6月30日〜7月6日のオーストリアのニュース



6月30日(月)

     国外ニュース

サルコズィ「EUは国民を経済の世界規模化から守らねばならない」

フランス大統領ニコラ サルコズィは、EU評議会の議長を今日か
ら6カ月引き受けるが、国民を経済の世界規模化から守るために、
ヨーロッパ政策を遂行する方針である。「ヨーロッパ人はヨーロッ
パを支持しているが、いまや経済の世界規模化から生じる危険から
の保護を求めている」と月曜日午後のフランスのテレヴィ局でのイ
ンタヴューで述べた。深夜にフランスはEU評議会議長を、スロヴ
ェニアから引き継いだ。またサルコズィは、アイルランドがEU改
革に関するリスボン条約を否決したことを受け、クロアチアへと
EUを拡大するのを阻止する方針である。

     国内ニュース

ファイマンは自由党との考え方の違いを打ち出す

社会民主党の執行部長ウェルナー ファイマンは、いくつかの新聞
のインタヴューを受け、自由党との立場の違いをはっきり示す努力
を行なった。火曜日に発行される新聞のなかで、交通大臣である彼
は改めて、ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェを党首とす
る自由党と協力することはない、と述べた。ファイマンはこの発言
で、EU国民投票問題での方針転換は、自由党との連立にむけて社会
民主党が準備を進めているのではないか、との疑いを晴らすつもり
である。社会民主党が自由党に接近している、との疑いは、国民党
の側からも出ている。外務大臣ウルスラ プラスニク(国民党)
は、ヨーロッパ問題で、「社会民主党と自由党が連立」するのでは
ないかと推定していた。




7月1日(火)

     国外ニュース

世界銀行は新たな気候保護基金2つを設立

世界銀行は、気候保護基金2つを設立し、温室効果ガスの削減で、
発展途上国を支援する。気候投資基金CIFは、今後3年で、50億ド
ルを支出する、と世界銀行は昨日ワシントンで発表した。世界銀行
総裁ロバート ツェリックは、この基金が、天候変動対策でさらな
る手段を講ずる上で、「決定的な影響力」を持つことを期待してい
る、と述べた。その際には農業から水の供給、輸送会社から都市の
開発、年齢構成からエネルギーの入手法にいたるまで、新たな試み
が追求されるべきだ、とも述べた。

     国内ニュース

政府は新閣僚に宣誓をさせる

連邦大統領ハインツ フィッシャーは火曜午後、新閣僚に宣誓をさ
せた。新女性大臣ハイドルン シルハーフィと次官アンドレアス 
シュナイダー(共に社会民主党)、新内務大臣マリーア フェクタ
ー(国民党)が王宮に呼ばれた。その前に副首相ウィルヘルム モ
ルテラー(国民党)が、フィッシャーから内務大臣の職を解かれ
た。彼は1日だけ、前任の内相ギュンター プラター(国民党)に
かわって、内務大臣を務めていた。プラターは昨日午前中に、ティ
ロール州首相に就任したため、既に解任されていた。また連邦首相
アルフレート グーセンバオアーも宣誓式に出席していた。




7月2日(水)

     国外ニュース

イランは核に関する新提案の話し合いに応ずる

イランの核計画をめぐる対立では、イラン政府はEUの主席交渉役
ハヴィエル ソラナの新たな提案について、話し青いに応ずる用意
がある、と外務大臣マヌーチェフル モッタキは述べた。「私たち
は、包括的で多様な取り組みを行なう可能性がある、と見ている」
と昨日ニュー ヨークで開かれた国連の会議に参加したモッタキは
述べた。6月中旬に取りまとめられた提案で、拒否権を持つ5大国
とドイツは、イラン政府が独自のウラン濃縮を断念するのであれ
ば、民間の核計画で、経済的に協力と支援を行なう、と約束してい
た。イランには、このウランを用いて核兵器を開発しようとしてい
る、との疑いがかけられている。

     国内ニュース

首相の式典ではなく仕事の決定に社民党閣僚は喜びの声

社会民主党の閣僚は、社会民主党の夏の式典を中止することで、喜
ばしい影響を与えている。この中止により閣僚は昨日午後、首相府
での作業会議に集まることができた。連邦首相アルフレート グー
センバオアーから次官クリスタ カンツルまで、集まった大臣と次
官は、式典ではなく仕事にこの後の時間を割り当てたい、と強調し
た。次期同党首ウェルナー ファイマンは、内容面での成果が上が
るほうが、式典を行なうよりも望ましい、と述べた。また社会福祉
大臣エルウィン ブーヒンガーは、この中止には驚いている、と述
べた。




7月3日(木)

     国外ニュース

ブッシュは北京五輪開会式に出席

米国大統領ジョージ W. ブッシュは8月の中国でのオリンピックの
開会式に出席する。夫人ローラも同席する、と広報が発表した。大
統領夫妻は、これにより何よりも選手を応援するつもりである、と
のことである。春にチベットでの抗議活動が弾圧された後、いくつ
かの国の首脳が、オリンピック開会式に出席しない、と威嚇してい
た。特に西側諸国からは、中国政府と治安部隊の対処に、強い批判
が寄せられていた。現在EU評議会議長を務めるフランス大統領ニコ
ラ サルコズィは、開会式に出席するかどうかは、中国とダライ 
ラマの特使の対話の進捗状況次第である、と以前述べていた。中国
政府はオリンピックを政治化しないように、と警告していた。

     国内ニュース

健康保険問題で患者の領収書と「同じ成分の薬の処方」問題が解決

健康保険改革では、もはや多くの問題は残っていないようである。
第一局面の中心的な問題である患者の領収書および、医者がより多
くの作用物質を処方し、薬剤師が有利な調剤を選び出すという「同
じ成分の薬を処方する」の原則が完全に決着した、と社会福祉大臣
エルウィン ブーヒンガー(社会民主党)は昨日のテレヴィ番組で
述べた。彼は、改革の方針が弱まるのではないか、との非難に対し
て、予定の対策の多くが修正され、弱められ、あるいは取り消され
ても、そのようなことはない、と述べた。目的を達成するために設
定された基準と、個々の契約の締結はそのまま維持されている、と
ブーヒンガーは述べた。




7月4日(金)

     国外ニュース

ベルルスコーニ「ナポリのゴミは7月20日までに撤去する」

ナポリの道路は、7月20日にゴミがなくなることになった。イタリ
ア首相シルヴィオ ベルルスコーニは、金曜日の閣議後、2週間以
内にイタリア南部の同市から、ゴミの山すべて取り除くために、あ
らゆる措置を講ずる、と予告した。さらに政府は、新たにゴミの山
ができないように、全力を挙げる、とも述べた。同市の清掃局によ
れば、現在ナポリ市内には135トンのゴミが積み上げられている。
1月には7千トンのゴミがあった。ベルルスコーニがこのゴミ問題
で、具体的な日程をあげるのは初めてである。また彼は、この地域
のゴミ問題は、3年以内に最終的な解決をする、と予告した。ナポ
リとその周辺地域は、十年以上に渡ってゴミ問題に悩んでいた。処
理場と再処理施設は、操業期間を越えており、現地の犯罪組織が違
法に操業していたゴミ山も閉鎖された。

     国内ニュース

健康保険制度をめぐる話し合いは再び決裂

健康保険改革をめぐる話し合いは、金曜午後に決裂した。国民評議
会での来週の決定は、きわめて難しい。最終的に改革が秋に延期さ
れるかどうかは、交渉役にとってはまだ決まっていない。ただし話
し合いは、土曜日午前中にも再開される。公務員同盟およびオース
トリア労働者職員同盟会長フリッツ ノイゲバオアーの特別な意向
が、この問題を左右する決定的な点である。彼は連邦全体で活動し
ている健康保険組合が、公勤務従事者および農家が加盟する健康保
険組合と同様に、新たに作られる中央持株会社が定める基準のう
ち、地域件法保険組合よりゆるい基準が適用されることを求めてい
る。




7月5日(土)

     国外ニュース

ジンバブウェの選挙での不正を示す映像

盗撮された映像は、ジンバブウェの大統領選挙で、重大な不正が行
なわれたことを示すはっきりした証拠である。収容所のある職員
が、自分と同僚が郵便投票の書類に記入する際に、大統領ロバート
 ムガベに票を投ずるように、上司の圧力を受け、管理されていた
かを撮影していた。この映像は土曜日に英国の新聞「ガーディア
ン」がインターネット上に公開した。この看守シェファード ユダ
は、この映像を生命の危険にさらされながら撮影し、金曜日には国
外に逃げ出した、と同紙は報じている。国際監視団によれば、6月
27日の決選投票は暴力が行使される中で行なわれ、自由でも公正
でもなかった。この10分間の映像によれば、政権党ジンバブウェ
・アフリカ民族同盟・愛国戦線ZANU-PFの党員が、投票を管理し
ている様子を映している。「ムガベの名前に印をつけるのは自分の
人生の中で最もつらい瞬間であった」とユダは後に、人目につかな
い所でカメラに向かって述べていた。別の部分では、職員に対して
ムガベに印をつけるように命じる集会が映っている。

     国内ニュース

グラサーは政界復帰を否定との報道

カール・ハインツ グラサーはまもなく政界へ復帰する、との噂が
広がっているが、元大蔵大臣である彼は「エスターライヒ」紙のイ
ンタヴューで、これを否定した。「私が政治に捧げる期間は終わっ
た」とグラサーは述べ、連立両党を批判し、現状を招いたのは両党
である、と述べた。オーストリアの政界は現在「きわめて悲惨な状
態にあり、自分には政界に復帰する魅力が感じられない」とも語っ
た。




7月6日(日)

     国外ニュース

G8首脳会談が日本で始まる

日本では月曜日に、世界の主要工業国8カ国の首脳会談が始まる。
北日本の町洞爺湖での協議の中心は、環境政策、石油市場情勢、食
料品価格の危険な推移である。初日には、G8首脳は、アフリカ諸
国の代表7人、EU、世界銀行、国連、アフリカ連合の代表と会談す
る。首脳はジンバブウェ情勢、イランの核政策、アフリカ支援につ
いても話し合う。火曜日が首脳会談の中心の日となる予定で、世界
経済、金融市場情勢、気候問題を中津に話し合いが行なわれる。米
国大統領ジョージ W. ブッシュは、気候に悪影響を与える二酸化炭
素排出を抑えるためにも、原子力発電の大幅拡大に賛成している。
G8は米国、ドイツ、日本、英国、カナダ、フランス、イタリアの
G7とロシアからなっている。

     国内ニュース

社会民主党は幹部問題に決着をつける

政府の危機は健康保険改革問題が失敗に終わったことを受け、さら
に厳しくなった。社会民主党幹部会は、問題となっている新党首ウ
ェルナー ファイマンと連邦首相アルフレート グーセンバオアー
の2頭体制と、先日の同党のEU政策の転換について決定を下した。
この会議の成果は、連立政府の今後の活動に直接的な影響を与える
見通しである。副首相で国民党党首ウィルヘルム モルテラーは、
社会民主党の危機を単に傍観するに留まらない、と威嚇した。連立
相手の社会民主党のヨーロッパ政策の転換は、二重のいみでの行き
詰まりを示している、と彼は見ている。モルテラーは社会民主党
が、以前共有していたヨーロッパ政策に戻り、党内の執行部問題を
解決するように求めた。




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