2月11日〜17日のオーストリアのニュース



2月11日(月)

     国外ニュース

米国で中国人にスパイの容疑

米国では政府職員1人と中国人2人にスパイの容疑が持たれてい
る。昨日の米国法務省の発表によれば、彼らは軍事機密を中国政府
に渡していた、とのことである。容疑が持たれている米国人は、国
防省の職員である。中国人二人は、研究施設、研究所、大学から情
報を違法な形で盗み出していた、とのことである。別の事件では、
米国の航空機製造会社ボーイング社の元技師が、スペイスシャトル
と米国の宇宙計画の情報を、中国に売っていた、と法務省は発表し
た。

     国内ニュース

介護問題で労働組合は資格保有者の拡大に反対

労働組合は、24時間介護の資格保有者を増やす計画に反対した。
健康問題の職業を管轄する公務員労働組合長ヨハン ハープレは、
十分な訓練を積んでいない介護士が今後働くことが認められ、医療
およびそれに関連する仕事を行なえることになれば、看護の質が落
ちるのではないか、と懸念し、ストライキにまで訴える可能性を含
めて、抵抗する、と予告した。




2月12日(火)

     国外ニュース

次の予備選挙はクリントンにとってかなり憂鬱な予想

米国民主党の大統領候補者を選ぶ選挙戦で、緊張はさほど高まって
いない。ヒラリー クリントンとバラク オバマの両候補が獲得し
た票の差は、僅差である。クリントンにとっては、神経が痛む思い
である。週末の4州での敗北と、選挙戦の責任者の交代のあと、
3州での予備選挙の予想は、あいかわらず暗いものである。ただし
選挙戦の問題点は、取り除かれたようにみえる。オバマは追い越し
車線を走っており、クリントンを引き離すことができた。

     国内ニュース

モルテラーは労使双方と物価上昇阻止で合意

副首相で大蔵大臣のウィルヘルム モルテラー(国民党)は、火曜
日午後に、労使双方と物価情緒との戦いでの対策を協議した。経済
会議議長クリストフ ライトル、オーストリア労働組合連合ルード
ルフ フンツトルファー、農業会議議長ゲアハルト ウロドコフス
キ、労働者会議議長ヘルバート トゥンペルのほか、工業企業主連
合会長ファイト ソルガーも出席する。今後の対策に関して、5項
目の計画が合意に達した。モルテラーによれば、次の閣議で物価上
昇対策の作業に新たに着手する、とのことである。この計画の土台
になっているのは、経済研究所WIFOの調査である。




2月13日(水)

     国外ニュース

パキスタンの大統領候補ブットー暗殺を告白したとの情報

パキスタン警察は野党の指導者ベナズィール ブットーの暗殺事件
を操作しているが、突破口を見いだした、と発表した。2週間前か
ら逮捕されている容疑者が自白した、と昨日副主席捜査官のチョウ
ドリー アブドゥル マジェードは述べた。「彼らは爆弾設置犯
に、爆弾を巻き付けたベルトとピストルを与えた、と自白した」と
彼は付け加えた。容疑者は急進派イスラーム教徒とつながりがあっ
て、彼らの友人のうち1人は、昨年7月にイスラマバードの赤いモ
スクを襲撃した際に、死亡していた。マジェードによれば、捜査陣
はこの容疑者がアル カーイダとつながりがある可能性を捜査して
いる。一方パキスタンと米国は、急進派組織がこの犯行の背後にい
る、と非難している。ブットーは12月27日にラワルピンディ市で
の選挙集会から立ち去る際に死亡していた。この犯行のために、間
近に迫っていた大統領選挙は2月18日に延期された。

     国内ニュース

EU委員会は2010年のオーストリア財政の黒字化は困難と見る

EU委員会は、オーストリアに対して、予算をより早期に安定させ
るように求め、そうでなければ2010年に計画されている赤字のゼ
ロ化は難しい、と見ている。オーストリアは赤字のない国家財政の
方向にむかって一定の前進を見せなければならないが、計画されて
いる安定化の速度が落ちており、むしろ計画の後半の年月に力を集
中させている、とブリュッセルの同委員会は昨日財政安定計画の評
価で批判的な態度を示した。目の前の危機的状況から見て、収支を
均衡させる、という2010年までの中期的な目標は、達成されない
だろう、とも述べた。「オーストリアは短期および長期的に、ヨー
ロッパの中では全経済状態と国家財政のあり方がもっとも堅実な国
の一つであるが、より野心的な財政目標を立て、計画よりも早期に
国家予算の収支均衡を達成するべき」であって、それは現在の経済
状態が良好で、2007年の結果が予想を若干上まわっているため
だ、とも同委員会は述べた。




2月14日(木)

     国外ニュース

EUは教育に関する目標の達成が不十分になりかねないと懸念

EUはみずから設定した教育目標のいくつかを達成できないだろ
う。教育問題を担当するEU委員ヤン フィゲルは、EUの目標設定
を念頭に置いて、「私はあまり楽観的ではない」と昨日ブリュッセ
ルで述べた。「いくつかの分野でのあまり芳しくない傾向は、警告
を発するものだ」とスロヴェニア教育大臣で現在EU評議会議長を
務めるミラン スヴェルは、EUの教育大臣会議後に述べた。「お
そらく私たちの目標設定は、あまりに高かったのだ」とも述べた。
大臣たちの会議は、教育および職業訓練に関する最新報告を確認し
た。この報告書には、いくつかの分野で「本来であれば達成したか
ったこと」に反する内容を、加盟27ヶ国に伝えている。2010年ま
でにEUは5つの目標を設定していた。現在目標の数値を越えている
のは、数学と自然科学だけである。読解力と若者の学校中退率が
、特に懸念を引き起こしている。

     国内ニュース

社民党のハイダーは新内相就任をあらためて要求

オーバーエスターライヒ州社会民主党党首エーリヒ ハイダーは昨
日、社会民主党のために内務省に戻りたい、との要請を発表した。
国民党からはこれを拒否する応答がすぐに返ってきた。国民党の安
全問題の専門家ギュンター ケスルは、内務大臣にはギュンター 
プラター(国民党)が就任しているのが最善である、との意見を述
べた。ハイダーが提案した内務大臣と国防大臣をだす党を交換する
ことに関しては、国民党は社会民主党内部の人事問題についてはか
かわりを持たない、とケスルは述べた。社会民主党が、国防大臣ノ
ルバート ダラボスに満足していないのであれば、党内で解決すべ
きで、どちらの党から大臣をだすかは、いずれにせよ「今のままで
有効で変えることはできない」とのべた。ハイダーは先日、内務省
内部の汚職疑惑問題で、調査委員会を設置するように求めていた。
ウィーン社会民主党事務長ハリー コピーツは、新聞が公にした党
員宛の電子メールで、調査委員会は絶対に必要である、と意見を述
べていた。




2月15日(金)

     国外ニュース

コペンハーゲンで再び騒乱

コペンハーゲンおよびその他のデンマークの都市で、金曜夜に改め
て騒乱が起きた。警察は、コペンハーゲン市内の数ヶ所で、自動車
やゴミ収集箱に火がつけられた、と発表した。デンマーク ラジオ
の報道では、ネレブロ通りでは、炎上するゴミ収集箱の火を消そう
とした消防署員が、投石を受けた。オーデンセ、カルンドボルグ、
オルフスからも火災および投石が報告されている。すでに数人が逮
捕された。警察は昨日緊急対策班を作り、全土で対策の調整を行な
った。過去数日間、夜間には約30人が逮捕され、その一部は拘留
されている。この原因については、さまざまな観測がだされている
が、警察は、社会の周辺に置かれている若者の小さな組織が起こし
たもの、と見ている。コペンハーゲンのいくつかの地域で、数ヶ月
前から強化されている呼び止めて所持品検査などの監視措置との関
連が浮上している。

     国内ニュース

社会民主党「就業者の大学授業料を半額に」

社会民主党は職業を持つ学生に対する授業料減免措置問題で、新た
な提案を提出した。科学問題の専門家ヨーセフ ブロウカルは、
「シュタンダルト」紙で、職業を持つ学生は全員、定額の税金の減
免、つまり授業料の半額(各学期181,5オイロ)を受けられるよう
にしてはどうか、との試案を述べた。収入があまりに少ない学生に
は、約180オイロを逆の税として受け取れるようにすべきだ、との
ことである。一方科学大臣ヨハネス ハーン(国民党)は木曜日
に、定時制で大学に通う学生は授業料の一部を減免する提案につい
ては、決定をそれぞれの大学に任せたい、との意見である。社会民
主党はこれに怒りを見せ、政府の計画を完遂するように主張した。




2月16日(土)

     国外ニュース

タチ「独立コソヴォの憲法の準備が完了」

コソヴォ首相ハシム タチは、コソヴォ州の独立宣言を直後に控え
た土曜日日、今一度テレヴィで演説した。「私たちは独立を勝ち取
る。世界地図を書き換える」とタチは述べた。全ての必要な準備は
終わった、とも語った。宣言は日曜日午後に出される予定である。
国民の多数を占めるアルバニア人は、夜にも再び羽目を外しながら
も平和的に、セルビアからの分離を祝った。プリスティナでは多く
の人が自動車に載って繰り出し、アルバニアと米国の国旗を降っ
た。タチはコソヴォ州に対するセルビアからの影響は、これで「完
全に終了した」と述べた。その他「憲法や省庁となるものの準備も
完了した」とテレヴィ局RTKに述べた。

     国内ニュース

内務省問題で国民の多数は調査委員会を求め 選挙は望まない

オーストリア人の過半数は、内務省周辺の疑惑解明のために、調査
委員会を置くことに賛成している。世論研究所OGMが「プロフィ
ル」誌のために行なった調査によれば、オーストリア人の51%がこ
のために国会に委員会を設置することを求めている。質問を受けた
人の33%は、内務大臣ギュンター プラター(国民党)が設置した
解明委員会では不十分である、との意見である。また選挙に関して
は、52%の人が拒否、39%が時期を早めて投票を行なうことを望ん
でいる。国民党に対する支持率は下がっており、社会民主党に対す
る国民党の優位は、1%に減少した。今選挙があれば国民党に投票
するのは34%、社会民主党は33%、緑の党が15%、自由党が
14%、未来同盟が4%である。国民党が自らの目的のために警察を
利用した、と思う人は39%で、これには正当な理由があると思う
人は33%であった。




2月17日(日)

     国外ニュース

パキスタンの大統領選挙で警戒は最高の段階に上げられる

パキスタンでは今日国会議員と地方議会の選挙が行なわれる。8千
万人以上の市民が、問う要件を持っている。連続テロ攻撃があった
ため、治安部隊は警戒態勢を最高にして準備をしている。世論調査
では、野党の勝利は確実と見られている。それによれば、有権者の
半分がパキスタン人民党PPPに投票する。22%が元首相ナワズ シ
ャリーフのPML-N(イスラーム教徒連合・シャリーフ派)を支持
している。14%がムシャラフを支持するPML-Q(イスラーム教徒
連合・カーイデアーザム派)に投票するが、この政党は万一の場合
には連立に応じる用意がある、と述べている。選挙委員会の委員長
カジ ファロークはテレヴィで、「自由、公平、透明な選挙」を行
なう、と約束した。野党は、結果を操作しないように、と警告し
た。人権団体「人権監視団HRW」は選挙委員会の独立性に、強い疑
いを抱いている、と発表した。米国の上院議員は、もし国会議員選
挙が抜本的に公平に行なわなければ、軍事支援を打ち切る、と威嚇
している。

     国内ニュース

ファン シュターは「豚」発言を否定

ティロール州首相ヘルウィヒ ファン シュター(国民党)は、ド
イツの元外務大臣ヨシュカ フィッシャーを「豚野郎」と呼んだ事
はない、との首長を変えていない。ティロール州の住民発議によれ
ば、2007年9月1日に行なわれたエッツ谷にあるドイツ アルプス
同盟の「ブレスラウ小屋」125年記念式典で、この出来事は起き
た。「プロフィル」紙によれば、国内問題事務所BIAの委託を受け
て行なわれた報告も、ファン シュターがあるウェッブサイト上で
公表されている彼の演説のテープのなかで、「豚野郎」と言ってい
る、としている。ファン シュターは、オーストリア放送の番組の
中で、「私に言えるのは、それは私にはなじみがない表現だ、とい
うことだけである」と述べ、その録音テープを呈示するように求め
た。




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