8月18日〜24日のオーストリアのニュース



8月18日(月)

     国外ニュース

EUはムシャラフの後継者に民主化を促す

パキスタン大統領ペルヴェズ ムシャラフの辞任発表を受け、EU
評議会議長を務めるフランスは彼の後継者に、パキスタンの民主体
制を強化するように呼びかけた。フランスは、「次期大統領および
パキスタン政府は、パキスタンの民主主義を発展させ、確固とした
ものにするべく、協力して仕事ができることを望んでおり、その際
にはパキスタンの組織と法律を尊重しなければならない、と昨日ブ
リュッセルで発表された声明のなかでは述べられている。「EUは
パキスタンがこの道を歩むのを支援するつもりである。」パキスタ
ンの民主的な機構強化すれば、この地域の安定と協力が促進され
る、ともこの声明では述べられている。これより前にムシャラフは
テレヴィの生中継で、辞任の意志を発表していた。これは解任手続
きに先んじたものである。先にムシャラフは演説を行ない、自分の
政策を擁護し、自分の人格に対する告発も退けていた。政府は彼が
多くの失敗を犯した、と非難している。ムシャラフは1999年にク
ーデタで政権の座に就いた。彼の政治人生の終わりは、昨年最高裁
判所の裁判官を更迭した時点で始まっていた。

     国内ニュース

クドルスキは国民評議会選挙には立候補せず

自分は「職業的政治家ではない」ので、国民評議会選挙には立候補
しない、と厚生大臣アンドレア クドルスキー(国民党)は述べ
た。ただし閣僚に指名されれば、今後もそれを受ける、とニーダー
エスターライヒ州出身の彼女は述べた。クドルスキーは、ヨーセフ
 プレルが作成する国民党の州の立候補者名簿にも乗らなかった。
前回の2006年選挙後、クドルスキーは国会議員外から入閣してい
た。厚生大臣の職を引き受けるか、との質問に答えて、「まだ多く
の課題があるので、私の人生をそれに合わせるかどうか、留保して
置く」と答えた。




8月19日(火)

     国外ニュース

モスクワはベラルーシと共同して空域防衛を計画

米国、ポーランド、チェコが共同で計画を進めているのに対抗し
て、ロシアはベラルーシとともに独自の空域迎撃体制を構築する方
針である。モスクワ大統領府は火曜日にインターネット上で、大統
領ディミトリ メドヴェージェフとロシア大統領アレクサンダー 
ルカシェンコは、南ロシアの都市ソチで会談し、この計画に合意し
た。迎撃体制に関する協定は、秋に行なわれる首脳会談で署名され
ることになっている。ロシア国防省の代表者は、過去に数回に渡っ
て、米国が計画しているミサイル迎撃網に対する回答として、ベラ
ルーシの領土内にミサイル迎撃の組織を駐留させる、と言いだして
いた。一方米国政府は東ヨーロッパにこの体制を築くのは、イラン
や北朝鮮などの「ならず者国家」からの攻撃を予防するためのもの
である、と述べていた。先週米国はポーランドと、これについて合
意したばかりであった。

     国内ニュース

バルテンシュタインはファイマンの元では入閣しない意向

経済大臣マルティン バルテンシュタイン(国民党)は、9月28日
の国民評議会選挙後、社会民主党ウェルナー ファイマンが連邦首
相に就任しないのであれば、経済相に留任したい、と「プレッセ」
紙に述べた。自分は「ファイマン・ディヒャント連合の政府には加
わるつもりはない」と語った。ディヒャントは「クローネ新聞」の
発行人であり、ファイマンは彼と近い立場にあることを当てこすっ
たものである。大連立が解消したことを喜んでいるバルテンシュタ
インは、おそらく「国民党・自由党・未来同盟」の連立政権なら
ば、喜んで入閣すると見られている。また彼は、「イエルク ハイ
ダーと彼の政党と連立した時には、よい仕事が出来た」ことを彼は
想起させた。ただし彼はシュトラーヒェが率いた場合の自由党との
連立は拒否した。




8月20日(水)

     国外ニュース

アブハジアはロシアに承認を求める方針

グルジアから離脱しようとしているアブハジア州は、ロシアに対し
て、正式に独立を承認するように要請する意向である。この地域の
議会は昨日、自らを大統領と称するセルゲイ バガプシが提出した
これに関する計画を、全会一致で承認した。その中でロシアは、ア
ブハジアを国家として承認し、現地に「ロシア軍の駐留を維持す
る」ことが求められている。ロシア上院は素手に、これに賛成する
方針を示していた。前提条件としてロシア上院議長セルゲイ ミロ
ノフは、ロシア大統領ディミトリ メドヴェージェフがこれに関す
る決定を下すことを挙げていた。アブハジアは同じように離脱しよ
うとしている南オセチア同様に、90年代に独立戦争を起こしてい
た。ただし国際法上、両国はグルジアに属している。

     国内ニュース

プラスニク「もうロシアを恐れることはない」

外務大臣ウルスラ プラスニク(国民党)はグルジアに対するロシ
アの軍事的介入を、厳しく批判した。「戦車は未来の政権の外交政
策に対して、本質的な指標とはなり得ない。威嚇の言葉は、未来の
言語にはなり得ない」とプラスニクは昨日午後「プラハの春」40
周年記念式典で述べた、とAPA通信は伝えている。プラスニクの見
解によれば、世界の「劇的な事件の流れ」は、ヨーロッパ評議会の
加盟国が、他の加盟国の主権や領土不可侵が危険にさらされ、その
国土の一部が武力で占領される、という「厳しい認識」を与えてき
たが、「もう再びロシアに脅威を覚える必要はない」とプラスニク
は述べた。ヨーロッパは「この種の行動に直面した場合には、単に
議題にしてすますことはない」とも語った。




8月21日(木)

     国外ニュース

オバマは副大統領の決定を下したが公表はせず

バラク オバマは米国副大統領の候補者の決定を下した、と述べ
た。米国の新聞「USAトゥデイ」が「決定を下したのか」との問に
対して彼は、「決めた」と答えた。ただし自分が候補者を正式に
「世界に向けて」紹介するまで、この問題については「これ以上の
論評はしない」とも語った。彼は副大統領候補は「自分と一緒にな
って、中流階級の人および労働者家族の家計を安定させるために働
く協力者」と見ている、ともオバマは語った。候補者の発表の期日
は決まっていない。米国の報道機関は一致して、副首相は今週土曜
日に選挙戦の一環としていくつかの州を訪問の訪問を開始する際
に、発表されるだろう、と報じている。月曜日には民主党の選挙に
むけた党大会がデンヴァーで始まり、オバマはそこでは副大統領候
補を正式に指名することになっている。

     国内ニュース

オイロファイターに関する会計検査院の報告書が公表される

国防大臣ノルバート ダラボス(社会民主党)と、オイロファイタ
ー株式会社の発言を比較した会計検査院の報告書の発表が、緊迫感
をもって見守られているが、明日発表される。会計検査院総裁ヨー
セフ モーサーは前日に、国会での記者会見でこれについて態度を
発表する。それに続いてダラボスも、国防省での記者会見を行な
う。会計検査院はダラボスが主張する4億オイロの支出削減を確認
するかどうかが、示される。選挙戦が行なわれているため、この報
告に関する議論がおそらく起きることになる。1年ほど前に結ばれ
たオイロファイター購入の取引では、発注機数が18機から15機へ
と減らされており、赤外線捜索装置の注文が取り消され、最新型の
「トランシェ2型」をあきらめ、6機の中古機の代わりに6機の新品
に交換されることになっている。ダラボスによれば、支出削減は維
持費でも行なわれる、とのことである。




8月22日(金)

     国外ニュース

米国はイラクからの撤退に関する合意成立を否定

米国は2011年末までにイラクから撤退すると確定していない、と
の情報がある。「ことがなされる前には、それは行なわれていな
い」と大統領府公報ゴードン ジョンドローは述べた。これはイラ
クの主席交渉役モハメド エル ハジ ハムドの発言をなしくずし
的に否定するものである。エル ハジ ハムドは、これより前にバ
グダードで、イラクの米国の安全協定は、2011年末までに米軍が
撤退するとの内容を含んでいる、と述べていた。木曜日には米国国
防省は、2009年6月に米兵をイラクの各都市から撤退を開始する
かもしれない、その目的は都市に米兵が目に見える形で存在するの
を止め、基地でイラク治安部隊の育成に重点を移すことである、と
発表していた。

     国内ニュース

ケルンテン州社民党は新党首を選ぶ

ケルンテン州社会民主党は、土曜日にフィラハの会議場で特別党大
会を開き、ラインハルト ローアを新党首に選出する。フィラハ出
身のローアは、ガービ シャオニヒが7月に突然政界から引退して
から、既に党首の職を代行していた。党大会では連邦同党首ウェル
ナー ファイマンが演説を行なうことになっている。48歳のロー
アは、2002年から州政府の閣僚を務め、2005年10月には党首選
挙の決選投票でシャオニヒに敗れたが、今回その職に就くことにな
る。疑問を抱く人はほとんどいないが、ローアは投票を行なって、
2009年春に行なわれる州議会選挙の社会民主党の筆頭候補にもな
る。ケルンテン州同党首の候補者は彼一人である。




8月23日(土)

     国外ニュース

グルジア問題で米仏はポチの返還を要求

米国とフランスはロシアに対して、グルジアの重要な港町ポチを、
完全に返還するように迫った。ロシア部隊が、ポチ内外の道路封鎖
と監視をすることは許されていない、と米国大統領府公報ゴードン
 ジョンドローは昨日、大統領ジョージ W. ブッシュが自分の牧場
に滞在しているテキサス州クローフォードで述べた。この種の行動
は、停戦協定に違反している、とも語った。フランス大統領ニコラ
 サルコズィも、ポチ市とセナキに通じる道路の返還を求めた。ロ
シア軍はできるだけ早く、この重要な連絡路から手を引かなければ
ならない、とロシア大統領ディミトリ メドヴェージェフと電話で
会談して要請した、とエリゼ宮は発表した。その際サルコズィは、
ロシア軍撤退に関して、同意した義務を履行したことに感謝した、
とのことである。ポチでは数千人のグルジア人が、ロシア軍の駐留
に抗議して、デモを行なった。

     国内ニュース

アルプバッハの政治会談が始まる

グルジア危機が生じたため注目を集めている米国、ヨーロッパ、ロ
シアの関係が、今日始まる第64回アルプバッハ欧州公開会議の政
治会談の議題である。午後には、議長エアハルト ブーセク、スロ
ヴェニア外務大臣ディミトリー ルーペル、映像による親書を出す
EU外務委員ベニータ フェレーロ・ワルトナーが開会式を執り行
う。外務大臣ウルスラ プラスニク(国民党)は、引き続き演説を
行なう。よるには米国国連大使ザルマイ マモズィ ハリルザドと
チェコ副首相アレクサンドル ヴォンドラが、欧州と米国の関係に
ついての議論に参加する。月曜日には、ヨーロッパにおけるロシア
の認識についての議論が、ロシアのEU大使ウラジミール チショ
フと専門家の間で行なわれることになっている。今回は「古い同盟
・新しい協力関係」という標題を掲げて行なわれ、「国連とアフリ
カにおける平和創出」も議論される。




8月24日(日)

     国外ニュース

米国民主党は党大会でオバマの指名を行なう

米国民主党は今日コロラド州デンヴァーで、4日間にわたる党大会
を開き、上院議員バラク オバマを11月の大統領選挙にむけて、
正式に候補者に指名する方針である。オバマ自身は党大会最終日の
木曜日にようやく演説を行ない、それまではいくつかの州を訪問す
る。今日はオバマの妻ミシェルが演説者の中心である。明日は予備
選挙の対立候補ヒラリー クリントンが演説をする予定になってい
る。水曜日には、副大統領候補上院議員ジョセフ バイデンが代議
員に語りかける。オバマの候補者選挙は形式的なものである。党大
会には4千人を越える代議員が出席する。報道関係者は1万5千人が
出席すると見られている。

     国内ニュース

ハイダーはシュトラーヒェが副首相を務める可能性があると見る

未来同盟党首イエルク ハイダーにとって、間近に迫った国民評議
会選挙の目標はたった一つである。それは大連立内閣が再び結成さ
れるのを阻止することである。そのためにケルンテン州首相である
彼は、自由党党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェを副
首相にすることも受け入れる、とのことである。ハイダー自身は、
転出先として連邦首相職のみを考えている、と昨日強調した。ハイ
ダーは連邦政府で、自分の政治家としての経歴上最大の失敗を犯し
ていた。




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