6月15日〜21日のオーストリアのニュース



6月15日(月)

     国外ニュース

アイルランドはEU改革条約支持の代わりに高い代償を求める

アイルランド政府は、EU改革条約に関する2度目の国民投票を行な
う代わりに、高い代償を求める。ルクセンブルクで開かれたEU加
盟国の外務大臣会談で、アイルランド外相マイケル マーティンは
昨日、予定されているリスボン条約に関する追加声明を批准するよ
うに、と間接的ながら要求した。この追加声明は、アイルランドが
抱いている改革の作業に対する疑念が払拭されるために取りまとめ
られたものである。これが批准されれば、他のEU加盟国すべての
国会が、この条約に改めて可決せざるをえなくなる。マーティンは
記者会議で、デンマークの先例があることを指摘した。デンマーク
は1992年に、EU内での特別な地位を求めて議論をし、同国はEU
に関連する警察および司法の決定に拘束されなくなった。この例外
規定は当初、デンマーク政府に対し、EU加盟国の首脳の声明の形
で確保され、その後他の条約とともに批准されていた。

     国内ニュース

閣議は巨大事業計画を協議

閣議は今日、一連の重大な計画を決定する。議題には、大学法、オ
ーストリア鉄道、企業の資産流動化を強化する法律の案が議題に上
がっている。企業の資産流動化を強化するための法律は、主とし
て、企業が大規模な借金の債務履行を支援するためのものである。
さらに航空運輸を、EUの二酸化炭素排出取引制度に含める準備を
進めるための法律も決定される。




6月16日(火)

     国外ニュース

オバマは北朝鮮に対し厳しい姿勢を取ると強調

米国大統領バラック オバマと韓国大統領李明博は、核をめぐる対
立では北朝鮮に対して厳しい態度を取る、と強調した。どのような
状況でも、北朝鮮が核兵器を手に入れることは容認できない、と昨
日両者は大統領府での会談後に述べた。北朝鮮の核およびミサイル
計画は、「アジアと世界の安全にとって重大な脅威である」とオバ
マは述べた。オバマは先日可決された国連の制裁を、断固実施する
ことに理解を求め、その際国際社会が密接に協力することが必要
だ、と語った。また彼は、米国には韓国を防衛する義務をがある、
と強調した。国連安保理は先日、北朝鮮が核実験を行なったことに
対し、制裁強化かを決定していた。その核心部分は、北朝鮮に対す
る輸出が禁止されている武器と核物質の輸送の調査である。北朝鮮
はこれに対して、戦争を行なうと威嚇し、さらに核兵器の製造を行
なう、と予告した。

     国内ニュース

幼稚園への通園義務のある期間の無料化が支持される

義務的な幼稚園通園期間の無料化は、ようやく真剣になっている。
国民評議会は今日、これに関する連邦と各州の合意を支持する。こ
の合意は、各州が2009年度から5歳児に無料で半日間、つまり一
週間あたり20時間幼稚園に通えるようにすることを義務づけてい
る。子供を幼稚園に通わせるのを両親に義務づけるのは、その1年
後に予定されている。




6月17日(水)

     国外ニュース

イスラエルでリーバーマンは入植地建設中止を改めて拒否

イスラエル外務大臣アヴィグドール リーバーマンは、西ヨルダン
ランドの入植地建設の全面的中止を、改めて拒否した。リーバーマ
ンは昨日、米国外務大臣ヒラリー クリントンとの共同記者会見を
ワシントンで行ない、このような要求をイスラエルは受け入れるこ
とはできない、と述べた。ユダヤ人入植地の自然な増加は、西ヨル
ダンランドでの「人工統計上のつり合い」を取るために必要であ
る、とリーバーマンは述べた。クリントンは、入植地建設中止を改
めて訴えた。米国の考えでは、これが近東地域での包括的和平と、
両民族の安全な未来を実現するための前提条件である、と彼女は語
った。建設拒否をすることで、イスラエル政府は和平の予定表に含
まれる合意を拒否している。

     国内ニュース

控訴審の審理でウィンターへの判決が確定

スサネ ウィンター事件の控訴審の審理が昨日グラーツで行なわ
れ、第1審の量刑が確定した。この事件は2008年のグラーツの市
議会選挙の選挙戦で、預言者ムハンマドに対して「今日の法解釈で
は児童冒涜」と判断できる、と彼女は述べていた。ただし「処罰の
対象となる事実」のうち2つは棄却された。主席裁判官エルウィン
 シュウェントナーはこの決定の理由として、他の不法行為は、そ
れだけを取り上げて罰するに値するほど重大なものである、と述べ
た。




6月18日(木)

     国外ニュース

EU首脳会談でアイルランドへの譲歩が問題となる

ブリュッセルで開かれているEU首脳会談は、アイルランドに対す
る保証に関する議論を、翌日まで延長した。スペイン外務大臣ミゲ
ル アンヘル モラティノスは木曜日午後にブリュッセルで、内容
ではなく「提案」に問題がある、と述べた。外交官の情報によれ
ば、アイルランドに対して計画されている保証の細かい方式をめぐ
って、英国が留保をつけているが、このために首脳会談は、アイル
ランド問題で紛糾することは決してない、とのことである。EU評
議会議長のチェコは、金曜日までに解決案を呈示する方針である、
とモラティノスは述べた。

     国内ニュース

ベルラコヴィッチとミッターレーナーは環境影響評価法案で合意

環境影響評価法に関する意見の対立で、合意が成立した。環境大臣
ニコラウス ベルラコヴィッチと経済大臣ラインホールト ミッタ
ーレーナー(共に国民党所属)は木曜日に、法律の文言で合意し
た。この法案では、物資の安定供給に公的な利益が明確には尊重さ
れてはいない。一方「物資法」への参照は明確に指摘され、そのた
めたとえば森林や水に関する権利は、明確に認められている。ベル
ラコヴィッチはAPA通信に、これに満足している、経済発展と環境
保護の間でつり合いを取ることに成功した、と述べた。




6月19日(金)

     国外ニュース

米国は国連人権評議会に加盟

米国は昨日、ジュネーヴに本拠地を持つ国連人権評議会に参加し
た。「米国は熟慮の末、謙虚な気持ちで、協力の精神に基づき、こ
の評議会に議席を持つ」と米国の外交官マーク ストレラは述べ
た。2006年6月に議論の的であった国連人権委員会の後継となる
同評議会を、米国は3年間に渡って無視していた。以前のブッシュ
政権は、人権評議会に対して、以前の人権委員会同様、特にイスラ
エルに対して偏見を持っている、と非難していた。国連人権評議会
には、約50カ国が参加している。

     国内ニュース

インスブルックでは学生組合員の会談

決闘規約をもつ学生組合、学問的声楽家組合、体操協会を含むいわ
ゆる「堅固な団体」が、土曜日にインスブルックで酒宴を開く。約
8百人の参加者が予定されている。問題となっている国民評議会第
3議長で、ウィーン学生組合オリンピアの組合員であるマルティン
 グラーフ(自由党)が、開会演説を行なう。この会合に反対する
組織が、警察に通知されたが、その中には「極右および人種差別に
反対する立脚点」も含まれている。警察の大規模動員は、デモ隊と
学生組合が近づかないように配備される。ティロール州自由党を含
めて、同州の政界はこの催しと距離をとっている。2000年の酒宴
の際には、当時インスブルックの市長だったヘルウィッヒ ファン
 シュターが演説を行ない、彼は激しい批判にさらされた。




6月20日(土)

     国外ニュース

イラク北部で爆弾攻撃 死者60人以上

土曜日にイラク北部にあるシーア派のモスクの前で爆弾攻撃があ
り、少なくとも67人が死亡した。ほぼ2百人が負傷した、と警察は
発表した。4月末にバグダードで女性2人が自殺攻撃を行なって、
71人が死亡して以来、もっとも激しい攻撃であった。。キルクー
クの南約20キロのところにあり、トルクメニスタン人が主に住む
タサ市で行なわれていた昼の祈祷の後に、トラックの中に隠されて
いた爆弾が破裂した。これが自殺攻撃かどうかは、まだ調査が行な
わる、と警察署長は発表した。当局の発表によれば、モスクと周辺
の家少なくとも8軒が破壊された。数時間かけて、救援隊が瓦礫の
下に犠牲者がいないか捜索を行なった。当局は、政府への信頼感を
失わせるために、蜂起勢力が米軍の撤退を利用する可能性がある、
と警告した。

     国内ニュース

社会民主党連邦女性会議がリンツで開催

社会民主党連邦女性会議が、「強く。自覚をもって。断固として」
という標語を掲げて、リンツのデザイン センターで日曜日に行な
われる。国民評議会議長バルバラ プラマーが12年間に渡って議
長を務めてきたが、その職を女性大臣ガブリエレ ハイニシュ・ホ
ーセクに譲り渡すことになっている。新議長の選出前に、連邦党首
で首相のウェルナー ファイマンとオーバーエスターライヒ州の同
党主で州首相代理エーリヒ ハイダーの演説が予定されている。国
際会議には、社会主義女性インターナショナルの議長ピア ロカテ
ッリ、ギリシアから副議長アンティオニ カラリ ディミトリアデ
ィ、さらにミリヤナ フェリッチ・ヴァッチが出席する。




6月21日(月)

     国外ニュース

オバマは「米国は北朝鮮のいかなる脅威にも備えがある」

米国大統領バラック オバマは、米国は北朝鮮からのどのような種
類の脅威にも用意ができている、と述べた。北朝鮮の共産主義体制
は、ハワイに向けて長距離ミサイルを発射すると威嚇した、と報じ
られている。オバマは、仮定に基づく質問について観測を述べるつ
もりはないが、北朝鮮の攻撃を視野に収めて、必要な準備はすべて
講じているので、安心してよい、と米国の放送局CBSが放送したイ
ンタヴューの中で述べた。日本の読売新聞は木曜日に、北朝鮮の長
距離ミサイルは、6千5百キロの射程を持ち、7月4日の米国建国記
念日頃に発射されるかも知れない、と報じた。同紙は日本の国防省
と秘密情報部の情報の分析として、これを報じている。

     国内ニュース

ウィーン緑の党は支援者の権利を制限

長時間にわたる議論の末、ウィーン緑の党は昨日午後、同党の「支
援者」の権利を制限することを決定した。彼らは今後は、信任投票
を行なう際に投票権を持たなくなる。これは党の規約で定められて
いる投票で、3回続けて一つの役職に立候補する人々が受けなけれ
ばならない投票である。これに関する動議は第62回州党集会で、
代議員の賛成多数で認められた。ただし2010年のウィーン市選挙
の候補者名簿作りの際の投票権は、そのまま残される。




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