2月18日〜24日のオーストリアのニュース



2月18日(月)

     国外ニュース

ムシャラフの政党は野党へ

パキスタンの国会議員選挙では大統領ペルヴェズ ムシャラフを支
援するPML-Q(イスラーム教徒連合・カーイデアーザム派)党
は、野党が票を大きく伸ばしたことを認めた。党の広報は昨日、第
1回の集計結果を見て、ナワズ シャリフのPML-N(イスラーム教
徒連合・シャリーフ派)が得票を大きく伸ばした、と発表した。ム
シャラフは1999年の無血軍事クーデタで、首相だったシャリフを
追い落としていた。この趨勢が確実なものとなれば、PML-Q党
は、野党の役割をできるだけ上手く果たすことになる、と同党公報
は述べた。また彼は、殺害された野党の政治家ベナズィール ブッ
トーの夫アズィフ アリ ザルダリにも謝辞を述べた。ザルダリ
は、ブットーのパキスタン国民党PPPの筆頭候補である。一方大統
領ムシャラフは、協力する用意がある、と述べた。

     国内ニュース

入国査証の不正発給事件で証人が脅迫を受ける

入国査証の不正発給をめぐる裁判で、月曜の審理は予定より早く終
了となった。重要な証人の一人が、殺害するとの脅迫を受け取った
ため、裁判を欠席した。別の女性の証人は、架空のものと見られる
会社について詳言を行なった。この裁判では、主として職権乱用お
よびむりやりの連行容疑で、訴えられている。1月上旬から元ブダ
ペスト副公使と職員5人が、職権乱用、犯罪組織の結成、無理やり
の連行容疑で、ウィーン州刑事裁判所で責任を問われている。この
事件では、ブダペストのオーストリア大使館で不正に発行された
8千以上の入国査証が問題になっている。




2月19日(火)

     国外ニュース

コソヴォ承認でセルビアはオーストリアに責任を取るように迫る

オーストリアはコソヴォを承認すると予告したが、これは「きわめ
て残念だ」とセルビア外務大臣ヴク ジェレミッチは昨日ウィーン
で行なわれた記者会見で述べた。この事件はおそらく、両国関係に
影響を与えるだろう、まずセルビア大使を呼び戻す、セルビアでオ
ーストリアは大きな政治的および経済的利益を得ていることから、
おそらくこれに関して不利益を得るだろう、とも述べた。セルビア
はあらゆる政治的、外交的、経済的手段を講じて、「人種的な動機
に基づく」コソヴォの独立と戦って行くし、コソヴォを承認し、セ
ルビアの領土的な統一と主権を損ない平和と民主主義を危機にさら
した国々と、正常な関係を保つことはできない、「我々には他の選
択肢はない」ともジェレミッチは述べた。一方コソヴォ北部とセル
ビアでは、独立宣言以来混乱が生じており、昨日も衝突事件が起き
た。

     国内ニュース

ティロール州議会選挙でディンクハオサーは独自の候補者を立てる

フリッツ ディンクハオサーは、秋に行なわれるティロール州州議
会選挙で、独自の候補者を立てる予定である。同州労働者会議議長
である彼は、日刊紙「エスターライヒ」紙に予告した。昨日公表さ
れた世論調査では、ディンクハオサーは23%の得票が見込まれ、候
補者を送る姿勢を確実にした。これにより国民党の政治家である彼
は、直接的に国民党と戦うことになる。自分は州首相を目指してい
る、とディンクハオサーは述べた。




2月20日(水)

     国外ニュース

EU閣議でチャド派兵とコソヴォ問題を協議

EU国防大臣会議が今日から開かれ、EUの国際的な軍の派遣につい
て協議を行なう。スロベニアのブロドで2日間に渡って行なわれる
非公式協議会では、特にボスニア・ヘルツェゴヴィナのアルトヘア
作戦と、チャドでのEU軍の活動について話し合いが行なわれる。
EUは先週、難民と支援組織の保護のために、3千7百人の兵士の駐
留を再開させていた。オーストリアからは160人がEU軍に派遣さ
れている。まだ国防大臣ノルバート ダラボス(社会民主党)がこ
の会議に参加している。またコソヴォ情勢とその独立宣言も、会議
の議題となっている。コソヴォ情勢が、西バルカン全域に対して及
ぼす影響は甚大である、と述べられた。これに関してEU軍のボス
ニアでの今後の活動も協議されることになっている。

     国内ニュース

ラープ・シャオム問題で行動計画が拡大される。

ラープ・シャオム問題では水曜日に、オーストリアとハンガリー両
国の水域委員会の会議が行なわれた。この会合では、夏から実施さ
れている行動計画が拡大されることが決定された。シュタイアーマ
ルク州水域経済部部長ヨハン ウィートナーは会議後、「困難では
あったが建設的な交渉であった」と述べた。彼はハンガリーでの会
議に参加したが、こちらではこの行動計画を変更しない、との決定
が下された。水をめぐる大規模な情報の収集に力を注ぐことで、両
国が合意した。




2月21日(木)

     最新ニュース

ベオグラードの米国大使館で焼かれた遺体が発見される

ベオグラードのアメリカ大使館の敷地で、木曜日午後に焼かれた遺
体が発見された。警察筋の情報としてAPA通信が伝えたところによ
れば、犠牲者が暴徒の1人なのか、大使館の警備員なのかは不明で
あった。米国側の情報によれば、建物にデモ隊が押し寄せた時に
は、大使館員は建物にはいなかった。警察は遺伝子鑑定を命じた、
とのことである。遺体の発見はベオグラードの放送局とCNNが報じ
ていた。

     国外ニュース

パキスタンや党は連立政府結成で合意

パキスタンの国会議員選挙から3日、勝利を収めた野党2つが連立政
権の結成で合意した。「我々は政府を作るために協力する」とナワ
ズ シャリーフ(パキスタン イスラーム教徒連合・シャリーフ派
PML-N)は、国民党PPP共同党首アズィフ アリ ザルダリと会談
した後、イスラマバードで発表した。国民党は12月末に殺害され
た元首相ベナズィール ブットーの政党である。シャリーフも既に
以前首相を務めていた。彼は、自分の党は国民党が首相をだすこと
を受けいれている、と強調した。国民党は月曜日の選挙で、最大勢
力となり、シャリフのイスラーム教徒連合がそれに続いていた。

     国内ニュース

ダラボスはチャド作戦の準備を批判

スロヴェニアのブロドで開かれている、EU加盟各国の国防大臣の
非公式会合に参加しているノルバート ダラボス(社会民主党)
は、EUのチャド作戦の準備を批判した。「これは作戦事態に関す
る批判と理解してほしくない」と記者会見で彼は述べた。「これは
手続きに関する批判で、作戦の方向性や重点に関するものではな
い」とダラボスは強調した。「政治的な決定を下し、国民にそれを
伝え、最後に物資と権限がいくつかの分野で足りないことがはっき
りする、というのには私は疑問を持たざるをえない」とダラボスは
述べた。自分は「今回は順序があべこべになっている」との印象を
持っている、とも語った。




2月22日(金)

     国外ニュース

トルコではギュルが大学でのヒジャーブ禁止の廃止に賛成

トルコ大統領アブドゥル ギュルは昨日、反対意見も出ている大学
でのヒジャーブ着用禁止を撤回するための、憲法修正を承認した。
この修正は、トルコの国家としての原則に反するものではないし、
教育の権利を強化するものである、と大統領事務所は発表した。国
会は数年前から、激しくこの問題を議論し、2月9日には憲法修正
により、この規則を廃止していた。首相レジェップ タイップ エ
ルドアンはこれで、ヒジャーブをかぶる若い女性が、トルコの大学
に通うことをするされる法律あるいは命令をだすことができる。ヒ
ジャーブ禁止を擁護する側は、エルドアン政権はトルコをひそかに
イスラーム教国化しており、共和国を建国したムスタファ ケマル
 アタチュルクが行なった国家と宗教の分離の方針を転換してい
る、と非難した。これに対して、エルドアンの公正発展党AKPの政
治家は、ヒジャーブは個人の宗教の自由である、と擁護している。

     国内ニュース

内務省問題で国民党は調査委員会の設置に反対

国民党は何人かの国会議員が党の方針とは異なる態度を取っている
にもかかわらず、内務省に権限の乱用があったとされる事件で、調
査委員会の設置に正式に拒否を続けている。調査委員会の設置に賛
成しているのは国民党のウィーン選出の国会議員フェルディナント
 マイアーとケルンテン州選出のクラオス フーバート アオアー
である。「国民党は調査委員会の設置には賛成しない。政党政治に
基づく裁判は必要ではない」と金曜午後に国民党の教育問題の専門
家ゲルトルーデ ブリネクは述べた。「社会民主党が私たちに反対
の投票を行なっても、調査委員会が行なわれる可能性はない、と国
民党中央部の通達の形で意見を述べた。




2月23日(土)

     国外ニュース

クリントンはオバマを攻撃「恥を知れ」

民主党の米国大統領候補者をめぐる選挙戦で、ヒラリー クリント
ンは、論調を再び激化した。彼女は昨日オハイオ州で行なわれた選
挙集会で、対立候補のバラク オバマが自分に関する噂を広めた、
と怒りを表わして述べた。蔑むように選挙用のパンフレット2冊を
示しながら、「バラク オバマよ、恥を知れ」と叫んだ、と米国の
CNNは報じた。元米国大統領夫人は、オバマはこのパンフレットの
中で、一般健康保険の米国への導入に関する彼女の意見と、北米自
由貿易協定NAFTAに関する彼女の立場に関して、間違った情報を
載せた、と批判した。オハイオ州とテキサス州での予備選挙は、
3月4日に行なわれるが、これがクリントンがこの選挙戦で民主党
候補の座に留まる上で、最後の機会である。

     国内ニュース

イータに対する新たな疑惑 BIAは元夫人に圧力をかけたか?

内務省疑惑は、物議をかもす疑惑のため、さらに大きくなってい
る。この疑惑は、元内務省官房長フィリップ イータが(汚職の予
防に取り組む)内務案件事務所BIAを彼の元妻の所にも派遣してい
た、というものである。同事務所所長マルティン クロイトナーは
自身は、ドリス イータに対して、この事件で元夫に不利な発言を
しないように、と進めていた、とされている。新たな告発によれ
ば、フィリップ イータはその他自分に対する同事務所の捜査状況
に関して、特に精確に情報を与えられていた、とのことである。ク
ロイトナーはこの非難は「陰謀のいらだち」である、として退け
た。




2月24日(日)

     国外ニュース

ラウル カストロがキューバ新大統領に就任

革命後50年近くにわたり、キューバはフィデル カストロ以外の
人物を国の指導部に初めて持つ。国民議会は日曜日に、革命の指導
者フィデル カストロの弟ラウル カストロを国家評議会議長に選
んだ、と国会議長に再選されたリカルド アラルコンは発表した。
これによりラウル(76歳)は西側唯一の共産主義国家の大統領に
して首相となった。2006年から病気にかかっているフィデル カ
ストロ(81歳)は今週始めに、国家および政府の代表の地位を断
念していた。米国は改めてキューバの民主的改革を求めた。国民議
会は第1副大統領に、共産党強硬派のホセ ラモン マチャド ヴ
ェンチュラを選んだ。専門家によれば、彼はラウルとイデオロギー
的釣り合いを取ることになる。これにより、キューバで基本的な方
針が変化する可能性はなくなった。今回のカストロの弟の大統領選
出は、ラウルが18カ月前から暫定的に大統領の職務を行なってい
たため、意外な事態ではない。

     国内ニュース

セルビア人のデモは衝突後に解散

ウィーン警察は日曜日午後に行なわれた、コソヴォの独立に反対す
るセルビア人のデモを解散させた。特殊部隊は、デモ隊のうちその
場に残った約百人の暴力をいとわない者たちを、4つに分断し、身
元を特定することに成功した。その際警官2人が医者の手当を受け
なければならなかった。マリアヒルフ通りでは事態が激化し、数千
人が英雄広場でコソヴォの独立に抗議し、オッタクリング通りと西
駅近くで衝突し、逮捕および負傷者をだしていた。主催者はこの事
件とは無関係であるとしている。




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