10月5日〜11日のドイツのニュース



10月5日(月)

CDU/CSUと自民党は連立協議の最初の会談を終了

(ベルリン)キリスト教民主、社会同盟と自由民主党は、連立交渉の第一回を終了
した。キリスト教民主同盟の事務長ローナルト ポファラは交渉後、当初の成果を
あげることができた、その中には、今後の連立政権に関する交渉に日程と、連立協
定計画の構成も含まれている。自由民主党事務長ディルク ニーベルは、合意の意
向が強まっている、と強調した。
会議場前では、1千人を越える原子力発電反対派が、原子力発電所の運転期間延長
に反対してデモを行なった。両党は選挙綱領の中で、運転期間の延長を訴えてい
た。

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社民党議長団は環境相ガブリエルを新党首に推薦

(ベルリン)社会民主党議長団は、環境大臣ガブリエルを正式に新
党首として提案した。事務長の職には、党内左派のアンドレア ナ
ーレスが指名された。次期同党執行部には、このほかに労働相ショ
ルツとベルリン現市長ヴォーヴェライトが属することになってい
る。ノルトライン・ヴェストファーレン州同党の党首クラフトとメ
クレンブルク・フォアポメルン州の厚生大臣シュヴェーズィッヒ
も、幹部入りするものとみられている。最終的な社会民主党幹部の
選挙は、11月の党大会で行なわれる。

アフガニスタンで襲撃を受けたドイツ兵が1年経って死去

(ベルリン)国防軍の兵士1人が、アフガニスタンで襲撃を受けた
後遺症で死亡した。24歳の落下傘兵は、2008年8月6日に自殺攻
撃の犠牲となっていた。この時はあわせて3人の兵士が負傷してい
た。急進派イスラーム教徒タリバーンが、クンドゥス近郊を巡回中
の兵士を襲撃した、と発表していた。国防軍広報はベルリンで、こ
の兵士の死亡は、アフガニスタンでの活動がきわめて危険であるこ
とを示している、と述べた。一方アフガニスタン国際保護部隊
ISAFは、同国南部で2人の兵士が道端に隠された爆弾で死亡し
た、と発表した。

パキスタンの全ての国連事務所は自殺攻撃後閉鎖

(イスラマバード)国連はパキスタンの全ての代表部を、今後しば
らく閉鎖した。これは、首都イスラマバードにある国連世界食料計
画の現地本部が、自殺攻撃を受けたことに対する措置である。この
攻撃では犯人はこの組織の職員少なくとも5人を道づれに爆死して
いた。負傷者も数人出ていた。この攻撃は、パキスタンの国連施設
を狙ったものとしてはしばらくぶりのものである。急進派イスラー
ム教徒がこの犯行の背後に潜んでいる、と警察は推定している。パ
キスタンでは世界食料計画が約2百万人の難民の物資配給を行なっ
ている。




10月6日(火)

パパンドレウがギリシア新首相として宣誓

(アテネ)ギリシアの選挙から2日、ギオルゴス パパンドレウが新首相としての
宣誓を行なった。引き続き彼は内閣の人事を発表した。57歳の彼自身が外務大臣
を引き受けたのは予想外であった。鍵を握る大蔵と経済の部門は、今までは1つの
省庁が担当していたが、2つに分割された。大蔵省を率いるのは今までヨーロッパ
議会議員であったギオルゴス パンパコンスタンティノウである。経済省は今後は
女性教授ロウカ カツエリが束ねることになる。彼女は、選挙で大ギリシア社会主
義運動党Pasokとの戦いに勝利する元となった、経済計画を練り上げた人物であ
る。カツエリは、富裕税により財源を確保して、景気刺激策を取る、と予告した。

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連立交渉は個別の部門で続行される

(ベルリン)キリスト教民主同盟と自由民主党の連立交渉は、第1
回の作業班会議の場で続けられる。税制から外交政策まで合わせて
10の主題別部門を、専門家が協議する。両党の意見の違いは主と
して、健康保険政策と社会福祉政策に見られる。自由民主党は健康
保険基金を廃止する方針であり、キリスト教民主、社会同盟は修正
に応ずる用意がある。また自由民主党は市民配当を導入するべき
だ、と訴えている。これはハルツIV法に基づく失業者に対する給
付金など、多くの社会給付をまとめ、その代わりとなるものであ
る。キリスト教民主、社会同盟は、市民配当を拒否している。

キューナストとトリティンは緑の党の会派長に選ばれる

(ベルリン)連邦議会選挙の選挙戦で、緑の党の筆頭候補であった
キューナストとトリティンは、今後同党の国会の会派長を務める。
キューナストは79.1%、トリティンは91%の賛成で、会派長に認め
られた。トリティンは、今回は立候補しなかったクーンが今まで務
めていた共同党首の職も引き受ける。キューナストとトリティン
は、次期キリスト教民主、社会同盟と自由民主党の連邦政府に対
し、強く反対すると予告した。緑の党は連邦議会選挙で10.7%の票
を集め、過去最高の結果を出していた。同会派は17議席から68議
席に増えた。

汚職は民間経済で増えたが公共の行政では減少

(ヴィースバーデン)連邦刑事警察庁は、昨年ドイツの民間経済で
の汚職は増加したことを確認した。一方発表された公共の行政部門
では、公になった買収事件の数は大幅に減少した、と同庁はヴィー
スバーデンで発表した。それによれば警察は合わせて1千8百件の
汚職訴訟の手続きを行ない、これは2007年と比べると13%の増加
であった。犯罪行為の数は10%減少し、8千6百件弱まで減少した。
それまでの数年と同様、2008年にも建設および第三次産業を中心
に、注文を得るために買収が行なわれていた、と同庁は発表した。
たいていは現金あるいは物品の提供が行なわれ、受け取った側の多
くは公共行政の職員であった、とのことである。




10月7日(水)

イタリアの法廷はベルルスコーニの不逮捕特権を破棄

(ローマ)イタリア憲法裁判所は、首相シルヴィオ ベルルスコーニの法的な不逮
捕特権を破棄した。ローマの憲法裁判所の裁判官15人は、ベルルスコーニに法的
に不可侵であることを確定するために、右派政権が昨年可決させた不逮捕法は、憲
法違反であるとした。この法律は、法の前では全ての人が平等であるという基本法
を侵害している、と裁判官たちは判断した。ベルルスコーニは、汚職容疑を免れる
ために、この法律案を提出していた。彼に対するいくつかの裁判が、これから再開
される可能性がある。この裁判では脱税および買収が問題となっている。ベルルス
コーニの弁護士は、これは「政治的な判決」である、と述べた。

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巨額の歳入不足が健康保険政策をめぐる議論の足かせに

(ベルリン)健康保険組合が巨額の歳入不足に押し入っているた
め、健康保険政策をめぐる連立協議の足かせとなっている。自由民
主党は、全ての払込金を集めて、決められた観点に基づいて、それ
ぞれの健康組合に配分する健康保険基金を廃止するよう、強く求め
ている。これに対してキリスト教民主、社会同盟の代表は、この基
金によって支出が増えることはない、赤字が多い原因は経済危機の
ため、収入が減少しているためである、と述べた。連邦首相メルケ
ルも、この基金の基本的な組織には手をつけない、と明言してい
る。今年予想される赤字は、23億オイロである。来年は75億オイ
ロの赤字が見込まれている。

EUはドイツに対する赤字罰則手続きを開始

(ブリュッセル)ドイツは間もなく国家財政の赤字に関して罰則手
続きを受ける。EU委員会は、今年ドイツとその他の8カ国が、国内
総生産の3%と定められている国家財政の赤字の上限を越える、と
発表した。経済および金融恐慌が原因の巨額の景気刺激策が取られ
たことが、赤字の理由である。この手続きは11月中旬に開始され
る。その後これらの国々が、負債の返済をいつ開始しなければなら
ないか、決定が下されることになっている。恐慌による大きな負担
があるため、2011年からという期日が話題に上がっている。

ベルリンのテロ容疑者に対する手入れ

(ベルリン)ベルリン警察は、イスラーム教徒テロリストのの容疑
者に対して、大がかりな手入れを行なった。28歳から36歳の3人
の男には、ロシア襲撃計画を立てた、との疑いが持たれている。
26箇所の住居の捜査では、コンピューターと記憶装置が応酬され
た、と検察は発表した。アラブ系のベルリン在住のイスラーム教徒
1人は、15人が属し、おそらくは暴力をいとわない組織の首謀者と
目されている。ドイツ襲撃を予告したイスラーム教徒の脅迫映像と
の関連は、はっきりしていない、と司法当局は発表した。




10月8日(木)

ノーベル文学賞はヘルタ ミュラーに

(ストックホルム)ギュンター グラスがノーベル文学賞を受賞してから10年、
再び同賞がドイツにやってくる。ストックホルムの選出委員会は、ルーマニア生ま
れの女性作家ヘルタ ミュラーを、今年の受賞者に選び、独裁政治の下での生活を
迫真力をもって描き出した彼女を賞賛した。56歳の彼女のもっとも有名な作品
は、「キツネはその時はもう狩人だった」「心の獣」がある。彼女の作品は既にい
くつもの賞を受けているが、今まで一般大衆にはそれほど広くは認知されていなか
った。ドイツ言語および詩作学会は、この決定を喜んでいる。連邦大統領ホルスト
 ケーラーは、ミュラーにお祝いの言葉を述べた。彼女自身は、驚いていると述
べ、まだこの決定が信じられない、と述べた。

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カブールで襲撃事件 犠牲者多数

(カブール)アフガニスタンの首都カブールの中心部で、インド大
使館を狙った自殺攻撃が行なわれた。当局の発表によれば、少なく
とも17人が死亡し、89人近くが負傷した。急進派イスラーム教徒
のタリバーンが、犯行を行なったことを認めた。大統領カルザイ、
国連、パキスタン、米国大使が、この攻撃は下劣である、と非難し
た。1年少し前に、インド大使館前では大きな自殺攻撃が行なわ
れ、60人以上が死亡していた。

近東和平交渉を早期に行なうことに反対する声

(エルサレム)米国が近東和平交渉を早期に再開するよう努力して
いるが、これが抵抗を受けている。米国特使ミッチェルとのエルサ
レムでの会談を前に、イスラエル外相リーベルマンは、パレスチナ
人との包括的な和平計画がまとまるとは思っていない、と述べた。
今後数年のうちにこのような協定が成立すると期待する者は、現実
を理解していない、と彼は述べた。ミッチェルは任務につくにあた
って、大統領ペレスと会談を行なった。金曜日には、首相ネタニヤ
フおよびパレスチナ大統領アッバスとの会談も予定されている。

ポーランドはEU改革条約に署名

(ワルシャワ)アイルランドがEU改革条約に賛成したことを受
け、ポーランド大統領カチンスキは、土曜日にこの条約に署名する
方針である。ワルシャワの大統領府の発表によれば、EU委員会議
長バローゾとヨーロッパ議会議長ブゼクが、この署名式に出席す
る、と発表した。ポーランドが批准した後は、EU加盟27カ国の改
革条約が発効するためには、あとEUに批判的なチェコ大統領クラ
ウスの署名が必要となる。EU評議会議長を務めるスウェーデンの
発表では、クラウスは署名する前に、EU人権憲章を指摘して、こ
の条約に注釈をつけるよう求めている。




10月9日(金)

オバマはノーベル賞は自分に新たな行動を促すものと見る

(ワシントン)米国大統領バラック オバマは、自分に与えられたノーベル平和賞
は、行動を起こすようにとの呼びかけである、と評価した。彼は、この受賞は自分
がなしとげたことに対する確認ではなく、自分に対する新たな挑戦である、とワシ
ントンで述べた。正直に言えば、さまざまなことをなしとげ、あるいは自分が模範
とすべきノーベル賞受賞者の列に加わるほどの業績を、自分は上げていない、とも
語った。国際外交と各国国民の間の協力に関するオバマの活動は、今年のノーベル
平和賞で賞賛されるべきものである、と担当する委員会がオスロで発表した。また
同委員会は、オバマの理想とする核兵器のない世界という未来像を高く評価した。
オバマに対する同賞の授与は、西側諸国を中心に賛意を集めている。アラブ世界か
らも、肯定的な反応が出ている。ただしオバマの受賞はあまりに早すぎる、との声
もある。

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ケーラーは旧東ドイツに対する平和的抵抗を高く評価

(ライプツィッヒ)連邦大統領ケーラーは、社会主義統一党体制に
対して、初めて大規模な抗議活動が行なわれた20周年の日に、さ
らに積極的に民主主義に関与するようにドイツ人に呼びかけた。
1989年10月9日は、一つの社会が、日々得ようと努力すれば、極
めて多くの自由、構成、民主主義を獲得できることを示す日であ
る、とケーラーはライプツィヒのゲヴァントハオスで開かれた式典
で述べた。改革を批判することではなく、改革を始めることが、
1989年秋の遺産である、と旧東ドイツでの平和的な革命を想起し
てケーラーは述べた。10月9日には、国民に対して東ドイツ首脳部
が押しつけていた制約に抗議して、ライプツィッヒでは約7万人が
デモを行なった。これがきっかけとなり、大規模抗議が始まり、
1カ月後にはベルリンの壁の崩壊を生んだ。

ラフォンテーヌは左翼党会派長の椅子を断念

(ベルリン)左翼党党首ラフォンテーヌは、同党の連邦議会会派長
の候補者にふたたびなることを断念した。彼は今後党首としての職
務に専念する、と66歳の彼は発表した。また彼は、連邦議会議員
を辞めることはない。彼は今後はザールラント州では活動しないの
ではないか、との噂は全くの作り話しである、とも述べた。8月末
の同州議会選挙で左翼党は、ラフォンテーヌを筆頭候補として、投
票の21%強を獲得し、旧西ドイツ地域で初めて州政権に参加する機
会を得た。社会民主党、左翼党、緑の党の政権連合がザールラント
州で成立すれば、全国で始めてこの形の連立政権が誕生することに
なる。一方左翼党の連邦議会会派は、ブランデンブルク州のライン
スベルクで、人事を決める会議を行ない、ギーズィを会派長に選ん
だ。

オーペル社売却の財政支援をめぐる対立は続く

(ベルリン)自動車製造のヨーロッパ オーペル社を救済する巨額
の資金で、ドイツはますます孤立を深めている。ベルリンでの会談
の後、同社の工場を持つEUの国々のどれも、今までのところ45億
オイロの信用供与と保証契約には参加する用意がない、ということ
が明らかになった。オーストリア・カナダの部品会社マグナ社と今
までオーペル社の親会社であったジェネラル モーターズ社は、火
曜日に契約に署名する予定であったが、スペインはこれを延期する
ように求めた。スペイン政府はサラゴサ近郊にある同社フィグエル
エラス工場を維持する長期的な保証を求めている。英国も、オーペ
ル社の立て直し計画を改善するように主張している。ベルリンでの
会議には、ドイツ、英国、ベルギー、オーストリア、ハンガリー、
ポーランドの他、EU委員会も参加している。




10月10日(土)

ポーランドはEU改革条約を批准

(ワルシャワ)ポーランドはEU加盟国として最後から2番目に、EU改革に関する
リスボン条約を批准した。この条約は27カ国からなるEUが、より行動力を持ち、
より民主的になるためのものである。EUの幹部が出席する中、大統領レヒ カチ
ンスキワルシャワでこの条約に署名した。彼は、アイルランドの国民投票がリスボ
ン条約を生き返らせた、と強調した。カチンスキは署名をするかどうかは、アイル
ランド人の決定しだいである、と述べた。これによりEU改革は、最後の関門チェ
コを突破しなければならない。EUに懐疑的な大統領ヴァーツラフ クラウスは、
年末までにこの条約が発効するようにするかどうか、意見を述べていない。

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EUはトルコとアルメニアの関係回復を賞賛

(チューリヒ)EUはトルコとアルメニアが歩み寄り、長年にわた
って敵対していた隣国同市が外交的に氷の時代を終えたことを歓迎
した。主席外交官ソラナは、両国が関係正常化条約に合意したこと
で、EUとの関係を改善すると両国に約束した。ソラナは米国とロ
シアの外相と共に、この土曜日にチューリヒで行なう予定であった
条約署名式に出席した。この署名式は、アルメニアがトルコの態度
声明に対して異議を唱えたため、数時間遅れた。国境の解放と外国
関係の再開が予定されている。数十年に渡り、オスマン帝国時代の
アルメニア人虐殺をめぐる対立で、両国関係は阻害されていた。

減税の余地は小さいとの報道

(ベルリン)次期連立政権を組むキリスト教民主、社会同盟と自由
民主党は、国家財政の歳入不足により、減税を行なう余地はあまり
内容である。「シュピーゲル」誌の報道によれば、首相府は減税の
財源として、200億オイロしかない、との見方である。また連邦首
相メルケルは、しばらく前に決定したばかりの負債削減計画を、
2011年にも停止する計画である、としている。自由民主党の財政
の専門家ソルムスは、負債の削減が減税の可能性を大きく制約して
いる、と認めた。教育、研究、家族に対する追加資金も出す余地も
小さい、と彼は「フランクフルト一般新聞」日曜版に述べた。

左翼党会派は社会民主党とはっきり一線を画す

(ポツダム)左翼党は、連邦議会では社会民主党と、はっきり一線
を画す方針である。社会民主党の後を負う理由はない、と会派長ギ
ーズィーはブランデンブルクで行なわれた左翼党会派の非公開会議
を終えるにあたって述べた。同会派は全会一致で10項目の計画を
今後数ヶ月の作業の基盤として採択した。この計画では中心的な問
題では、社会民主党と対決する方針が引き続きとられることになっ
ている。この計画には国防軍のアフガニスタンからの即時撤退、労
働市場改革ハルツIV法の廃止、67歳からの年金受給開始の撤回が
含まれている。




10月11日(日)

ザールラント州緑の党は賛成多数で政権参加

(ザールルイ)ザールラント州では全国で初めて、緑の党、キリスト教民主同盟、
自由民主党による連立政権実現に向かって歩みを進める。緑の党はザールルイで州
党大会を行ない、賛成多数でキリスト教民主同盟と自由民主党との連立交渉を行な
うことに賛成し、計算上は可能であった社会民主党および左翼党との連立を拒否し
た。ザールラント州緑の党は、左翼党党首オスカル ラフォンテーヌが、この3党
で連立した場合に持つ影響力を、キリスト教民主同盟および自由党との連立よりも
恐れている。同州緑の党党首フーバート ウルリヒは、この決定を下した理由とし
て、ラフォンテーヌと左翼党に信頼を持てない、という点も挙げた。キリスト教民
主同盟、自由民主党、緑の党との連立すれば、緑の党の主張を実施に移す機会が得
られ、それが意向を打診する話し合いの中で明らかになる、ともウルリヒは述べ
た。
これに対し社会民主党と左翼党から厳しい批判が出ている。ラフォンテーヌは、有
権者に対する裏切りである、と述べた。同州社会民主党党首ハイコ マースは、こ
の連立は、有権者の支持の割合に反する協定である、と語った。

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アフガニスタン特使は批判を退ける

(カブール)アフガニスタンの大統領選挙から2カ月たち、国連も
今では選挙に広い範囲で不正があった、と発表した。国連特使エイ
デはカブールで、「重要」かつ「多様な」不正があった、と述べ
た。現在進行中の集計にやり直しに影響を与えないよう、詳細につ
いては述べようとしなかった。不正の証拠を追及する努力が全く不
十分で、欺瞞を過小評価している、との非難の声を、エイデは退け
た。この間に解任された米国の副特使ガルブレイスのこの批判は、
「選挙の全ての過程を損なうものだった」とノルウェー人であるエ
イデは記者会見で述べた。

トルコはアルメニアに新たな条件を突きつける

(アンカラ、チューリヒ)国交正常化に関する協定に署名してから
1日、トルコとアルメニアの間では、新たな対立が起きている。国
境を開く計画が実施されるかどうかは、カフカスの飛び地カラバッ
ハ山をめぐる対立の進展状況による、とトルコ首相エルドアンはア
ンカラで述べた。アゼルバイジャンの内部にあるこの地域に、アル
メニア軍が駐留するかぎり、トルコは国境開放に向けて、積極的な
一歩を取ることはできない、と述べた。またカラバッハ山から撤退
すれば、トルコ議会がこの協定を承認するのをより容易にする、と
も語った。意見の違いが残っているにもかかわらず、長年にわたっ
て敵対していた両国が、土曜日にチューリヒで合意した対応は国際
的に歓迎された。国境解放の他、外交関係再開に向けて努力が行な
われる。

パキスタンでは多くの犠牲者を出して人質救出

(イスラマバード)パキスタンではイスラーム教と急進派が、軍の
本部を攻撃し、政府との対立をいっそう先鋭化している。22時間
たってようやく、精鋭部隊が軍の駐屯地ラワルピンディの情勢を掌
握することに成功した。軍広報は、少なくとも39人が反乱勢力タ
リバーンと見られるものの手から解放された、と発表した。この攻
撃と引き続き行なわれた人質救出では、約20人が死亡した。犠牲
者の中には人質と兵士数人が含まれている。米国外相クリントンは
ロンドンで、急進派は国家の威信をますます脅かしているが、パキ
スタンの核兵器は安全な状態にある、と述べた。




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