9月22日〜28日のオーストリアのニュース



9月22日(月)

     国外ニュース

国連はアフガニスタン保護部隊の任務期間を延長

国連安全保障理事会は、アフガニスタンにいるNATOの保護部隊の
派遣期間を、昨日全会一致で延長した。また同部隊と米国が指揮す
るアフガニスタン部隊に対して、民間人の中に犠牲者がでないよう
に、追加措置を講ずるように求めた。アフガニスタン大統領ハミド
 カルザイは、民間人の中に死者を出す外国兵の行動は、政府と国
際的な任務に取って障害となる、と繰り返し訴えていた。

     国内ニュース

「自由公開会議」はツァッハのEADS社の売り込みの件で緊急会議

報道によれば、月曜午後に「自由公開会議」は、同党首アレクサン
ダー ツァッハに対する非難をめぐって、会議を行なった。その際
ツァッハが当初の発言に反して、迎撃戦闘機オイロファイター購入
を促す活動をしていたことが問題となっている。同党の筆頭候補ハ
イデ シュミットは前日、何か措置を講ずる、と発表していた。こ
の会議がどこで行なわれ、どんな成果がでたかは、さしあたり発表
されなかった。ツァッハが辞任するかどうかという問題に、シュミ
ットは何も述べず、「板挟み」になっている、と述べた。同党の公
報は、APA通信の質問に答えて、選挙参謀が集まったこの会議の結
果は、火曜日に記者会見で発表する、と述べた。




9月23日(火)

     国外ニュース

アフマディネジャドは国連で米国とイスラエルを威嚇

イラン大統領マハムード アフマディネジャドは、昨日の国連総会
に出席し、同国の核計画を激しい言葉で擁護した。彼はこの出席
を、米国およびイスラエルに対する威嚇および強い攻撃の場として
利用した。彼はイラク、アフガニスタン、アフリカでの事態を指し
て、米国政府は植民地主義だ、と非難した。また彼はイスラエルは
「シオニストの人殺し」だ、と呼んだ。アフマディネジャドは核計
画について、イランは「弱い者いじめ」に今後も抵抗し、「自分の
権利を守る」つもりだ、と述べた。また国連安全保障理事会で拒否
権を持つ5カ国とドイツの話し合いが計画されているが、ロシアは
これを緊急に行なう理由はないとして、反対した。

     国内ニュース

「自由主義公開会議」シュミットはツァッハ疑惑の解明を約束

「自由主義公開会議」LIFの元党首アレクサンダー ツァッハは、
迎撃戦闘機オイロファイター購入の働きかけを行なったのではない
かとの疑惑で、辞任したが、同党の暫定党首ハイデ シュミット
は、この事件はまだ終わっていない、と見ている。「ツァッハに対
する告発を私たちは解明するつもりだ。ただしそれは選挙後にな
る」と昨日午後のテレヴィ番組のインタヴューで彼女は述べた。同
党の幹部は、この容疑は選挙までには解明されないため、ツァッハ
の辞任届を受理した、党の信頼が「そうしなければ実際に損なわれ
る」危険性がある、ともシュミットは述べた。ツァッハがやりそこ
ねたことに対して、辞任がふさわしかったかどうかは、シュミット
は判断できない、とも語った。ツァッハは火曜日に辞任と、国民評
議会立候補の断念を発表した。これによって、この疑惑の責任を取
ったことになるが、これは決して「罪を認めたわけではない」とも
述べた。




9月24日(水)

     国外ニュース

モトランテが南ア新大統領に就任

南アフリカでは今日政権党のアフリカ民族会議ANCの党首代理クガ
レマ モトランテが新大統領に選ばれ、宣誓を行なう。ケープタウ
ンの国会によって、モトランテの選出が最初に予定されている。そ
の後59歳の彼は、宣誓を行なうことになっている。アフリカ民族
会議内部での権力争いが起こり、元大統領ターボ ムベキが就任後
9年で、辞任を迫られたため、モトランテの選出が必要となった。
おそらくアフリカ民族会議党首のヤコブ ズマガ来年には、モトラ
ンテの後任となる。ただしモトランテは「暫定大統領」になるわけ
ではなく、全ての権限を持つ政党否大統領である、と同党の会派公
報はあらかじめ述べていた。

     国内ニュース

国民評議会は調査委員会を棚上げに

官庁の疑惑を扱う調査委員会が、昨夜処理済とされた。ただし緑の
党と自由党の求めが認められれば、これは永続的なものではない。
緑の党の治安の専門家ペーター ピルツは、次の任期に入ったら即
時再開し、カンプシュ問題、内務省の「政治的粛正」、内務案件担
当事務所問題などを解明するように求めた。自由党の司法の専門家
で、この委員会の委員長でもあったペーター フィヒテンバオアー
は、仕事を再開する用意がある、自由党はむしろ「少なくともいく
つかの重大な核心部分において」この委員会の革新に賛成する態度
を取っている、と述べた。社会民主党はこの問題では態度を決めて
いないが、委員会のあげた成果には喜んでいる、と述べた。国民党
会派の首脳ヘルムート クーカッカは、この委員会の目標は、国民
党の印象を悪化させることで、そのため大連立が不和となった、と
述べた。未来同盟会派長ペーター ウェステンターラーは、この委
員会は出発点から一歩も出ていない、と非難した。




9月25日(木)

お休みです。



9月26日(金)

     国外ニュース

国連がイランに対する新決議案

イランとの核をめぐる対立で、国連の拒否権を持つ5大国とドイツ
は、金曜日に国連の一般討議と並行して急遽会議を行ない、新たな
決議案に合意した。この決議案は、今までイランに対して課してい
た制裁を確認するものだ、とロシア外務大臣セルゲイ ラフロフは
ニュー ヨークで述べた。昨日計画されていた6ヶ国の外相会談
は、ロシア政府が関心を持てない、として不参加になっていた。ロ
シアがこれに参加を取りやめたのは、グルジア政策が原因で起きた
西側との長期的な意見の対立に、ロシアが立腹しているためであ
る、と米国は述べていた。今回の決議案を仲裁したのはドイツであ
る。

     国内ニュース

連邦大統領フィッシャーは国民に投票するように呼びかける

連邦大統領ハインツ フィッシャーは、選挙権を持つ国民に対し
て、日曜日に行なわれる国民評議会選挙で投票するように呼びかけ
た。民主的な選挙で、国会議員の公正を決める権利は、自明のもの
ではなくて、「オーストリアでは数十年にわたる努力の末に勝ち取
られたものだ」とフィッシャーは述べた。国民が攻勢で民主的な選
挙に参加することが妨げられている国は、今なおたくさんあるのだ
から、選挙権をできるだけ大きな規模で行使することが、全ての民
主主義者の利益であり、候補者を立てる政党の利益である、とも彼
は述べた。フィッシャーは、国民評議会選挙の統領率は1999年に
は80.4%、2002年には84.2%、2006年には78.5%でだった、と
指摘した。投票率は80%を越えることが期待される、とも述べた。




9月27日(土)

     国外ニュース

バイエルン州選挙 CSUは絶対多数を確保できるか懸念

ドイツのバイエルン州では日曜日、930万人の住民が、今後5年間
の連邦議会議員を選ぶ。キリスト教社会同盟は、緊迫した選挙で、
しばらくぶりに絶対多数を失う心配が出ている。連邦全体での政治
を見た場合には、社会民主党と、キリスト教民主、社会同盟の双方
が、大幅に票を失う可能性がある。そのためバイエルン州選挙は、
2009年のドイツ連邦議会選挙の、試金石とも見られている。州議
会は181議席で、うち91が直接選挙で、89が比例選挙で選ばれ
る。2003年の選挙では、当時はエドムント シュトイバーを党首
としていたキリスト教社会同盟が、60.7%の得票を集め、戦後で
2番目によい結果を収め、州議会の3分の2を獲得した。キリスト教
社会同盟、社会民主党、緑の党の他、自由民主党は、14年ぶりに
議席を獲得できる可能性がある。また「自由有権者」も初めて議席
を獲得できる可能性もある。さらに世論調査では5%をわずかに下
まわる左翼党にも、十分可能性がある。6党すべてが議席を獲得し
た場合には、キリスト教社会同盟の絶対多数は危うくなる。自由民
主党は既に、連立を申し入れている。

     国内ニュース

クロアチアの元将軍ザゴレッチがウィーンで逮捕

クロアチアの元将軍で、国防副大臣ウラジミール ザゴレッチが、
金曜日にウィーンで逮捕された。検察によれば彼はクロアチアに引
き渡される。ザゴレッチは、百万オイロの保釈金で自由であった。
「ザゴレッチ氏は未決勾留中で、クロアチアに引き渡されるが、引
き渡しには技術的にいくつかのやり方があり、それが問題となって
いる」とウィーン検察公報ゲアハルト ヤーロシュは述べた。




9月28日(日)

     国外ニュース

共和党は米国の金融対策に合意をしたと発表

米国議会の両政党は、破綻した銀行業界に対する支援計画で合意し
た。共和党側の交渉の代表ジュッド グレッグが昨日、ワシントン
でこれに関する発表を行なった。それによればこの救済策は、上下
院に提案され、可決される、とのことである。既に米国大蔵大臣ヘ
ンリー ポールソンは、楽観的な見通しを語っていた。政界は週
末、週明けにこれ以上の相場の暴落が起こらないようにするため、
全力を挙げて救済策を取りまとめていた。

     国内ニュース

国民評議会選挙の結果に失望から歓喜の声までさまざまな反応

国民評議会選挙後、州の政治家の当初の反応が出ている。彼らの反
応は結果に合わせて、さまざまである。社会民主党と国民党の政治
家は、集計結果に失望しているが、自由党と未来同盟は歓喜の声を
挙げている。オーストリアの趨勢に呼応して、社会民主党と国民党
は、各州で情け容赦のない敗北を喫した。この日の勝者は自由党と
未来同盟である。ケルンテン州では未来同盟は、地滑り的な勝利を
収め、国民評議会選挙で始めて、社会民主党を上回った。自由党陣
営では日曜午後、社会民主党、国民党、緑の党の敗北を喜ぶ声が上
がった。ウィーンの未来同盟選挙本部では、党首イエルク ハイダ
ーは不在であるにもかかわらず、「イエルギー、イエルギー」と連
呼する声が聞こえた。選挙後ウィーン市長ミヒャエル ホイプル
(社会民主党)は、「自由党と未来同盟の右派・右派連立」が成立
する可能性がある、と述べた。それ以外には、国民党の側からは
「次善の策」と、「緑の党と協力しての右派勢力との戦い」が話題
に上った。




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