３月２３日〜２９日のオーストリアのニュース
３月２３日（月）
国外ニュース
国連安保理はアフガニスタンでの国連の活動を延長
アフガニスタンでは最近暴力事件が増えていることを懸念し、国連
安全保障理事会は、国連の活動を1年間延長することを、昨日決定
した。国連事務総長潘基文は、この派兵を歓迎した。第1868号決
議で、安保理はこの派遣団に対し、国際組織の支援とアフガニスタ
ン政府に対する寄付金を調整するように指示した。国連アフガニス
タン支援派遣団は、国内の安全対策を下から支え、国際保護部隊
ISAFとの協力を強化することになっている。ただし安保理は、ア
フガニスタンの治安状況に、不安を表明した。
国内ニュース
ダラボスは電話盗聴の犯人を知らない
国防大臣ノルバート ダラボス（社会民主党）は昨日のテレヴィ番
組で、彼の以前の報道官の公用電話が盗聴されていたことを認め
た。この責任が誰にあるのか、防衛局はまだつかんでいない、と彼
は述べた。ダラボスはこれは難しい問題である、と述べた。彼の官
房長が、内部対立のために、報道官の電話を盗聴していたのではな
いか、との噂が出ているが、ダラボスはこれは「全く無意味」であ
る、と退けた。軍の防衛局の専門家は2008年5月に、大臣室内の
通常検査の際に、電話機から盗聴器を見つけていた。
３月２４日（火）
国外ニュース
オバマ「我々はこの景気後退から抜け出す」
米国大統領バラック オバマは、3兆6千億ドルの巨大な予算案を
擁護し、米国人に対して経済危機から脱出する、と約束した。「我
々はこの景気後退から抜けだす。ただしそれには時間と忍耐が必要
だ」と記者会見で前もって公表された演説原稿には記されている。
また彼の予算案は、経済回復のための確固とした基盤を作り出すも
ので、米国が今後10年から20年の間に、このような危機にさらさ
れることがないようにするものだ、と述べた。これにより、エネル
ギー部門の雇用が新たに産み出され、さらに米国は輸入石油に依存
しなくなる、ともオバマは述べた。決定的に重要なのは、米国人が
一つにまとまり、自分の利益を脱却することだ、とも演説原稿には
記されている。オバマは予算案について、共和党だけでなく、自ら
の民主党の代表の内部からも批判される。
国内ニュース
社民党はEU議会選挙の筆頭候補と候補者名簿を確定
社会民主党は6月7日のEU議会選挙の筆頭候補を決定した。筆頭候
補がハネス スォボダになることは、ほとんど確実視されていた。
同党首ウェルナー ファイマンは、議長団の会議後に13時半から
国会での記者会見で、候補者名簿案を発表する。その後この提案
は、党幹部会で、正式に承認される。確かな筋の情報では、第2位
には、オーストリア労働組合の候補エーフェリン レークナーが指
名される見込みで、それ以下の順位は、既に名の知られているEU
議会議員が占めるものとみられる。社会民主党は、男女を交互に候
補者としてたてることが既に決まっている。
３月２５日（水）
国外ニュース
メキシコ訪問中のクリントン外相「麻薬組織との戦いを支援」
米国は麻薬組織との戦いで、メキシコを更に支援していく、と約束
した。米国外務大臣ヒラリー クリントンはメキシコ訪問の冒頭
で、米国は強力な犯罪者組織との戦いで責任の一部を果たす用意が
ある、と強調した。「不法薬物に対する我々の飽くなき需要が、麻
薬取引の温床となっている」と彼女は昨日メキシコ市で記者たちに
語った。彼女は大統領フェリペ カルデロンと外務大臣パトリシア
エスピノサと会談を行なった。米国政府はこれより前に、両国の
国境の安全を図るために、抜本的な対策を取る、と予告していた。
エスピノサは、クリントンの訪問は、両国の協力が新たな時代に入
ることを示す鐘の音である、と述べた。
国内ニュース
EU議会選挙でスォボダ社民党の筆頭候補となることが確定
社会民主党は、ハネス スォボダを立ててEU議会選挙にのぞむ
が、これは3度目となる。党幹部は昨日午後、候補者名簿を承認
し、ウィーン市の計画策定委員を勤めていた彼を、名簿の第1位に
指名した。スォボダ以下には予定通り、新人のエーフェリン レー
クナーと現職のイエルク ライヒトフリートが入った。彼らの後に
は新人で、ニーダーエスターライヒ州議会議員のカーリン カーデ
ンバッハが4位となった。国民支援団会長ヨーセフ ワイデンホル
ツァーあるいはマリーア ベルガーが第5位の候補になるかどうか
は、未定である。元法務大臣ベルガーが、欧州裁判所の裁判官を目
指しているので、それが実現するかどうかしだいである、と党首ウ
ェルナー ファイマンは述べた。
３月２６日（木）
国外ニュース
オバマはアフガニスタンへ4千人の軍人訓練隊を派遣する方針
米国大統領バラック オバマは、新アフガニスタン戦略として、同
国の治安部隊要請の重点を置く方針である。そのために既に発表し
た1万7千人の米兵に加え、4千人の軍人訓練隊をアフガニスタンに
派遣する、と昨日ワシントンの政府筋の情報として報じられた。彼
らの任務は、アフガニスタン軍の育成と助言である、とのことであ
る。さらに数百人の民事顧問がアフガニスタンに派遣される。詳細
は発表されていないが、オバマは強にも新たな米国のアフガニスタ
ン戦略を発表する方針である。
国内ニュース
シュミートは学校を組織替えする方針
教育大臣クラオディア シュミート（社会民主党）は、オーストリ
アの学校組織を2010年までに、完全に変える方針である。教員側
は、授業時間の延長など、少なくともこれには憤慨する可能性が高
い。その計画では、今後は質を高めることを進め、監督官が教員を
集団化することになる。低い評価を受けた教員は、職につくのが困
難になる。監督官は5年間の任期の契約だけを持つことになる。
３月２７日（金）
国外ニュース
米国政府の元法律家がグアンタナモでの虐待を認める
以前米国外務相の法律家を務めていた人が、米国政府が2001年
9月11日の攻撃後、逮捕者の虐待を放置していたことを認めた。外
務省でグアンタナモでの取り扱いを担当していたヴィジャ パドマ
ナバーンは、サン ファンでAP通信に、キューバにある外国人戦
闘員の収容施設は「ブッシュ政権の過剰反応のうち最悪なものの一
つである」と述べた。元米国大統領ジョージ W. ブッシュと、当時
の担当大臣は、虐待の疑いを否定していた。パドマナバーンは、政
府が放置した「拡大事情聴取の手法」が虐待であったことを認めた
少なくとも2人目の関係者である。彼はその他に、ブッシュ政権は
グアンタナモでの収容者が、米国の法律、国際法、ジュネーヴ協定
の適用外に置かれていたことを発表したのは、賢明でなかった、と
も述べた。
国内ニュース
国民の多数がEUを肯定的に見る
オーストリア人のEUに対する信頼は、金融恐慌の時期に深まっ
た。EU議会選挙を2ヶ月後に控えて、世論調査によれば、国民の
3分の2ほどが少なくともEUに肯定的な感情を持っている。政治家
の中にはEUに懐疑的な意見もあるが、この調査では不満の要因と
しては縮小している。ただしこの調査の結果はEUによる「干渉」
を中心に、錯綜している。いくつかの問題では、EUに期待が持た
れているが、そうでない問題もある。
３月２８日（土）
国外ニュース
ハンガリーではジュルチャーニが党首も辞任
辞任間近のハンガリー首相フェレンツ ジュルチャーニは、単独で
政権を持っているハンガリー社会党の党首も辞任する、と昨日午後
に発表した。ジュルチャーニは1週間前、突然首相を辞任すると予
告したが、党首は引き続き2年間勤める、と述べていた。誰が後継
首相に就任するのか、そして選挙は行なわれるのかどうかは、まだ
不明である。
国内ニュース
スパイ事件でツィルクは「攻撃的に」資金を要求
報道雑誌「プロフィル」によれば、1965年から68年にかけてのチ
ェコ秘密情報部から、ヘルムート ツィルクへの資金の引き渡しに
関する文書が見つかった。それによればツィルクは協力関係が始ま
った時点から、積極的に一定の金額を要求していた。彼が1967年
3月にテレヴィ局長に就任した後、彼はより慎重になり、それを受
け秘密情報部は、報酬を贈り物の形で計画していた。それまではツ
ィルクは現金も受け取っていた。「プロフィル」誌は、オーストリ
ア警察が、1968年8月にツィルクの「情報提供者」としての活動
を知っていたことを示す証拠も掲載している。初めて議論が起きた
1998年11月には、警察の「事実捜査活動」が、同誌が公表した機
密活動を把握していた。これに関する記録は全て行方不明となっ
た。
３月２９日（日）
国外ニュース
モンテネグロ選挙は政権連合が明確な勝利
1991年以来モンテネグロで政権を持つ社会主義者民主党DPSは、
小政党と連合を作り、予定を早めて昨日行なわれた国会議員選挙
で、絶対多数を確保した。調査本部の非公式の結果によれば、社会
主義者民主党が結成した選挙連合が51.1%、すなわち16万8千8百
票を獲得し、81議席のうち49議席を確保した。最大野党の社会主
義国民党SNPは16.1%、約5万2千9百票で、15議席を獲得した。
新セルビア民主党NSDは8.9%、8議席を獲得、続いて変革運動PZP
は6.1%で5議席を得た。アルバニア人の3つの政党と連合「アルバ
ニア人民主連合DUA」、アルバニア連合「展望」とアルバニア選挙
人名簿も、それぞれ1議席を確保した。アルバニア人正当には、3%
条項は適用されない。現職のジカノヴィッチが首相に留任する。
国内ニュース
フェクターは治安確保の議論を開始すると予告
内務大臣マリーア フェクター（国民党）は、真の治安確保の議論
を開始すると予告した。これは犯罪行為に対する包括対策を取りま
とめる、というものである。「プレッセ日曜版」紙のインタヴュー
で彼女は、告発があった際に、釈放にあたっては保釈金を導入する
方針だ、と述べた。さらに彼女は、ウィーン市の行政部と警察を激
しく批判した。野党自由党、未来同盟、緑の党は、ウィーン市社会
民主党同様に、彼女を激しく批判している。