8月13日〜19日のオーストリアのニュース



8月13日(月)

     国外ニュース

トルコではギュルがおそらく再び労働党の大統領候補に

関係筋の情報によれば、トルコ与党「公正発展党」AKPは、イスラ
ーム教徒で元職のアブドゥル ギュルを大統領候補に指名した。昨
夜同党が発表したとろこでは、現外相のギュルは、午前中にも野党
の指導者に対して、自分が立候補することを支持するように訴える
方針である。その後彼は、おそらく正式にトルコ国会と報道関係者
に立候補を発表するものとみられる。国会での投票は8月20日に設
定されている。過去2回の投票で立候補者は、当選に必要な3分の2
の賛成を集めることができなかった。3度目の今回は、過半数で当
選となるが、公正発展党はこれを持っている。大統領アハメト ネ
スデット セゼルの後継者争いは、4月にトルコを内政上の危機に
つき落としていた。影響力の強い非宗教的な中枢部と軍部が、ギュ
ルの大統領就任に反対していた。

     国内ニュース

会計検査院はモルテラーに強制手段を提案

会計検査院長官ヨーセフ モーサーは、どのようにすればオースト
リア行政は、あわせて約40億オイロの支出削減を実現可能である
かについて、206の提案からなる一覧表を取りまとめた。モーサー
はこの一覧表を大蔵大臣ウィルヘルム モルテラー(国民党)に手
渡した。モルテラーはこれを、各州との財政赤字の補填交渉で利用
することができる。




8月14日(火)

     国外ニュース

イラクでは攻撃の連鎖 175人が死亡

イラク北部ではおそらく準備された自殺攻撃が発生し、昨日の軍の
発表によれば、少なくとも175人が死亡した。犯人達は相前後し
て、モースルの西にあるカフタニヤ市のさまざまな場所で、石油輸
送車を爆破した、と警察は発表した。ある将校は、負傷者は少なく
とも2百人である、と述べた。これは4年前に戦争が始まって以来、
最も激しい攻撃の一つである。この地域の政府高官によれば、4件
の自殺攻撃が起きたのは、クルド人が多く住む住宅地であった、と
のことである。最近この地域では、イスラーム教徒がクルド人に対
して攻撃を加え、多くの犠牲者が出ている。この攻撃が行なわれた
地点から近くにある町シンジャル市の市長は、この流血の事態はア
ル カーイダのイラクの組織によるものである、と述べた。クルド
人の秘密情報部筋もこれを確認している、とも語った。

     国内ニュース

国民党内部にはウェステンターラーの留任に複雑な感情

未来同盟党首ペーター ウェステンターラーは、彼が政界を離れる
か、それとも残留するかについて、あいかわらず自分で明言してい
ない。イエルク ハイダーと話し合いを行ない、未来同盟内外での
ウェステンターラーの今後をはっきりさせる、と予告していたが、
これはまだ行なわれていない。このため不明確さが生じかねない、
と見ている人も未来同盟全員ではないもののいる。




8月15日(水)

     国外ニュース

米国政府「イランに対する軍事攻撃を計画していない」

イラン政府に対して以前より厳しい態度を取っているにもかかわら
ず、米国はイランに対する軍事攻撃は計画していない。「軍事活動
を検討していない」と米国大統領ジョージ W. ブッシュの広報は昨
日述べた。米国大統領はこの選択肢を排除しないとはいえ、ブッシ
ュは国連安保理での解決を信頼している、とも述べた。米国はイラ
ンの革命近衛兵をテロリスト組織である、と分類する計画を立てて
いる、と報じられていたが、これについてこの広報は態度をはっき
りさせなかった。この措置については、名前は出ていないが米国政
府の代表者によって、確認されている。米国政府はイラン革命近衛
兵は、イラク、アフガニスタン、近東の蜂起勢力の支援を行なって
いるのではないか、と疑っている。一方イラン外務省は、この措置
を批判し、「無意味な宣伝活動である」と述べた。

     国内ニュース

ウェステンターラーに刑事訴訟の手続きが取られるか?

ウィーン検察は、未来同盟党首ペーター ウェステンターラーに、
偽証罪で刑事告発を計画している、と情報雑誌「ニューズ」は報じ
ている。これに関する司法側からの確認は昨日は取れなかったが、
未来同盟は既に発表を行ない、これは「政治的裁判」だ、と述べ
た。法務大臣の広報トーマス ガイブリンガーは昨日、法務省は火
曜日に、検察の事前報告書を承認した、とだけ述べ、報道機関を通
じて関係者に情報をもたらすのは司法の取るやり方ではない、とも
語った。ウェステンターラー自身は、1週間前に、裁判を起こされ
た場合には、辞任することはない、と述べていた。




8月16日(木)

     国外ニュース

米国市民パディラがテロ参加で有罪

米国市民ジョゼ パディラが、他の2人の被告とともに、テロ活動
に参加した件で有罪とされた。これは3カ月にわたる裁判の末、昨
日マイアミの陪審裁判所で発表された。パディラは2002年5月に
米国に入国する際に、「汚れた」(放射性)爆弾による攻撃計画を
立てていた件で、シカゴで逮捕された。彼は長期にわたる司法取引
と3年半にわたる独房生活を経て、米国の軍事収容所で裁判を受け
ていた。検察は36歳のパディラと、リスボン生まれのアドハム 
アミン ハッソウンとヨルダン出身のキファフ ワエル ヤユシを
「殺害、誘拐、人体毀損の共同謀議」で、訴えていた。判決の中で
彼らは、米国内にあるイスラーム教のテロ分子の一員である、とさ
れた。被告は全ての罪を認めなかったが、終身刑の可能性がある。

     国内ニュース

バルテンシュタインは支出削減した州に報償を与える方針

経済大臣マルティン バルテンシュタイン(国民党)は、支出削減
に成功した州を、財政赤字の補填で優遇する方針である。「節約し
た州には報償が与えられるべきである」と「プレッセ」紙に彼は述
べた。報償を受けなければ節約はそもそも行なわれない、というの
は残念ではあるが、事実である、とも述べた。具体的にはバルテン
シュタインは、連邦公務員よりも優遇していることが多い州公務員
の年金などで、優遇する方針である。「もちろん誰も州に強要する
ことはできないが、受け入れなければ自らで支払うことになる」と
も語った。




8月17日(金)

     国外ニュース

プーチン「長距離爆撃機再び常時飛ばす」

ロシアは15年ぶりに、戦略的長期爆撃機を再び24時間態勢で、空
に飛ばす。大統領ウラジミール プーチンは昨日、その理由として
他国からの脅威が高まっていることをあげた。米国はこの決定に、
冷静に対応した。冷戦終了後の1992年にロシアは、「この飛行を
一方的に中止したが、残念なことにすべての国が私たちの前例に追
従したわけではなかった」ので、ロシア政府にとっては安全保障上
の問題が生じた、とプーチンは述べた、とインターファクス通信は
報じた。「私は各国がこの措置に理解をもって対応することを望
む」とも語った。米国大統領府は、この決定は問題ではなく、ロシ
アの国内問題である、と見ている。ロシア空軍のアレクサンダー 
セーリンは、爆撃機による公海上の巡回を行ない、その訓練飛行で
はミサイル射撃の訓練を行なう、と予告していた。

     国内ニュース

グーセンバオアーには年金増額を議論する用意がある

連邦首相アルフレート グーセンバオアー(社会民主党)は、高齢
者の代表が、年金受給者物価指標に基づき、2008年には2.1%の年
金増額を求めていることに、理解を示した。「政治的な話し合いを
する可能性がある。この会談では、物価上昇率を越える増額を行な
うかどうかをはっきりさせることになる。どれぐらいの規模で、そ
してどのような内容にするかはまだ決まっていない」と彼は「プレ
ッセ」紙に述べた。今年「特別な要因」があれば、「大蔵大臣ウィ
ルヘルム モルテラー(国民党)と私は、これに関する議論を避け
ることはない」とも述べた。これより前、社会民主党年金受給者同
盟会長カール ブレッヒャは、予算で予定されている来年の1.7%
の年金引き上げ甘受するつもりはない、と述べていた。




8月18日(土)

     国外ニュース

カザフスタン選挙は大統領の政党が優勢

産油国であるカザフスタン共和国では国会議員選挙が行なわれてい
る。最初の集計予想によれば、独裁的な大統領ヌルスルタン ナザ
ルバエフが率いる政党が、予想通り優勢を守った。穏健派の野党ア
ク ツホル(明るい小道)は、おそらく下院議員を出すものと見ら
れる。ナザルバエフの党ヌル オスタン(光り輝く祖国)は票の
77.3%を獲得した、と政府に近い社会主義者および政治学者の組織
は昨日発表した。過去には国際的な選挙監視員が、カザフスタンの
選挙では民主的な規定に反することが行なわれている、と非難して
いた。欧州安保協力機構は、今日評価を発表する、と予告した。こ
の選挙が国際的な承認を得る上で、この評価は重要である。約4百
人の選挙監視員がカザフスタンに派遣されていた。

     国内ニュース

専門家が学校制度は少数派を無視していると指摘

第2あるいは第3世代の移民の子供たちは、ウィーンでは教育面で
大きな問題にさらされている、とアルプバッハ公開討論会に参加中
の、学術会議に属する移民研究家ベルンハルト ペルヒングは警告
した。ウィーンで卒業することなく学校を中退し、労働市場局に求
職を登録する人の3分の2は、移民の子供たちであり、文化的およ
び言語的な違いを重視しない現在の学校制度を、緊急に変えるため
の行動する必要がある、と見ている。




8月19日(日)

     国外ニュース

フランス外相が突然バグダード訪問

フランス外務大臣ベルナール クシュネールが、日曜日急遽3日間
の予定でバグダード入りした。クシュネールはイラク国民に対し、
フランスの連帯を示す書簡を手渡し、全ての民族組織と話し合うつ
もりである、とパリの外務省は発表した。今回の訪問はフランス
が、新大統領ニコラ サルコズィの元で、イラク政策を変更するこ
とを明瞭に示すものである。米国はこの訪問を歓迎した。この日は
バグダードの国連本部が爆弾で攻撃を受け、国連特使セルジオ ヴ
ィエイラ デ メロほか21人が死亡した4回目の記念日である。ク
シュネールは国連代表部に対する攻撃の犠牲者の記念碑に花輪を供
えた。ヴィエイラ デ メロとクシュネールは、個人的に友好的な
関係にあった。

     国内ニュース

秋からは拘留される代わりに労働することが可能に

法務大臣マリア ベルガー(社会民主党)は、「拘留軽減法案」に
固執している。秋からは、軽微な犯罪を犯したために、有罪判決を
受けた人は、公益のための労働をすることで、拘留される可能性を
逃れることができる。その他、拘留者であふれている刑務所の負担
を軽減するため、さらなる対策が計画されている。司法内部でもベ
ルガーの計画に賛成する声が上がっており、さらにこの計画は政権
合意にも明記されている。ただし国民党は、これを聞き入れるつも
りはなく、「法と秩序」の立場に対する信頼を維持する方針であ
る。




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