシンガーは昨日
述べた。これがセルビアの同州の分割を意味するのかどうか、とい
う質問には、ドイツの外交官である彼は、「彼らがそれを望むので
あれば」と答えた。セルビア人とコソヴォ人は三極の交渉団との交
渉を別個に行ない、それぞれの最大限の要求を主張し、お互いに譲
ることはなかった。コソヴォ政府は今まで、アルバニア人居住区と
セルビア人居住区に分割することを、断固拒否し、現在の国境での
コソヴォの独立を求めていた。コソヴォ北部のセルビア人居住地区
で、この解決案をどのように実施するのか、との問題が残ってい
る。NATOの空爆によりセルビア軍が同州から撤退することを余儀
なくされた1999年以来、コソヴォは国連の行政下にある。NATO
の介入は、アルバニア人反乱勢力の蜂起と、セルビア治安部隊のア
ルバニア系一般住民への暴力的な攻撃を生んでいた。
国内ニュース
オイロファイター購入問題で会計検査院は新たな調査を開始
会計検査院は、週明けから4度目となる迎撃戦闘機オイロファイタ
ー購入問題について調査を行なう。今夏い初めて社会民主党の責任
が問われる。具体的には国防大臣ダラボス（社会民主党）が交渉の
取りまとめを行なった、4億オイロとされる支出削減の調査が行な
われる。この調査を提案したのは国民党である。両党にとってこの
調査は大きな影響がある。実際に国がどれだけの額を節約するのに
ダラボスが貢献したのかが明らかになるため、ダラボスにとっては
重要である。何機の迎撃戦闘機をオーストリアが実際に必要として
いるのかが、問題になるため、国民党にとって重要となる。