2月9日〜15日のオーストリアのニュース



2月9日(月)

     国外ニュース

メキシコでは軍がカンクンの管理を引き継ぐ

将軍1人とその他の兵士2人が、カンクンで殺害されたことを受
け、メキシコ軍はこの観光地の権限を警察から奪い、自ら監視に乗
り出した。メキシコのカリブ海岸にある同市の市長、グレゴリオ 
サンチェスは、治安担当者の長フランシスコ ヴェラスコ デルガ
ードが逮捕され、尋問のためにメキシコ市に運ばれた、と発表し
た。兵士4百人が早朝、カンクンの警察署を取り囲んだ。先週には
退役将軍マウロ エンリケ テッロ キニョネスが拷問にかけら
れ、警察のものと思われる武器で射殺されていた。彼はカンクンの
組織犯罪を撲滅する委託を受けていた。報道によれば、地元警察が
この犯罪組織に関与していた。

     国内ニュース

クラオディア ハイダーの政界登場に関する新たな噂

事故で死亡したケルンテン州首相イエルク ハイダー(未来同盟)
の未亡人クラオディア ハイダーが、無所属で社会福祉大臣に任じ
られる、との噂はなくなろうとしない。もともと自由党の連邦党首
ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェがこの提案を話題に取
り上げたが、月曜になって「シュタンダルト」のインターネット版
が、未来同盟は彼女を灰の水曜日、つまりケルンテン州州議会選挙
の数日前に、選挙戦の切り札として投入する予定だ、と報じた。




2月10日(火)

     国外ニュース

イスラエル選挙は接戦 リヴニとネタニヤフが勝利を宣言

イスラエルの国会議員選挙は接戦である。外務大臣リヴニーのカデ
ィーマ党も、野党の長ネタニヤフの右派リクード陣営が火曜日、選
挙に勝利したのは自分である、と宣言し、政権を取るのは自分であ
る、と主張した。リヴニーのカディーマ党は、火曜日夜の予想によ
れば、リクード党をかろうじて上まわった。わずかとはいえ劣勢で
あるにもかかわらず、ネタニヤフが、首相になる可能性がある。

     国内ニュース

エスルスナーの弁護士は情勢が変化する兆しを見る

火曜日には労働と経済銀行BAWAGの元頭取エルスナーに対して、
10回目の拘留審査の手続きが行なわれたが、良い結果は出なかっ
た。彼の拘留は続けられる。情勢は変化しておらず、エルスナーが
逃亡する可能性がある、と裁判所は見ている。審理後に、彼の弁護
士の発言が目を引いた。弁護士団は、保釈金を引き上げた場合に
は、エルスナーの釈放を支持する「明白な方針」が、現在の法務大
臣バンディオン・オルトナーから示された、と主張した。




2月11日(水)

     国外ニュース

イスラエル選挙後リヴニーが首相になる可能性は少ない

予想よりは打撃は少なかったが、イスラエルの国会議員選挙で
第1位となったツィピ リヴニーは、同国の首相に就任する可能性
は、ごくわずかである。以前は同じ党に属していたベンジャミン 
ネタニヤフのリクードは、リヴニーのカディーマ党よりも1議席少
ないだけである。リヴニーは協力者を失った。労働党は底なしの敗
北に落ち込み、極端な民族主義者アヴィグドル リーベルマンの後
塵を拝し、4番目の勢力となった。右派陣営の中からは、連立政権
にはネタニヤフが就任する、とのはっきりした姿勢が出ている。

     国内ニュース

各国の銀行を訪問中のプレルはウクライナに催促

大蔵大臣ヨーセフ プレル(国民党)は、現在東ヨーロッパの銀行
の訪問を行なっているが、国家として倒産の際にあるウクライナ
は、国際通貨基金と協力しなければならない、との督促を行なっ
た。国際通貨基金は、先日緊急支払いを停止したが、それはウクラ
イナ政府が合意を順守しないからであった。オーストリアの各銀行
は、ウクライナの混乱に、極めて強い影響を受ける可能性がある。
プレルは今回は、ウクライナ政府は経済を軌道に乗せなければなら
ない、もしそうしなければ銀行が問題を抱えることになる、と強調
した。




2月12日(木)

     国外ニュース

オバマの商業大臣が就任を辞退

米国大統領バラック オバマは、商業大臣に指名した共和党のジャ
ッド グレッグを、昨日突然就任を撤回した。上院議員である彼は
オバマにあてた書簡の中で、いくつかの問題で意見が異なるため、
この職を受諾しない、と発表した。グレッグはその例として、大統
領の景気刺激策を挙げた。もしグレッグが大臣に就任していたら、
国防大臣ロバート ゲイツと交通大臣レイ ラフードに続いて、共
和党から3人目の入閣となるところであった。就任を辞退すること
でグレッグは、政党の枠を越えて対処しようというオバマの政策
に、大きな打撃を与えた。大統領府からは、グレッグの「心変わ
り」は残念だ、との反応が出た。

     国内ニュース

経済研究所所長「国は強者だけを支援するべき」

経済研究所所長アイギンガーは、厳しい発言を行なって、注目を集
めた。彼は国に対して、今回の恐慌では、本当に生き残る力のある
分野と企業だけを支援するように訴えた。彼の意見によれば、オー
ストリアでは解体割増金のようなものは意味がない。彼は労働市場
に対する政府の緊急計画を高く賞賛しているが、国の財政支援策
は、とても大きい企業を中心に行なうべき、と見ている。




2月13日(金)

     国外ニュース

米国下院が景気刺激策を可決

米国下院は昨日、大統領バラック オバマの巨額の景気刺激策を承
認した。7千9百億ドル近くのこの刺激策に、246人が賛成、
183人が反対した。次には上院による採決が行なわれる。ここで認
められれば、この計画は最終的に確定する。オバマはこの計画にす
ぐに、おそらくは月曜日、つまり初代大統領ジョージ ワシントン
の誕生日に署名をする方針である。この計画の3分の1は減税、そ
の他の部分は国による投資からなっている。また各州に対する支
援、社会的弱者に対する援助、雇用の創出も含んでいる。共和党の
圧力を受け、この計画は大幅に縮小された。

     国内ニュース

マオトハウセン強制収容所記念施設が汚される

オーバーエスターライヒ州のマオトハウセンの強制収容所記念施設
が、冒涜された。依然強制収容所だった施設の塀に、赤い文字で尋
常でないほど大きく、数メートルにわたって文字が書かれた。それ
は「我々の父親世代にとってユダヤ人だったものは、現代ではイス
ラーム教徒の血だ。注意せよ! 第三次世界大戦だ。第8交差点」
がこの施設の入り口の外側の塀に描かれた。約70センチの太さの
文字が判読できた。




2月14日(土)

     国外ニュース

チャヴェスの任期延長に関する国民投票

ヴェネズエラ大統領フーゴ チャヴェスは、今日改めて大統領の任
期を延長するかどうかをめぐり、国民の判定を受ける。これは1年
少し前の国民投票で失敗に終わっていた。10年前から大統領を務
める左派のチャヴェスは、これにより「21世紀の社会主義」建設
のための時間を、自分の主導下で行なう時間を手に入れたい、と発
表した。世論調査によれば、憲法修正の賛成派と反対派が、ほぼ同
数となっている。再びチャヴェスが失敗に終われば、彼の任期は現
在の憲法の規定により、2013年で終了する。

     国内ニュース

ファイマンはオーストリア持株会社社長の解任を要求

連邦首相ウェルナー ファイマンは、国営持株会社であるオースト
リア持株会社OeIAGの不運な社長ペーター ミヒャエリスの解任
に賛成した。「私の私的な意見では、郵便と電信電話会社で、将来
像を練り上げる仕事をしていない人で、オーストリア航空が窮地に
あるのを眺めていた人は、現在のような時期に、オーストリア持株
会社にとって、適切な人材ではないと思う」とファイマンは「エス
ターライヒ」紙に述べた。また彼は、同持株会社の社長の未来につ
いての決定を担当するのは、大蔵大臣ヨーセフ プレル(国民党)
であるが、「私は別の人物を社長にすることを望んでいるが」とも
語った。マネスマン社の社長であったミヒャエリスを、同社の社長
に就任させたのは、国民党と未来同盟の連立政権であった。彼は郵
便と電信電話会社で、大量の解雇を行ない、オーストリア航空の立
て直しと民営化に失敗し、批判の十字攻撃にさらされていた。彼の
任期は2011年6月30日である。




2月15日(日)

     国外ニュース

ヴェネズエラでチャヴェスの党は国民投票の勝利を発表

ヴェネズエラでは大統領およびその他の政治的権力の保有者が、上
限なく選挙で再選されることを可能にするための国民投票が行なわ
れているが、投票所が閉められる直前に、大統領フーゴ チャヴェ
スの政党は勝利派「くつがえせない」と発表した。憲法修正に関す
る国民投票の投票後の調査で、これが判明した、と大蔵大臣アリ 
ロドリゲスがカラカスでの記者会見でこれを発表した。彼はヴェネ
ズエラ統一社会党の幹部の一員である。野党は、結果発表後に暴力
を用いて刺激せず、結果を受け入れるように呼びかけた。野党の代
表の中には、早期に発表したことを批判する者もいる。チャヴェス
は1999年以来、大統領を務めている。

     国内ニュース

シュテーガーは疲弊した健康保険組合により多くの資金を求める

資金が不足している健康保険組合には、合意した1年あたり1億オ
イロよりも多くの補助金が支払われる可能性がある。厚生大臣アロ
イス シュテーガー(社会民主党)によれば、健康保険組合が新た
な事業を興す場合には、短期的な基金を増額しなければならない。
それにより、母親に対する出産手当のような保険外の事業も、支払
いが可能になる、とのことである。シュテーガーは大蔵大臣ヨーセ
フ プレル(国民党)を批判し、プレルは健康保険組合の鼻の前に
「人参」をぶら下げようと考えており、この妥協で「負債の半額免
除」を達成した、と述べた。




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