10月29日〜11月4日のドイツのニュース



10月29日(月)

アルゼンチン大統領の座に初めて女性が選挙で選ばれる

(ブエノス アイレス)クリスティナ フェルナンデス デ キルチネルが、アル
ゼンチンの新大統領に就任する。ほぼ全ての票が集計された後、ペロン党の彼女が
45%の支持を集め、他を寄せつけず首位に立った。対立候補のキリスト教社会主義
エリザ カリオは約23%で、敗北を認めた。現職の大統領ネストル キルチネルの
妻であるクリスティナ フェルナンデスは、夫が設定して成功を収めた経済政策を
継続する方針である。また国会議員の一部の選挙でも、ペロン党が過半数に勢力を
伸ばした。ドイツ首相アンゲラ メルケルは、じき大統領に祝意を伝え、伝統に基
づきキルチネル任期中の両国が良好かつ友好的な関係を維持できるように、との希
望を述べた。

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メルケルは初めてのインド訪問

(ニュー デリー)連邦首相メルケルは、初めてインドを訪問し
た。彼女は首都ニュー デリーに降り立った。4日間の訪問では、
火曜日にまずインド首相シンと新大統領パティルと会談する。彼女
はシンとは、気候保護および科学研究の協力体制のさらなる緊密化
について話し合う方針である。またドイツの開発支援も、議題とな
る予定である。メルケルの今回の訪問には、数人の大企業経営陣が
同行している。いくつかの経済的な契約が結ばれる計画である。

EUはイスラエルにパレスチナに連帯的罰則を課さないように警告

(エルサレム)EUは、イスラエルがガザ帯状地帯への燃料供給を
減少させていることを批判した。連帯的な刑罰は解決にはならな
い、とEU外務委員フェレーロ・ワルトナーはエルサレムでイスラ
エル首相オルメルトと会談した後に述べた。このようなことを行う
と、ハマースのような急進派勢力が力を伸ばすだけである、とも彼
女は語った。国連事務総長潘も、イスラエルのこの措置は過剰であ
ると非難し、イスラエル政府に対して供給削減を撤回するように、
と要求した。イスラエルは領土が武装パレスチナ人によって週末
に、長時間に渡って攻撃を受けたために、燃料のガザ帯状地帯への
供給削減を開始していた。一方イスラエルの制裁を担当する官庁
は、ミサイルによるイスラエルへの攻撃が中止されないのであれ
ば、全ての物資供給を中止する、と威嚇した。

トルコ建国の記念日に軍の権力示威行動

(アンカラ)トルコでは、軍の力を見せつける行動が取られ、クル
ド人労働党PKKとの闘争を行なうとの宣言が出され、建国記念日が
始まった。全ての大都市では、軍事行進が行なわれ、84年前のア
タトュルクによる国家建国の記念式が行なわれた。首都アンカラで
は、戦車、曲射砲やその他の軍備が道を行進し、戦闘機が観客の頭
上を飛び去った。大統領ギュルは、クルド労働者党との戦いに力を
集中する、と予告した。一方トルコ軍は、10万人を越える規模で
イラクとの国境地帯に終結し、クルド労働者党の戦闘員がイラクに
侵攻した場合に備えて準備を行なった。イラク政府は、トルコ政府
に対して改めて、大規模な攻撃を行なわないように求めた。




10月30日(火)

ドイツは女子サッカー世界選手権2011年の実施を決める

(ツューリヒ)ドイツは2011年の女子サッカー世界選手権の主催国である。これ
は世界組織FIFAの運営委員会がツューリヒで決定した。ドイツサッカー連盟は、
唯一の対立候補カナダを投票で破った。連邦首相アンゲラ メルケルは、ドイツ女
子サッカーにとって喜ばしい報告である、ドイツのファンが2011年には2回目の
夏の夢のような話を実現に移すことを確信している、と述べた。
一方ブラジルでは今まで1回しか行なわれていないサッカーの世界選手権が、
2014年の記念大会が64年ぶりにブラジルで行なわれる。FIFAのこの決定は、予
想通りのものであった。南米から唯一立候補していたのがブラジルであったためで
ある。

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メルケルはインドとの協力関係を密接にする方針

(ニュー デリー)連邦首相メルケルは、できるだけ広い土台に基
づいて、インドとの関係を築く方針である。ドイツは、全ての分野
において両国の戦略的な協力関係を拡大する方針である、と4日間
にわたるインド訪問の冒頭で、首都ニュー デリーで述べた。その
ために両国は特に、今後5年で貿易量を200億オイロへと倍増させ
るつもりである。その他に彼女は、重要な協力分野として、科学と
気候保護をあげた。メルケルとインド首相シンは、専門家の交流を
容易に行なえるようにし、国連改革で協力しあうなどの項目でも合
意した。メルケルはインド訪問の冒頭で、インド独立運動の指導者
ガンディの墓碑に花輪を捧げた。

ドイツはイラクの兵士をさらに養成する

(アブ ダビ)ドイツ国防軍は、コンゴもイラクの兵士を育成す
る。ドイツ、イラク、アブ ダビの代表は、国防相ユングが出席す
る中、これに関する条約にアブ ダビで署名した。この契約には、
来年には350人のイラク兵を全ての職務で育成する、との内容が含
まれている。イラク兵の養成は、アブダビで行なわれている。ドイ
ツは今後も、イラク軍の育成に、実質的な貢献を行なう予定であ
る、とユングは述べた。彼は1週間の近東訪問の一環として、水曜
日にはヨルダンに入る予定である。ヨルダン彼は、米国が指揮する
反テロ作戦「不朽の自由」の一部として、アフリカの角で海域を監
視しているドイツ海軍兵士と面会する方針である。

エルドアンはブッシュに対し圧力をかける

(アンカラ)トルコは、テロ組織として分類されているクルド労働
者党PKKとの戦いに関して、NATO加盟国である米国との関係と無
関係に行なう方針である。トルコ首相エルドアンはアンカラで、米
国大統領ブッシュに対して、11月5日の会談の際に、具体的な措置
を取るように求めるつもりだ、トルコにとっては同盟国の行動が、
この紛争での敵は誰で、味方が誰であるのかを示す試金石である、
と述べた。一方トルコ軍は、イラクとの国境のトルコ側での攻撃を
継続している。軍の情報によれば、この地域では、百人の武装クル
ド人を包囲している。




10月31日(水)

マドリード襲撃事件の裁判で有罪判決

(マドリード)マドリードがテロ攻撃を受け、3百人ほどの証言を集めた巨大裁判
が始まってから3年半以上経ち、スペインの首都の裁判所は28人の被告のうち21
人に長期の拘留刑を言い渡した。スペイン人1人とモロッコ人2人の主たる被疑者3
人には、約3万5千年と、4万2千年を越える拘留刑を言い渡した。また容疑者18人
には3年から23年の有罪判決が言い渡された。7人は無罪判決であった。
3月11日にマドリードで、テロリストは4編成の通勤列車に10発の爆弾を持ちこん
だ。191人が死亡、ほぼ2千人が負傷した。テロ組織網アル カーイダがこの攻撃
を行なったことを認めた。
主たる容疑者3人に対して重い量刑が言い渡された理由として、裁判官は死傷者一
人一人に対して、殺人におよび殺人未遂での最高刑を科したためである、と述べ
た。

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メルケルはインドとEUの貿易障壁の撤去を求める

(ボンベイ)ドイツ首相メルケルは、EUとインドの間の貿易上の
障害を取り除くように求めた。ただしメルケルはボンベイで経済代
表団を前に、両国の合意は現在の行なわれているいわゆるドーハ会
議の世界経済に関する自由化の交渉の成果の代わりになるものでは
ない、と強調した。現在G8首脳会談の議長を務める彼女は、イン
ドに対して最重要中進国5カ国が、主要工業国8カ国へより接近す
るのを望んでいる、と明言した。経済の中心地であるボンベイでメ
ルケルは、国立農業農家開発銀行NABARDを訪問し、世界最大の小
規模金融計画について情報を集めた。同行はこの計画でインドの約
4千万の家族に、小額の信用供与を行なっている。メルケルはいわ
ゆる小額融資は、ドイツがインドに対して行なう経済支援の重要項
目の一つである、と指摘した。

チャドでは支援組織に対して抗議活動

(ヌジャメナ)チャドでは数百人が、フランスの支援組織「ゾエの
方舟」が子供たちをアフリカの同国から誘拐しようとした、として
抗議活動を行なった。チャド東部のアベチェ市でデモ隊は、この組
織が野蛮な犯罪を行なった、と非難した。この事件でチャドでは
16人のヨーロッパ人が拘留されている。フランス大統領サルコズ
ィは、チャド大統領イドリス デビーとこの件について電話で話し
合うつもりであり、デビーは逮捕者の今後について「敏感になって
いる」と述べた。「ゾエの方舟」は、スーダンの紛争地域ダルフー
ル出身であるとされる孤児103人を、フランスに運びこむつもりで
あった。チャド政府の情報によれば、彼らは孤児でもなければ、ダ
ルフール出身でもない。

年金受給者はさらに多くのお金を期待できる

(ベルリン)ドイツの年金受給者約2千万人は、2008年には今年
より多くの年金を受給できる見通しである。2008年7月1日には、
西側の年金受給者は1.03%の、東側の受給者は1.13%の調整金を受
け取れる。この数字は「ドイツ年金保険連合」がベルリンで発表し
たものである。これは、いわゆる「評価委員会」の専門家が、現実
にあわせた受給計画の計算に基づくものである。今年半ばには、年
金受給者は3回にわたって受給額の引き上げゼロの解答を得た後に
ようやく、0.54%だけ引き上げを受けていた。年金の財政は、主と
して好景気のため、収入が増えている。




11月1日(木)

メルケルはインド訪問を肯定的に総括

(ボンベイ)ドイツ首相アンゲラ メルケルは、初めてののインド訪問を肯定的に
総括した。彼女は、インドがアジアで政治的に重要な協力国であると見ている、と
訪問の最後の滞在地ボンベイで述べた。4日間にわたる訪問は、経済、科学、政治
の分野での協力態勢を、一歩押し進めた、とも語った。メルケルは、経済的に発展
を続けている中進国であるインドに、貧困との戦いを断固続けて行くように呼びか
けた。インド首脳部との会談の中で彼女は、ドイツの開発支援の重点は、貧困との
戦いから、気候安定に向けた促進策および新たな技術へと移動させる、と予告し
た。

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シュタインマイアーはイランへの「欧州の制裁」は可能と見る

(テル アヴィヴ)イランとの核をめぐる対立で、イスラエルはド
イツが取る態度に異議を抱いているが、外相シュタインマイアー
は、この異義に対処した。ドイツ政府はイラン政府に対する新たな
制裁を遅らせることはない、とイスラエル外相リヴニと共同で行な
ったテル アヴィヴでの記者会見で述べた。イランがウィーンの国
際原発機構に協力しないのであれば、国連安保理が制裁を強化する
のに応じる用意がある、と強調した。次回の国際原発機構の報告書
が提出されても、国連安保理の合意が得られない場合には、ヨーロ
ッパ人は制裁についても検討しなければならない、とも語った。イ
スラエル首相オルメルトはシュタインマイアーと、11月末に米国
で行なわれる国際近東会議の準備に向けても、話し合いを行なっ
た。

パレスチナ人は再びミサイルを発射

(テル アヴィヴ)武装パレスチナ人は、ガザ帯状地帯からイスラ
エルの領土に向けて、カッサム・ミサイルと擲弾筒13発を打ち込
んだ。スデロット市の目撃者の報告によれば、人的な被害は出なか
った。イスラエル軍は、これに空爆で反撃した、と軍広報は発表し
た。ドイツ国防相ユングは、イスラエル訪問中に、パレスチナ人に
対してミサイル攻撃を中止するように呼びかけた。イスラエル首相
オルメルトとの会談後にユングは、イスラエルは自国の安全が守ら
れるのであれば、パレスチナ人の国家を受け入れる用意がある、と
述べた。

ムガベはEU・アフリカ首脳会談への招待を受諾

(アクラ)英国がはっきりと反対している中、EUは問題となって
いるジンバブエ大統領ムガベを、12月にポルトガルで行なわれる
EU・アフリカ首脳会談に招待した。アフリカ連合の全ての加盟国
が、招待を受け入れた、とポルトガル外相アマドは訪問先のガーナ
の首都アクラで述べた。英国首相ブラウンは、ムガベが招待される
のであれば、EU・アフリカ首脳会談には参加しない、と威嚇して
おり、ムガベはジンバブエで広い範囲で拷問を行ない、野党を威嚇
している、と述べた。




11月2日(金)

機関士のストは貨物および遠距離輸送分野でも許可

(ケムニッツ)鉄道の労働条件をめぐる紛争で、機関士の労働組合GDLは、ケムニ
ッツのザクセン州労働裁判所で勝利を収めた。労働組合は貨物および遠距離運輸で
もストライキをすることが認められる、との判断をケムニッツの裁判官は決定し、
これにより関連する下級審でのスト禁止を破棄した。
同労組は少なくとも日曜日までは、ストを行なわない方針である。同労組会長マン
フレート シェルは鉄道側に対して、機関士独自の労働契約を含む実施可能な提案
を行なうように求めた。鉄道はこれを即座に拒否した。鉄道の経営陣マルグレート
 ズッカレは、連邦憲法裁判所での裁判の成り行きを検討する、と述べた。

     その他のニュース

イランに対する制裁では今なお合意に至らず

(ロンドン)イランとの核をめぐる対立で、安保理で拒否権を持つ
5ヶ国とドイツは、イラン政府が核計画に関する疑問を完全に取り
除くことができない場合にのみ、制裁を強化するよう努力を続けて
いる。6ヶ国の代表はロンドンに集まり、EU外務委員ソラナの報告
書をもう一度待つことで合意した。その中で前向きの印象が得られ
なければ、11月19日に再び会合を開き、より厳しい制裁を含む3
度目の国連決議を取りまとめることになる、とのことである。米国
はこの結論に失望を表明した。イランは、核計画を中止するよう
に、との国連決議の要求を今まで2度に渡って抵抗した。西側諸国
は、この計画は核の民間利用を隠れ蓑に、核兵器を開発しているの
ではないか、との疑いを持っている。

シュタインマイアーはクルド紛争の沈静化を呼びかけ

(イスタンブル)独外相シュタインマイアーは、クルド人紛争で、
事態の沈静化を呼びかけた。通信社に報道によれば、イスタンブル
でのイラク国際会議に出席しているシュタインマイアーは、イラク
北部のこの地域の安定が守られなければならない、と述べるととも
に、クルド労働者党PKKによるトルコ国内での襲撃を非難した。襲
撃が行なわれているため、トルコはイラク北部に潜伏しているクル
ド労働者党に対する攻撃を行なう、と威嚇している。米国外相ライ
スは、クルド労働者党との戦いでは、トルコを支援する、と約束し
た。クルド独立を目指すこの組織は、共通の敵である、とライスは
強調した。

パレスチナ大統領アッバスはハマースの代表と面会

(ラマラ)穏健派のファタハに属するパレスチナ大統領アッバス
は、ガザ帯状地帯での権力を暴力によって6月中旬に奪われてから
はじめて、急進派イスラーム教徒運動のハマースの代表と面会し
た。この席上アッバスは、ハマースとの対話は、ガザ帯状地帯での
権力を放棄した後にのみ開始できると明言した、とラマラの大統領
事務所は発表した。イスラエル政府は、アッバスとハマースの対話
は、近東平和会談を危険にさらす可能性がある、と警告した。




11月3日(土)〜4日(日)

お休みです。




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