10月22日〜28日のドイツのニュース



10月22日(月)

鉄道は近距離電車で木曜から30時間のストライキ

(フランクフルト アム マイン)ドイツ鉄道の近距離交通では、木曜日と金曜日
に全国で30時間に渡ってストライキが行なわれる、と機関士労働組合GDLは予告
した。同労組組合員には、地域鉄道および通勤用の交通で、木曜日朝2時から金曜
日朝8時まで、ストに参加するように呼びかけが行なわれている、とのことであ
る。一方鉄道側は、鉄道利用者に対するストの影響を緩和するために、緊急運行計
画をたてる、と予告した。数週間前から続いている労働条件をめぐる対立で、交渉
による解決はあいかわらず見いだせていない。労組側は、労働契約をはっきりと改
善する提案を行なうように求めている。一方鉄道の幹部側は、労組が新たなスト参
加の呼びかけを行なったことを受け、労組は当てにならない、と非難している。
機関士が貨物および長距離交通の分野でもストライキを行なうことを認めるかどう
かは、ケムニッツの州労働裁判所が来週金曜日になってから、判断を下す方針であ
る。

     その他のニュース

社民党幹部は党首ベックを支持

(ベルリン)社会民主党幹部は、第1種失業給付金の支給期間延長
をめぐる対立では、賛成多数で党首ベックを支援する。党幹部は、
年長者に対する失業給付金の支払いを24カ月に延長する提案を、
反対2票、保留1票で賛成した、とベックはベルリンで述べた。こ
の委員会の委員の多くは、この提案は2010年行動計画からの離反
ではなく、さらなる充実であると見ており、自分は党内での議論
が、今回の幹部の支持により終息するものと見ている、と述べた。
ベックは今回支持を得られたことで、連邦労相ミュンテフェリング
の異議を抑えて、自分の意志を押し通した。また党幹部は、社会福
祉政策の9箇条計画を、全会一致で承認した。この計画の中には、
失業保険の払込金を現在の4.2%から、3.5%に引き下げ、派遣労働
の取り締まりを厳しくすることが含まれている。

ポーランドの国会議員選挙は政権交代をもたらす

(ワルシャワ)ポーランド国民は、国会議員選挙で政権交代を決定
した。日曜日に行なわれた選挙の暫定集計結果によれば、トゥスク
を筆頭候補とする自由主義の「市民政治綱領」POが投票の41.4%
を獲得した。今まで政権党であった首相カチンスキ率いる民族主義
の保守派政党「法と正義」は32.2%に留まった。カチンスキは既に
敗北を認めている。また中道左派連合が13%強、穏健派の農家党
PSLが10%近くを集め、国会議員を送る。トゥスクは選挙前から、
農家党との連立が可能である、と述べていた。

ドイツ政府はポーランドとの関係改善に新たな刺激を期待

(ベルリン)連邦政府は、ポーランドでの政権交代により、両国関
係によい影響が出るものと期待している。ベルリンで政府広報は、
ドイツはポーランドの新政府からの対話および保証に関する提案が
取り上げられるように、全力を尽くす、と発表した。民族主義で保
守派の首相カチンスキが政権を持っていた期間には、ドイツとポー
ランドの関係は緊迫していた。




10月23日(火)

イラクはトルコにPKK対策で支援を約束

(バグダード、ロンドン)トルコが進出する可能性が高まる中、イラクは両国の国
境地帯にいるクルド人叛乱勢力との戦いで、支援を行なうと約束した。首相ヌリ 
アル マリキは、クルド労働者党PKKの事務所すべてを閉鎖するように命令し、イ
ラク国内での軍事活動を許容しない、と発表した。外務大臣ホシヤル セバリは、
トルコ外務大臣アリ ババジャンとバグダードで会談した後、国境を接する両国の
関係を毀損することがあってはならない、と述べた。ロンドン訪問中のトルコ首相
レジェップ タイップ エルドアンは、国会が賛成を与えた後は、イラク北部でい
かなる時でも軍事作戦は可能であり、イラクに対する制裁の実施も考えられる、と
述べた。

     その他のニュース

ソラナはイランの核に関する新たな交渉人と会談

(ローマ)EU外務委員ソラナはイタリアで、緊張感をもって見守ら
れていた、イランの核をめぐる主席新交渉人との、初めての交渉を
開始した。ソラナとジャリリの会談には、今まで主席交渉委任を務
め、3日前に辞任したラリジャニも出席した。今回のローマでの会
談では、核問題でイランの方針転換を示す情報が示される可能性も
ある。イランが核兵器を製造する意志があるのではないか、との懸
念を西側は持っているが、イラン政府はずっとこれを否定してい
る。

ミサイル迎撃網に関する米国の新たな提案

(プラハ)米国がポーランドとチェコに建設を計画しているミサイ
ル迎撃網を巡り、ロシアとの対立が続いているが、米国は妥協の提
案を改めて行なった。国防相ゲイツはプラハを訪問し、この態勢は
イランの脅威が具体的に証明されてから最終的に運用する、と述べ
た。米国大統領ブッシュはワシントンで、イランは2015年にも、
全ヨーロッパを射程範囲内にするミサイルを持つ可能性がある、と
述べた。

EUは高い能力をもつ人が容易に移住できるようにする方針

(ブリュッセル)EU委員会は、高い専門的な能力を持つ人が第三
世界からヨーロッパに移住するのを、より容易にする方針である。
法務委員フラティニはブリュッセルで、いわゆる「ブルーカード」
を導入すれば、EUの労働市場で不足している人材を補い、不法移
民を監視下に置くこともできる、と述べた。彼の計画によれば、移
住のための「ブルーカード」は、EU諸国のよい給料の支払われる
職に就くことを承諾した高い能力を持つ人が得ることのできるもの
である。ドイツ政府の移民委員ベーマーは、このEU案を拒否し、
ヨーロッパ全体で統一的な規則を作るには、EU加盟国の抱える条
件はあまりに多様である、と述べた。




10月24日(水)

米国は同盟国のアフガニスタンへの動員増加を迫る

(デン ハーグ)NATOでは、米国からの強い圧力があったことを受け、アフガニ
スタンへの動員を増やす方向へ、すこし動きが起きている。NATO加盟諸国の軍事
の専門家は11月上旬に、国際アフガニスタン保護部隊ISAFを増強するために、詳
細を協議する、と事務長ヤープ デ ホープ スケッフェルは、オランダの海辺の
保養地ノールドワイクで開かれたNATO加盟国の防衛大臣会議で述べた。ただしデ
 ホープ スケッフェルは、具体的な人数はあげなかった。しかし彼は、アフガニ
スタン保護部隊には定員の90%しかいない、と指摘した。防衛大臣会議では、セル
ビアから離反している紛争中のコソヴォ州の情勢に関しても、話し合いが行なわれ
た。ここに駐在し、NATOが指揮をしている軍KFORには、現在6万人規模の兵士が
所属している、とデ ホープ スケッフェルは述べた。

     その他のニュース

トルコ軍機が北イラクの空域を侵犯

(アンカラ)目撃者の話によれば、トルコの戦闘用飛行機が、イラ
ク北部のクルド人居住地域の空域に侵入した。活動が禁止されてい
るクルド労働者党PKKの拠点に対し、連続して攻撃をおこなった、
とトルコでは報じられているが、クルド側からはこれは確認されて
いない。トルコ兵とクルド労働者党の戦闘員は、週末から後、国境
のトルコ側で戦闘を行ない、少なくとも46人が殺されていた。ト
ルコはあいかわらず、軍事攻撃を行なう、と威嚇している。外相バ
バジャンはバグダードからトルコに帰国し、言葉以上のものが必要
である、と述べた。彼のこの発言は、イラク北部のクルド人指導者
マスド バルサニが、労働者党に対して、武装闘争を断念するよう
に呼びかけたことを当てこすったものである。

国際アムネスティは人権侵害でハマースとファタハを批判

(ロンドン)パレスチナ人居住地域での人権侵害が、議論の日程に
あげられている、とアムネスティ インターナショナルは発表し
た。ガザ帯状地帯では、恣意的な逮捕と拷問、あるいはハマース勢
力によって拘禁者の虐待が、広く行なわれている、と同人権保護組
織の報告では述べられている。またアムネスティは、ファタハが支
配的である西ヨルダンランドの治安状況も非難し、人権侵害が行な
われており、ハマースの支持者と見られる者が、パレスチナ当局の
治安部隊によって恣意的に逮捕されのが、このところ日常化してい
る、とも述べた。ガザ帯状地帯は6月以降、急進はマースの支配を
受けている。ハマースは対立するパレスチナ大統領アッバス率いる
ファタハ運動を、長期にわたる戦闘の末、海岸地域のほとんどから
追放した。

ソラナはイランの核交渉人との会談を続ける

(ローマ)EU外務委員ソラナはローマで、イランの核交渉人ジャ
リリおよびラリジャニとの話し合いを引き続き行なった。ラリジャ
ニはソラナとイタリア首相プローディとの共同記者会見で、「新た
な建設的な意見」が出た、と述べた。一方ソラナは会談は「集中し
て行なう段階に入った」と述べた。ラリジャニは数日前に、イラン
の核交渉人の職を、大統領アフマディネジャドの信任厚いジャリリ
に譲っていた。ただし彼は、イランの宗教界の最高位者アヤトッラ
ー アリ ハメネイの委託を受けて、引き続き話し合いに参加して
いる。ソラナは11月末までに、国連安保理で拒否権を持つ米、
英、仏、露、中5ヶ国とドイツに対して報告書を提出することにな
っている。




10月25日(木)

米国はイランに新たな制裁を科す

(ワシントン)米国はイランに新たな制裁を科した。制裁が適用されるのは、イラ
ン国防省、革命親衛隊およびいくつかの銀行である、と外務大臣コンドリーザ ラ
イスは発表した。これらはテロ組織を支援し、ミサイルを売り、核をめぐる活動を
行なったために罰せられる、とライスは述べた。この制裁を行なうことで、米国は
イラン軍を財政的に大きく孤立させることができる。

     その他のニュース

NATOは危機対応部隊を縮小

(ノールドワイク)現在世界各地で多数の派兵を行ない、積極的に
関与しているNATOは、危機対応部隊を縮小する。加盟26カ国の国
防大臣は、オランダの海に面した保養地ノールドワイクで会議を行
ない、本来計画されていた精鋭部隊2万5千人のうち、中心となる
部分だけを即時派遣できる部隊として残すことで合意した。この中
心となる部隊の精確な規模は、4月に行なわれるNATO首脳会談で
確定することになっている。ドイツはこの措置を歓迎した。ドイツ
の他、多くの加盟国は、アフガニスタンからコソヴォに至る派兵で
大規模に軍を派遣していた。

ロシアはミサイルをめぐる対立で厳しい態度を貫く

(ノールドワイク)ロシアは、米国がポーランドとチェコで計画し
ているミサイル迎撃態勢をめぐる対立で、厳しい姿勢を保ち続けて
いる。私たちに示された提案では不十分である、とロシア国防相セ
ルジュコフは、イタル・タス通信に述べた。ただし彼は、ロシアが
ミサイル迎撃網に対して抱いている懸念を、米国は依然よりよく理
解して来たことを認めた。米国防相ゲイツはオランダのノールドワ
イクで、ロシア国防相ともう一度会談を行なった。

ビルマでは野党と軍事政権が話し合い

(ラングーン)ビルマの野党の指導者アウン サン スー チー
は、軍事政権の校勘と会談を行なった。ビルマ国営テレヴィの報道
によればスー チーは労働大臣アウン チーと1時間以上に渡って
話し合った。アウン チーは以前、軍事政権とスー チーとの橋渡
し役に指名されていた。9月末に抗議活動が弾圧されてから、この
種の話し合いが行なわれるのは初めてである。会談の内容について
は、当面何も発表されていない。




10月26日(金)

社民党党大会はベックと失業給付金の改革を支持

(ハンブルク)社会民主党の連邦党大会は、ほぼ全会一致で党首クルト ベックが
提案した、失業給付金の支払い期間の延長を支持した。「社会福祉を重視するドイ
ツにむけた改革」の基調をなすこの提案は、討議を行なうことなく、党大会の参加
者によって可決された。これによって同党は、ドイツ労働組合連合の案に合意した
ことになる。党首ベックは、95.5%の圧倒的賛成多数で、党首に再選された。3人
の党首代理には、外務大臣フランク・ヴァルター シュタインマイアーが賛成
85.5%でもっとも多数の支持を得て選ばれた。続いて大蔵大臣ペーア シュタイン
ブリュックとアンドレア ナーレスが、それぞれ約75%の支持で選ばれた。ベック
は演説の中で、社会民主党は再び社会的公正の基準とならなければならない、と強
調した。元首相ゲアハルト シュレーダーはベックを支持し、2010年行動計画の
修正も可能である、と表明した。

     その他のニュース

プーチンは米国のミサイル計画での対立をキューバ危機と対比

(マフラ)ロシアとEUはポルトガルで会談を行なったが、主要な
対立点では歩み寄りを見せなかった。EUは外国の大企業がエネル
ギー供給網に対して持つ影響力を制限することを計画しているが、
これが明白な対立点となった、と参加者は報告した。EU内部でも
異論の出ている措置は、巨大エネルギー企業ガスプロム社に対する
侮辱的な行為である、と露異さは見ている。大統領プーチンは、中
欧に米国が計画しているミサイル迎撃施設をめぐる対立を、
1962年に米国と当時のソ連が核戦争を起こしかけたキューバ危機
に匹敵するもの、と述べた。米国がミサイル迎撃施設をチェコとポ
ーランドに予定通り設置するのであれば、ロシア政府は自分の安全
上の利益が毀損されたと判断する。EU貿易委員マンデルソンは、
ロシアに対する鉄輸出の割り当てを引き上げる協定は、両者とも建
設的に協力できる証拠である、と評した。

トルコはイラクにPKKの指導者の引渡しを要請

(アンカラ)トルコはイラク政府に対し、イラク北部に逃げこんだ
クルド労働者党PKKの指導者すべてを引き渡すように求めた。これ
はトルコ首相代理ジェミル チチェッキが、テレヴィのインタヴュ
ーで伝えたものである。クルド人の戦闘員に対する措置をめぐるイ
ラクの提案は不十分であり、イラク政府が検討している措置には、
あまりに時間がかかりすぎる、とトルコ外務省は発表した。チチェ
ッキは、トルコ軍がイラク北部を空爆したことを認め、今までのと
ころ大規模な地上軍による侵攻は行なわれていない、と述べた。ト
ルコがイラクに侵入することを阻止しようとして、トルコ、イラ
ク、米国の代表がアンカラに集まり、この紛争を解決するための話
し合いを行なった。米国は、この地域全体の安定を損なうことがな
いように、と警告した。

アッバスは電力供給削減でオルメルトに抗議

(エルサレム)パレスチナ大統領アッバスは、イスラエル首相オル
メルトに、ガザ帯状地帯への電力今日きゅを削減したことで、公式
に抗議を行なった。アッバスはオルメルトとエルサレムで会談をし
た際に、いかなる状況下であっても、このような行為は容認できな
い、と述べた、とパレスチナ側の主席交渉人エレカトがラマラで述
べた。両首脳は、共同声明発表に向けて、意見を接近させられる可
能性があるか、検討した。このイスラエルとパレスチナの話し合い
の場を、来年の和平協議を再開する土台としたい、との意向を米国
は持っている。




10月27日(土)

社民党は鉄道民営化は国民株式方式によってのみ認める方針

(ハンブルク)社会民主党の連邦党大会は、ドイツ鉄道の部分的民営化計画は、条
件つきでのみ認めた。ハンブルクでの党大会に参加した5百人を越える代表者は、
キリスト教民主、社会同盟との交渉で、いわゆる国民株式方式を押し通すように依
頼した。それによれば、国の鉄道に対する出資金のうち少なくとも25.1%を、投票
権のない優先株式の形で売却し、大規模な投資によって同社が壊滅に追い込まれる
のを阻止することになっている。連立相手のキリスト教民主、社会同盟がこの暗に
賛成しない場合には、次の手段を決めるためにもう一度党大会を開いて決定を行な
う。また党大会の参加者は、全会一致で同党幹部の環境政策に関する基調提案を受
け入れた。これの中では、気候に悪影響を与える二酸化炭素の排出を2020年まで
に40%削減するとの目標が、強調されている。このほか党大会では、ドイツの高速
道路での最高速度を時速130キロにすることを求めた。

     その他のニュース

連立与党は第1種失業給付金に関してもう一度協議

(ハンブルク)社会民主党が金曜日の党大会で、年長者に対する第
1種失業給付金の支給期間の延長を決定したことを受け、連立政府
はこの問題をもう一度取りあげる方針である。キリスト教民主、社
会同盟の主要な政治家たちも、この法律の改善に応じる用意があ
る、と述べた。社会民主党事務長ハイルはハンブルクで、両会派の
幹部は来週日曜日にこれについて協議を行なう方針だ、と発表し
た。11月12日に連立内部の会議の際にも合意が可能である、と彼
は自信をのぞかせた。

国外秘密情報部BNDの改革が実施される

(ベルリン)過去にいくつかの事件に発展したドイツの国外秘密情
報部である連邦情報局BNDの改革が行なわれる。6千人の職員を抱
える同局は、2009年から完全に新しい組織となる。今まではっき
り分離されていた情報入手部門とその鑑定部門が、一本化されるこ
とになっている。これは中核となる部門の破壊ではなく、秘密情報
部の手法の近代化である、と同局の広報はベルリンで発表した。秘
密情報部は、最近国内で報道関係者の周辺をひそかに探っていたこ
とで、非難を浴びていた。

連邦政府はインドとの協力関係を拡大する方針

(ベルリン)連邦首相メルケルは、政府はインドとの経済および科
学の分野での協力関係を、大きく拡大する方針である、と述べた。
両国の貿易関係は、百億オイロ以上の規模で推進されている、と彼
女は月曜日に始まるインド訪問を前に述べた。メルケルには、経済
代表部と研究大臣シャヴァーンが同行する。その他彼女は、ますま
す多くのインド人がドイツの大学に通うように、宣伝を行なう意向
である。その他彼女は、今回の訪問は、G8諸国にとって、いわゆる
中進国との協力関係が、政治的な紛争を解決する際にもどれほど重
要であるか、を強く示すものになる、とも強調した。




10月28日(日)

社民党は新たな基本綱領を採択

(ハンブルク)社会民主党は、連邦党大会の最後で、新たな基本綱領を採択した。
これにより同党は左派の国民政党としての性格をより強める意向である。「ハンブ
ルク綱領」は、この党大会に参加した代議員によって、ほぼ全会一致で承認され
た。この中で社会民主党は、「民主主義に基づく社会主義」の概念に従うことを明
らかにしている。党首クルト ベックは、この綱領を社会福祉上公正かつ穏健な社
会を築くための土台である、と評しており、社会民主党は、未来を支えることがで
きる政策に向け、方針を転換した、と締めくくりに発言した。
新基本綱領は、社会民主党が持つ初めてのドイツ全体にむけた綱領である。これは
1989年の「ベルリン宣言」の後継となるものである。

     その他のニュース

CDU/CSUは社会民主党の決定を阻止すると予告

(ベルリン)キリスト教民主、社会同盟は、連立相手である社会民
主党の中央党大会での決定が、実施に移されるのを阻止する方針で
ある。社会民主党はドイツの高速道路での最高速度を、一律時速
130キロに制限することを求めているが、キリスト教民主同盟党首
メルケルは、これを明確に拒否した。彼女は、交通制御態勢を最新
式のものにするのが正しい解答である、と述べた。また彼女は、鉄
道の一部民営化が失敗に終わることがないように、と警告した。社
会民主党は、投票権のない優先株式による一部民営化だけを認め
る、と決定したが、これは大規模な投資家の興味を惹かない。キリ
スト教民主同盟事務長ポーファラは、同党は7オイロ50の最低賃金
導入など、経済成長を阻害する要請は、決して政府の政策とするこ
とがないように配慮する、と発言した。

トルコはPKKと戦う意志を強調

(アンカラ)トルコは、活動が禁止されたクルド労働者党PKKの叛
乱勢力と、イラク北部でも軍事力を行使して戦う、との断固たる姿
勢を強調した。首相エルドアンは、トルコの一体性を破壊すること
を決して許すつもりはない、との声明を発表した。イランを訪問し
ているトルコ外相ババジャンも、イラク北部での軍事攻撃という選
択肢をまだ放棄していない、と述べた。一方イラン大統領アフマデ
ィネジャドは、トルコに対して、クルド労働者党との交渉を行なう
ように呼びかけた。

イスラエルはガザ帯状地帯への燃料供給を減らす

(ガザ市)ガザ帯状地帯からの連続ミサイル攻撃を受け、イスラエ
ルはパレスチナ人が住むこの地域への燃料供給を、大幅に減らし
た。イスラエル国防相バラクは木曜日に、この懲罰行為を実施する
ことを認めていた。さらに数日後には、電力の供給を減らす、とも
予告されている。6月からガザ帯状地帯を管理下においている急進
派イスラーム教徒のハマースは、この制裁を「戦争犯罪」である、
と非難した。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system