2月11日〜17日のドイツのニュース



2月11日(月)

ルートヴィヒスハーフェン火災は地下室で出火

(ルートヴィヒスハーフェン)ルートヴィヒスハーフェンの大火災の捜査で、当局
の捜査は少し進展した。それによれば、9人が死亡したこの火災は、家の地下室か
ら出火した。ルートヴィヒスハーフェンの警察と検察は、この火災の本来の原因に
関する問題には、まだ発表は行なえない、この調査には少なくとも今週一杯必要で
ある、と述べた。ラインラント・プファルツ州首相クルト ベックは、今のところ
放火を示す証拠はない、と強調した。一方トルコの都市ガジアンテプではこの火災
の犠牲者の埋葬が行なわれた。

     その他のニュース

メルケルはエルドアンの移民問題に関する演説を批判

(ハンブルク)連邦首相メルケルは、トルコ首相エルドアンのドイ
ツ訪問後に、外国人の社会への融合問題に関する彼の発言を批判し
た。この問題に関しては今後も議論をする必要がある、と首相でキ
リスト教民主同盟党首の彼女は、ハンブルクで開かれた同党の幹部
会議後に発表した。社会との融合のためには、ある国の生活様式を
受け入れることが必要である、とも彼女は語った。エルドアンはケ
ルンでの演説で、ドイツで暮らすトルコ人に、ドイツとの融合を呼
びかけたが、同時にトルコ人としての自負を失わないように、と警
告していた。

東ティモールには戒厳令が課された

(ディリ)失敗に終わったとはいえ、東ティモールの大統領と首相
が襲われたことを受け、首相グスマンは48時間の戒厳令を課した。
同時に彼は、外出禁止も公布した。反乱軍兵士は、首都ディリで連
携した攻撃を行ない、グスマンと大統領ラモス・ホルタを暗殺しよ
うとした。ラモス・ホルタ(58歳)は自宅にいたところを銃撃さ
れ、極めてひどい負傷を負った。彼はオーストラリアのダーウィン
の病院に飛行機で運ばれ、人工的に昏睡状態に置かれている。医師
によれば、彼の状態は深刻であるが、安定している。ラモス・ホル
タの自宅での銃撃戦では、警備の1人と反乱軍の首領レイナドおよ
び反乱軍の兵士1人が死亡した。この襲撃の背後には、民主的に選
ばれた政権を妥当しようとするクーデタがあるものと見られてい
る。国連安保理は、月曜日にもこの事件を取りあげることにしてい
る。

ゲイツはイラクからの撤兵を中断すると予告

(バグダード)米国防相ゲイツは、イラクからの部隊の引き上げ
を、暫定的に中止する、と予告した。今年半ばに予定されていた米
兵3万人の撤退の後、安定し、評価を行なう局面に移行しなければ
ならない、とゲイツは首都バグダードを訪問した際に述べた。この
発言は、米軍の在イラク最高司令官ペトレイアスの要求を、後押し
するものである。ゲイツは、2007年初頭に米兵3万人をイラクに
追加派兵したことを評価し、それ以降暴力は明らかに減少し、蜂起
勢力の協力を取りつけ、アル カーイダの戦闘員をイラクから追放
した、とゲイツは述べた。しかしゲイツの滞在中にも、自動車爆弾
2発がバグダード中心部で破裂し、アル・フリジャ広場では少なく
とも14人が死亡、45人ほどが負傷した。




2月12日(火)

メルケルは和平実現ではイスラエルを支援すると約束

(ベルリン)連邦首相アンゲラ メルケルは、近東和平実現の過程では、ドイツは
全面的にイスラエルを支援する、と約束した。彼女はイスラエル首相エフド オル
メルトとベルリンで会談し、ドイツはできる範囲で、この和平の仮定をイスラエル
側もパレスチナ側も支援する、と述べた。連邦政府は、2つの国家の並存による解
決に向け、あらゆる努力を行なう、、とも語った。オルメルトは、パレスチナ人と
の和平交渉を断固継続する、と強調した。また彼はイスラエルがパレスチナ人の暴
力行為に対して、厳しい措置を取っていることを擁護した。またオルメルトは、イ
ランとの核をめぐる対立で、国際社会がもっと努力をするように求めた。イスラエ
ルは、イランが核兵器製造に取り組んでいると確信しており、イラク首脳部に核兵
器を製造させないように、代案があればそれを忘れてはならない、とも語った。

     その他のニュース

ツォリッチュが司教会議の新議長に

(ヴュルツブルク)フライブルク大司教ツォリッチュが、ドイツ司
教会議の新議長に就任する。火曜日の午前中に開かれたドイツ司教
会議の信念の集会が、これを決定した。ツォリッチュは、健康上の
理由で退任する枢機卿レーマンの後任となる。69歳のツォリッチ
ュは、今後6年間、ドイツのカトリック教会の最高の代表者を務め
る。彼は、はるかに若く、世間的には大きな影響力をもつ強硬派の
マルクスを破って、議長の座を得た。彼は11月に、ミュンヒェン
およびフライズィング大司教に任命されたばかりであった。

公勤務のストが木曜日に実施

(ポツダム)連邦と地方自治体の公勤務就労者は、木曜日に警告ス
トを行なう。労組Verdi会長ブシルスケは、ストを行なうのは、病
院、全日制託児所、ゴミ収集および一般業務を中心とした分野であ
る。警察労組、教育および科学労組、公務員連合は、今後このスト
に続く予定である、との方針を明らかにしている。これより前に行
なわれた3度目の交渉は成果を挙げることなく、2月25日に延期さ
れた。労組は今年8%の賃上げを求めている。使用者側は、今後2年
間の賃上げを5%とし、さらに労働時間の延長を呈示していた。

ノキア社は事業所委員会の提案を実施不可能として却下

(ヘルシンキ)フィンランドの携帯電話会社ノキア社は、ボッフム
工場の事業所委員会が、同工場の救済のために行なった新たな提案
を拒否した。示された提案は実施不可能である、と同社幹部は見て
いる、と事業所委員会の代表とエスポーの本社で会談した後、会社
側は発表した。話し合いは建設的な者であったが、同委員会の提案
では、ボッフム工場の維持に必要な効率性は、達成できないので、
他のボッフムの企業での2千3百人の従業員の再就職が問題とな
る、とのことである。ノキア社は経費がかかることを理由に、今年
半ばにはボッフム工場を閉鎖する方針である。同社は月曜日には既
に、ルーマニアで新工場の落成式を行なった。この国情はボッフム
工場の代わりになるものである。




2月13日(水)

ドイツ人宇宙飛行士シュレーゲルが初めての船外活動

(ヒューストン)ドイツ人宇宙飛行士ハンス シュレーゲルは、スペイスシャトル
で初めての船外活動の終了した。米国人飛行士レックス ワールハイムとともに、
宇宙ステイションについている冷却用窒素のタンクを交換した。この活動には6時
間以上かかった。56歳のシュレーゲルは、本来なら月曜日の時点でヨーロッパの
実験室「コロンバス」の設置作業で、宇宙空間に出ることになっていたが、病気に
かかったため、シュレーゲルは宇宙ステイションの中に留まらざるをえなくなって
いた。

     その他のニュース

ソマリアで誘拐されたドイツ人は解放される

(ボン、モガディシオ)ソマリア北部で誘拐されたドイツ人開発支
援組織の隊員は、1日後に解放された。このドイツ世界飢餓支援の
隊員の体調は良好である、と同組織の広報ポットはボンで述べた。
ソマリア政府と公務員はモガディシオで、治安部隊がこのドイツ人
を水曜午前中に解放した、と発表した。世界飢餓支援によれば、そ
の際に銃撃戦が行なわれたが、35歳の男性隊員は負傷せずにすん
だ、とのことである。

シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州では選挙の5%障壁が廃止

(カールスルーエ)連邦憲法裁判所は、シュレースヴィヒ・ホルシ
ュタイン州の地方議会選挙で、(議員を送りだすのに政党が必要と
していた得票率)5%の障壁を取り消した。小政党あるいは小さな
有権者連合がの機会均等が、5%障壁により損なわれる、とその理
由を述べている。その他にほぼ全ての州が、この条項を既に廃止さ
れていることも挙げた。同州の緑の党と左翼党が、この訴訟を起こ
していた。裁判では州政府の側は、全ての政治組織および有権者連
合市長村議会に議員を送りだすと、議会は理性的に仕事ができなく
なる、と主張していた。この判決は、州議会選挙と連邦議会選挙に
は適用されない。

ヒズブッラーの指揮官がダマスカスで襲撃され死亡

(ダマスカス)数多くの犯行を行なった件で、国際的に行方を追求
されていた、レバノンのヒズブッラー民兵組織の創設者の一人であ
るマグハニーヤが、シリアの首都ダマスカスで、自動車爆弾による
攻撃を受けて死亡した。彼はここ数年間は、地下生活を送ってい
た。米国連邦警察FBIは、彼の逮捕に2千5百万ドルの報奨金を掛け
ていた。45歳のマグハニーヤは、飛行機の則り、数件の大使館襲
撃、レバノンおよびサウディ アラビアで米国およびフランスの兵
士を襲撃に関与していた、とされている。レバノンとイランのヒズ
ブッラーは、マグハニーヤ襲撃の責任はイスラエルにある、と非難
した。イスラエル政府は、これを強く否定した。米国外務省広報
は、冷血漢の暗殺犯マグハニーヤがいなければ、世界はよりよい場
所になる、と述べた。




2月14日(木)

郵便社長ツムヴィンケルに税務調査

(ボッフム)郵便社長クラオス ツムヴィンケルは、総額約100万オイロの税金を
逃れていた、との容疑が持たれている。ボッフムの検察官は、リヒテンシュタイン
での資金運用に関連して、容疑者数人に対して捜査を行なっている、と発表した。
ツムヴィンケルがこの件について発言し、さらに高額の保釈金を支払うと申し出た
ため、彼に対する逮捕命令は執行されなかった、とのことである。これより前に、
郵便の役員会会長である彼の私邸および事務所の部屋の捜査が行なわれていた。ド
イツ郵便は、この容疑が持たれているが、ツムヴィンケルは今後も社長に留まる、
と発表した。
ツムヴィンケルは1990年から郵便の社長を務めている。彼が社長に就任してか
ら、以前は国有企業であった郵便は新規株式公開を行ない、世界各地で活動する物
流企業へと変化を遂げていた。64歳の彼との契約は、今年の年末に終了する。

     その他のニュース

幹細胞研究に関して激しい議論

(ベルリン)連邦議会では、人間の幹性細胞研究に関して、対立す
る議論を行なった。この種の研究の全面的な禁止から、完全な自由
化につながる4つの法案が国会に提出された。現在では、2002年
以前に得られた幹細胞をドイツに運びこみ、使用することだけが許
されている。この幹細胞に関する方針は、この間に使えないものに
なった、と見られている。研究者は幹細胞研究から、ひどい病気の
治療に役立つ知見が得られると期待している。この研究に異論が出
ているのは、そのために胚を殺さなければならないためである。こ
のためカトリックに司教たちも、これを拒否している。

ハリリの息子はレバノン国内の和解に賛成

(ベイルート)レバノンの首都では、数十万人が2005年2月14日
に凶行にあって死亡した元首相ハリリの追悼式に参加した。ハリリ
は反シリア陣営の主要な政治家であった。彼の息子サード ハリリ
はこの式典で、レバノン国内に和解をするように呼びかけた。多数
派の政府は、親シリアの野党に対して手を差し伸べており、それは
変わらない、とも述べた。与党は、ハリリの暗殺の黒幕はシリアで
あったのではないか、との疑いを持っている。

ヒズブッラーは戦争をちらつかせイスラエルを威嚇

(ベイルート)レバノンのヒズブッラーの指導者ナスララは、シー
アは民兵組織であるヒズブッラーをともに創設したムグニヤの死へ
の報復を行なう、とイスラエルを威嚇した。ヒズブッラーには、イ
スラエルと正式に戦争を行なう用意がある、とナスララはベイルー
トで行なわれたムグニヤの葬儀で述べた。数件のテロ攻撃を行なっ
た容疑で、国際的に追求されているシーア派のムグニヤは、火曜日
夜にシリアの首都ダマスカスで、自動車爆弾で死亡していた。この
埋葬式にはイラン外相モッタキも出席した。一方イスラエルは、こ
の襲撃に対する一切の関与を否定した。報復行為が行なわれる恐れ
があるため、イスラエル大使館と施設の安全対策が、世界各地で強
化された。




2月15日(金)

ツムヴィンケル事件は氷山の一角

(ベルリン)ドイツ過去最大級の脱税事件が明らかになりはじめている。連邦大蔵
省および所轄であるボッフム検察は、退任した郵便社長クラオス ツムヴィンケル
の他に、著名人を含む数百人の裕福な市民が、税査察官の調査の対象となってい
る、と発表した。「南ドイツ新聞」の情報によれば、最大で34億オイロが大蔵省
を素通りして、リヒテンシュタインへ流れ込んでいた。捜査陣は、アルプスの小国
リヒテンシュタインのある銀行の大量の書類を押収し、近々ドイツ全国で手入れが
行なわれる予定である、と複数の報道機関が報じている。
連邦大蔵大臣ペーア シュタインブリュックの発表によれば、ツムヴィンケルが税
をごまかした責任を取った。郵便の大株主である連邦政府は、最高経営責任者であ
る彼の退任を歓迎した。彼の事務所と住居は木曜日に捜査を受けた。またツムヴィ
ンケルは、電信電話会社と郵便銀行の監査役会の会長も辞任した。

     その他のニュース

メルケルはツムヴィンケル事件に驚愕

(ベルリン)連邦首相メルケルは、郵便社長ツムヴィンケルが脱税
したと報じられていることを受け、びっくりしている、と述べた。
これは予想できなかったことである、とメルケルはベルリンで述べ
た。脱税の疑いが持たれているこの事件の規模を視野に入れて、彼
女は情勢は困難であり、気が滅入る、と述べた。連邦蔵相シュタイ
ンブリュックは、ツムヴィンケル事件は、社会的市場経済にとって
最大の危険が、重要人物自身の行きすぎた行為から生じている一例
である、と述べた。

ガザ帯状地帯で攻撃 死傷者発生

(ガザ市)イスラエルがガザ帯状市対を空爆し、少なくとも5人の
パレスチナ人が死亡し、約30人が負傷した。医師の話によれば、
死者の中には急進派パレスチナ人組織「イスラーム教ジハード」の
活動家も含まれている。イスラエル空軍は、ガザ市近くの難民収容
所エル ブレイジュの中にあるアイマン エル ファイエドの家に
向けて、ミサイルを発射した。負傷者の多くは、活動家の家族であ
り、彼の家は完全に破壊された、とのことである。

チェコ大統領クラウスは再選される

(プラハ)チェコ大統領クラウスはぎりぎりの賛成多数で、2期目
の再選を果たした。国会の両院で、66歳の保守派の政治家である
クラウスは、3度目となる最後の投票で、当選に必要な絶対多数を
1票上まわる得票を得た。チェコ大統領の性格は、おおむね国を代
表する人物、というものである。




2月16日(土)

当局は税金の情報に数百万オイロを支払う

(ベルリン)ドイツの歴史の中で最大の税金疑惑が生じる中、複数の報道機関の報
道によれば、数百人と見られる脱税者に関するリヒテンシュタインからの情報代と
して、数百万オイロを支払った、とのことである。秘密情報部である連邦情報局
BNDの情報提供者はは、情報を書き込んだCDの代金として、420万オイロから
500万オイロを受け取った、と報じられている。大蔵大臣ペーア シュタインブリ
ュックは、この取り引きについて知っている、と同省公報は発表した。証拠品は、
数百人の容疑者に関するもので、合わせて数十億オイロ国庫を素通りして、リヒテ
ンシュタインに流れ込んでいた、とされている。「フォークス」誌の情報によれ
ば、近々大金持がさらに手入れを受ける見通しである。政界の要人はこの事件に対
して怒りの態度を示し、脱税の際の量刑を再検討するように求め、この事件が社会
的に市場経済に大きな打撃を与えないように、と警告した。連邦経済大臣ミヒャエ
ル グロースは、ドイツの企業経営者が、社会に対する模範的な役割を自覚するよ
うに求めた。

     その他のニュース

パキスタンの選挙を前に流血の凶行

(イスラマバード)パキスタンでの選挙を2日後に控え、国会議員
候補者の事務所が襲撃を受け、公式発表によれば、少なくとも
37人が死亡した。自殺攻撃犯が爆発物を積んだ自動車で、パラチ
ナルにある事務所に突っ込んだもので、多くの重傷者も発生した。
この村落はアフガニスタンとの国境近くにある部族の住む地域にあ
る。殺害された野党の指導者ブットーの国民党の支持を受けた候補
者は、この時には近くにある選挙集会を訪れていた。この数時間前
にはすでに、アフガニスタンとの国境地帯では3カ所の投票所が、
急進派イスラーム教のタリバーンの同調者と見られるものによっ
て、爆破されていた。

日曜日はコソヴォの独立の日に

(プリスティナ)セルビア南部の州コソヴォは日曜日に独立を宣言
する。首相タチがプリスティナでこのように予告した。広く期待さ
れていた、アルバニア人が住民の多数を占める地域であるコソヴォ
が独立する日付が、明日であることを彼は認めたことになる。公式
に式典は午後に行なわれる、と予告されている。セルビアとその同
盟国ロシアは、コソヴォの独立をあいかわらず厳しく拒否してい
る。これに対して、ドイツとEUの多くの国々、さらに米国は事前
に、新たなバルカンの小国家を即時承認する、との方針を示してい
た。ブリュッセルではEUは、コソヴォで今後3カ月の間、法治国家
を建設するのを手助けすべく、1千8百人の警官と行政府の公務員
の派遣を認めていた。

ブッシュはアフリカ訪問をベナンで開始

(コトヌー)米国大統領ブッシュは、ケニアの政府と野党が、権力
を分け手持つように呼びかけた。ケニアを危機から救い出し、暴力
を終わらせるためには、政治的に解決を図らなければならない、と
6日間にわたるアフリカ訪問の冒頭でベナンで述べた。米国外相ラ
イスも、ケニアを訪問した際にこれを強調していた。ブッシュはコ
トヌーでの最初の記者会見で、米国政府がアフリカ大陸で起きてい
る重要な対立と問題を解決するために努力する、と約束した。貧
困、病気、汚職との戦いの他、テロリストの新人獲得活動を困難に
することが重要だ、と彼は述べた。ベナンでの会談後、ブッシュは
タンザニアに移動する。




2月17日(日)

コソヴォは独立を宣言

(プリスティナ)コソヴォ戦争後9年を経て、南セルビアの同州は独立を宣言し
た。ロシアとセルビアからの政治的に明白な反対を押し切って、プリスティナの国
会が、主権を持つ民主共和国である、と宣言した。この決議は、出席した国会議員
109人全員が賛成した。セルビア人を含む11人の国会議員は、投票に参加しなか
った。コソヴォはスロヴェニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、モン
テネグロ、マケドニア、セルビアに続き、旧ユーゴスラヴィアから生まれた6つめ
の国家である。約200万人のコソヴォの人間の90%ほどがアルバニア刑である。セ
ルビア人少数派の多くは、北部のセルビアとの国境近くに暮らしており、ここでは
NATOが騒乱を懸念して和平部隊を増強した。

     その他のニュース

国連安保理はコソヴォについて議論

(ニュー ヨーク)コソヴォの独立宣言を受け、国連安保理はロシ
アの会議開催を求める緊急動議に応えて、会議を行なった。ロシア
政府は、セルビアの同州の分離を拒否しているが、中国も同様の考
えである。他の拒否権を持つ3ヶ国、米国、フランス、英国は逆
に、独立を支持している。ドイツを含むEU加盟国の多くは、既に
新国家コソヴォを支援する、との方針を示していた。外相シュタイ
ンマイアーは、プリスティナで独立宣言が発表された後、オランダ
やスペインなどまだためらっている国のあるEUが、一つにまとま
るように要求した。スペインのバスクの地方政府は、コソヴォの独
立宣言を、模範となると評価した。

ギリシア系キプロス人は大統領を選ぶ

(ニコシア)地中海の島キプロスのギリシア側は、大統領選挙で政
権交代を選んだ。強硬派と目されている現職パパドプロスには投票
のわずか32%ほどしか行かず、選ばれなかった。保守派の元外相カ
スリディスと左派の国会議長クリストフィアスがそれぞれ34%弱の
得票で、パパドプロスを上まわった。両者は次の日曜日に行なわれ
る決選投票に臨む。パパドプロスは2004年に、ギリシアとトルコ
がそれぞれ占拠しているこの島を再統一しようとの国連の計画に反
対していた。

ブッシュはタンザニア入り

(ダルエスサラーム)米国大統領ブッシュは、東アフリカのタンザ
ニア滞在中に、ジンバブエで公平な選挙を行なうように求めた。タ
ンザニア大統領キクウェテと、紛争が起きているジンバブエについ
て、話し合いを行なった後、現地の人たちは、自分たちの利益とな
り、人権を認める政府を手に入れてほしい、と述べた。タンザニア
はベナンに続く、ブッシュの5日間のアフリカ訪問の2番目の滞在
地である。ブッシュとキクウェテは約7億ドルの財政支援の協定に
署名した。この資金で交通の基盤整備、電力、清潔な水の入手が改
善されることになっている。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system