5月5日〜11日のドイツのニュース



5月5日(月)

ビルマの死者は1万人を越える

(ラングーン)ビルマ外務大臣ニャン ウィンの発表では、サイクロン「ナルギ
ス」は1万人以上の死者を出した。数千人が行方不明となっており、犠牲者の数は
さらに増えることが懸念される、と彼は国営放送で述べた。土曜日にこの嵐は、東
南アジアの同国を襲っていた。数百万人が住むラングーンとイラワディ川の河口地
域では、電力と飲み水の供給が中断し、倒木が多くの場所で道路交通を遮断した。
数万人が家を失った。ドイツ外務省は、50万オイロをビルマの嵐の犠牲者のため
の人道支援として調達した。

     その他のニュース

オルメルトとアッバスは交渉の進展を実現

(エルサレム、ラマラ)イスラエル首相オルメルトとパレスチナ大
統領アッバスの会談では、「明確な進展」が得られた、とイスラエ
ルは発表した。イスラエル政府高官は、エルサレムで開かれた両者
の会談の終了後、この進展は今後のパレスチナ人国家の国境問題と
相互の治安に関する取り決めに関するものである、と述べた。これ
より前に米国外相ライスは、両者と会談を行なっていた。今回の会
談はおそらく、両者が今までに行なった中で、最も真剣な会談であ
った、とオルメルトの公報マーク レゲフは述べた。アナポリス会
議で定められた予定は、まだ守ることが可能である、ともレゲフは
述べた。昨年末に米国で開かれた会議では、2009年初めまでにイ
スラエルとパレスチナの間で協定を結ぶとの目標に、合意が得られ
ていた。しかしパレスチナ人は米国に対して、イスラエルに対する
圧力を強めるように求めた。西ヨルダンの地でのユダヤ人入植地の
建設を停止することを目標としなければならない、とアッバスの顧
問は述べた。

イスラエルは国連の組織に燃料を供給

(ガザ市)イスラエルはようやく国連からの支援をするようにとの
呼びかけに応じて、ガザ帯状地帯へ緊急に必要な燃料の輸送を行な
った。これは国連パレスチナ難民支援組織UNRWAの公報グネスが
ガザで確認した。国連の同組織はこれより前に、燃料不足が差し迫
っているため、65万人のパレスチナ人難民に食糧援助が届かなく
なる、とこの1週間で2度目となる警告を発していた。

セネガル大統領はFAOは不要と唱える

(ダカール)セネガル大統領ワッドは、国連の食料農業機関FAOは
「余分なもの」である、と批判した。同機関を維持するのは「資金
の浪費」である、との彼の言葉をセネガルの通信社APSは引用し
た。ワッドは食料農業機関は、食料価格の高騰の原因の一端となっ
た、と非難した。同機関と似たような仕事をしている組織は他にも
あるが、それよりも効率的に動いている、とも述べた。セネガルで
は今年の始めから、重傷な食料品の価格上昇が生じているため、抗
議活動や暴動が起きていた。先週にはワッドは、農業振興計画を始
動させたが、これは長期的にセネガルを輸入食料に頼らない国にす
るためのものである。




5月6日(火)

ビルマのサイクロン被害の全容の把握は困難

(ラングーン)サイクロン「ナルギス」が襲ってから数日経っても、ビルマの破壊
の規模を概観することはできていない。全体が嵐と洪水で壊滅した村がいくつかあ
る、と国連の広報は述べた。電話設備が破壊され、多くの道路が不通になっている
ため、情勢を把握することはほとんど不可能である。国営ラジオは、死者の数を
2万2千人以上、4万人以上が行方不明と見られる、と見積もっている。最も大きな
被害を受けたのはラングーン地区と、イラワディ川の三角州である。現地では国連
職員が、政府のヘリコプターを用いて、医薬品、水の浄化装置、食料品の分配を開
始した。多くの救援組織が、入国許可が与えられるのを待っている。ドイツは今ま
でに50万オイロを犠牲者の緊急支援のために調達し、EU委員会は2百万オイロを
調達した。軍事政権は、もともとは土曜日に予定されていた新憲法のための国民投
票は、重大な影響を受けた地域では、5月24日より前には行なわない、と予告し
た。

     その他のニュース

議員の給与が再び引き上げ

(ベルリン)連邦議会の議員は、再び旧をよ大幅に増額する方針で
ある。公勤務従事者の労働条件が妥結した結果、国会議員の賃金は
2010年初めから段階的に820オイロ引き上げられ、8,159オイロ
になる。今年の始めに、330オイロ引き上げられ現在の7,339オイ
ロに引き上げられたばかりである。国会議員は両方を合わせて、
2010年には16%強の賃上げを受けることになる。野党はこれを激
しく批判している。納税者連合会長デーケは、テレヴィ番組で「ひ
どい恥知らずな行為」である、と述べた。

CDU/CSUは国内安全評議会設立要求を決議

(ベルリン)キリスト教民主、社会同盟は、全ての政治陣営からの
批判を受けているにもかかわらず、米国のやり方にならって、国内
安全評議会の設立計画を維持している。両党の会派は、賛成多数
で、安全政策に関する党幹部の戦略文書を採択した、と参加者は述
べた。両党の計画によれば、国内安全評議会は、特に国内外の危険
な情勢を分析し、危険への対策を調整することになる。連立与党の
社会民主党と野党三党、自由民主党、緑の党、左翼党は、この措置
を厳しく拒否している。安全評議会が首相府に置かれることになっ
ているため、社会民主党は、同党が大臣を出している外務省の権限
が失われることを懸念している。

トランスラピート事故の裁判が始まった

(オスナブリュック)磁力で走行するトランスラピートの大事故か
ら1年半と少したち、オスナブリュックの州裁判所では、2人の責
任者に対する刑事裁判が始まった。エムスラントのラーテンの実験
施設での事故では、23人が死亡した。67歳と50歳の被告は、過失
致死と過失障害の責任を問われることになる。両被告は、みずから
には一切の責任はない、としている。また彼らは、犠牲者の家族に
深く同情する、と述べた。




5月7日(水)

ビルマの犠牲者数ははるかに多い可能性

(ラングーン)サイクロン「ナルギス」によって、今までに発表されたより、はる
かに多い人がビルマでは死亡した可能性がある。死亡者数は、軍事政権の発表を
「はるかに」上まわる可能性がある、と国連の代表がニュー ヨークで発表した。
米国の発表によれば、最大で10万人が死亡した可能性がある。公式報告では、今
までに約2万2千人が死亡したことになっている。一方軍事政権に対しては、国外
の支援組織に協力するように、との圧力が強まっている。国連事務総長潘基文はビ
ルマに対して、支援隊の入国を早期に認めるように求めた。フランス外務大臣ベル
ナール クシュネルは、ビルマが協力に応える用意がないのであれば、国連安全保
障理事会を介入させるように迫った。一部は極端な混乱状況にある中、現在被災地
域に支援物資の第一陣が到着した。しかし多くの支援隊員は、隣国タイで入国査証
の発給を待っている。ドイツ政府は、緊急支援を百万オイロに増額した。

     その他のニュース

連邦憲法裁判所は国会の権利を強化

(カールスルーエ)連邦憲法裁判所は、紛争地域へのドイツ兵の派
遣に関して、連邦議会の持つ権限を強化した。ドイツ兵が武器を用
いた戦闘に巻き込まれる懸念が具体的ある場合は、国防軍の派遣に
は必ず国会の賛成が必要である、と基本的判断の中で述べている。
カールスルーエの同裁判所の裁判官たちは、この判決で、早期警戒
管制機に乗ったドイツ兵が2003年にトルコ上空での任務を遂行し
たのは、憲法違反である、と事後的に判断したことになる。裁判官
はこの判決で、自由民主党会派の訴えを正当と認め、イラク戦争の
勃発が迫っていたにもかかわらず、連邦議会が派遣について決定し
ていなかった、と述べた。当時の社会民主党と緑の党の連立政府
は、NATOに対する同盟の義務をたてに、国会による決定を拒否し
ていた。航空機が投入されていた期間にあたる2003年3月にイラ
ク戦争は始まっていた。

ドイツで初めてのCDUと緑の党の連立州政府が職につく

(ハンブルク)ドイツで初めてのキリスト教民主同盟と緑の党が連
立する州政府が着任した。ハンブルク市議会議員は、市長フォン 
ボイストを賛成多数で市長に選んだ。キリスト教民主同盟の政治家
である彼は121票のうち69票を獲得した。これは野党からも賛成
者がいたことを示している。53歳のフォン ボイストは、3期目の
市長就任である。その後フォン ボイストと新閣僚は宣誓式を行な
った。新閣僚の6人はキリスト教民主同盟、3人は緑の党から出て
おり、さらに無所属のフォン ヴェルクが文化大臣となる。キリス
ト教民主同盟は、2月の市議会選挙で敗北し、それ以降連立相手を
探していた。

メドヴェージェフがロシア新大統領に

(モスクワ)ロシアではメドヴェージェフが新大統領として宣誓し
た。今まで副首相を務めていた彼は、クレムリンでの式典で、宣誓
を行なった。引き続きメドヴェージェフは、前任者プーチンを新首
相に指名した。プーチンは2期に渡って大統領を務めたため、大統
領に立候補することはできなかった。42歳のメドヴェージェフ
は、初めての演説の中で、市民の権利と経済の自由を守るのが、自
分の最も重要な目標である、と述べた。彼は、現在進んでいる発展
を阻害するので、権利と秩序の軽視を克服しなければならない、と
も述べた。大統領就任で、メドヴェージェフは、攻撃を受けた際に
核兵器による報復攻撃を行なうために、いわゆる「核のトランク」
も引き継ぐこととなった。新大統領は6月上旬にドイツを正式訪問
することになっている。




5月8日(木)

国際支援の第一号機がビルマ入り

(ラングーン)巨大な嵐「ナルギス」がビルマを襲ってからほぼ1週間、現地の
軍事権力者たちは国外の支援部隊の入国を今なお躊躇している。しかし国連の1号
機がビルマに着陸した。国連の世界食料計画の発表によれば、今後38トンの支援
物資を乗せた輸送機3機が、今なお離陸を待っている。一方インドの艦船2隻と支
援物資を乗せた軍用機2機が、ビルマ入りした、とインド政府は発表した。ビルマ
の軍事政権は、国際支援を要請したが、同時に国外の災害支援隊に対する入国査証
発効を遅らせている。
最新の集計によれば、東南アジアにあるビルマを襲った嵐では、最大10万人が死
亡し、約50万人が家を失った。

     その他のニュース

イスラエル建国60年式典

(テル アヴィヴ)重大な警備態勢が敷かれる中、イスラエルは建
国60周年を祝った。数十万人のイスラエル人が、テル アヴィヴ
にやってきて、空軍の航空ショウを見たり、各地で焼き肉をしたり
路上で集まったりして建国を祝った。一方パレスチナ人居住区で
は、多くの人が黒い弔旗を掲げた。アラブ人は、難民化と国外追放
による1948年のイスラエル建国を、「ナクバ」(災害」と見なし
ている。60年期年式は既に水曜日にエルサレムで始まっていた。
世界各国の国王、首相、大統領が、イスラエルの60周年を祝った。

ヒズブッラーはレバノン政府に対する圧力を強める

(ベイルート)急進派シーア派のヒズブッラーは、ベイルートの主
要道路を封鎖して、レバノン政府への圧力を強めた。同組織の戦闘
員は、首都の国際空港につながる道路も封鎖した。ベイルートの多
くの部分は、事実上麻痺している。ベカー渓谷にある村落2ヶ所で
は、ヒズブッラーの一員と、政府の支持者の間で銃撃戦が行なわれ
た、と治安部隊は発表した。ヒズブッラーが支持する親シリア的な
野党は、スンニー派勢力が主流の反シリアの内閣内部で、拒否権を
与えるように求めており、シリアおよびイラン政府から支援を受け
ている。さらいこの対立が、新大統領選挙の障害となっている。大
統領職はは5カ月前から空位となっている。

ロシア下院はプーチンを首相に選ぶ

(モスクワ)プーチンは大統領の任期を終えて1日、ロシアの新首
相に選ばれた。ロシア下院ドゥマでは予想通り、多数の国会議員が
55歳のプーチンに賛成票を投じた。プーチンは就任演説で、ロシ
アを重要な経済国に育て上げ、長期的な成長をするための確固とし
た条件を作り出すつもりだ、と述べた。プーチンは税率を引き下げ
ると予告し、断固物価上昇と戦う、と述べた。大統領の後継者メド
ヴェージェフは、プーチンは2020年までロシア政治の鍵を握る役
割を占める、と予告した。




5月9日(金)

国連とビルマの間で災害支援をめぐる対立が激化

(ラングーン、バンコック)ビルマの軍事政権と国際社会は、巨大サイクロンに襲
われた後の災害支援に関して対立をしているが、それがさらに激化している。国連
はビルマの将軍たちが、世界食料計画の輸送した物資を差し押さえたと非難し、こ
れは国連に対する前例のない侮辱である、と述べた。ビルマ政府側はこれを否定し
たものの、外国からの支援隊の入国は拒否している。それにもかかわらず国連は、
支援の飛行機をビルマに飛ばすのを再開する、と予告した。被災地域では、百万人
以上の家を失った人が食料、医薬品、宿泊施設を待っている、と見られている。国
連の広報はバンコックで、洪水に襲われた地域の広さから見て、病気と疫病が発生
する危険性が極めて高い、と発表した。ドイツ首相アンゲラ メルケルは、国連安
全保障理事会の会議を行なうように求めた。ドイツ外務大臣フランク・ヴァルター
 シュタインマイアーは、被害の全容は、2004年に東南アジアで起きた津波の時
を上回る可能性が高い、と述べた。ドイツは、ビルマの嵐の犠牲者に対する緊急支
援を増額し、2百万オイロとした。

     その他のニュース

レバノンが内戦に落ちる可能性が高まる

(ベイルート)レバノンが再び内戦に陥る可能性が高まった。シー
ア派のヒズブッラー民兵は市街戦を行ない、レバノンの首都ベイル
ートの中心部にあるいくつかの街区を支配下に収めた。民兵の戦闘
員は政府に忠実なテレヴィ局の建物に押し寄せ、報道を中止させ
た。同国の他の場所でも戦闘が起きた、との報告がある。あわせて
数人が殺害され、数人が負傷した、とのことである。国連安保理
は、ドイツ政府と同様に、対立する党派が戦闘を中止し、話し合い
を行なうように要請した。今回の戦闘は、ヒズブッラーの私的な電
話設備を停止させるとの政府の決定がきっかけとなって起きてい
た。新レバノン大統領の選挙は、西側よりの現政府陣営と、ヒズブ
ッラーの支配下にある野党の間での権力争いにより、実施が阻止さ
れている。

イスラエル首相オルメルトに汚職の疑惑

(エルサレム)イスラエル建国60年を祝う式典が行なわれる最中、
首相オルメルトの新たな汚職容疑が生じ、彼の政治生命と、パレス
チナ人との和平交渉が問題となった。テル アヴィヴの裁判所が報
道管制を一部撤回したため、オルメルトは、賄賂を受け取ったり、
私腹を肥やしたりした、との容疑を否定した。また62歳の彼は、
訴訟が起こされた場合には辞任する、と予告した。オルメルトが辞
任すれば、近東和平交渉が逆戻りすることになりかねない。パレス
チナ側の代表は、イスラエルで新たな選挙が行なわれるのであれ
ば、交渉を打ち切る、と既に予告していた。世論調査によれば、パ
レスチナ人との和平協定を拒否している右派的な野党を支持してい
る人が、イスラエルでは多数派である。

ソ連崩壊後初めてモスクワでの軍事行進

(モスクワ)ソ連崩壊後初めてロシアが、ナチ時代のドイツに対し
て勝利を収めたことを、戦車および大陸間弾道弾を投入して、モス
クワの赤の広場で祝った。新大統領メドヴェージェフは、最高指揮
官として、軍の功績を評価し、軍は第二次世界大戦で、祖国の独立
を守った、と述べた。また彼は急進派の暴力に新たな潮流に警告を
発した。メドヴェージェフは、木曜日に新首相に選ばれたばかりの
元大統領プーチンが出席する中、8千人の兵士の行進を検閲した。
プーチンは数ヶ月前に大統領として、今回の軍事行進の実施を命令
していた。




5月10日(土)

ヒズブッラー民兵はベイルート中心部から戦闘員を撤退

(ベイルート)レバノンの首都ベイルートで、内戦に近い形で戦闘が始まってから
数日経ち、シーア派のヒズブッラー民兵は、戦闘員をベイルートから引きあげてい
る。民兵側は、軍指導部の要請に応じると発表したが、目撃者の話でこれが裏づけ
られた。ただし正規軍以外の勢力の不服従の姿勢を訴える活動は、全ての要求が満
たされるまで続けられる、と声明の中では述べられている。レバノンの軍指導部は
この直前に、敵対する民兵がベイルートから退却するように呼びかけていた。首相
ファード セニオラは、法と秩序の再建を行なうように求めているが、軍指導部は
これに冷淡な態度を示し、急進的なシーア派のヒズブッラーに対して、政府が出し
たいくつかの決定に従うのを拒否した。ヒズブッラーは木曜日以降、ベイルートの
イスラーム教徒が住む地域を制圧していた。レバノンでは新たな戦闘が起こり、再
び数人が死亡した。日曜日にはカイロで、アラブ連盟の外務大臣会談が開かれ、レ
バノン情勢を協議する。

     その他のニュース

ビルマでは嵐による災害にもかかわらず憲法の投票が実施

(ラングーン)ビルマではサイクロンの犠牲者数十万人が生き残る
ために苦闘しているが、軍事政府は異論も出ている憲法に関する国
民投票を行なった。特に大きな打撃を受けた若干の地区でだけ、投
票は2週間延期された。新憲法は、重要省庁の監督を軍事政府に任
せるものである。一方独裁者は、国外からの支援物資の分配を開始
した。しかし物資を収めた箱の多くには、おそらく宣伝目的で、主
要な将軍の名前が記入されている。国連はさらに3機の飛行機を
と、物資を満載したトラック数台を派遣した。しかし外国の災害の
専門家は、まだビルマに入国できていない。ドイツの支援団体は、
長年にわたってビルまで協力してきた人たちとともに活動する、と
約束した。世界保健機関は、不衛生な飲み水と伝染病のため「死者
の第二波」が生まれかねない、と警告している。

イラク北部では大攻勢 サドル・シティでは休戦

(バグダード)米国の兵士とヘリコプターの支援を受け、イラク政
府軍は同国北部のニニヴェ州で、アル カーイダのテロリストに対
して大規模な攻勢をかけた。この出撃にはモースル地域のスンニー
派戦闘員も参加した、と治安部隊は発表した。一方公式発表によれ
ば、イラク政府と急進的なシーア派の指導者エル サドルの組織
は、3月末からバグダード郊外のシーア派が住む街区サドル・シテ
ィでの戦闘を中止することで合意した。ここでは、3つ末から米軍
の支援を受けたイラク軍が、エル サドルの民兵を攻撃していた。

ガザ帯状地帯でエジプトへの国境が一時開かれる

(ガザ市)ガザ帯状地帯とエジプトの間に国境通過地点ラファは、
2月上旬からおおむね閉鎖されていたが、一時ここは開放された。
この措置はエジプト政府との合意に基づくものである、と急進派イ
スラーム教のハマースが発表した。ラファは2日間に渡って開放さ
れ、その間負傷者と病人が医者の治療を受けるため、ガザ帯状地帯
を離れることができる、とのことである。イスラエル軍はガザ帯状
地帯南部で、急進派パレスチナ人組織ハマースのラファおよびハン
 ジュニスの警察署を攻撃した。その際パレスチナ人数人が死亡し
た。この作戦は、イスラエルの国境地域が榴弾で攻撃されたことに
対する報復であった。この金曜日の攻撃では、イスラエル人1人が
死亡していた。




5月11日(日)

支援組織はビルまで数千人が死亡するのではないかと懸念

(ラングーン)支援組織の発表によれば、ビルマの大規模な嵐の災害を生き延びた
人数千人は、大がかりな支援が受けられなければ、死にさらされている。最大で
150万人が伝染病の差し迫った危険にさらされている、と英国の組織オックスファ
ムがバンコックで発表した。国連の発表によれば、サイクロン「ナルギス」が襲っ
てから1週間以上たったが、支援物資を受けたのは、被災した人たちのわずか4分
の1にすぎない。世界食料計画は、支援物資を乗せた飛行機をさらに3機、ラング
ーンに送った。ビルマの軍独裁者は、国外からの災害の専門家の入国をあいかわら
ず拒否している。一方軍事政権は、国外からの支援物資を自ら分配する仕事をして
いる。
ビルマ当局は「ナルギス」による死者の数を28,400人と発表した。これは以前よ
り5千人多い。外国の専門家は10万人以上が死亡した、と見ている。

     その他のニュース

ビルマ軍事政権は国民投票での勝利に期待

(ラングーン)反対意見が出る中行なわれたビルマの新憲法をめぐ
る国民投票から1日、現軍事政権は賛成が得られた、との見方を取
っている。今回の国民投票は成功によって報いられた、と国営新聞
「ミャンマーの新たな光」は報じている。住民が票を投じることが
できるように、投票時間を延長した村落もいくつか出ることになっ
た、とも伝えている。タイの日刊紙「国民」は、政府筋の情報とし
て、最初に集計が行なわれたいくつかの選挙区では、95%から
100%が賛成票である、と報じている。これに対して野党は、軍事
政権が大規模な選挙の不正を行なった、と非難した。多くの投票所
では、投票用紙にはあらかじめ書き込まれていた、とビルマの亡命
新聞「イラワディ」は報じている。軍事政権は、サイクロンにより
事態が混乱しているにもかかわらず、土曜日に国民投票を実施し
た。特に大きな打撃を受けた地域だけ、2週間投票が延期された。

レバノンでは緊張の中休戦

(ベイルート)親西側の政権の支持者と野党ヒズブッラー民兵の支
持者が、数日に渡って戦闘を繰り広げた後、レバノンは緊張が続く
中、静けさを取り戻した。シーア派民兵が撤退した後、軍は首都ベ
イルートの主要道路の管理を行なっているが、国際空港へ続く道路
はあいかわらず野党の支持者によって封鎖されている。レバノン北
部の港町トリポリでも、軍が侵攻した後、情勢は再び落ちついてい
る。トリポリでは市街戦が行なわれて、少なくとも17人が死亡し
た。ベイルート東部では、新たな衝突が報告された。この間エジプ
トの首都カイロでは、アラブ連盟加盟国の外相が、レバノン危機に
ついての協議を開始した。緊急会議は、サウディ アラビアとエジ
プトの提案に基づいて行なわれた。この両国は親西側の首相セニオ
ラを支援している。

スーダンはチャドとの外交関係を断絶

(ハルツーム)スーダンは、反乱勢力が首都ハルツームを攻撃した
ことを受け、チャドとの外交関係を断絶した。テレヴィでの演説で
大統領アル・バシルは、隣国チャドの政府が反乱勢力「公正と自由
を求める運動」JEMの攻撃を支援した、と非難した。チャドはこの
非難を退けた。スーダンの紛争地区ダルフール出身の反乱勢力は、
土曜日にハルツームの郊外に侵攻していた。スーダン政府は、この
攻撃は粉砕され、反乱勢力は大規模な被害を受けた、と報告した。
アフリカ連合とEUは、暴力の行使を批判した。EU主席外交官ソラ
ナはブリュッセルで、ダルフール危機には軍事的には解決できな
い、と述べた。ダルフールでは2003年以来、政府軍とアラブ系の
民兵が、黒人の住民と戦闘を続けている。国際機関の発表によれ
ば、今までにこの紛争で約20万人が死亡した。




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