11月23日〜29日のオーストリアのニュース



11月23日(月)

     国外ニュース

英国のイラク派兵に対する公聴会が始まる

イラク戦争に参加した英国兵士に対する公聴会が、火曜日にロンド
ンで始まる。軍人、外交官、公務員高官、政府代表の公聴会は、数
ヶ月の予定で行なわれ、中立の委員会が英国政府の2001年から
2009年までの意志決定の過程に調査を入れることになっている。
元首相トニー ブレアは、元国連事務総長コフィ アナン、当時国
連の主席武器査察官であったハンス ブリックスも質問を受ける。
委員会の最終報告書は、早ければ2010年末には提出される。英国
のイラン派兵には、時期によっては4万5千人が参加しており、7月
に正式に終了した。

     国内ニュース

年金の増額が閣議で議論

火曜日の閣議は、来年の年金の引き上げについて取り上げる。政府
の会議が開かれる直前に、高齢者代表は連邦首相ウェルナー ファ
イマン(社会民主党)、副首相ヨーセフ プレル(国民党)、社会
民主党ルードルフ フンツトルファー(社会民主党)と交渉のため
に集まった。事前に開かれた非公式の会談で、解決を求め既に話し
合いが行なわれていた。年金委員会は2008年8月から2009年7月
の間、1.5%の引き上げを勧告した。年金受給者は2009年分とし
て、前年11月の時点から3.4%の引き上げを求めている。




11月24日(火)

     国外ニュース

国連「近東に危険な空白が生じる」

国連は、近東をめぐる政治で前進が生まれないのは、この地域にと
って大いなる危機である、と見ている。暴力と急進主義がこの空白
を埋める可能性を懸念している、と国連の高位の専門家が昨日ニュ
ー ヨークの国連安全保障理事会で述べた。「今後の予定も、イス
ラエルとパレスチナ人の間での交渉について合意点もないという事
実が、この空白の危険性を明白に示している」と国連政治問題下級
事務長代理ハイレ メンケリオスは述べた。パレスチナ大統領マハ
ムード アッバスが、大統領選挙に再出馬しない、と発表したがこ
れは「危険を呼び覚ますもの」であり、努力が続けられていた2カ
国並立による解決にとって大きな危険である、と述べた。

     国内ニュース

ヴェスターヴェレがウィーンを公式訪問

ドイツの新外務大臣グイド ヴェスターヴェレは、水曜日からオー
ストリア公式訪問を開始する。自由民主党の政治家で、アンゲラ 
メルケルを首相とする新連立政権の副首相を兼務する彼は、オース
トリア外務大臣ミヒャエル シュピンデレガー(国民党)と、実務
的な会談を行ない、連邦大統領ハインツ フィッシャーの出迎えを
受け、応急で短時間ながら意見交換を行なった。この2つの会談の
議題の中心には、両国関係の他、ヨーロッパおよび国際的な行動計
画に関する現時点での問題が取り上げられた、とドイツ外務省は発
表した。




11月25日(水)

     国外ニュース

チャヴェスとアフマディネジャドは「戦略的協力者」

ヴェネズエラ大統領フーゴ チャヴェスとイラン大統領マハムード
 アフマディネジャドは、団結を示すことで、「戦略的な協力」関
係にある、と強調した。チャヴェスはアフマディネジャドをカラカ
スに出迎え、「友人にして兄弟」「反帝国主義の戦いの闘士」と呼
んだ。アフマディネジャドは返礼として、チャヴェスが中南米で果
たしている「すばらしい」役割を評価した。左翼的なチャヴェスも
極端に保守的なアフマディネジャドも、両国の相互関係を拡大する
断固たる決意を示した。チャヴェスは、4度目のヴェネズエラ訪問
となるアフマディネジャドを、軍隊式の栄誉を示して大統領府ミラ
フローレスに迎え入れた。両国政府は、米国およびイスラエルをも
っとも厳しく批判している国の一つである。

     国内ニュース

調査委員会は対立のまま終了

スパイ問題を取り扱う調査委員会は、12月に終了する。国会議員を
出す5つの会派の代表は、昨日共通の対処法に合意することができ
なかった。野党は閣僚の委員会出生くぉ求めたが、与党はこれをあ
いかわらず拒否している。自由党、緑の党、未来同盟は一致して、
これは「挑発」であると述べ、自営を行なう、と威嚇した。野党は
次の3月まで、3分の2の賛成が必要な採決全てに反対する方針であ
る。一方社会民主党連邦執行部長ギュンター クロイターは、この
調査委員会に閣僚が出席することを認める方針だが、時期や例外に
ついては言及しなかった。




11月26日(木)

     国外ニュース

ドイツのアフガニスタン問題でユングは辞任を拒否

アフガニスタンの空爆問題で批判意さらされているドイツの労働大
臣フランツ ヨーゼフ ユング(キリスト教民主同盟)は、辞任を
拒否した。以前国防大臣を務めていた彼は木曜日にベルリンの連邦
議会で、自分の考えでは、この事件について国会に常に精確な情報
を示していた、と述べた。彼は発表されたばかりの憲兵の報告書
で、この件について知ったが、その内容については知らなかった、
この報告書はNATOが行なう調査のためにに対し、NATOに伝えら
れたものである、と語った。

     国内ニュース

公務員の選挙FCGが絶対多数を獲得

公務員は、難航している政府との交渉で、オーストリア公勤務労働
組合議長フリッツ ノイゲバオアーの支持を強めた。彼のキリスト
教労働組合FCGが、同同盟の人事代表選挙で約56%の票を集め、絶
対多数を獲得した、とテレヴィが報道した。票を減らしたのは社会
民主主義労働組合FSGで、わずか29%ほどしか集められたなかっ
た。自由党のAUFは5年前の敗北から回復し、緑の党と左派党に代
表を送りこむ独立労働組合は同程度の得票であった。最終結果はま
だ発表されていない。報道によれば、FSGが義務教育関連で10%減
らしたのに対し、FCGは9%増やした。




11月26日(金)

     国外ニュース

85カ国を越える首脳が気候首脳会談に参加

コペンハーゲンで世界気候首脳会談が始まるまで1週間と少しとな
ったが、この間に85カ国を越える首脳がこの会議に参加すること
を約束した。「逆行の流れは、今までにほとんど前向きとなった」
とデンマーク首相ルッケ ラスムセンは昨日、カリブ海の島国トリ
ニダード トバゴで開かれたイギリス連邦諸国首脳会談で述べた。
ドイツ首相アンゲラ メルケル(キリスト教民主同盟)とオースト
リア首相ウェルナー ファイマン(社会民主党)も参加する計画で
ある。

     国内ニュース

公務員の賃金引き上げでは合意が成立せず

金曜日に公務員の賃金引き上げをめぐり、政府と公勤務労働組合
は、5回目の交渉を行なったが、成果をあげることなく終了した。
政府側は提案を0.5%から0.7%へと賃上げ率を引き上げたが、労働
組合はあいかわらず、それでは少なすぎるとし、交渉の席を離れ
た。労働組合会長フリッツ ノイゲバオアーは、物価上昇の補填
と、購買力を増すために追加の上積みをするよう求めている。




11月28日(土)

     国外ニュース

スイスではイスラーム教寺院の塔の建設禁止をめぐり投票

スイス人は日曜日、イスラーム教寺院の塔(ミナレット)の建設禁
止をめぐる投票を行なう。民族主義・保守的なスイス国民党の1つ
の組織が、投票を行なうように求めた。今までは目立たなかった寺
院にこのような塔を建設する申請が、さらに提出されたことを受け
ている。スイスには約40万人のイスラーム教徒が暮らしており、
現在4つのイスラーム寺院が塔を持っている。これを受け入れると
アラブ世界との関係の悪化や、場合によってはテロ攻撃の可能性を
懸念して、政府はこの提案に強く反対している。その他、宗教上も
寛容なスイスとの印象に反する、とのことである。世論調査によれ
ば、過半数の人がこの建設禁止に反対している。

     国内ニュース

オーバー・エスターライヒ州社民党はアッカールを党首に選ぶ

ヨーセフ アッカールは土曜日、ウェルスで開かれた特別党大会
で、オーバーエスターライヒ州社会民主党の党首に選ばれた。
93.6%が賛成した。彼はエーリヒ ハイダーが9月27日の州議会選
挙で敗北して、辞任したことを受けて、執行部議長として同党を率
いていた。彼の代理の9人の中には、彼よりも高い支持を受けた労
働会議議長でオーストリア労働組合連合の同州会長ヨハン カリア
オアーも含まれている。連邦首相ウェルナー ファイマンは、この
党大会の冒頭で、党内に団結を呼びかけ、改革の努力を全面的に支
持するように呼びかけた。




11月29日(日)

     国外ニュース

ナチ戦犯容疑者デムヤンユクの裁判

最後まで残ったナチ戦争犯罪裁判の一つが今日ミュンヒェンで始ま
る。89歳のジョン デムヤンユクが、1943年に絶滅収容所ソビボ
ルで、27,900人のユダヤ人の殺害を幇助した件で、責任を問われ
る。原告の立証手段は、1393という番号の入ったナチ親衛隊の任
務証明書である。弁護士はこの証明書の真贋に疑惑を抱いている。
デムヤンユク自身は、この容疑に沈黙を通している。ウクライナ生
まれの彼は、米国から5月に追放され、ミュンヒェンのシュタッデ
ルハイム拘留所の病棟で、未決勾留されている。10月にはカール
スルーエの連邦憲法裁判所が、デムヤンユクから出されていた憲法
異議の訴えを退け、これにより今回の裁判の障害が取り除かれた。
医師たちは、健康面に不安のあるデムヤンユクに対して、1日あた
り90分2回を越える尋問は許可していない。

     国内ニュース

次回の公務員賃上げ交渉を前に熱い意見

労働組合からの雑音が強まるなか、公務員の賃金引き上げ交渉は月
曜日も続けられる。お昼には公勤務労働組合の幹部が、政府の交渉
役である公務員大臣ガブリエレ ハイニッシュ ホーセク(社会民
主党)および大蔵省政務次官ラインホールト ローパトカ(国民
党)と早くも6度目の交渉を行なう。これより前に労組は午前の幹
部の会議で、今後の措置を協議する。この際には労働組合の闘争戦
術に向けて事前の決定を話し合うことになっている。労組会長フリ
ッツ ノイゲバオアーは、この前までこれを行なうことはない、と
述べていた。




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