8月31日〜9月6日のオーストリアのニュース



8月31日(月)

     国外ニュース

トルコとアルメニアは外交を再開する方針

トルコとアルメニアは外交関係を再開する方針である。両国政府
は、これに関する交渉を行なうことで合意した、とトルコ外務省が
昨日夕刻、アンカラで発表した。この交渉は6週間にわたるものに
なる、と同省広報は述べた。主な対立点は、第一次世界大戦中にオ
スマン国内で、150万人ほどのアルメニア人が殺されたのを、民族
虐殺であったことを認めよ、とのアルメニアの主張である。大量殺
戮であるとの半を、トルコは厳しく否定してる。さらにアルメニア
が占拠しているカフカスの飛び地カラバッハ山をめぐる紛争もあ
る。この地域は国際法上はアゼルバイジャンに属している。

     国内ニュース

速度超過にはより高い罰金 飲酒運転は厳しい処罰

交通違反者に対しては、時代はより厳しくなっている。今日から速
度超過運転はより高いものにつき、飲酒運転者にはより厳しい処罰
が下される。基盤整備大臣ドーリス ブーレス(社会民主党)の交
通安全法は、小型オートバイに対して、運転強襲時間を義務づけて
いるのが特徴である。また自動車の中で、規則通りに子供の安全を
確保していない人は、講習を受けなければならない。高速道路上で
は交通違反の罰則が連邦全体で、統一された。警官が徴収する罰金
は、最低20オイロとなる。高速道路街でも、罰金は引き上げられ
る。たとえば時速にして30キロ以上速度を出し過ぎた人は、ただ
ちに少なくとも70オイロを覚悟しなければならないし、また上限
も引き上げられた。飲酒運転では、被害を引き起こした場合には、
いわゆる教習を受けなければならなくなる。自動車の登録番号も、
自分の好きなものを選ぶ場合には、今後は高いものにつく。




9月1日(火)

     国外ニュース

EU委員会「ヨーロッパはより多くの難民を受け入れるべき」

EU委員会の意向によれば、ヨーロッパは今後より多くの難民を受
け入れるべきである。同委員会は、特に保護が必要で、自力ではヨ
ーロッパに来ることができない難民の受け入れに関する、共同戦略
の同行について提案を行う予定である。難民高等委員会UNHCRの
推計によれば、来年は世界で故郷に帰ることができない約20万人
が、安全な国に逃げ込む場所を必要としている。現在ヨルダンとシ
リアにある難民収容所から、ドイツおよびその他のヨーロッパ各国
に運ばれるイラク人の場合と同様、EU諸国は今後も他国からの受
け入れに協力すべきだ、とされている。

     国内ニュース

グラウィシュニヒは子育てから復帰

緑の党党首エーファ グラウィシュニヒは、2カ月間の赤ん坊の養
育を経て、政治の舞台に復帰する。フォアアルルベルク州のドルン
ビルンの連邦同党幹部会の会合で、連邦同党広報代理マリーア ヴ
ァシラコウは、幹部会を再びグラウィシュニヒに委ねた。緑の党の
幹部は、9月20日に選挙が行なわれるフォアアルルベルク州で、秋
の活動について党内の意見をまとめる方針である。党綱領に関する
疑問が重要問題であるが、具体的には「生態学思考の経済、労働、
社会福祉政策」も問題になる。また近々行なわれる選挙をにらん
で、「我々が目指す方向に向けて、杭を打ち込むべきである、と代
表の1人は述べた。銀行の機密を外国にもらさないという規定を緩
めることに関する話し合いで、先日成立した合意は、緑の党が野党
として行動力を持っていることを示しており、緑化、教育、「権利
ではなく緑」という主題に集中したい、とも述べた。




9月2日(水)

     国外ニュース

EUはアフガニスタンでの失敗に責任があることを認める

新聞報道によれば、アフガニスタンでのあまり成果が上がっていな
い責任の一端はEUにある、とEUは認めている。国際社会の中での
調整不足と、アフガニスタン側のやる気と能力の不足が、アフガニ
スタン再建が遅々として釣り合いが取れない形でしか進んでいない
主たる原因である」と「ドイツ版フィナンシャル タイムズ」は
EUの文書を引用して伝えている。この文書はEU評議会議長スウェ
ーデンが先週、EU加盟各国の外務大臣に発送したものである。そ
の中では、「警察部門の調整が不十分であった」とされている。
1年以上前に決定されたEUの警察任務拡大が、今も結局最優先課題
であり、EUの治安と国防政策の予算を増やし、EUからアフガニス
タンの警官に直接賃金を支払えるようにすることを提案している。

     国内ニュース

ナチ時代の脱走兵問題で国民党の態度で混乱

国民党は国防軍からの脱走兵の名誉回復について、当面が議論の行
方を待つ。国民評議会議長バルバラ プラマー(社会民主党)は昨
日ナチの軍事裁判所の犠牲者の「一人残さず名誉回復する」ことに
賛成である、と述べていた。法務省は、この問題については「さま
ざまな評価」がある、と延べたが、これに対して社会民主党と緑の
党から批判が出ていた。法務大臣クラオディア バンディオン・オ
ルトナーは、法的な状態を検討すると約束したが、早期に解決する
と期待を持たないように、と述べた。




9月3日(木)

     国外ニュース

北朝鮮はウラン濃縮の最終局面に到達

北朝鮮は、ウラン濃縮の最終局面に到達した、と発表した。国営通
信KCNAが、北朝鮮政府が国連安保理にあてた書簡を引用して、こ
のように報じた。「我々は制裁にも対話にも準備が整っている」と
も述べた。2006年10月に北朝鮮は核の実験を始めて行なっていた
が、これにより核爆弾製造に向けさらに道を進んだことになる。ウ
ラン濃縮の実験は成功裏に終わり、この過程は最終局面である、核
燃料棒の再処理も完成間近で、そこから得られるプルトニウムは核
兵器の製造に使われる、とのことである。北朝鮮の発表によれば、
使用された燃料棒は、同国の原発でできたものである。この種の報
道は西側諸国では、検証不可能であるため、慎重に受け止められて
おり、むしろ同国の態勢の威嚇と見なされている。

     国内ニュース

「女性のための受け入れ所」で市役所前で抗議行動

さまざまな組織が昨日午後、ウィーン市役所近くで、「女性のため
の受け入れ所」の設立30周年を前に、抗議活動を行なった。この
式典に反対して市役所地下食堂に集まった堕胎反対派の数は、女性
大臣ガブリエレ ハイニシュ・ホーセクと元大臣ヨハンナ ドーナ
ル(2人とも社会民主党)を含めた賛成派の数は、拮抗していた、
と警察は発表した。デモ隊の数はあわせて7百人ほどであった。ハ
イニシュ・ホーセクは演説の中で、これは妊娠を中止する決断を下
した女性にに対して義務を感じている人が参加する「極めて力強い
集会」であると述べた。また彼女は、女性の自己決定、暴力からの
自由と身体が傷つけられないことを求める権利が重要である、とも
語った。




9月4日(金)

     国外ニュース

カブール米国大使館は警備員を性的不行跡解雇

アフガニスタンの首都カブールで、酔っぱらって下品な性交の姿勢
をとった米国大使館の警備員の写真が、初めて影響を及ぼした。民
間の警備会社の職員8人が解雇され、既に昨日アフガニスタンを出
国した、と大使館は発表した。その他2人の警備員は自ら退職を申
し出ており、人事の責任を取る管理部門も交代となる、とのことで
ある。この警備員とその上司数人は、演出された性行為と酒盛りの
写真が取られていた。その中にはほとんど葉だかの写真もあった。
非政府組織「政府監視計画POGO」は米国外務省に今週始めに、こ
の件について伝えていた。調査を行なう、との発表があった。

     国内ニュース

ダラボスはリビアで軍楽隊が出演したのを擁護

国防大臣ノルバート ダラボス(社会民主党)は、ティロール連邦
軍楽隊が、リビアの革命指導者ムアマル エル カダフィの革命
40周年記念式に出演したことを擁護した。これはアフリカ連合AU
の式典で、「オーストリア兵のアフリカでの治安」が重要であっ
た、とダラボスは昨日のテレヴィ番組で述べた。その際彼は、リビ
ア側からの支援を受けたチャド派兵は叱責した。その他外務省との
申し合わせで、軍楽隊を派遣することが認められていた、とも述べ
た。




9月5日(土)

     国外ニュース

EUはスロヴェニア・クロアチアの対立解消に自信

EU内部では、スロヴェニアとクロアチアが、数ヶ月前からアドリ
ア海へつながる地域の国境をめぐって対立している件で、間もなく
解決できるとの自信が強まっている。「両国間の新たな論調に勇気
づけられている」とスウェーデン外務大臣でEU評議会議長のカー
ル ビルトは昨日ストックホルムで開かれたEU加盟各国の外相と
の協議後に述べた。EU拡大委員オリー レーンは、この対立の解
決は秋にも行なわれると信じている、と強調した。解決は近づいて
いるが、自ら決定を下すかどうかは両国にまかされている、「最後
の数センチ」を埋めるかどうかは、政治的な決断にかかっている、
と述べた。また彼は、そうなればクロアチアが、EU加盟交渉の技
術的な部分を2010年前半に完了することは可能である、とも述べ
た。またクロアチアは、EUが求めていた司法改革と造船所の民営
化で、大きく前進した、とも語った。

     国内ニュース

市町村は2億オイロ収入減

市町村の収入は、劇的に減少している。オーストリア市町村会議が
アルルベルクのレヒで木曜日に始まるのを前に、市町村連合会長ヘ
ルムート メドルハマーは、このように述べた。2008年と9年の
同月と比べて、連邦の税収からの収入だけで、平均12%減少してい
る。これで2008年9月と比べて7千万オイロの不足である。とメド
ルハマーは述べた。地方自治体の経済状態が、市町村会議の議題の
中心となる。




9月6日(日)

     国外ニュース

イスラエルはガザ帯状地帯に進出

パレスチナ側の情報によれば、イスラエル軍の特殊部隊が昨日夕
刻、ガザ帯状地帯北部へ進撃した。ベイト ラヒアの北へのわずか
数時間の作戦で、4人が逮捕された。パレスチナ側の発表によれ
ば、逮捕されたのはベドゥインで、イスラエルとの国境からわずか
数百メートル離れたところで、家畜を放牧していた。近隣の人の話
では、国境の策の近くでの軍事作戦の直前に、爆弾が破裂してい
た。これ以外の部隊が投入された、という発表はない。

     国内ニュース

警察業務につく郵便局員は安全を脅かす危険人物になる?

郵便局員28人と20人の電話会社職員は、あと1週間ほどで、警察
の検査業務に配置される。彼らは事務所内の仕事で、今後は警察官
の支援を行なうことになっており、前科を登録する業務から、遺伝
子情報の分析までを担当する。労働組合は、この新たな警察職員
が、はっきりした調査もなしに、極めて繊細な情報に接することに
なることを懸念している。警察幹部は、この批判は当たらない、と
退けた。




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