4月14日〜20日のオーストリアのニュース



4月14日(月)

     国外ニュース

国連は食糧不足に関して「緊急事態は既に始まっている」と発表

国連事務総長潘基文は、世界で激しさを増す食糧不足対策として、
世界各国が包括的な努力を行なうように要請した。緊急事態は既に
始まっており、世界各地の貧困との戦いで7年分の前進が無に帰す
可能性がある、と彼はニュー ヨークで述べた。また潘は、火各高
騰のためにも早食べ物を全くか得なくなっている人たちへ、食料供
給を確保することが重要だ、とも語った。「世界各国が緊急かつ力
を集めて、この危機の政治的および社会的影響が広がることを回避
しなければならない」と述べた。世界銀行の予測によれば、過去
3年で食料品価格が2倍に値上りしたことで、貧しい国々の1億人が
かなりの貧困状態に落ち込んだ可能性がある。

     国内ニュース

気候保護に関して新たな対立

連邦と州の気候安定化政策をきわめて激しく批判する会計検査院の
報告書が、月曜日に公表され、激しい議論を引き起こした。環境大
臣ヨーセフ プレル(国民党)は、より厳しい気候安定化新法を作
ると予告し、環境省は重要な問題を放置していない、と強調した。
一方野党は、プレルには手を出すつもりはない、と非難し、環境政
策の方針転換を行なうように求めた。社会民主党は、新たな法的規
則には「原則的に賛成」である、としている。




4月15日(火)

     国外ニュース

ベルルスコーニは政権運営計画を発表

イタリアの国会議員選挙で勝利したことを受け、これまでの野党の
指導者シルヴィオ ベルルスコーニは、彼の政権綱領の特色を打ち
出した。内政面では、経営に打撃を受けている航空会社アリタリア
の救済と、ナポリのゴミ問題を前進させる、とベルルスコーニは火
曜日にローマで開いた記者会見で述べた。外交面では彼は、EUと
ロシアの関係を改善するつもりである、とも語った。それに加え
て、ベルルスコーニは、EUには世界政治の舞台で、十分に活動し
ていない、と非難した。これより前に保守派の政治家である彼は、
1週間以内に閣僚名簿を提出するつもりである、と予告していた。
また副首相には元記者のジャンニ レッテが就任することになる。
第2代理については、右派大衆迎合政党「北部連合」のウンベルト
 ボッシと話し合いを行なう。ファシスト党の後継政党国民同盟の
元外相のジャンフランコ フィニが、国会議長に就任する可能性が
ある。

     国内ニュース

調査委員会で文書をめぐる対立でフィールダーが仲裁を行なう方針

調査委員会と内務大臣ギュンター プラター(国民党)が、内務省
の文書の総譜をめぐって対立しているが、元会計検査院院長フラン
ツ フィードラーは、これを仲裁する方針である。憲法の専門家テ
オ エーリンガーは、調査委員会は全面的な閲覧の権限をもってお
り、情報保護の遵守を担当するのは国会議員だけである、と述べて
いるが、「日刊ティロール」紙で、フィードラーはこれに反論し、
「これには議論となる点はなく、」大臣は職権を有している、と述
べた。またフィードラーは「この問題は解決できる、と私は見てい
る。仲裁の役割を引き受けるつもりだ」と述べた。




4月16日(水)

     国外ニュース

ブッシュ「二酸化炭素の増加が止まるのは2025年になってから」

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、米国の二酸化炭素排出の増加
を止めるのは、2025年になってからにする方針である。彼は昨日
ワシントンで、気候政策に関する基本方針演説を行ない、法律で上
限を設定するのは誤っており、地球温暖化との戦いでは「間違った
方針」である、と警告した。また彼は、環境を保護すると同時に、
経済成長を可能にする唯一の道は、新たな技術の開発である、と大
統領府のばら園で述べた。2025年の二酸化炭素排出量を実現する
ためには、米国では温室効果ガスの排出を、エネルギー分野を中心
に計画よりも速く実現しなければならないが、米国の経済と雇用を
危機に落ち込ませないような「現実的な目標を設定すること」が重
要である、と述べた。

     国内ニュース

調査委員会「プラマーは文書の移送に固執」

国民評議会議長バルバラ プラマー(社会民主党)は、内務省が調
査委員会に対する文書を、文書を検閲されない形で、国会に提出す
るとの原則を変えていない。検査の動議が提出されているため、情
報保護の問題も国会の案件となる、と彼女は昨日のテレヴィ番組で
述べた。これにより内務省ではなく、国会が今回の問題での情報保
護を担当することになった、とも語った。国民党は独立の判断機関
が、調査委員会への文書の調査を委ねる用に提案したが、彼女はこ
れを原則的には拒否しておらず、合意が成立するかどうかが問題
だ、と述べた。内務大臣ギュンター プラター(国民党)は、さら
なる調査を行なわないで、国会に文書を渡すことを、今までずっと
拒否しており、元会計検査院総裁のフランツ フィールダーと財政
代理人の代表ウォルフガング ペショルンに、これらの書類の調査
を委ねる、と予告していた。




4月17日(木)

     国外ニュース

ブッシュとブラウンはイランに対する強行姿勢で合意

米国大統領ジョージ W. ブッシュと英国首相ゴードン ブラウン
は、イランの核計画に関する対立で、強硬な態度を取っていること
を擁護した。たとえイラン政府が電力確保という目的を実際に追求
しているにせよ、それに必要な知識が、核兵器製造には使われるこ
とがあり得ない、と信じるのは単純である、とブッシュは大統領府
で行なったブラウンとの共同記者会見で述べた。またブラウンは、
ヨーロッパ各国の首脳と、イランいた医する制裁を拡大する努力を
行なう、と述べた。さらに彼は、イランは「国際社会にみずからの
計画について真実を述べなかった」とも語った。

     国内ニュース

カンプッシュ委員会は全ての文書を見られるわけではない

カンプッシュ事件の調査で生じる可能性のある手違いを、この問題
の調査を行なう委員会は取り除くことはできない。同委員会議長ル
ートウィヒ アダモヴィチは、同委員会は全ての文書を見られるわ
けではない、と述べた。検察は「個人の生活の保護」を主張してい
る。取り扱いの難しい情報は公開できないため、全面的な解明が阻
害されている。166件の情報公開を要請しているが、公開されない
ものがいくつかある、と元憲法裁判所長官のアダモヴィチは述べ
た。




4月18日(金)

     国外ニュース

教会の主教は中国からジンバブウェへの武器の輸出を停止

南アフリカの教会の主教は昨日、中国のジンバブウェ向け武器輸出
を、当面差し止めをかちとった。ダーバン市の高等裁判所は昨日午
後、英国国教会の主教ルービン フィリップスの動議を認めた。そ
れによれば、77トンの武器と弾薬が、南アフリカを経由して輸送
することは認められない。ただし港に下ろすことは認められた。南
アフリカ政府は、この輸送を既に許可していた。労働組合は、組合
員にこれに加わらないように呼びかけていた。この武器は、月曜日
からダーバンの沖合いに停泊している貨物船「安岳江」内にあっ
た。武器が上陸すれば、ジンバブウェの選挙後に緊迫した情勢の中
で、野党に対して使用される危険があった。武器はカラシニコフ銃
の弾丸3百万発と、バズーカ砲および榴弾数千発を含んでいた。

     国内ニュース

イスラーム教問題でハーンはブルカの禁止に賛成

科学大臣ヨハネス ハーン(国民党)は、「プレッセ」紙のなか
で、公共の場でのブルカの着用禁止に賛成だ、と述べた。その理由
として彼は、顔を被った人には、映像による監視などが役割を果た
さないことをあげた。彼は公勤務の従事者からブルカを追放する方
針である。ブルカは、女性差別の表現である、とも述べた。一方社
会民主党のウィーン人種差別廃止担当の議員サンドラ フラオエン
ベルガーは、ハーンのこの発言に「きわめて困惑している」と述べ
た。ブルかの着用禁止で、女性は公の社会から、家に戻らざるをえ
なくなり、保守的な女性像を押しつけられる、と述べた。




4月19日(土)

     国外ニュース

イスラエルの国境警備兵が自殺攻撃を受ける

土曜日にガザ帯状地帯の国境通過地点で、2005年夏以降もっとも
激しい爆弾による攻撃が行なわれ、3人の武装パレスチナ人が死亡
した。重傷者1名を含めイスラエル兵16人が負傷した、と軍公報は
発表した。数百キロの爆薬が使用された、と軍は見ている。この攻
撃はユダヤ人のペサハ祭が始まる数時間前に起きた。この祭は1週
間続くため、イスラエルは前もってガザ帯状地帯と西ヨルダンの地
を、全面的に封鎖していた。ここ10日間で、国境通過地点が攻撃
を受けるのは5件めである、と公報は述べた。ハマースはこの攻撃
を行なったことを認め、イスラエルに対してさらに攻撃を行なう、
と予告した。また元米国大統領ジミー カーターは土曜日に、ハマ
ースの政治部門の長クハレド マシャールと2度目の会談を行な
い、「善意を示す」ように求めた。

     国内ニュース

社民党はティロール州党大会で結束を示す

ティロール州社会民主党は、昨日臨時党大会ををアルプバッハ会議
場で開き、党内の調和と意見の一致を強調して示した。6月8日の
州議会選挙の候補者名簿の決定が、そのきっかけとなった。同州社
会民主党党首ハネス グシュウェトナーは、303人の代議員が投じ
た票のうち93%を集め、筆頭候補に選出された。名簿全体は64%の
賛成を得た。




4月20日(日)

     国外ニュース

出口調査では元司教が新パラグアイ大統領に就任

日曜日に行なわれたパラグアイの大統領選挙では、元司教フェルナ
ンド ルーゴ(46歳)が、43%の票を獲得して勝利する見通しで
ある、と「電子版ABC」紙が報じた。これにより南米の同国では、
保守党コロラド党の政権が61年前から続いていたが、歴史的な権
力の交代が起きた。この報道によれば、投票後の調査では、コロラ
ド党の候補者ブランカ オヴェラルは37%、以前クーデタを起こし
たリノ オヴィエドは16%で第3位である。中央選挙委員会は、投
票率は高かった、と述べており、世論調査によれば、ルーゴが勝利
する可能性が高くなっている。今回の選挙は有権者280万人で、大
統領の他、上院議員、地方議会議員、知事を決めるものである。ル
ーゴの支持者はコロラド党の汚職が終わることを求めている。政治
の専門家は、コロラド党による選挙結果のねつ造が行なわれること
がないように、と警告していた。投票の当日でも、外国からの監視
員は多くの違反行為がある、と述べた。

     国内ニュース

税制改革委員会が初めての協議

税制改革委員会が月曜日に初めて集まった。大蔵大臣ウィルヘルム
 モルテラー(国民党)と政務次官クリストフ マツネッター(社
会民主党)が議長を務める。国民党はベーラー・ウッデホルム社社
長クラオス ライトルを、同委員会の顧問に指名し、社会民主党は
元蔵相フェルディナント ラチーナを指名する。その他に経済学者
カール アイギンガー(経済研究所)とベルンハルト フェルデラ
ー(高等研究所)、大蔵省上級公務員のペーター クヴァントシュ
ニック、ウォルフガング ノルツが、8人体制のこの委員会に属し
ている。協議結果は10月までに公表されることになっている。




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