11月12日〜18日のオーストリアのニュース



11月12日(月)

     国外ニュース

パキスタンではブットーが再び自宅拘留に

抗議行進を数時間後に控えて、パキスタンの野党指導者ベーナズィ
ール ブットーは、昨日再び自宅拘留状態に置かれた。警察の発表
によれば、彼女はパキスタン北部の都市ラホールで逮捕された。多
くの警官が彼女の滞在していた家を包囲した、と彼女の政党の広報
は発表した。ブットーは、ラホールから290キロ離れたイスラマバ
ードまで、「民主化へ向けた長い行進」を始めるつもりであった。
この直前に、野党勢力に全国での抗議の行進の計画に対し、禁止命
令が出されていた。ブットーは支持者に対して、国内のあらゆる地
点から首都に向けて行進を行ない、大統領ペルヴェズ ムシャラフ
に対する抗議を行なうように、呼びかけていた。また彼女は、戒厳
令に対する抗議のため、ムシャラフとの交渉を一切拒否していた。

     国内ニュース

中高齢者は年金に関して政府と交渉

連邦首相アルフレート グーセンバオアー(社会民主党)と副首相
ウィルヘルム モルテラー(国民党)は月曜午後、中高齢者評議会
の代表と、年金の変更をめぐって2回目の会談を首相府で行なっ
た。法律の規定によれば、来年の年金引き上げはわずか1.7%に留
まる。1,965オイロ以上の年金の受給者には、月額で一律33.41オ
イロの引き上げとなる。中高齢者の代表は、これは不十分であると
し、2.1%の引き上げを要求し、中高齢者にとって重要な製品を、
一般の価格指標に載っているよりも重視した年金受給者価格指標を
作るように指摘した。政府が呈示した一時金の支払いを、中高齢者
の代表は拒否した。




11月13日(火)

     国外ニュース

デンマークで選挙 得票予想はまだ確定せず

デンマークの国会議員選挙では、投票日夜に、投票の6割以上が開
票されてもない。首相アナス フォー ラスムセン首相が、今後も
首相に留任できるかどうか、そしてどのような連立が可能かどうか
は、まだはっきりしない。デンマークのテレヴィ局の集計予想で
は、第1回の投票予想同様、約4百万人の有権者のうち2百万人以上
の表を集めているため、市民陣営がぎりぎりではあるが優位に立っ
ているものの、国会議員の議席配分は流動的である。組閣するため
には、シリア系のナセル カダーの「新同盟」が、国会議員を送る
ために必要な2%の得票を得られることが必要だからである。その
他コペンハーゲンおよびその周辺地域では、まだ全く票が集計され
ていない。両陣営の幹部の政治家は、左派党党首ヴィリ セフンダ
ルを除いて、今までに発表された部分の結果と集計予想について何
の意見も発表していない。セフンダルの社会主義国民党が、地滑り
的に若干の勝利をあげ、今までよりも議員の数を倍増させた。セフ
ンダルは、もう一度政府を結成することができたとしても、これは
ラスムセンの「終わりの始まり」である、と述べた。

     国内ニュース

政治家の給与の公表をめぐってあいかわらず対立

政治家の給与の穀界をめぐって、連立両党はまだ意見がまとまらな
い。社会民主党が突然、同党所属の国民評議会議長バルバラ プラ
マーの提案に同調した後、同意等は国民党に対し、これを受け入れ
るように迫った。国民党は火曜日はこれに対して沈黙を守ったが、
社会民主党の法律問題の専門家ハネス ヤーロリムの全ての市民は
収入を公開すべきであるとの提案を、未来同盟同様に激しい言葉で
批判した。一方緑の党は、よい先例を示していた。




11月14日(水)

     国外ニュース

EU議会はシェンゲン協定拡大の投票を行なう

シェンゲン協定を適用する範囲を、2004年にEUに加盟した東ヨー
ロッパ諸国とマルタにまで拡大する計画が進んでいるが、EU議会
はこれを木曜日に採決する。この条約を発効させるために必要な賛
成が得られるのは、確実と見られている。この採決後には、シェン
ゲン協定の適用範囲は、予定通り12月21日に15カ国から24カ国
の拡大される。EU外部との境界の監視など、技術的な条件が満た
されていないため、当面ブルガリア、ルーマニア、キプロスは除外
されたままである。本来は水曜日に予定されていた投票は、翻訳の
問題で、1日間延期された。

     国内ニュース

年金の引き上げで専門家の批判に対して批判

最低年金の2.9%の引き上げを、年金の専門家は多すぎる、と見て
いる。若者がその資金を支払わなければならない、と政府と年金受
給者の代表者との間で昨日成立した合意について専門家たちは述べ
た。オーストリア労働組合連合、自由党、緑の党、社会民主党は、
こうした専門家は世代間を対立させようとしている、と非難した。
緑の党の社会福祉の専門家カール エリンガーは、「間違った発
言」である、と述べた。未来同盟の釈迦副詞の専門家ウルスラ ハ
オプナーは、これに答えて、自分が大臣だった時には、最低年金を
もっと増額していた、と述べた。




11月15日(木)

     国外ニュース

トルコ将軍「イラクでの作戦を拡大」

トルコ軍の将軍の発表によれば、イラク北部のクルド人反乱勢力に
対する軍の投入を拡大する用意を、トルコは進めている。現在これ
に関する作戦の支援任務を行なっている、と将軍イルカー バスブ
グは述べた。トルコ政府は、クルド労働者党PKKの戦闘員が繰り返
しトルコ軍に対して攻撃を行なう基地となっているイラク北部への
侵攻を行なう、と威嚇した。トルコの報道機関では、首相タイップ
 エルドアンは今週にも「国境を越える作戦」を行なう可能性があ
る、との言葉が報じられている。

     国内ニュース

移民報告書「月並みな表現」に反対

オーストリアは移民の国である。5人に1人は移民あるいはその子
供である。これは新たな報告書の核心となる表現である。この報告
書の編集者である科学学会のハインツ ファスマンは、この報告書
は、「耳触りの良い月並みな表現」が印象を与える議論を客観的な
ものにするつもりである、と述べた。実際にはこの報告書は、多く
の決まり文句や先入観とは対立している。移民の最大の出身国は現
在ドイツであった。




11月16日(金)

     国外ニュース

アフマディネジャドはサルコズィを「若く未経験」

イラン大統領マハムード アフマディネジャドは、フランス大統領
ニコラ サルコズィに、悪意を込めた書簡を贈った。その中で彼は
サルコズィを、「未熟で経験が足りない」と評した。フランスはヨ
ーロッパと強調する国に対して、国連以外からも共同で制裁をする
ように働きかけているが、アフマディネジャドはこれに抗議してい
る、と「ル モンド」紙は報じている。この書簡は既に月曜日に投
函されており、威嚇の言葉を含み、厳しい調子でかかれている。サ
ルコズィは8月末に、「イランが爆弾を持つか、イランを爆撃する
かという破壊的な選択肢しかないような状態にならないように」と
警告していた。一方ロシアは、ブシェール原発のための燃料輸出に
むけ準備を進めている。

     国内ニュース

亡命裁判所問題でプラターはベルガーに激怒

社会民主党の一部は、先週閣議で決定された亡命裁判所を支持して
いないが、内務大臣ギュンター プラター(国民党)は、これにつ
いて憤慨している。「このような状態では政治に携わることはでき
ない」と彼は「プレッセ」紙のインタヴューに答えた。法務大臣マ
リーア ベルガー(社会民主党)は、新たな規則によれば、亡命希
望者は亡命裁判所の決定に反して、行政裁判所には控訴できないこ
とになっているため、「きわめて問題の多い」規則である、と述べ
ていた。しかし内務大臣は、法律上基本的な問題に対して、行政裁
判所の判断に対して提案を行なうことができない。プラターは、手
続きを迅速に行なうために、制限を加えることは必要であるし、ベ
ルガーは閣議では亡命裁判所の詳細について賛成し、批判的なこと
は述べていなかった、と同紙に述べた。




11月17日(土)

     国外ニュース

コソヴォの反乱の元指導者が選挙の得票予想で優位に

コソヴォのアルバニア人の反乱勢力の指導者であったハシム タシ
(39歳)は、喜び理由を持っている。国連が行政を担当する南セ
ルビアのコソヴォ州で行なわれた国会議員および地方議会の選挙
で、投票所の半分の開票が終わった後、彼の民主党PDKは、他の政
党を抑えて、政権の座を手に入れる見込みである。1999年のコソ
ヴォ戦争後、反乱勢力「コソヴォ解放軍UCK」の後継となったPDK
は、非政府組織連合「行動する民主主義」の暫定的な発表によれ
ば、今まで政権を担当していたコソヴォ大統領ファトミル セイデ
ィウの民主連合LDKの得票率23%を抑えて、35%の票を獲得した。
民主連合はコソヴォのアルバニア人政党としては最古参で、指導的
な立場を失うのは初めてである。第3党には「新コソヴォ同盟
AKR」が12%で続いた。

     国内ニュース

社民党の国会議員エーダーは議会を去る

社会民主党員で長い間国会議員を務めていたクルト エーダーが、
2007年末で国民評議会を去る、と社会民主党は土曜日に発表し
た。61歳の彼は電力問題の専門家として、20年前から同党のフロ
ーリスドルフ選出の議員として、国民評議会に参加していた。
1977年から81年までは、ウィーンのフローリスドルフ区評議員を
務め、1987年まではウィーン議会に属していた。国会議員の他に
ガソリン販売会社OMVでも働いているエーダーは、国会議員の副収
入の公表に関する議論で、意見が対立していた。国会議員内部の投
票では、自由意志に基づく公開に反対ないしは意見を保留した3人
の国会議員の1人であった。この辞任については社会民主党国会会
派長ヨーセフ カープは、何も発表しようとせず、「辞任は個人の
決断によるもの」であった、と述べた。




11月18日(日)

     国外ニュース

ムシャラフは1月上旬の国会議員選挙に賛成

世界各国からの圧力が強まる中、パキスタン大統領ペルヴェズ ム
シャラフは、選挙委員会に対して、国会議員選挙を1月8日に行な
うことを提案した。この予告は、ムシャラフが米国外務大臣代理ジ
ョン ネグロポンテと、イスラマバードで会談した数時間後に発表
された。ネグロポンテは自由かつ公正な選挙、戒厳令の解除、政治
犯の釈放、報道禁止の撤回を求めた。パキスタン最高裁判所は改め
て会議を開き、問題となっているムシャラフの再選の法的正当性を
確定するために、協議を月曜日に再開する。2週間前にでた最高裁
の否定的な判断にたいして、ムシャラフは戒厳令を発令していた。
彼は中立の司法長官イフティカル ショードリーを解任していた。

     国内ニュース

モルテラーは副収入の公表にあいかわらず反対

国民党は、国会議員の副業の状況を公開するつもりであるが、それ
による収入の額については公表しない、と副首相ウィルヘルム モ
ルテラー(国民党)は昨日のテレヴィ番組で述べた。個人の収入
は、私的なものである、と大蔵大臣でもある彼は述べた。党の経費
の公開についても、同様の論拠を挙げて拒否している。これは国民
党「の利益のため」ではない、とも語った。一方モルテラーは年金
の2.9%引き上げについて、改めてこれを擁護した。




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