5月25日〜31日のオーストリアのニュース



5月25日(月)

     国外ニュース

北アイルランドでプロテスタントがカトリックを撲殺

北アイルランドのプロテスタントのサッカーファンが、試合で勝利
を収めた後、1人のカトリック教徒を殴り殺した。目撃者の話で
は、グラスゴー レンジャースのファンで棒で武装した20人以上
が、日曜日の夜試合後に、コルレーンのカトリック教徒が住む地域
へ入り込んだ。彼らは途中で出会った最初の人を攻撃した、と元警
察官は述べた。死亡したのは49歳の男性で、彼の妻と隣人も負傷
した。隣人は危険な状態にある、とのことである。

     国内ニュース

プレル「トルコのEU加盟は適切な時期に行なうべき」

副首相ヨーセフ プレル(国民党)は昨日午後、トルコのEU加盟
の可能性について態度を発表した。「この計画の最終的な決定を下
すには、まだ時期が早すぎる」と議会の討論会で述べた。プレル
は、人々が「性急な行動」によりこれ以上、同じ道を歩む気がしな
くなり、つまりEUが生き残れるようにするための、「ホー・ルッ
ク活動」には反対した。また彼はこれは、最終的な結論ではない、
と理解してほしいと述べた。「我々は世界の発展に賛成している」
とものべた。彼はリスボン条約が、直接民主主義の強化を目指す重
要な一歩であると見ている。比喩として「ヨーロッパの家」と言う
言葉を述べ、これについては今後も考えていくべきだ、現在27人
の「建築家」がいるが、これを1人ないし何人かが増えても、まだ
十分仕事はあると確信している、とプレルは述べた。




5月26日(火)

     国外ニュース

オバマは最高裁に中南米系の人物を指名

中南米系の女性が初めて、米国の最高裁の裁判官となる。昨日大統
領バラック オバマは、夏に空席となるこの裁判官に、ソニア ソ
トマヨルを指名した。54歳のソトマヨルは、左派自由主義陣営の
代表で、就任すれば同国の最高裁の裁判官になるのは、3人目の女
性である。彼女の両親はプエルト リコの出身で、彼女は米国最大
の少数派ヒスパニックに含まれる。最高裁の裁判官は終身制である
ので、各大統領は、空席がでた場合、自分と同じ政治的な方針を共
有する候補者を起用しようとする。既に保守陣営がソトマヨル指名
を批判しているものの、オバマの民主党が過半数を占める上院は、
彼女の経歴に何らかのまずい点がない限り、問題なく賛成するだろ
う、と専門家は見ている。

     国内ニュース

ファイマンは社民党が政権を持つ各州の自由党への接近を批判

社会民主党党首ウェルナー ファイマンは昨日午後、自由党と協力
することを否定しない各州の同党を批判した。また彼はテレヴィ番
組の中で、連邦政治では自由党との連立は行なわないが、各州の同
党にこの方針を受け入れるように強制することはできない、と強調
した。また安全保障問題で自由党は、国防軍を東部の国境に派遣す
る期間を延長することを求めているが、彼はこれに反対していると
の話を、彼は断固否定した。また彼は、多数派であるためには、国
民党しか連立相手がないため、社会民主党は現在「方針に関して板
挟み状態」にある、と述べた。




5月27日(水)

     国外ニュース

米国は北朝鮮に武力を用いた脅しをやめるように警告

朝鮮半島の事態が緊迫していることを受け、米国は北朝鮮に対し
て、冷静な行動を取るように求め、新たな話し合いに応じる用意が
ある、との姿勢を示した。自分は北朝鮮が6カ国協議という「話し
合いの枠組み」に戻るように望んでいる、と米国外務大臣ヒラリー
 クリントンは昨日述べた。ただし彼女は、共産主義態勢の北朝鮮
が、自らの好意によって、自覚的に国際社会からの孤立をますます
進めている、と述べた。

     国内ニュース

社会福祉省に対して16億オイロの追加資金

失業者の増加により支出が増えているため、労働および社会福祉省
の予算は増額される。10時間半に渡る国会の昨日の予算に関する
議論で決着がついた。社会福祉省の予算は16億オイロ増えること
になる。野党は、研修生、介護が必要な人、社会福祉の受給者に対
して、さらに多くの資金を出すように求めている。社会福祉大臣ル
ードルフ フンツトルファー(社会民主党)は、失業に関する「実
態に即した」議論を行なうように求め、解雇の危険にさらされてい
るズィーメンス社の職員に対する支援を行なう、と予告した。




5月28日(木)

     国外ニュース

パキスタンで連続爆破 死者少なくとも15人

ラホールでの巨大な自殺攻撃から1日、パキスタン北西部の、紛争
が続く州では連続爆破が起き、少なくとも15人の命が奪われた。
警察の発表によれば、州都ペシャワール中心部の人通りの多い市場
で、少なくとも2発の爆弾が破裂した。民間人数人が死亡、70人以
上が病院に運ばれた、と町の行政部の公報が発表した。少し後に、
同市郊外の派出所のところで、自殺攻撃犯が数人の警官を道連れに
爆死した。報道によれば、治安部隊数人が負傷した。一方先日のラ
ホール襲撃について、タリバーンが犯行声明を発表した。

     国内ニュース

プレルの予算案の一つが可決

4日間にわたる協議の末、大蔵大臣ヨーセフ プレル(国民党)の
2年分の予算のうち、最初のものが金曜日に可決される。EUの中で
通用しているマーストリヒト条約の基準による国会の赤字の総額
は、今年は国内総生産の3.5%、来年は4.7%となる予定である。予
算審議の最終日には、内務、農業、環境、大蔵の部門が取り上げら
れる。もっとも大きな議論となるのは、内務大臣マリーア フェク
ター(国民党)の予算になると見られるが、彼女は予算の増額を認
めさせていた。未来同盟は、犯罪の発生件数がずっと高い水準であ
るため、不信任動議の提出を計画している。もしこれが行なわれれ
ば、ウェルナー ファイマン(社会民主党)政権の閣僚に対する初
めての不信任動議である。




5月29日(金)

     国外ニュース

チェコ大統領クラウスはEU改革条約賛成に方針転換

チェコ大統領ヴァーツラフ クラウスは、今まで決着をつけていな
かったEU改革条約に署名して、重要な方向性を示した。彼はこれ
に関する新たな法律に署名することは拒否した。しかし同時に彼
は、この新たな法律を発効させることに対して、拒否権は行使しな
かった。クラウスはリスボン条約に厳しく反対していた。この新法
では国会の両院の新たな議員規則を定めるもので、チェコ政府が、
国会の両院の賛成を得ないままで全権を、EUの機関に対して委譲
することができないことを定める「拘束力のある任務」が導入され
ている。元首相ミレク トポラネクの保守的な民主国民党ODSの一
部が、リスボン条約を国会を通過させるための条件として、この任
務の導入を求めていた。

     国内ニュース

政治家の賃金の引き上げは2011年以降

政治家に対する給与は、当初の予定では今年半ばであったが、
2011年1月に延期された。すべての会派が、昨日午後の国民評議
会の会議の最後にこれを可決した。本来はこの決定は既に行なわれ
ていたが、形式上の不備により、会期終盤の会議の中で、安全のた
めに昨日再可決された。この可決で月額にして、国民評議会議員は
260オイロ、連邦大統領は730オイロ、連邦首相は650オイロ、各
閣僚は520オイロの賃上げを断念した。




5月30日(土)

     国外ニュース

ゲイツ「北朝鮮の武装計画は悪しき予兆」

米国国防大臣ロバート ゲイツは、北朝鮮のミサイルおよび核計画
の進展を、「暗い未来の前兆」である、と述べた。北朝鮮政権に対
して、世界各国が断固圧力をかけることが必要だ、とシンガポール
で開かれている地域の軍事会議に出席したゲイツは述べた。北朝鮮
の武装は、アジアとそれを越えた地域での軍拡競争につながる可能
性がある、とも警告した。「北朝鮮が今後も最貧国に留まるつもり
かどうかを決めるのは、北朝鮮自身である。世界は待っている」と
も述べた。韓国の発表によれば、北朝鮮は再びミサイルを発射する
用意を進めている、とのことである。

     国内ニュース

ファイマンは国境地域の監視も強化する方針

連邦首相ウェルナー ファイマン(社会民主党)は、犯罪事件が増
えているため、国境地域で補助任務に当たっている国防軍だけでな
く、警察による国境地域の監視を強化する方針である。「安全のた
めには絶対により多くの資金を出すこと」が必要だ、と日刊紙「エ
スターライヒ」に彼は述べた。来週には国会で「治安評議会」を行
なうと予告した。ファイマンは「新たな形の国境管理」を導入する
方針である。これでは、国境にある主要道路全てで、警察による監
視を再開し、無作為に選び出した疑わしい車を止め、入国査証と荷
物の監視を行なう」方針である。その他彼は警察の資金を増額する
よう迫っており、予定より多くの若い警官を要請することになる。




5月31日(日)

     国外ニュース

ASEAN首脳会談が韓国で始まる

韓国は今日から2日間の日程で、東南アジア諸国連合の首脳会談を
主催する。今回の済州島での首脳会談には、隣国北朝鮮の軍事的な
脅威が暗い影を投げかけている。北朝鮮は数日前に核爆弾を実験
し、韓国との間の停戦は終了した、と宣言していた。そのため韓国
政府は、首脳会談の安全上の措置を強化した。北朝鮮の事態も、会
議の主題になるだろう、と韓国政府は発表した。さらに世界規模の
経済恐慌、気候変動、貿易および安全保障問題での協力が議題とな
る。

     国内ニュース

スォボダは自由党が「中傷」しだましていると非難

社会民主党のEU議会選挙の筆頭候補ハネス スォボダは、昨日の
テレヴィ番組で、自由党の選挙戦と、国民評議会第3議長マルティ
ン グラーフの発言を批判して、彼は「言語道断の無作法者」であ
る、と述べた。また彼はグラーフの問題について、国民党を「無内
容な態度」をとっている、と非難した。これに対して自由党事務長
ハーラルト ヴィリムスキーは、連邦首相ウェルナー ファイマン
(社会民主党)が、グラーフを今後政治的な名誉職につけることを
拒否するよう求めたことに、極めて強い怒りを表明した。緑の党の
連邦代表エーファ グラウィシュニヒは、ファイマンと社会民主党
の、自由党とグラーフに対する態度は「信頼できない」と述べたほ
か、国民党の態度も「受け入れられない」と述べた。




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