8月11日〜17日のオーストリアのニュース



8月11日(月)

     国外ニュース

ムガベ「ジンバブウェの重要な対立点は取り除かれた」

アフリカの紛争国ジンバブウェでは、権力の分割をめぐる交渉が月
曜日も引き続き行なわれた。4時間にわたる話し合いの末、大統領
ロバート ムガベは、首都ハラレの会議が行なわれたホテルから出
て行く際に、「不安はない。我々は明日も会談を行なう」と述べ
た。細かい内容に関する問題では、今までのところ前進はないが、
大きな対立点は解消された、と述べた。これより前にムガベは同国
統一の英雄記念日の集会で、「対立のあとに家族が結集する。私た
ちは今その場所にいる」と今まで独裁的な支配を行ってきた大統領
であるが、今までとは異なり、野党に対する激しい攻撃を避けて、
ムガベは述べた。野党「民主化運動」の分派の政党党首アーサー 
ムタンバラは、この集会に参加したが、野党の指導者モーガン ツ
ヴァンギライは出席しなかった。

     国内ニュース

介護手当とオーストリア航空の売却が閣議で協議

介護の問題とオーストリア航空の売却動議が、夏の閣議の主要議題
である。連邦選挙局の新設も決定される。いくつかの重要な計画
は、議題に上ることはなさそうである。第二次暴力保護法は既に、
不成立が決まっている。国民党が要請した家族支援手当の13回目
の支給による、支給総額の引き上げについては合意が成立しなかっ
た。社会民主党党首ウェルナー ファイマンは、これについては投
票前に決定を下すように提案したが、国民党は「現実的な日程」を
示して、これを拒否した。モルテラーが慎重に検討していた「オー
ストリア周遊券」も議題にはならない。社会民主党が成立を目指し
ていた段階的な住居の賃貸料の引き上げ延期が合意に達するかどう
かもわからない。共同記者会見は行なわれない。副首相で国民党党
首モルテラーは自分の事務所で記者会見を行なう。ファイマンも閣
議後に記者と話す機会をもつ、と公報が発表した。




8月12日(火)

     国外ニュース

ジンバブウェでツヴァンギライは不機嫌に

ジンバブウェでは野党党首モーガン ツヴァンギライは昨日午後、
大統領ロバート ムガベとの権力の分割に関する3度目の話し合い
から退席した。ツヴァンギライは、首都ハラレの会議会場のホテル
を出て行くにあたって、機嫌をそこねているようであった。ただし
ツヴァンギライは今後の話し合いを欠席することはない、と彼の広
報は述べた。彼の政党「民主化運動」MDCの分派からの交渉参加者
は、南アフリカ大統領ターボ ムベキの声明が発表される、と述べ
た。ムガベのジンバブウェ アフリカ民族同盟・愛国戦線とツヴァ
ンギライの政党の交渉の目標は、ツヴァンギライを首相とする連立
政権の結成である。ただしツヴァンギライはムガベから指名をされ
ることではなく、国会で選ばれることを望んでいる。

     国内ニュース

緑の党は社民党と国民党の「労働意欲」に不審

緑の党の社会福祉問題の専門家カール エリンガーは、低額所得者
に対する負担軽減が不十分である、と批判し、政府がこの分野の問
題解決に、もっと積極的に乗り出すように求めた。また選挙を間近
に控え、「突然勤労意欲」を発揮し、介護および家族支援に取り組
みはじめたことも批判した。




8月13日(水)

     国外ニュース

オバマのマケインに対する優位はますます減少

新しい世論調査によれば、米国民主党の大統領候補バラク オバマ
の、共和党候補ジョン マケインとの支持の差は、ますます少なく
なった。ピュー研究所が昨日発表した調査によれば、両候補の差は
ほとんどなくなっている。オバマは46%の支持、マケインは43%の
支持であった。この調査によれば、オバマは6月にはまだ8%の差を
つけていた。7月にはイリノイ州選出の黒人の上院議員は、アリゾ
ナ州選出の上院議員を5%上まわっていた。新大統領は11月4日に
選ばれる。

     国内ニュース

アルプバッハ公開会議が開始

今年のアルプバッハ欧州公開会議の中心議題は、一般議題の「認識
と決定」である。この会議は木曜日に開幕する。高官が出席するこ
の会議は、今回で64回目である。8月30日まで、ティロール州の
山岳村で、政治家、外交官、経済界の代表、研究者が健康保険制度
の資金調達の可能性、市場経済の未来、欧州と米国あるいはロシア
との関係などの国際政治問題、ヨーロッパの協力関係について話し
合う。議長エアハルト ブーセクと理論物理学者ペーター アイヒ
ェルブルクが開会をすることになっている。オーストリアの内政
も、今年は選挙戦があるため、重要な役割を持っている。連邦首相
アルフレート グーセンバオアー(社会民主党)と副首相ウィルヘ
ルム モルテラー(国民党)の他、全ての閣僚とほぼ全ての次官
が、出席を約束している。野党の政治家も出席することになってい
る。今年は外国からの主な参加者は、スロヴェニア外務大臣ディミ
トリ ルーペル、と米国国連大使ザルマイ ハリルザドとロシア国
連大使ウィタリ チュルキンが出席する。




8月14日(木)

     国外ニュース

ポーランドはミサイル迎撃網で米国と合意

ポーランドと米国は、ロシアが厳しく違反している米国のミサイル
迎撃施設をポーランドの領土に建設することで、合意に達した。両
者はこれに関する合意で了解した、とポーランド政府首相ドナルド
 トゥスクは、昨日夜ポーランドのテレヴィで述べた。詳細は発表
されていない。この協力関係の中で、米国はポーランドが軍事協力
を拡大するようにとの要請を受けいれた、とのことである。ポーラ
ンドが他国から攻撃を受けた場合には、米軍はポーランドに協力す
ることで、明確な合意が得られた、とのことである。すでに火曜日
にトゥスクは、南オセチアでの紛争に関して、米国は、ポーランド
が米軍の長期的配備要請と、ポーランド軍の近代化の支援の要請を
深刻に受け止めることになる。一方ロシア国会外務委員会委員長コ
ンスタンティン コサチヨフは、この迎撃施設に関する合意を批判
し、ヨーロッパの安全を改善するのには役立たない、と述べた。

     国内ニュース

幼稚園の無料化の年限を今後も維持

幼稚園の料金を無料にする年限に関する議論で、動きが起こりそう
である。国民党が政権を持つ州が、原則的に資金を負担する用意が
ある、と表明したことを受け、社会民主党が政権を持つ州も、話し
合いに応ずる姿勢がしめされた。ただし、この発表以外には具体的
なことは公表されていない。




8月15日(金)

     国外ニュース

ジンバブウェ問題で再びアフリカ首脳会談

南アフリカのヨハネスブルクで土曜日に、アフリカ南部開発共同体
SADCの首脳会談が始まる。今回の協議の中心になるのは、ジンバ
ブウェ危機である。南アフリカ大統領ターボ ムベキの報告が、緊
迫感をもって見守られている。ムベキは同共同体から、この紛争の
仲介役に指名されている。話し合いの中では、ジンバブウェ大統領
ロバート ムベキと対立候補モーガン ツヴァンギライが、権力を
どのように分割するかが議題となる。ボツワナ大統領イアン クハ
マは、ムガベが出席するのであれば、この会議には参加しない、と
予告した。その他各国首脳は、すでに1月に発効した自由貿易圏に
ついて話し合う意向である。

     国内ニュース

ディンクハオサーは全国で候補者擁立が難航

フリッツ ディンクハオサーは、自らの候補者名簿が、連邦全体で
候補者をたてるために必要な署名集めに問題が生じているようであ
る。特にウィーンで困難になっている、と昨日のオーストリア放送
ティロール局のインタヴューで述べた。ニーダーエスターライヒ州
とシュタイアーマルク州でも必要な署名がまだ集まっていない、と
も述べ、「政治組織から、署名した3人の候補者を任せるとの提案
は受け取ったが、それを受け入れるつもりはない。市民も動員する
ことができる、というのが市民組織にとって重要なことだ、と私は
思う。最終的に2千6百人の署名が集まらなければ、この名簿を用
いて立候補することはない」とも語った。




8月16日(土)

     国外ニュース

ジンバブウェ危機の突破口が近づく

ジンバブウェの政権の危機を決着させるべく、数週間に渡って交渉
が行なわれていたが、間もなく突破口にたどりつく可能性がある。
南アフリカ開発共同体SADCの首脳との協議の後、大統領ロバート
 ムガベと野党の指導者モーガン ツヴァンギライは、統一政権を
結成するための協定に間もなく署名する、とヨハン背鵜ブルクで開
かれている首脳会談に参加している外交官が述べた。これに関する
提案は、秘密会議で協議されている、とのことである。数週間前か
らこの危機の仲裁を行なっている南アフリカ大統領ターボ ムベキ
は、2日間にわたる首脳会談の冒頭で、権力争いに決着がつく可能
性がある、との期待を表明していた。ジンバブウェでは独裁体制が
進行中で、ムガベの経済政策の失敗で経済的破綻の淵に立ってい
る。6月末に彼が再選されたことが、世界各国から非難されてい
る。第1回投票で首位に立ったツヴァンギライは、自分の支持者に
対して暴力が振るわれたため、決選投票への参加を断念した。

     国内ニュース

ファイマンは物価上昇対策会議を計画

国民党に続いて、社会民主党党首ウェルナー ファイマンは、物価
上昇首脳会議を計画している。「寄せ集めの提案が出されたことを
受け、私は会議を招集する」と「エスターライヒ」紙に彼は述べ
た。ファイマンは、国民党と一緒にさまざまな提案から、「選挙前
にも物価上昇に影響を受けてる全ての国民組織の負担軽減のため
に、包括的な対策を取りまとめる」意向である。ただし国民党は火
曜日にも、独自の首脳会談を行なう、と予告している。副首相ウィ
ルヘルム モルテラーと経済大臣マルティン バルテンシュタイン
は、国立銀行の代表を招いて、物価上昇との戦いで、目標を絞った
対策を協議する方針である。




8月17日(日)

     国外ニュース

イランは衛星打ち上げ用のロケットを試験

イランは昨日、衛星を宇宙に運ぶために使われるロケットを試験し
た。大統領マハムード アフマディネジャドは、サフィル・ロケッ
トを発射にむけて秒読みを行なった、とのことである。第一報で
は、イラン政府は衛星一台を宇宙に発射した、と誤って伝えられ
た。サフィル(使節)型ロケットは、2月に初めて実験が行なわれ
たが、このときはカオシュガル(学者)という名前のロケットであ
った。このロケット技術は、世界のどの地点へも弾頭を輸送できる
戦略的な武器を製造する前提条件である。これより前にはイラン空
軍は、自国の戦闘機を大幅に改良し、イスラエルまで飛んだ後、帰
還できるようになった、と発表していた。ただしこの将軍アハマド
 ミガニは、どの戦闘機のことなのか、そしてどこまで飛べるのか
は語らなかった。

     国内ニュース

物価上昇対策で社民党と国民党が対立

日曜日には、選挙戦の主題である物価上昇をめぐる対立が発生し
た。社会民主党の連邦執行部長ドーリス ブーレスが、物価上昇に
関する社会民主党の円卓会議に、国民党を改めて招待したのに対
し、すでに独自の物価上昇首脳会談を行なうと発表していた国民党
は、これを「宣伝の会議」であるとして拒否した。社会民主党と国
民党は、お互いに早期に決定を下すように求めた。国民党の財政の
専門家であるギュンター シュトゥムフォルは、同党の要請である
9月に13回目の家族支援金、「オーストリア券」および無料で幼稚
園に1年間通える措置、さらに子供の保育費用の控除の問題は、次
の任期の課題である、と強調した。また自由党と未来同盟は、それ
ぞれ独自の提案を行なった。




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