7月21日〜27日のオーストリアのニュース



7月21日(月)

     国外ニュース

米国政府は「悪の枢軸」を変更しない

米国政府は最近、イランと北朝鮮と接触したにもかかわらず、「悪
の枢軸」という考え方を放棄しない方針である。「この国々が核兵
器計画を完全かつ検証可能な形で放棄するまで、この分類はそのま
まにしておくつもりである」と米国大統領公報ダナ ペリーノは昨
日ワシントンで発表した。北朝鮮に対する米国の外交的な提案は確
かに成果を挙げたが、イランは全く別の話である、とペリーノは述
べた。2002年1月に、米国大統領ジョージ W. ブッシュは、この
両国とサッダーム フセイン支配下のイラクを「悪の枢軸」とよ
び、外交的な接触を断っていた。

     国内ニュース

国民党はモルテラーの物価上昇対抗策を発表

副首相で国民党党首のウィルヘルム モルテラーは、「数日中に」
物価上昇対策の提案を行なう予定である。経済大臣マルティン バ
ルテンシュタイン(国民党)はこれを予告していたが、大蔵相公報
は、昨日APA通信に対して、この予告を確認した。しかしこれは減
税とは無関係であり、減税の期日は予定通り2010年であるのは変
わらない、とも発表した。この提案の具体的な内容については、バ
ルテンシュタインもモルテラーの公報も発表しようとしなかった。
またバルテンシュタインは、大幅な税制改革を行なうには準備期間
が必要だ、として、早期実施することを拒否した。一方国民党の社
会福祉の専門家ウェルナー アーモンは、減税に向けて、党内の圧
力を強めて行く方針である。




7月22日(火)

     国外ニュース

イタリアではベルルスコーニの不逮捕特権を承認

イタリア上院は昨日午後、問題となっていた同国4人の有力政治家
に不逮捕特権を認める法律を可決した。上院議員171人が賛成、
128人が反対、6人が保留であった。これより前に既に下院で可決
されていたので、左派の野党を中心に批判されていたこの不逮捕法
は最終的に効力を持つことになった。この法律には、国の高官4人
(大統領、首相、上下院議長)が任期中の場合、彼らに対する法的
な措置が取れなくすることを含んでいる。保守派の首相で報道機関
を抱える大富豪シルヴィオ ベルルスコーニは現在、ミラノで汚職
の裁判を起こされており、数週間前から新たな法律で有罪判決を避
けようとしていた。検察は彼が1997年に、英国の弁護士デイヴィ
ッド ミルズに60万ドルを支払っい、ベルルスコーニの報道会社
メディアセットにたいする裁判で、偽証を行なわせた、との容疑を
持っている。

     国内ニュース

機密漏洩の疑い 内務局はプラターに対する捜査を行なう

国内政治ではびっくりするような展開が待っていた。問題となって
いる内務局BIAは、よりによって元内務大臣ギュンター プラター
(国民党)および数人の上級公務員に対して、秘密漏洩容疑で捜査
を行なっている。具体的には、ゾガイの家族に関する「繊細な情報
を問い合わせ、さらに他に伝達した」ことが問題となっている。プ
ラターは2007年の記者会見で、ゾガイの家族に対する有罪判決と
告発に言及していた。国民党はこの容疑を厳しく否定した。全ての
容疑者には、推定無罪が適用されている。




7月23日

お休みです



7月24日(木)

     国外ニュース

スイスに報復 カダフィーは油送管の栓を閉じる

現在重大な危機が、リビアとスイスの両国関係を揺るがしている。
この危機のきっかけとなったのは、リビア大統領カダフィーの息子
スイスで、障害容疑で逮捕されたことである。カダフィは即刻対応
し、いくつかのスイス企業の活動を禁止し、スイス人2人を逮捕さ
せた。昨日は第2番目の措置をとり、スイスのアキレス腱を攻撃し
た。リビアは石油の輸送を中止した。

     国内ニュース

ピューリンガーは連邦の政策を批判

連邦は停滞し、州では迅速な展開を見せている。昨日オーバーエス
ターライヒ州首相ヨーセフ ピューリンガーは、オーバーエスター
ライヒ州での政治活動の中間総括を行ない、このような対比を述べ
た。オーストリア全土の中で最も低い失業率、州と労働市場の活動
が強く産業を進行させ、約3千7百万オイロの公的分野での使用料
を切り詰めることでの負担削減策、エネルギー企業AG社の民営化
で、西部の各州の電力供給の協力体制を作り上げる契機を得たこと
などが、彼の任期半ばでの成果であった。今後の連邦との強力が必
要な課題は、あまりに努力を怠っていた介護問題、平均的な所得の
人の税負担軽減などである。




7月25日(金)

     国外ニュース

ガザで連続攻撃 3度目の爆破では死者4人

金曜日にはガザ市内で連続爆弾攻撃が発生し、少なくとも5人が死
亡した。最も激しい攻撃は夕刻、ガザの人通りの多い浜辺で起き
た。ここでは自動車が爆発し、ガザ帯状地帯を支配するハマースの
発表によれば、4人が死亡し、20人が負傷した。死亡したのはハマ
ースの部隊の指揮官アマル ムスバハと、ハマースの戦闘員2名、
さらに少女1人である、とのことである。午前中にも既に2件の攻
撃が行なわれていた。最初の攻撃は深夜、インターネット・カフェ
で起き1人が死亡し、その直後その近くでハマース所属の議員の家
の前で爆発が起きていた。このインターネット・カフェが狙われる
のは2度目である。ハマースの治安部隊は、対立する大統領アッバ
スが率いるファタハ運動の3人を、容疑者として逮捕した。うち
1人が犯行を認めた、とハマースは発表した。

     国内ニュース

物価上昇で社民党は国民党を批判

社会民主党連邦執行部長ドーリス ブーレスは、物価高騰問題で、
国民党は「意見が一致していない」、と述べた。彼女は昨日の放送
の中で、財政問題の専門家ギュンター シュトゥムフォル(国民
党)と事務長ハネス ミセットホーン(国民党)は、付加価値税の
引き下げを行なう可能性を否定しなかったあ、国民党の会派長ウォ
ルフガング シュッセルは、この措置を拒否を表明した。物価上昇
問題での国民党の態度に対する批判は、自由党と未来同盟からも出
されている。自由党事務長ヘルバート キックルは、ますます膨ら
んでいる国民の窮状に国民党は目を閉ざしているようだ、と怒りの
発言をした。未来同盟は、国民党内部には「物価上昇に歯止めをか
けようとする側と、それを骨抜きにしようとする側の間で塹壕戦」
がくり広げられていると見ている、と同党の経済問題の専門家ファ
イト シャレは昨日述べた。緑の党は、35億オイロ規模の所得税
軽減の包括対策を提案した。




7月26日(土)

     国外ニュース

ハマースはファタハの支持者多数を逮捕

ガザ帯状地帯での攻撃に続いて、急進派イスラーム教徒のハマース
は今度は、対立するパレスチナ大統領マハムード アッバスのファ
タハ運動に対して強い態度に出ている。昨日ハマースの治安部隊
は、ファタハの支持者162人以上を逮捕した。夕方には彼らはガザ
で、パレスチナ解放通信社の事務所に押し寄せた。これにいおり、
コンピューターと書類が差し押さえられた。パレスチナ解放通信社
は、アッバスに近い立場である。逮捕された162人の中には、ガザ
帯状地帯でのファタハの政治指導者アフメド ナセルやパレスチナ
自治政府元高官も含まれている。ハマースは、ガザ市外の交差点で
爆弾を破裂させた事件の背後にはファタハがいる、と非難してい
る。金曜日のこの事件では、子供1人とハマースの戦闘員3人を含
む7人が死亡した。ハマースは2007年6月に数ヶ月にわたる路上戦
をファタハと繰り広げ、数百人の死者を出して、ガザ帯状地帯の権
力を掌握した。これ以来、西ヨルダンの地での政治の中心勢力であ
るアッバスと彼のファタハは、ハマースとの交渉を拒否している。

     国内ニュース

物価上昇でホイプルはウィーンの家賃引き上げを延期

ウィーンの公営住宅では、10月に賃貸料の引き上げが行なわれる
予定であったが、これは当面延期された。市長ミヒャエル ホイプ
ル(社会民主党)は、ウィーン市は年末までは家賃の値上げを行な
わない、と予告した。その時点で物価上昇が落ちついていれば、情
勢を改めて検討しなおすが、そうでなければ、値上げは行なわせな
い、とホイプルは述べた。また彼は、これは連邦全体で合意がなさ
れるかどうかに関りなく行なう、とも述べた。




7月27日(日)のオーストリアのニュース

     国外ニュース

トルコの憲法裁判所はAKPの活動禁止を決する

トルコの憲法裁判所は、首相レジェップ タイップ エルドアン率
いる与党公正発展党AKPの未来についての決定を今日から決める。
同党はイスラーム教化運動を行なっている容疑で、解散となる可能
性があり、検事長は、5年間の政治活動禁止をエルドアン、大統領
アブドゥル ギュル他同党の要人に言い渡すように求めている。
11人の憲法裁判所の裁判官のうち少なくとも7人がこの訴えを認め
れば、公正発展党は活動禁止となり、トルコでは極めて高い確率
で、間もなく選挙が行なわれる。専門家は、判決は数日後に言い渡
される可能性が高い、と見ている。発展好悪政党は、イスラーム教
中心主義の非難を退け、司法による「クーデタ」である、と述べ
た。

     国内ニュース

ダラボスは軍の補助任務の派遣を延長する

以前のシェンゲン条約で示された地域で、オーストリア国防軍が補
助的な任務を行なっているが、これが延長されることになってい
る。国防大臣ノルバート ダラボス(社会民主党)は昨日テレヴィ
番組のインタヴューでこのように予告した。一方国防軍の兵士2人
がチャドで、泥棒に襲われ、武器を奪われた。「クローネ新聞」が
これを伝えたが、ダラボスの公報がこれを昨日確認した。これはチ
ャドの政治情勢とは関係のない、単なる犯罪行為であり、犯人たち
は自動車の故障をよそおって、兵士が助けようとしたところを不意
打ちし、武器を奪ったとのことである。下士官2人はオーストリア
に帰国し、事件の解明のための調査を受ける、とのことである。



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