４月１９日〜２５日のオーストリアのニュース
４月１９日（月）
国外ニュース
ボリビアは「もう一つの世界気候会議」を招集
ボリビアは、コペンハーゲンの気候首脳会談が怠慢であったことに
注目を集めようと、今日「もう一つの気候会議」を招集する。コチ
ャバンバ高原での「諸国民の世界会議」には、1万5千人の研究者、
政治家、労働組合員、地元の代表が、3日間にわたり、気候変動を
押え込むために、独自の提案を協議する。ボリビア大統領エーボ
モラレスの招待に対し、中南米の首脳数人が出席を約束した。さら
に米国航空宇宙局の気候の専門家ジェイムズ ハンセン、女性作家
ナオミ クライン、フランスの農業の指導者ジョゼ ボヴェらが、
環境保護の中心的人物として、世界の注目を集め、「声をあげない
人たち」に一つの方向性を示すことになっている。
国内ニュース
政府は新たな財政の枠組みを決定
火曜日に閣議は2014年までの財政の枠組みを決定する。予算の赤
字を生産するために、新たな税金が必要になることは既に発表れて
いる。何に課税するかについて、連立与党同士の対立が続いてい
る。社会民主党は財産税を主張しているのに対し、国民党はガソリ
ンおよび燃料に対する税金を増税する方針である。ただしこの対立
はどうでもいいようなものである。赤字を最小限に留めるために、
政府は2014年までに41億オイロの増税を必要としており、そのた
めに両党の案は全く不十分である。
４月２０日（火）
国外ニュース
ソマリアの海賊が「印象をよくする宣伝」計画
ソマリアの海賊は、自分たちの悪い評判を懸念しているようであ
る。彼らは印象をよくする宣伝を計画している。自分たちはテロリ
ストや犯罪者の集まりと描かれているがそれは間違いであり、「我
々は正当性を代表している」とアラブ系の新聞「アル・シャルク
アル・アウサット」との電話インタヴューである海賊は述べた。貿
易船の襲撃や身代金の要求を行なっているのは、西側のゴミのよう
なマフィアである、とも述べた。この間に海賊は常に新たな海域に
進出し、ソマリアから数百海里離れたところで活動している。
国内ニュース
連邦大統領選挙 第1回選挙票の配布期限がまもなく終了
日曜日の連邦大統領選挙の選挙票を必要とする人は、急がなければ
ならない。文書による請求の期限は、今日終了する。その後選挙票
は、金曜日12時までに、自ら市町村役場あるいはウィーンでは区
の役場で受け取ることができる。郵送による投票を行ないたい有権
者や、日曜日に「住んでいない場所」の投票所で投票を行ないたい
有権者は、この選挙票が必要である。郵送による投票は既に始まっ
ている。
４月２１日（水）
国外ニュース
ベルギー国会はブルカ禁止を採決
ベルギー議会は今日、ブルカの着用禁止を強化した法律を採決する
方針である。この措置が実施されれば、ヨーロッパでは初めて、イ
スラーム教徒女性が公共の場所で全身を覆うことが禁止されること
になる。この禁止は顔の全体、あるいはほぼ全体を隠す覆いにも適
用される。またこの規則は路上、公園、食堂や商店などの公共の建
物でも適用される。この法律の支持者は、女性の尊厳と公共の安全
が守られると指摘しているが、イスラーム教徒の代表は、この禁止
により自由が制約される、と見ている。オランダ系住民とフランス
系住民の間で再燃している対立により生じている政権内部の危機
は、ブルカ禁止法でも最後の時点でも成立の障害となる可能性があ
る。
国内ニュース
国民評議会は予算の枠組みについての議論を開始
今後数年の予算の枠組みをめぐって、木曜日に国会で議論が行なわ
れる。火曜日の格技で可決された予算案は、第一読会で時間をかけ
て議論され、その後に担当する予算委員会で更なる協議が行なわ
れ、5月に総会で可決される予定である。未来同盟は昨日午後、大
蔵大臣ヨーセフ プレル（国民党）に対して緊急質問を行なった
が、プレルも社会民主党も支出削減策の詳細については、発表を差
し控えた。ただし大規模な支出削減が含まれていると見られる。一
方国家の負債は記録的な金額である。会計検査院によれば、
2009年の国家の負債は初めて2千億オイロに上った。
４月２２日（木）
国外ニュース
G20蔵相会談は銀行に対する課税を協議
国際通貨基金と世界銀行の春の会合を前に、明日始まるG20大蔵大
臣会談の主要議題は、銀行の危機と巨額の救済策の影響となる。主
要工業国と中進国の蔵相と発券銀行総裁はこの会議で、金融市場向
けにより厳しい規則を設定し、どのようにすれば銀行業界が今後生
じかねない危機の経費を負担できるのかを協議する方針である。ド
イツはこの問題で、ドイツ政府が既に主要方針として決定してい
る、銀行に対する課税を行なうよう求めている。国際通貨基金もこ
の課税には賛成している。
国内ニュース
シュタットラーは司法に引き渡される
未来同盟の国会議員エーワルト シュタットラーは、木曜午後に、
国民議会から司法の手に域渡された。彼には、自由党党首ハインツ
・クリスティアン シュトラーヒェの若いときに、国防スポーツ訓
練と見られるものに参加した時の写真の公表に関して、重大な脅迫
を行なったとの容疑が持たれている。シュタットラーは、この疑惑
を否定し、シュトラーヒェ自身がこの写真を報道機関にさらしたの
だ、と述べた。シュタットラーは、シュトラーヒェがこの公判で容
疑者であることが明らかになると信じている、とも述べ、自ら公判
では弁護を行ない、証人シュトラーヒェにも質問をする、と期待感
を込めて語った。
４月２３日（金）
国外ニュース
タイの暴動を受け旅行に警告
タイで起きた暴動のため、同国にとって極めて重要な観光業に対す
る影響が拡大した。死者少なくとも1名、約80人の負傷者を出した
榴弾の爆発事件が起きたことを受け、ヨーロッパの中には昨日タイ
の首都に対する緊急でない旅行を中止するよう勧告する国がでた。
国連は暴力の後肢を病めるように呼びかけたが、バンコク中心部で
は、政権支持派の「黄シャツ団」が集まっている。反政府勢力はこ
の間、首相アビシット ウェチャチワの即時退陣要求を発表した。
国内ニュース
プーチンはウィーンでフィッシャーおよびファイマンと会談
ロシア首相ウラジミール プーチンは、土曜日にウィーン入りす
る。彼の訪問は、柔道のヨーロッパ選手権開催がきっかけである。
プーチンは黒帯保持者で、ヨーロッパ柔道連盟の名誉会長である。
土曜午後には連邦大統領ハインツ フィッシャーと連邦首相ウェル
ナー ファイマン（社会民主党）との会談が予定されている。さら
に予定では、ロシアとオーストリアのガス輸送管「南路線」に関す
る協定に、署名が行なわれることになっている。ロシア政府が長年
にわたって取り組んできたこの事業は、建設計画の一部がオースト
リアで行なわれるので、法的な枠組みが問題となっている。
４月２４日（土）
国外ニュース
ハンガリー国会議員選挙では保守党が3分の2を占める可能性
ハンガリーの国会議員選挙の第2回投票では、右派保守派のフィデ
ス党が、選挙での勝利を3分の2の議席へと拡大する可能性が高ま
っている。フィデス党は2週間前の第1回投票で53%の票を獲得し
ていた。8年前から政権の座にある社会党は、わずか19%強の得票
であった。右翼急進派の「よりよいハンガリーのための運動」は、
17%近くの票を集め、初めて国会議員を出す。フィデス党が3分の
2の議席を得れば、憲法修正が可能となる。ハンガリーの選挙制度
では、第2回投票では、第1回投票で絶対多数に達しなかった選挙
区で、投票が行なわれる。
国内ニュース
イラン外相モッタキがウィーンを訪問
イラン外務大臣マヌーチェフル モッタキが、日曜日にウィーンを
訪れる。外務大臣ミヒャエル シュピンデレガー（国民党）と、国
際原発機構総裁である天野之弥との会談では、イランの核計画をめ
ぐる対立が中心議題となる。シュピンデレガーの事務所の発表によ
れば、現在国連安全保障理事会で議席を持つオーストリアの外相と
の面会は、イランの要請によるもので、対話を続けることを望んで
おり、EU加盟各国とも話し合いを行なった、とのことである。今
回の会談に対しては、米国外交筋だけでなく、イスラエル信徒共同
体、ノーベル文学賞受賞者エルフリーデ イエリネク、「爆弾を止
めろ」同盟からも批判が出ている。モッタキ之訪問に対して、抗議
活動も計画されている。
４月２５日（日）
国外ニュース
スーダンで交戦 死者50人を越える
スーダンで激しい戦闘が行なわれ、50人以上が死亡した模様であ
る。犠牲者の中には、アラブ系の遊牧民が含まれており、彼らは
「スーダン人民解放運動」の戦闘員との交戦で死亡した、とスーダ
ン大統領顧問アブドゥッラー マサルが昨日発表した。マサルはこ
の戦闘に巻き込まれた遊牧民の一族に属している。「スーダン人民
解放運動」は今のところ態度を発表していない。かつての反乱勢力
であるこの組織は、主としてキリスト教徒が住むスーダン南部を支
配しており、21年間にわたる内戦の後2005年に、首都ハルツーム
のイスラーム教徒の政権と、和平協定を結んだ。来年にはスーダン
南部の独立に関する住民投票が予定されている。
国内ニュース
政府は脱税により厳しく対処する方針
脱税者には今後、法律を完全に適用されることになる。大蔵大臣ヨ
ーセフ プレル（国民党）は、「社会的詐欺師」に、手ぬるい措置
を取るのを止める方針である。経済雑誌「潮流」によれば、より厳
しい罰則を含み、今までは脱税した際には可能であった修正申告と
いう逃げ道をなくすという内容の、厳しい法律の新たな案ができて
いる。ただし計画されていた規則の詳細について、プレルは何も語
ろうとはしなかったが、納税者を今までより厳しく調査することに
する、と主張した。